2014/12/30 - 2014/12/30
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地酒大好きさん
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世間では年末年始の準備で忙しいようですが、わたしはのんびりと山歩きをしてきました。今年最後の登山です。行ったのは、岐阜県恵那市上矢作町(かみやはぎちょう)にある大船山(ガイドブックでは「おおふなやま」、地元の人は「おおぶねさん」などいろいろな名前で呼ばれます。1159m)です。この山には毎年の年末に恒例のように登っています。理由は雪が少ないからです。
国道363号線を走ります。この国道は名古屋市内から瀬戸市までは比較的交通量が多いのですが、瀬戸市の品野を過ぎるとほとんど通る車がありません。朝が早かったせいで他の車は皆無に近く、すいすいと走れました。天気は晴れるとの予報でしたが、どうも降りそうな暗い天気でした。自宅から1時間半ぐらいで上矢作町の中心部にあるJA恵南支所に着きました。このJA横に登山口があります。JAの建物に入って、駐車場を使用させてもらうようにお願いしました。快く了承していただけました。数台分しかスペースがないのに、申し訳ない気がしましたが、それ以外には駐車する場所がないため好意に甘えさせてもらいました。
9時に出発です。登山口には「熊が出ます」との新しい看板が。驚いてJAの職員に本当にクマが出るのか聞くと、見たこともありませんよと笑って言います。安心してクマよけ鈴もなく歩き始めました。尾根上の登山道を歩くのですが、道沿いにアカマツの巨木の並木が延々と続いています。この道は4km続き、その先には大船神社があります。この神社は奈良時代に開かれた由緒ある神社です。アカマツの並木は1959年に岐阜県指定の天然記念物になっています。しかし木も高齢化しており、かなりの巨木が倒れたり枯れたりして歴史を感じさせます。枯れて危険なため切り倒された木の年輪を数えてみると300年以上たっていることが分かりました。感激していると、突然ガサガサという獣の走る音が聞こえてきました。「クマ!」と一瞬凍りつきましたが、逃げていく後ろ姿からニホンカモシカと分かりほっとしました。30mぐらいの距離をおいて立ち止まって振り返ってじっとしています。その時撮った写真が添付のものです。鳥は混群がいくつか見られ、中にシジュウカラ、エナガ、ヤマガラ、コゲラなどがメンバーで入っていました。カケスもこちらの気配に驚いて近くから「ジャー」という声とともに飛び立ちます。こちらもその声に驚きます。かなり歩くと突然山中に水路が現れます。山の中を暗渠になって流れていた水路が100mぐらいの距離だけ地上に現れるのです。水深3mぐらいでかなりの水量です。どこから来ている水か不明です。100mぐらい地上を流れてからパイプで下界まで一気に流れ落ちて発電用として使われているようです。どこから大量の水か常時来るのかいつも不思議に思う水路です。水路を過ぎてすぐ脇道があり、それを登ると繁みの中に30体ほどの石仏があります。標識もないので、初めての人はこの石仏があることに気づきません。わたしは以前に脇道を探索中に偶然見つけたものです。
登山口から4km歩くと大船神社に到着です。このころから粉雪が舞い始め冷たい風が強く吹き始めました。拝殿の前には絵馬が何枚か掛けてありました。よく見ると外国語のものが多いので驚きました。それらは英語ではないので読めません。そのうちの何枚かの写真を添付しました。意味が分かる方は教えてください。こんな歴史的で日本的な場所で外国語を見るとは時代も変わったのですね。神社の横にはスギの大木があり、御神木になっているようです。「弁慶スギ」という名前がつけられ、樹齢2500年と看板には書いてありました。
ここから最後の登りになります。凍って滑りやすい登山道をさらに30分ぐらい登ると1159mの頂上に着きました。雪混じりの冷たい風が吹いているので寒く、することもないので、5分間いただけで下山を始めました。
下山は同じ道を走るように下って、JAの駐車場に戻りました。結局往復4時間の山歩きでした。このJAは先ほど書いたとおり上矢作町の中心部にあります。しかし、メイン道路沿いの店舗はほとんどが廃業していて昭和の名残のガラス戸は閉まったままですし、民家も廃屋となって変色したカーテンで窓ガラスが遮られています。お世話になったのでJAに売店があれば買い物でもと思い、職員に聞いてもないとのことです。ちょっと車で走れば何でも揃う大型スーパーがあるので、JAや地元商店で買い物をする人もなくなり、結局寂れてしまったのでしょう。地方の過疎地の厳しさを思い知らされました。
今日もいろいろ考えさせられる登山でしたが、往復4時間だれにも会わず鳥の声しか聞こえない贅沢なひとときでした。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 5.0
- ショッピング
- 1.0
- 同行者
- 一人旅
- 一人あたり費用
- 1万円未満
- 交通手段
- 自家用車 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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大船山登山口にある看板。この山にまつわる見所を表示してある。
スギ並木と弁慶スギがメインのようだ。 -
この登山道は頂上近くにある大船神社への参拝道になっている。道沿いには延々とスギや山桜の巨木が続く。
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巨木も樹齢が高くなると枯れたり台風などで倒れたりする。登山者に危険だったり邪魔になったりするので、切り倒されたのが多い。切り株の年輪から300年以上の木がほとんど。
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登山道から逃げ去ったニホンカモシカ。最初はクマだと思って驚いた。カモシカは特別天然記念物になっているため保護されている。そのため人を見てもあまり逃げない。視力も悪いので、こちらをずっと見つめている。
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途中にある石碑。参考にしているガイドブック「名古屋周辺の山200」(山と渓谷社)には、「神霊覚勘」と刻まれていると記載されているが、実際は写真のように「勘覚霊神」と刻まれている。どうしてそんな間違いが起きたのか。同書には間違いが多い。
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山中に突然現れた水路。水深が3mぐらいもあり、かなりの速度で流れている。どこからこんなに大量のきれいな水が運ばれてくるのか不思議。地上を流れている距離は100mほど。あとは暗渠を流れている。源流が不明。
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水路の先はこのような2本パイプになり、水が急降下して流されている。この落差を利用して発電が行われている。
先ほどの水路に人が落ちたら命はない。 -
登山道から脇道に入ってしばらく行くとこのような30体ぐらいの石仏がある。人知れず何百年も存在しているのか。
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とうとう着いた大船神社。粉雪が舞い、寒かった。
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大船神社に掛かっていた絵馬。外国語だが英語ではないので、書いてある意味が不明。
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同じく意味不明の外国語の絵馬。
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やはり意味不明の外国語の絵馬。
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大船神社横にあるスギの巨木。樹齢2500年と書いてあった。
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大船神社からさらに先の登山道。凍結していて滑るため慎重に歩く。
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頂上間近の登山道。積雪が20cm以上あった。やはり滑りやすい。
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標高1159mの大船山の頂上。三角点がある。
だれもいなくて冷たい雪混じりの風が吹き抜けるだけ。ガスがかかって展望は利かない。
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この旅行記へのコメント (1)
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- Kオジサンさん 2017/03/16 13:21:59
- 大船山
- 地酒大好きさん。
こんにちは。
私も大船山に登ってみました。
http://blog.goo.ne.jp/nkataoka1948/e/0ea8997fb1417980a19bd1f93e6f8b42
私の場合、団体で賑やかな山行でした。
地酒大好きさんの山の日記を拝見しました。
今回の大船山でもニホンカモシカに遭遇しておられますが、他の箇所でも、タビタビ。
ニホンカモシカに好かれているのかも知れませんね。(笑)
貴兄が指摘しておられた「勘覚霊神」。一旦、版が作成されたものですからこれからも訂正されないでしょうね。
それに、アレは水路であり、豊田の方の管理セクションをあの場所のように載せているのが気にかかりました。
最後に。
これからも、楽しんで山行をお続け下さい。
Kオジサン。
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