2014/10/18 - 2014/10/19
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naoさん
岡山市の北西部に位置する足守は、足守藩の陣屋町だった頃の面影を色濃く残す町並みとともに、旧足守藩侍屋敷や近水園(おみずえん)など、歴史的かつ文化的な遺産が残る町として知られています。
慶長6年(1601年)、豊臣秀吉の正室、北政所(ねね)の兄にあたる木下家定が、播磨姫路城主から備中に領地を移され、二万五千石を拝領したのが足守藩の始まりで、寛永14年(1637年)、四代藩主、木下利当の時代に陣屋町の建設に着手し、以後、11代256年に亘ってこの地を治めます。
足守藩家老、杉原家のお屋敷だった旧足守藩侍屋敷は、江戸時代中期の建築と推定され、白壁の長屋門と築地塀に囲まれた主屋は、茅葺き屋根の伝統的な武家書院造りで、ほぼ完全な形で武家屋敷の形態を留める貴重なものだと云われています。
旧足守藩侍屋敷の前の陣屋跡だった辺りには、当時の名残を伝えるものは何も残っていませんが、足守藩主、木下家の庭園で、足守川の水を引き入れた池を中心とした近水園があります。
宮地山の麓に広がるこの庭園は、禅味と茶味が色濃く香る小堀遠州流と呼ばれるもので、藩主の長寿と繁栄を象徴する鶴島と亀島が池に浮かぶ、閑静なたたずまいを見せています。
次に、商家町の町並みに目を移すと、入母屋屋根や切妻屋根の本瓦葺に、漆喰塗り籠めの虫籠窓、千本格子、出格子、ナマコ壁など、重厚で堂々とした町家が軒を連ねています。
そんな町並みにあって、醤油醸造業や肥料商として昭和の初めまで繁栄を続けていた、藤田千年治邸が一般に公開されています。
江戸時代末期に建てられた主屋は、入母屋屋根の本瓦葺に、黒漆喰塗の虫籠窓とナマコ壁が特徴の建物で、明治時代の典型的な商家の様式を今に伝える、貴重なものとなっています。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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足守へやって来ました。
たまたまこの日は「足守メロンまつり」の開催日とのことで、足守川の手前に設けられている臨時駐車場に車を停めさせていただいて、川向うの町並みへ向かいます。 -
足守川を渡って足守の町並みへ足を踏み入れました。
では、町並みの東側から町歩きを始めます。 -
まず、出格子の窓に2階のナマコ壁と云った町家が出迎えてくれました。
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このしつらえが典型的な足守の町家のようです。
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浅黄色の漆喰壁に虫籠窓と、多少変化は見られますが・・・
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出格子のある典型的な町家です。
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本瓦葺きの重厚な町家です。
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この町家は、玄関が2ケ所あるので、2軒のお宅が入っておられるようです。
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こちらの町家は・・・
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2階が出格子の窓になっています。
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1階屋根が晒し葺きになっている町家。
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1階が平葺き、2階を本瓦葺きと、屋根瓦の葺き方を使い分けている町家。
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この町家は、ちょっと判りにくいですが、妻側に小さな付け庇があります。
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中2階建ての町家。
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町並みの中に、こんなバス停があります。
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瓦貼りに黒漆喰塗の土蔵の先に足守の町並みが続いています。
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1階腰壁に下見板張りを使った大きな町家です。
2階の壁を塗り分けています。 -
先ほどの、瓦貼りに黒漆喰塗の土蔵のある町家です。
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2階の屋根は難しい納まりで架けられています。
2階の一部を増築したようには見うけられないので、建築当初からこの屋根だったんでしょうね・・・。 -
西側に連なる足守の町並みです。
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この3軒の町家は・・・
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一言でいえば伝統的なしつらえの町家なんですが・・・
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それぞれの造りには個性が見られます。
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先ほどの、2階の屋根が難しい納まりをした町家を、西側から見たところです。
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東側の町並みを振り返ったところです。
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醤油の醸造販売や肥料の販売などで財を成した藤田千年治家です。
この角を曲がった先にも見応えのある町並みが続いているので、藤田千年治家は後ほど拝見するとして、まずはそちらに行ってみます。 -
足守の典型的なしつらえの町家です。
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こちらの町家は、1階の玄関や出格子に小屋根を架けています。
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こちらの町家は、建物の真ん中で階高を変えています。
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敷地前面にくぐり戸のある塀をしつらえた町家があります。
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土蔵を表に配置し、主屋が奥まっているので、こういうしつらえになるんですね。
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土蔵と主屋が接続しているのが判ります。
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1階屋根が晒し葺きになっている町家。
2階大屋根の棟がずれているのが気にはなりますが・・・。 -
ではこの辺りで引き返して、藤田千年治家を拝見することにします。
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先ほどの建物の真ん中で階高を変えている町家です。
階高が変わると云うことは、階段がある筈なんですが、これはこれで気になります・・・。 -
藤田千年治家へやって来ました。
江戸時代末期に建てられたこの建物は、明治以降に本瓦葺き入母屋造に漆喰塗りと云う、いかにも豪商の建物と云った姿に改築されたそうです。
現在、岡山市がこの建物を借り受け、醤油醸造が盛んだった頃の姿を再現して、一般に公開されています。 -
かつての帳場には、醤油の醸造販売や肥料の販売などをしていた頃の大福帳などが残されています。
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ここで醤油の量り売りをしていたようです。
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醤油を作っていた作業場です。
奥にある梃子の付いている道具が醤油を搾る道具です。 -
梃子を巻きあげる車です。
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中庭を取り囲むように建物が並んでいます。
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奥に見えるのは帳場のあった主屋です。
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建物の雨落ち。
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建物に保存されている看板や道具類。
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左手の建物の中に醤油を搾る道具が置いてあります。
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中庭の柿の木が鈴なりに実をつけています。
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では、藤田千年治家をおいとまして、町歩きを続けます。
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「卯建」と云うほど仰々しいものではないんですが・・・
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2階両妻に袖壁が付けられた町家です。
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全身に伝統様式をまとった町家です。
それにしても、物凄い奥行きのある建物です。 -
この町家の方は植木がお好きなようで、鉢植えがたくさん並べられています。
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こちらは「備中足守まちなみ館」です。
この施設は、元々建っていた町家のたたずまいを活かしながら改修されたもので、現在、観光ボランティアが在中する観光情報センターとしての役割を果たしています。 -
「備中足守まちなみ館」に飾られている、獅子舞の獅子頭。
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獅子舞に頭をかぶられるのは縁起が良いことなんですが、お子ちゃんなんかがこいつにガブリと噛まれようものなら、ひとたまりもなく泣きじゃくってしまいます。
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「備中足守まちなみ館」のお庭です。
瓦を小端立てに重ねて島を表現しているようです。 -
縁取りに小割にした瓦などを並べて、表情をつけています。
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この辺りで町並みが終わるので、ここで引き返します。
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折り返したところから見た東側の町並みです。
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この町家の東端にある・・・
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郵便ポストがウットリ眺めるのは・・・
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1階の腰壁にもナマコ壁を使った、お向かいの大きな町家です。
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先の町家の横に「旧小路」と書いた石標が立っています。
私の大好きな路地の臭いがプンプンしてくるので、もちろん見逃すわけにはいきません。 -
こんな大きな出窓のある建物や・・・
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こんな蔵造の建物の間を抜けて小路は続いています。
ちなみに、これらは「あしもりプラザ」の建物です。 -
この小路は、町家の塀と塀の間に見えている冠木門で裏の通りにつながっているようです。
では、一段と細くなっている小路へ向かいます。 -
両側の塀は、全く異なるしつらえを見せています。
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花崗岩の控柱とは、頑丈そのものですね〜!
では、町並みに戻りましょう。 -
右手に見えるのは、藤田千年治家です。
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黒漆喰塗の土蔵のある町家まで戻って来ました。
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バス停のある町屋です。
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そろそろ町並みはこれくらいにして、足守藩侍屋敷や近水園の方へ向かいます。
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白漆喰塗にナマコ壁の長屋門と築地塀に囲まれた、旧足守藩侍屋敷です。
このお屋敷は、足守藩家老、杉原家の邸宅だったものです。 -
母屋は伝統的な書院造で・・・
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庭に植えられた樹々とともに、四季おりおりに移り変わる趣ある姿を見せてくれます。
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保存状態の良いこの武家屋敷は、当時の武家階級の生活様式を知る上で、とても貴重な存在だと云われています。
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茅葺の母屋と庭の樹々が・・・
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秋の風情をたたえています。
次に、足守藩主木下家が作庭した近水園(おみずえん)へ向かいます。 -
近水園にやって来ました。
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近水園の中核を成す、足守川の水を引き入れた小堀遠州流の池泉回遊式庭園は、今も閑静なたたずまいを見せています。
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池泉に浮かぶ島に架けられた石橋。
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池畔に建つ吟風閣。
この日は「足守メロンまつり」の一環としてお茶席が設けられており、イベントに参加していた新撰組姿の女性が訪れています。 -
飾り気のない数寄屋風の建物が・・・
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緑の多い近水園の景観に溶け込んでいます。
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お茶席の受付に立てられた野点傘。
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では、石橋を渡って近水園を後にします。
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町並みに戻って来たので、そろそろ駐車場へ車を取りに向かいます。
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駐車場への道すがら、町並みの入口にある足守歴史庭園の横にも路地があったので、念のために入ってみます。
するとどうでしょう、予想どおり伝統的な町家がありました。
今回、始めて訪れた足守の町並みは、規模といい中身といい、予想以上に素晴らしい町でした。
では、この旅最後の目的地へ向かいます。
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