2012/02/26 - 2012/02/26
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木枯らし紋次郎さん
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子供のころ、図鑑かなにかだったのだろうか、
そこである奇怪な写真を見た。
絶海の孤島(のように見えた)の中に浮かぶ小さな島。
その島には近代的なビルがひしめくように林立しており、建物の重さで島が沈んでしまいそうだった。まるで未来世界の物語の一場面を見ているかのような気持ちになったものだ。子供心にしてみれば、とても現実に存在する島とは想像もつかなかったのだろう。ただ、当時はまだ炭鉱は稼働し、日常的な人々の営みがあったはずだ。
そして未来の世界。
つまり現代のことだ。
子供心のどこかに焼き付き、そしてしまっておいたあの写真。
やっと本物と対面できたとき、そこは人の住まぬ廃墟と化していた。
日本の近代化を支え、高度成長の終わりとともに忘れ去られていた島。
その島が、観光スポットとして新たな脚光を浴びつつあることに、私は深い感慨を抱かざるを得ない。
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 4.5
- 交通
- 4.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 船
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
左手の建物は小学校跡地。
右側の何もないところはグラウンド跡らしい。
もちろん今では子供の影はない。
写真を拡大すると、鳥が一羽、子供の代わりに自由に飛び回っているかのようだ。 -
船着場の近く。
ここは周囲を防波堤で囲まれていないため、少しでも波が高ければ船が大きく揺れ上陸は不可能になる。
上陸ツアーに出かけたものの、上陸できない日が発生するのはそのためだ。 -
鉄骨のみが残る体育館。
まるで爆撃を受けた建物のようだ。
人の手が加わらなければ、
いかに頑健な建造物といえども、
やがては自然に還るのだろう。
奥の建物は鉱員住宅。 -
祠のみが残っているのは端島神社。
危険と隣り合わせの鉱員たちにとって、
神社は心のよりどころであった。 -
端島神社の隣に見える建物は端島小中学校。
-
高台にある巨大な貯水槽。
左下から錆びた水道管が延びている。 -
第二竪穴口桟橋跡。
主力抗であった第二立坑へ行くために設けられた桟橋への昇降階段部分がかろうじて残っている。 -
レンガ造りの建物は、鉱山の中枢であった総合事務所跡。
総合事務所の中には、炭鉱マンのためのおおきな共同浴場があったという。 -
廃墟に舞うのはトンビやタカや。
汝はこの廃墟に何を思う。 -
船上から東岸を撮影する。
ここはかつての居住区域だったそうだ。
外海に面しているだけあって、堤防もかなりの高さになっている。 -
散策エリアの南岸にて。
-
かつての炭鉱夫は、いかなる気持ちでこの光景を眺めたことだろう。
一日が無事に終わった端島神社への感謝の気持ちだろうか。
それとも、そんなことは気にかけず、晩酌の盃に気持ちが傾いていただろうか。
この光景を見ると、かつての鉱夫の気持ちすら色褪せて行っているような気がする。諸行無常の鐘はまさにこの端島に鳴っている。 -
船が岸壁から離れようとしている。
いつの日か、また来るぜ! -
人為的にこのコンクリートの建物を破壊したわけではないだろう。
でも、どうしてこのように巨大なコンクリート片が散らばりゆくのだろうか。
私たちの日常は同じようなことをコツコツと行っている。
一見無意味で無価値なような感慨すら抱く。
けれどもこの廃墟を見ていると、人々の日常の営みが、私たちの生活とその環境を支えているのだということを如実に物語っているだろう。 -
潮風の影響もあるのだろうが、人手が加わらなければ、まるで映画の中の廃墟である。かつてここで働いていた人の思いやいかなるや。
-
窓ガラスがあったとき、その中の人々は外の風景を漠然と眺めていただろう。
幾星霜を過ぎた今、それらが自然の猛威の中で吹き飛んでしまった今。それを見て、私はその中に住んでいた人に思いをいたさざるをえない。。
人の世のすれ違い、いやそれ以上の無常観を物語るのが、ガラス窓の無くなったこの窓枠の姿ではないだろうか。 -
まるで古代文明の遺跡のようだが、つい半世紀ほど前には、紛れもなくこの島に人々の日常の暮らしがあった。
-
強風に煽られたゆえだろう。
こちら側の窓ガラスだけではなく、あちら側の窓ガラスも無くなっている様子がなんとなくうかがえる。
台風の日など、ここで一人いるとどんな気持ちになるのだろうか。 -
外海に面する東側部分。
荒海と闘ったコンクリート壁は今もなお己が朽ちたことを知らず、この島を守ろうとしているがごとくであるl -
鉱員住宅が並ぶ。
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船は軍艦島から離れ、西側の居住区を航行する。
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かつての共同住宅跡である。
下部に見えるコンクリートの壁が、荒波から住民を守っていたのだ。 -
白い7階建ての建物は端島小中学校。
手前にはグラウンドがある。
かつてここで学びし人々、母校をいかに眺めるや。 -
かつての戦艦「土佐」にもっとも似ているといわれているアングルで撮影したつもりなのだが、すこし角度がずれてしまった。
けれども形容しがたいこの岩の巨魁、間近で見なければ、その圧倒力は伝わらないだろう。
タイトルの写真に同じ。 -
軍艦島上陸の証。
よい思い出になった。
けれども、軍艦島へ上陸したくても、波高のため断念された方もいれば、そもそも船の予約が取れなかった人もいるだろう。
軍艦島の偉大なる、そして苦難に満ちた歴史を数多くの人に知ってもらうため、今後の観光整備を惜しまず、島内の探索範囲を広げてもらうことを祈るのみである。
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