粋が残る町・神楽坂

2012/05/30 - 2012/09/17

現在地横浜市へ移る以前は、東京四谷と市ヶ谷に住んで、神楽坂は行きつけの町だった。
市ヶ谷田町から、出版社や印刷会社などの多い街筋を経て日仏会館や理科大などもある文教の町でもある、そんな街筋を抜けると神楽坂上の毘沙門天善国寺の脇に出る。
この神楽坂は、かなり以前から、車の通行が午前午後で上り下りのいずれかの一方通行になる。午前中は上から下へ飯田橋駅方面への一方通行で、午後は飯田橋の交差点から坂上へ向かってbの一方通行だ。
何故そうなったか、次のような伝説がある。「田中角栄首相が、目白の自宅から、永田町へ通うのに便宜を図って、出勤退勤の便宜上そうしたとか」まあ、罪のない戯れ話だが。

さて、広い交差点を渡って新潮社の方へは行かず。
未だ老舗が並ぶ坂を下り、谷間のような見付けの交差点へ、JRの飯田橋駅側外堀の縁にある。嘗てのボート小屋今は洒落たカフェになって居る。そのカフェの２階で一服のコーヒーで息を着く。窓から交差点を行き交う様々な人の流れを見下ろして想像する。これは現在の状態。


嘗ては、昼時ともなれば、神楽坂の坂の半ばにある老舗の中華料理店へ、灯ともす頃となれば、横丁へ入って老舗の飲み屋「伊勢藤」へ、格子戸を開けて入ると、右手に小上がりが衝立で仕切られたテーブル。土間にはテーブル席が幾つか、奥の厨房前に炉を切った台座が有って、老女将が頑張って居た。
客は放歌高吟は固く禁じられ、声高に喋るのもたしなめられた。「酒は静かに飲むべかりける」とばかりに実践している。
この辺の呼吸を知らずに、若い学生さんなんかが、コンパ崩れで傾れこんだりすれば、即、お断りか、「お静かに」の一言でしゅんとなる。

大久保通りへ出る本多通りを少し降りた右手の横丁芸者通りを入ると、少し段差のある道の端に、夏目漱石の孫に当たるか、以前、九段坂で営業しており、その後広尾へ移り、消えたと思ったら、今度は粋筋の神楽坂でレストランを開いて数年になる。店名は「夏目」フレンチ料理はお勧めでもある。

エリア 神楽坂・飯田橋(東京)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.0
• グルメ: 4.5
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 私鉄 徒歩

夕やみ迫る神楽坂。

漫ろ気をそそる赤提灯などが目に入る。

毘沙門天。

毘沙門天。

帰りそびれたお父さんを待つ姥車か？

裏通り。

坂の途中の喫茶店内部。

路地を入った伊勢藤の店。
昼間は人気も無い。

表通りから裏通りへの路地。