2014/10/10 - 2014/10/11
288位(同エリア1556件中)
ひらしまさん
広いスペインの中でどこへ行ってどこをあきらめるか頭を悩ませ、できた計画はかなりアンダルシアに重点を置いたものになりました。
辞典を引くと、アラブ人がイベリア半島をアンダルスと呼んだところから、それがイベリアにおけるイスラム教徒勢力の支配領域を指すようになり、その中心であった南部が今日アンダルシアと呼ばれるようになったそうです。
15世紀末まで八百年にわたって、イスラム勢力はその高い技術と文化によってイベリアに王朝を維持しました。その影響は現代スペインにも色濃く残っているのだそうです。
スペイン最後のイスラム王朝であるナスル朝が、カトリックのカスティーリャ王国に臣従する形をとりながら独立を保ち、農業や手工業による繁栄を基盤にイスラム文化の大輪を咲かせたのがグラナダ。
ここグラナダで私たちは、レストランEstrellas de San Nicolas、アルハンブラ宮殿、フラメンコのCasa del Arte Flamenco、そしてバルBoabdilを訪れました。そして、その中でアンダルシアの濃密な文化を感じることができたような気がします。
第1日 ミュンヘン乗り継ぎバルセロナ着
第2日 バルセロナ
★第3日 グラナダ
★第4日 グラナダ
第5日 ネルハ
第6日 フリヒリアナ日帰り
第7日 タリファ
第8日 セビージャ
第9日 マドリード
第10日 アビラ
第11日 マドリード発フランクフルト乗り継ぎ
第12日 羽田着
- 旅行の満足度
- 5.0
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 15万円 - 20万円
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
バルセロナからのブエリング機は午後2時過ぎの定刻に着いたものの、荷物が出て来始めるまでに30分待ち。あとから着いた隣のターンテーブルが空になってからようやく動き始めました。小さな空港なのになぜ、LCCだから?
タクシー乗り場に行くと、タクシーはいなくて行列ができています。で、商売熱心なバス運転手の誘いに乗って、バスで旧市街へ移動することに。そしてコロン大通りのカテドラル入口近くにあるバス停から宿まで1kmの道を歩き出した直後に、雨がザーッと降ってきました。
折りたたみ傘を広げ、スーツケースを引いて、ヌエバ広場を抜けサンタアナ広場を過ぎ、細くなった石畳の道を黙々と歩き続けます。スペインと言えば陽光のイメージしかなくて傘もいらないかと思ったくらいですが、しっかり雨は降るんですね。
最後に急坂を登って、ようやく宿のカサ・モリスカにたどり着いた時には服はびしょ濡れ、スーツケースの中にも雨がしみていたくらいです。
それなのに、受付の男性からは「大変だったね」の一言もなく、狭い入口から荷物を入れるのを手伝ってくれるでもなく、ずいぶん冷淡なホテルだなあとがっかりしたものです。
でも、部屋はよかった。パティオを囲んで部屋がある伝統的な建物で、小さなバルコニーからは雨上がりの空とアルハンブラ宮殿が見えます。 -
白壁に落ち着いた木の内装とガラスの壺がいい。こういう部屋が好きなのです。
ベッドに寝ているだけで幸福感に包まれる部屋で、ゆっくりとシエスタにはいりました。 -
夕方7時過ぎ、アルバイシンの坂道を登ります。
アルバイシンはグラナダ旧市街の北にある丘です。
グラナダ王国の王宮がアルハンブラに移るまでここにあり、防衛のため迷路のような坂の街になったのだそうです。カトリック両王軍の侵攻を受け、犠牲となった人々の血が川のように坂を流れたのだとか。 -
中腹まで登ると、ダロ川を挟んで向かい合うアルハンブラの宮殿群が夕日に輝くのを一望できました。
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夕食に予約していたレストラン、エストレジャス・デ・サンニコラスの席から、シエラネバダの山々を背景に照明に浮かび上がるアルハンブラ宮殿。
風よけのためか下りていた透明のカーテン越しなのが残念ですが…。 -
3皿のコースを選びました。
写真は妻が選んだ玉葱のスープ。たっぷりなので持て余してました。僕はトマトのスープでなかなかよかったです。 -
透明のカーテンが取り払われ、アルハンブラ宮殿がくっきりと見えるようになりました。
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アルカサバ。
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ナスル宮殿とカルロス5世宮殿。
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妻の2皿目はきのこのリゾット。きのこの香りがよく、チーズもこくがありおいしかったとのこと。
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ここでギターの生演奏が始まりました。曲は「アルハンブラ宮殿の思い出」など数曲。
アルハンブラ宮殿を見ながら「アルハンブラ宮殿の思い出」を聞けるなんて…と妻は喜んでくれて、よい結婚記念日になりました。
驚いたことに演奏者は日本人で、山田さんといいます。
彼のCD「Recuerdos de Granada」を買ってきて聴いていますが、人間の温かみの伝わってくる音楽です。 -
デザートはさっぱり系もあるとうれしかったですね。
すばらしい眺望と生演奏を含め、2人で90ユーロは満足できるレストランでした。
ただ、クレジットカードの伝票をあとで見たら円建てになっていました。会計時に「Japan?」と聞かれたのは、「どこから来たの?」じゃなかったのか。
円建てだと2円/ユーロ上乗せされてしまうので、その後は「ユーロ」と答えるように気をつけましたが、これはスペインだけの現象なのでしょうか。 -
帰り道も明るく不安なく帰りましたが、最後に道を1本間違えてちょっと遠回り。
やはりアルバイシンでした。 -
グラナダの2日目。
きょうはアルハンブラ宮殿へ行くので、携帯用にガイドブックの関連ページのコピーをホテルの受付の彼に頼みました。
コピー機くらいあると思って気軽に頼んだのですが、スキャナーで読み込んでプリントアウトという手間のかかる作業を快くやってくれました。
ホテル到着時は冷たい人だなあと思ったのですが、どうも英語があまり得意ではなく、そのために対応が消極的だっただけなのかも。
朝食は地下の穴蔵のような食堂で。こういう雰囲気も好きです。 -
ホテルからアルハンブラへは北側からの道を行きます。
静かで気持ちのいい急坂を登っていくと、ジョギングしている人もいて驚きます。坂を登り切るとまもなく人がいっぱいいて、券売所らしいとわかります。
入場券はネット予約しているので長い列に並ぶ必要はないのですが、発券するための自販機が奥まったところにあってわかりにくく、さらにヘネラリーフェに進む入口も見つけづらくて右往左往しました。
スペイン人は動線のデザインは苦手なのかな。 -
ヘネラリーフェはグラナダ王国の夏の離宮として14世紀につくられました。
敷き詰められたタイルの幾何学模様がイスラム文化を感じさせます。 -
下の庭園の水路。
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夏でもきっと涼しそうです。
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上の庭園の「アセキアの中庭」。
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たとえばベルサイユの庭園のような人を圧倒するスケール感はありませんが、繊細に凝ってつくられた愛すべき珠玉の小品という感じがします。
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どこを歩いていても草木の香りに包まれます。
暑いスペインで、庭園の主は水と花と緑にどんなにか癒やされたことでしょう。 -
ヘネラリーフェから王宮に向かいます。
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アルハンブラには無料で入れますが、アルカサバとナスル宮殿とヘネラリーフェの上の庭園は入場券が必要です。
中でもナスル宮殿だけは、30分刻みの入場時刻ごとに一定の人数しか入場できません。
私たちは余裕を持って11時の回を予約しました。
時間が近づくと200〜300人の長い列ができ、2回のチェックを通ってようやく入れました。 -
内部は壁も天井も精緻な模様で埋めつくされています。
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窓の向こうに昨日歩いたアルバイシンの白い家々と緑が見えます。
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緻密!
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以下、アラベスクの美が続きます。
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妻はつい壁にさわって係員に注意されてしまいました。
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しかし、人の数もすごい。とくに中国、韓国からのグループをいくつも目にしますが、なぜか日本人は見当たりませんでした。
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繊細!
金銀宝石より、人間の感性と技術で美を追求した宮殿ですね。 -
ナスル宮殿を出て、隣のカルロス5世宮殿。といっても外壁だけですが…。
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ここは、グラナダ王国を滅ぼしたカスティーリャ王イサベル1世・アラゴン王フェルナンド2世夫妻の孫にあたるカルロス1世が建てさせた宮殿です。
カルロス1世は、母からスペインとその属領を、父方からはオーストリアのハプスブルク家を継ぎ、神聖ローマ帝国皇帝にもなってカトリックの庇護者としてオスマン・トルコと戦い、一方ではインカ帝国を滅ぼすなどアメリカを支配し、大帝国を築いた人です。
スペインではカルロス1世だけど、神聖ローマ皇帝としてはカール(独語)5世なので、宮殿はよりビッグなほうの名で呼んでいるんですね。
ちなみに、オペラ「ドン・カルロ」(伊語)の主人公はこの人の孫ですが、父王と対立して獄死し、カルロス2世になれませんでした。
神聖ローマ皇帝の宮殿は、イスラム文化の咲き誇るアルハンブラで、やはり場違いな存在に感じられました。 -
アルハンブラで一番最初からあった城塞アルカサバ。現存するのは13世紀の建築です。
今、塔に翻るのは、右から赤と緑のグラナダ市旗、赤と黄のスペイン国旗、緑と白のアンダルシア州旗、そして青のEU旗。 -
そのベラの塔に登れば、緑の多いグラナダの街を見渡せます。
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中央に見えるのはカテドラル。
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上から見おろすと、パティオを囲む邸宅の形がよくわかります。
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帰りはグラナダ門から。やはり急な坂を下るとヌエバ広場に出ます。
昼食にケバプを調達し、宿に向かいます。 -
昨日は雨の中スーツケースを引いて歩くのに精一杯で景色を見る余裕がなかった道を、きょうはのんびり歩きます。
サンヒル・イ・サンタアナ教会。鐘楼の右上に、先程までいたベラの塔が見えます。 -
緑の多いダロ川に沿って歩きます。
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ゆる〜い感じの楽隊のパフォーマンス。アルカサバにもよく聞こえていました。
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アルハンブラを歩き回った疲れで、この日はシエスタからなかなか起きられませんでした。再び街に出た時には日がかなり傾いていました。
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サンヒル・イ・サンタアナ教会が夕日を受けて輝いています。
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今夜はフラメンコ鑑賞。
フラメンコは、イスラム王朝崩壊後もキリスト教に一応改宗して残ったアラブ人・ベルベル人(モリスコ)の音楽や踊りに影響を受けて生まれた、アンダルシア独自のロマの芸能です。
ヌエバ広場のすぐ南にあるカサ・デル・アルテ・フラメンコ。
ウェブサイトから7時半の回を予約していました。ここは飲物なしで、60分15ユーロです。 -
15分前に入りましたが、すでにほぼ満席。
写真を撮りやすいように左端の前がスペースになっている席に座りました。 -
1曲目はテハダの歌とアルフレド・メサのギター。歌詞はわからないけれど、やっぱり恋の歌かな。想いのこもった豊かな響きに聞き惚れます。
2曲目はアナ・カリの踊りとサンチェスの手拍子が加わり、テハダの手拍子とカリの靴音も含め、複雑なリズムがドラマチックです。
3曲目はギター独奏。やわらかく強く美しい。
4曲目はサンチェスが踊り、カリが手拍子に回ります。サンチェスの空気を切り裂くような鋭さ。気迫。フラメンコは女の踊りという先入観が吹き飛びました。
実は、誰も写真を撮ろうとしないので変だなあと思いながら、舞台と客席の集中を損ねないよう細心の注意を払いながら数枚撮ったのですが、あとで確認したら撮っていいのは最後の10分間程だけでした。
そんなアナウンス事前になかったように思うんだけど、ごめんなさい。
というわけで、ここに載せられるのは劇場の人の合図があった5曲目以降の写真だけです。 -
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左からメサ、テハダ、カリ、そしてサンチェス。本当に素晴らしい舞台でした。
その夜おそく、宿の下の通りから若者の歌うカンテが聞こえてきました。
もちろんテハダの豊かな響きには遠く及びませんが、せつない想いは込められていました。 -
さて、おなかも空いたことだし、夕食にしましょう。
ヌエバ広場から北に少し入ったところにあるボアブディル。
9時前なので開いたばかりの様子。 -
ガスパチョ、あさりのニンニク炒め、きのこのグリル、野菜のグリル、それに小エビ炒めを追加。
きのこと野菜がおいしかったですね。 -
店員も明るく愛想がよく、楽しく食べさせてもらいました。
45ユーロ。 -
またサンヒル・イ・サンタアナ教会の前を通って帰ります。
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夜空に浮かぶアルハンブラ宮殿。
先程の店名「ボアブディル」はどういう意味だろうと思ったら、グラナダ王国最後の王ムハンマド11世のキリスト教勢力側からの名前でした。
イスラム勢力を放逐したカスティーリャ・アラゴン連合王国は、その後軍事大国の道を歩み「太陽の沈まない帝国」スペインとなりますが、農業技術に秀でたイスラム教徒や金融にたけたユダヤ教徒を迫害追放したことにより、産業は力を失っていきます。
ここグラナダでは、敗れて去って行ったイスラム勢力の高い文化を惜しむ空気が今でも漂っているようです。
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この旅行記へのコメント (2)
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- TKさん 2019/04/27 20:31:49
- グラナダ最高
- ひらしまさん
オーラ、コモエスタ。こんばんは。
私の旅行記にたくさんの、いいね、ありがとうございます。
いま、ひらしまさんの、グラナダ旅行記を訪問中です。私達も昨年行きました。アルバイシン地区のアパートに滞在して来ました。アルハンブラ宮殿素晴らしいですね。ここは、スペインのハイライトです。感動一杯です。
スペインは、食べ物もおいしいし、見所もたくさんあるので、何回行っても楽しいところですね。私たちも、また、今年の秋に行く予定です。(あくまでも予定ですが)。
ひらしまさんご夫妻も、世界中の良い所を堪能されていて、素晴らしいですね。これからも、ひらまささんの旅行記を楽しませていただきます。
今後ともどうぞ、よろしくお願いします。
TK
- ひらしまさん からの返信 2019/04/28 20:38:59
- Re: グラナダ最高
TKさん、こんばんは。
ご訪問、ご投票ありがとうございます。
スペイン、とりわけグラナダの独特の文化の香りは魅力的ですね。
ほんとうに食べ物がおいしく、見どころばかりで、人もいいスペイン、私もまた行きたいです。
ところで、TKさんご夫妻のアパートホテルに長期滞在する旅はおもしろそうですね。
荷物を持っての移動が少なくなると体が楽だななどと、TKさんスタイルを参考にさせていただこうと思います。
もっとも、宿選びを間違うと大変なことになりそうですね。
今後も時々お邪魔させてください。
次の旅行記も楽しみにしています。
ひらしま
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