サバ州旅行記(ブログ) 一覧に戻る
■はじめに<br /> 今回の目的地は、マレーシアのボルネオ島サバ州である。一般的には、「コタキナバル」と言った方がわかりやすいであろう。<br /> コタキナバルで鉄道に乗るとなれば、ガイドブックでもよく紹介されている「北ボルネオ鉄道」が有名である。サバ州立鉄道の軌道上で、SLに牽引される客車内で高級マレー料理に舌鼓、といった塩梅であり、ツアー代金も約1万円と東南アジアにしては結構なお値段である。しかし、私の旅行記を読まれたことがある方なら推察が付くであろうが、私がそのような高級志向のものに乗るわけがない(訪問するのが2回目であったり、連れ添いがいれば話は別であるが)。<br /> 今回の目的は、サバ州立鉄道であることは変わらないが、観光用の列車ではなく地元民用の列車である。コタキナバルからテノムまで約135キロ、系統は大きく二分されており、途中のボーフォートまでは冷房付のそれなりの列車、そこから先はマッチ箱みたいなミニ客車とボロ貨車との混成である。<br />(旅行記作成開始時は「ビューフォート」と書いていたが、駅などでのやりとりで耳にした音は「ボーフォート」に近かったため、こちらで統一)<br /><br /> この路線については、災害(特に水害)の影響を受けやすく、かなりの頻度で運休になることがある(ネット上でも、「せっかく訪問したが部分的に不通だった」という旅行記が散見される)。事前にサバ州立鉄道のサイトを確認しておいたが、本当に走っているかどうかは行ってみてからのお楽しみ(?)である。<br /> (今回のレート:1リンギット=約33円)<br /><br />@テノム駅にて

サバ州でナシゴレンとミーゴレンを食べ続ける旅

35いいね!

2014/10/10 - 2014/10/13

6位(同エリア100件中)

2

59

国電

国電さん

■はじめに
 今回の目的地は、マレーシアのボルネオ島サバ州である。一般的には、「コタキナバル」と言った方がわかりやすいであろう。
 コタキナバルで鉄道に乗るとなれば、ガイドブックでもよく紹介されている「北ボルネオ鉄道」が有名である。サバ州立鉄道の軌道上で、SLに牽引される客車内で高級マレー料理に舌鼓、といった塩梅であり、ツアー代金も約1万円と東南アジアにしては結構なお値段である。しかし、私の旅行記を読まれたことがある方なら推察が付くであろうが、私がそのような高級志向のものに乗るわけがない(訪問するのが2回目であったり、連れ添いがいれば話は別であるが)。
 今回の目的は、サバ州立鉄道であることは変わらないが、観光用の列車ではなく地元民用の列車である。コタキナバルからテノムまで約135キロ、系統は大きく二分されており、途中のボーフォートまでは冷房付のそれなりの列車、そこから先はマッチ箱みたいなミニ客車とボロ貨車との混成である。
(旅行記作成開始時は「ビューフォート」と書いていたが、駅などでのやりとりで耳にした音は「ボーフォート」に近かったため、こちらで統一)

 この路線については、災害(特に水害)の影響を受けやすく、かなりの頻度で運休になることがある(ネット上でも、「せっかく訪問したが部分的に不通だった」という旅行記が散見される)。事前にサバ州立鉄道のサイトを確認しておいたが、本当に走っているかどうかは行ってみてからのお楽しみ(?)である。
(今回のレート:1リンギット=約33円)

@テノム駅にて

旅行の満足度
4.5

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  • ■2014.10.10<br /> 今週末は、体育の日を含めた3連休に有給を1日追加して4連休にしている。というのも、いつもならば往復とも夜便にして現地での滞在時間を増やすのであるが、寄る年波でそれもしんどくなってきたため、往路だけは昼便にして「移動するだけ」にするためである。よって今日は、クアラルンプールに移動するだけである(以前はコタキナバルへの直行便があったが、残念ながら今はなくなってしまっている)。<br /> 毎度おなじみ、900円バスで成田に向かい、ラウンジでカレーを食べてからクアラルンプール(KLIA)に向かった。現地時間17時45分に到着。<br /> 市内に移動してもいいのであるが、明日朝は6時30分のフライトであるため、今年の春に出来たばかりであるKLIA2に併設されているホテルを予約してある。KLIA2までは鉄道で約3分、2リンギットである。<br /><br />@ホテルは空港直結(写真中央にある通路で)

    ■2014.10.10
     今週末は、体育の日を含めた3連休に有給を1日追加して4連休にしている。というのも、いつもならば往復とも夜便にして現地での滞在時間を増やすのであるが、寄る年波でそれもしんどくなってきたため、往路だけは昼便にして「移動するだけ」にするためである。よって今日は、クアラルンプールに移動するだけである(以前はコタキナバルへの直行便があったが、残念ながら今はなくなってしまっている)。
     毎度おなじみ、900円バスで成田に向かい、ラウンジでカレーを食べてからクアラルンプール(KLIA)に向かった。現地時間17時45分に到着。
     市内に移動してもいいのであるが、明日朝は6時30分のフライトであるため、今年の春に出来たばかりであるKLIA2に併設されているホテルを予約してある。KLIA2までは鉄道で約3分、2リンギットである。

    @ホテルは空港直結(写真中央にある通路で)

  •  ホテルの部屋に荷を置いてからは、空港内で食材探しである。大型スーパーなど候補はいくらでもあるが、マレーシアで毎度悩まされるのが「アルコールの調達」である。あれこれ探し回ったが、結局小さなコンビニとスーパーの片隅にビールを見つけただけであり、それも330mlの小型缶で約10リンギットと日本よりかなり高い。しかし他に選択肢はないので、それを3本と、あとはマレーシアらしい食材を買って部屋に戻った。<br /><br />@地味な晩餐(ミーゴレンとアヤム)

     ホテルの部屋に荷を置いてからは、空港内で食材探しである。大型スーパーなど候補はいくらでもあるが、マレーシアで毎度悩まされるのが「アルコールの調達」である。あれこれ探し回ったが、結局小さなコンビニとスーパーの片隅にビールを見つけただけであり、それも330mlの小型缶で約10リンギットと日本よりかなり高い。しかし他に選択肢はないので、それを3本と、あとはマレーシアらしい食材を買って部屋に戻った。

    @地味な晩餐(ミーゴレンとアヤム)

  • ■2014.10.11<br /> 4時半過ぎに起きてから、念のためサバ州立鉄道のサイトを見てみると(マレー語から英語への自動翻訳)、なんと「ボーフォートまでの103と、タンジュン・アルまでの504はしばらく運休」とあるではないか。前者(103)はまさに今日乗る予定のものであり、嫌な予感がする(もちろん、「サイトを更新していない」という可能性もあるため、走ることもあり得る)。<br /> 5時過ぎにホテルを出て、印刷済みの搭乗券を持っているため何も手続きをせず搭乗口まで向かった。そこで出発を待ちながらネットであれこれ検索し、本当に運休であった場合の代替案を考え付いた(詳細は後述)。<br /> 約10分遅れの6時40分にゲートを離れ、コタキナバルに到着したのは9時少し前であった。<br /><br />@小さな空港

    ■2014.10.11
     4時半過ぎに起きてから、念のためサバ州立鉄道のサイトを見てみると(マレー語から英語への自動翻訳)、なんと「ボーフォートまでの103と、タンジュン・アルまでの504はしばらく運休」とあるではないか。前者(103)はまさに今日乗る予定のものであり、嫌な予感がする(もちろん、「サイトを更新していない」という可能性もあるため、走ることもあり得る)。
     5時過ぎにホテルを出て、印刷済みの搭乗券を持っているため何も手続きをせず搭乗口まで向かった。そこで出発を待ちながらネットであれこれ検索し、本当に運休であった場合の代替案を考え付いた(詳細は後述)。
     約10分遅れの6時40分にゲートを離れ、コタキナバルに到着したのは9時少し前であった。

    @小さな空港

  •  仮に乗車予定である13時40分発の列車が運行するにしても、すぐに駅に移動したのでは時間が余り過ぎてしまう。そこで地図と相談して、まずはタンジュン・アル・ビーチへ行くことにした。<br /> 距離的に1キロもないため、歩きで充分である(歩いている人は少ないが)。それに晴れてはいるが、まだ朝であることと少し雲もあるので、暑いことは暑いが、耐えられないほどではない(今年の6月にラオス・タイに行った際のような酷暑ではない)。印刷したグーグルマップを片手に歩くこと約10分、海岸に到着した。<br /><br />@気分爽快

     仮に乗車予定である13時40分発の列車が運行するにしても、すぐに駅に移動したのでは時間が余り過ぎてしまう。そこで地図と相談して、まずはタンジュン・アル・ビーチへ行くことにした。
     距離的に1キロもないため、歩きで充分である(歩いている人は少ないが)。それに晴れてはいるが、まだ朝であることと少し雲もあるので、暑いことは暑いが、耐えられないほどではない(今年の6月にラオス・タイに行った際のような酷暑ではない)。印刷したグーグルマップを片手に歩くこと約10分、海岸に到着した。

    @気分爽快

  •  見惚れるほどの綺麗さではないが、やはり海ならではの解放感である。ビーチの近くには海鮮料理の店やフードコートがたくさんあるが、まだ10時前ということもあって開いている店はない。<br /> しばらく海岸で過ごし、10時半過ぎくらいに駅へ向かって歩き始めた。ラオスの空港へ歩いた際には他に歩いている人など皆無であったが、今日は数は少ないもののちらほらといる。ぐるっと空港を迂回するように歩き続け、約45分でタンジュン・アル駅に到着した。<br /><br />@駅の入口

     見惚れるほどの綺麗さではないが、やはり海ならではの解放感である。ビーチの近くには海鮮料理の店やフードコートがたくさんあるが、まだ10時前ということもあって開いている店はない。
     しばらく海岸で過ごし、10時半過ぎくらいに駅へ向かって歩き始めた。ラオスの空港へ歩いた際には他に歩いている人など皆無であったが、今日は数は少ないもののちらほらといる。ぐるっと空港を迂回するように歩き続け、約45分でタンジュン・アル駅に到着した。

    @駅の入口

  •  しかし、11時過ぎという中途半端な時間であるため、窓口には誰もいない。窓口には貼り紙があり、私はマレー語は理解できないが、「103」「Beaufort」辺りはわかるため、少しく厭な予感がした。<br /> とりあえず時間もあるので、駅舎の裏手にある操作場(様々な客車等が係留されている)に行ってみることにした。駅の敷地を通り抜けることはできないため、まずは大きく迂回して駅の裏手に行ってみる。稼働しそうな1両の機関車以外は、おそらくほとんどすべて廃車であるような感じである。中には火災の跡のようなものが残っているものもあり、これは2011年秋にタンクローリー車と衝突事故を起こし、この路線の運休をもたらしたものであるに違いない。<br /><br />@解体するのにも費用がかかるのでしょう

     しかし、11時過ぎという中途半端な時間であるため、窓口には誰もいない。窓口には貼り紙があり、私はマレー語は理解できないが、「103」「Beaufort」辺りはわかるため、少しく厭な予感がした。
     とりあえず時間もあるので、駅舎の裏手にある操作場(様々な客車等が係留されている)に行ってみることにした。駅の敷地を通り抜けることはできないため、まずは大きく迂回して駅の裏手に行ってみる。稼働しそうな1両の機関車以外は、おそらくほとんどすべて廃車であるような感じである。中には火災の跡のようなものが残っているものもあり、これは2011年秋にタンクローリー車と衝突事故を起こし、この路線の運休をもたらしたものであるに違いない。

    @解体するのにも費用がかかるのでしょう

  •  さらに民家を大きく迂回して、操作場の裏手にまで回ってみた。観光用のトロッコなどもあるが、かなり汚れているため、最近はあまり活用していないようであった。<br /><br />@こんな感じ(裏手まで行く途中)

     さらに民家を大きく迂回して、操作場の裏手にまで回ってみた。観光用のトロッコなどもあるが、かなり汚れているため、最近はあまり活用していないようであった。

    @こんな感じ(裏手まで行く途中)

  •  駅舎に戻ってきたが、やはり窓口に人はいない。時刻は12時少し前であり、ちょうど昼時である。駅舎の横に食堂が併設されていたので、そこに入って昼食を摂ることにした。メニューはあれこれ貼ってあったが、定番(読んで意味が分かるもの)ということで、ナシゴレン・アヤム(鶏チャーハン)にしてみた。<br /> 注文したものはすぐに供されたが、それにしてもご飯の量の多いこと。これはインドネシアに行った際にも思ったことであるが、とにかくご飯の量が半端ないのである。マレーシアやインドネシアでは肥満が問題になっているが、この辺りに問題があるのかもしれない(あとは、飲料がもれなく甘いというのも理由であろう)。<br /><br />@美味しく頂きました(ナシゴレンは4.50リンギット)

     駅舎に戻ってきたが、やはり窓口に人はいない。時刻は12時少し前であり、ちょうど昼時である。駅舎の横に食堂が併設されていたので、そこに入って昼食を摂ることにした。メニューはあれこれ貼ってあったが、定番(読んで意味が分かるもの)ということで、ナシゴレン・アヤム(鶏チャーハン)にしてみた。
     注文したものはすぐに供されたが、それにしてもご飯の量の多いこと。これはインドネシアに行った際にも思ったことであるが、とにかくご飯の量が半端ないのである。マレーシアやインドネシアでは肥満が問題になっているが、この辺りに問題があるのかもしれない(あとは、飲料がもれなく甘いというのも理由であろう)。

    @美味しく頂きました(ナシゴレンは4.50リンギット)

  •  昼食を終えて駅舎に戻ってみても、やはり人はいない。すると背後から2人の男性が「どうしたのか」ということを英語で訊いてきた。これ幸いと私は貼り紙を指差して「私はこれを理解できないけれども、13時40分の103はキャンセルですか?」と訊いてみたところ、やはりキャンセルということであった。太めの男性は、あまり流暢な英語ではなかったが、「これ(夕方の104)がラストトレイン。ボーフォートまで行ける。けど、今日は戻ってこられない」とまで教えてくれたので、「今日はボーフォートにステイするから大丈夫。ありがとう」と言って駅を離れた。<br /><br />@無人窓口

     昼食を終えて駅舎に戻ってみても、やはり人はいない。すると背後から2人の男性が「どうしたのか」ということを英語で訊いてきた。これ幸いと私は貼り紙を指差して「私はこれを理解できないけれども、13時40分の103はキャンセルですか?」と訊いてみたところ、やはりキャンセルということであった。太めの男性は、あまり流暢な英語ではなかったが、「これ(夕方の104)がラストトレイン。ボーフォートまで行ける。けど、今日は戻ってこられない」とまで教えてくれたので、「今日はボーフォートにステイするから大丈夫。ありがとう」と言って駅を離れた。

    @無人窓口

  •  さて、103が運行しないことが確実になったので、今朝方に考えた代替案を実施することとなった。それとは、夕方の17時30分に都心のSembulan駅を出発する列車(104)に乗り、ボーフォートまで行くという手段である(他の旅行者は、バスを使ってテノムに行って鉄道で戻るとか、また同様にボーフォートまでのバスを上手に絡めたりしている人もいるが、私は王道である「鉄道での単純往復」を目指している。…ただ単に、バスを探すのが面倒なだけであるが)。<br /> ほとんどすべてのガイドブックではサバ州立鉄道の始発はタンジュン・アルになっているが、実は朝夕の1往復だけ、都心の官公庁街にある駅(Sembulan)まで乗り入れる列車があるのである。運行するのは、早朝にSembulanに到着するのと、夕方に同駅を出発するもののみである。そのことを知り、実は今回の旅行の最終日の早朝にタンジュン・アルまで歩いて行き、それに乗って中心地まで戻ってこようと思っていたのであるが、今日この夕方の最終列車に乗ることによりこの区間を早々にクリアできてしまうのである。<br /> ただ、こうすることによる弊害もある。終着駅のボーフォートは田舎町であり、ネット予約できるようなホテルがないため、「飛び込み」で泊まれるところを探さなくてはならないのである。そういうこともあり、できれば早い時間帯に到着したかった(本来の予定なら16時前頃、しかし最終便だと19時半を過ぎてしまう)のであるが、こればかりは致し方ない。また、列車に乗っている途中で日が暮れてしまうというのも難点であるが、これもまたどうしようもない。<br /><br />@話が長くなってきたので、タンジュン・アルの在来線駅舎の向かいにある「北ボルネオ鉄道」の待合室をどうぞ。次回はこれに乗って優雅な旅をしたい。

     さて、103が運行しないことが確実になったので、今朝方に考えた代替案を実施することとなった。それとは、夕方の17時30分に都心のSembulan駅を出発する列車(104)に乗り、ボーフォートまで行くという手段である(他の旅行者は、バスを使ってテノムに行って鉄道で戻るとか、また同様にボーフォートまでのバスを上手に絡めたりしている人もいるが、私は王道である「鉄道での単純往復」を目指している。…ただ単に、バスを探すのが面倒なだけであるが)。
     ほとんどすべてのガイドブックではサバ州立鉄道の始発はタンジュン・アルになっているが、実は朝夕の1往復だけ、都心の官公庁街にある駅(Sembulan)まで乗り入れる列車があるのである。運行するのは、早朝にSembulanに到着するのと、夕方に同駅を出発するもののみである。そのことを知り、実は今回の旅行の最終日の早朝にタンジュン・アルまで歩いて行き、それに乗って中心地まで戻ってこようと思っていたのであるが、今日この夕方の最終列車に乗ることによりこの区間を早々にクリアできてしまうのである。
     ただ、こうすることによる弊害もある。終着駅のボーフォートは田舎町であり、ネット予約できるようなホテルがないため、「飛び込み」で泊まれるところを探さなくてはならないのである。そういうこともあり、できれば早い時間帯に到着したかった(本来の予定なら16時前頃、しかし最終便だと19時半を過ぎてしまう)のであるが、こればかりは致し方ない。また、列車に乗っている途中で日が暮れてしまうというのも難点であるが、これもまたどうしようもない。

    @話が長くなってきたので、タンジュン・アルの在来線駅舎の向かいにある「北ボルネオ鉄道」の待合室をどうぞ。次回はこれに乗って優雅な旅をしたい。

  •  タンジュン・アル駅を後にし、強い日差しの中を歩き続けること約30分、幻(?)のSembulan駅を発見した。実際のところは見つけるのはそれほど難しくなく、グーグルマップで線路がプッツリと消えている辺りで、州立モスクの近くである。<br /> 駅舎自体はかなり小さく、ホームも1両分くらいしかない。線路も行き止まりになっており、どうやって入線してくるのか、どうやって乗降するのかが不明であるが、夕方になれば判明するであろう。<br /><br />@小さな駅

     タンジュン・アル駅を後にし、強い日差しの中を歩き続けること約30分、幻(?)のSembulan駅を発見した。実際のところは見つけるのはそれほど難しくなく、グーグルマップで線路がプッツリと消えている辺りで、州立モスクの近くである。
     駅舎自体はかなり小さく、ホームも1両分くらいしかない。線路も行き止まりになっており、どうやって入線してくるのか、どうやって乗降するのかが不明であるが、夕方になれば判明するであろう。

    @小さな駅

  •  まだ13時を過ぎたばかりであるため、近くにあるサバ州博物館へ行くことにした(なぜなら、ここには鐡ネタがあるからである)。Sembulan駅からそれほど遠くはないが、丘の上にあるため「あそこまで歩かないといけないのか」と少しがっかりとなるが、しかし建物にはエアコンの室外機がたくさんあったのでそれに勇気づけられた(さすがに、体が火照ってきてしまっている)。<br /> 川を渡り、博物館へ繋がる階段を上がり切ると、まず待ち受けていたのが鐡ネタであるSL等であった。かなり朽ちているが、きちんと保存されているのがうれしい。<br /><br />@GAYA号

     まだ13時を過ぎたばかりであるため、近くにあるサバ州博物館へ行くことにした(なぜなら、ここには鐡ネタがあるからである)。Sembulan駅からそれほど遠くはないが、丘の上にあるため「あそこまで歩かないといけないのか」と少しがっかりとなるが、しかし建物にはエアコンの室外機がたくさんあったのでそれに勇気づけられた(さすがに、体が火照ってきてしまっている)。
     川を渡り、博物館へ繋がる階段を上がり切ると、まず待ち受けていたのが鐡ネタであるSL等であった。かなり朽ちているが、きちんと保存されているのがうれしい。

    @GAYA号

  •  その後は博物館へ…の前に売店でジュースを買って一気に飲み、それから入館した(地元民が2リンギットで外国人は15リンギットだが、こういう差は東南アジアではよくあることである)。<br /> いつもなら30分程度で済ませるくらいの規模であったが、冷房の堪能を含めて2時間ほど滞在し、その後は共通券として入館できる近隣のイスラム博物館にも行った。<br /> 「さて、州立モスクでも見てから駅に行くか」と思って昼過ぎに通ってきた道を降りていくと、なんと門(鉄柵)が閉じられているではないか。時刻はまだ15時50分、閉館まで1時間以上もあるのに、である。「まったく」と思って階段を上がっていたが、しかしこれが不幸中の幸いであった。というのも、車道を迂回して駅方面へ戻らねばならなくなったため、そのおかげで建物の南東部に違うSLが展示されているのを発見したのである。<br /><br />@偶然の発見(H.RALPH HONE号)

     その後は博物館へ…の前に売店でジュースを買って一気に飲み、それから入館した(地元民が2リンギットで外国人は15リンギットだが、こういう差は東南アジアではよくあることである)。
     いつもなら30分程度で済ませるくらいの規模であったが、冷房の堪能を含めて2時間ほど滞在し、その後は共通券として入館できる近隣のイスラム博物館にも行った。
     「さて、州立モスクでも見てから駅に行くか」と思って昼過ぎに通ってきた道を降りていくと、なんと門(鉄柵)が閉じられているではないか。時刻はまだ15時50分、閉館まで1時間以上もあるのに、である。「まったく」と思って階段を上がっていたが、しかしこれが不幸中の幸いであった。というのも、車道を迂回して駅方面へ戻らねばならなくなったため、そのおかげで建物の南東部に違うSLが展示されているのを発見したのである。

    @偶然の発見(H.RALPH HONE号)

  •  その後は州立モスクまで行ってその内部を見学し、商店で水などを仕入れてから17時少し前にSembulan駅へ向かった。<br /> 窓口には料金表が掲示されているが、途中のPapar駅までしか書いていない。すでに駅員がいたので、「ボーフォートまで行きたいが、切符はここで買えるのですか?」と聞くと、「列車の中で買ってください」ということであった。よくわからないが、近距離しか売っていないようである。<br /> 近場をうろうろして待っているうちに、17時10分頃になって列車が入線してきた。周囲には引込線も何もないため、「後ろ向きでバックしてくるのだろう」という私の予想を裏切り、なんと機関車を先頭に入線してきた。しかし、3両ある客車部分の最後部にも運転室があり、どちら向きにも運転できるタイプ(いわゆる「プッシュプル方式」)であるためこのままで問題ない。<br /><br />@こういうこと(客車側の運転席。裏手に見えるのが州立モスク)

     その後は州立モスクまで行ってその内部を見学し、商店で水などを仕入れてから17時少し前にSembulan駅へ向かった。
     窓口には料金表が掲示されているが、途中のPapar駅までしか書いていない。すでに駅員がいたので、「ボーフォートまで行きたいが、切符はここで買えるのですか?」と聞くと、「列車の中で買ってください」ということであった。よくわからないが、近距離しか売っていないようである。
     近場をうろうろして待っているうちに、17時10分頃になって列車が入線してきた。周囲には引込線も何もないため、「後ろ向きでバックしてくるのだろう」という私の予想を裏切り、なんと機関車を先頭に入線してきた。しかし、3両ある客車部分の最後部にも運転室があり、どちら向きにも運転できるタイプ(いわゆる「プッシュプル方式」)であるためこのままで問題ない。

    @こういうこと(客車側の運転席。裏手に見えるのが州立モスク)

  •  車両は中国製であり、例の事故の後に導入されたものである。車両の入口にも、漢字入りの銘板が貼られてあった(広州の鉄道会社のようであるhttp://www.zrjc.com/EN/index.aspx)。<br /> 1両分くらいしかないと思っていたホームであるが、ほぼ予想通りであり、ホームから乗降できるのは2両目の客車の入口2か所と、3両目の客車の片方だけである(ギリギリ可能な範囲)。しかし、3両目のもう片方と4両目のドアも開いており、地べたからそのまま乗っている人もいる。<br /><br />@要するにどこから乗っても可

     車両は中国製であり、例の事故の後に導入されたものである。車両の入口にも、漢字入りの銘板が貼られてあった(広州の鉄道会社のようであるhttp://www.zrjc.com/EN/index.aspx)。
     1両分くらいしかないと思っていたホームであるが、ほぼ予想通りであり、ホームから乗降できるのは2両目の客車の入口2か所と、3両目の客車の片方だけである(ギリギリ可能な範囲)。しかし、3両目のもう片方と4両目のドアも開いており、地べたからそのまま乗っている人もいる。

    @要するにどこから乗っても可

  •  17時30分、ぴったりの定刻にドアが閉まり、その後少し時間が経ってから出発した。乗車率は20%弱くらいである。ものの6分でタンジュン・アルに到着し、ここでたくさんの乗客が乗ってきて車内は70%くらいの乗車率になった。<br /> 駅の裏手は、大きなビルも含めて再開発中であった。もしかしたら、駅を中心にした一大商業施設になるのかもしれない。だとすると、サバ州立鉄道の運営(運行本数など)にも影響してくるかもしれない。<br /><br />@工事の様子

     17時30分、ぴったりの定刻にドアが閉まり、その後少し時間が経ってから出発した。乗車率は20%弱くらいである。ものの6分でタンジュン・アルに到着し、ここでたくさんの乗客が乗ってきて車内は70%くらいの乗車率になった。
     駅の裏手は、大きなビルも含めて再開発中であった。もしかしたら、駅を中心にした一大商業施設になるのかもしれない。だとすると、サバ州立鉄道の運営(運行本数など)にも影響してくるかもしれない。

    @工事の様子

  •  それにしても、日本から出発して2日目の夕方になってやっとまともな鐡旅の開始である(鐡ネタはあれこれ拾ってきたが)。しかし、窓が薄汚れているのと、すでに日が暮れかかっているため、綺麗な写真はもう期待できない。<br /> タンジュン・アル出発後はまだ民家も多いため、道端には多くの人がいる。小さな子どもは特によく手を振っているが、1日に3往復しかない(しかも今は2往復)ため、珍しいのかもしれない。列車は鈍足であるが、路盤の良い所ではそれなりの快速にもなる(ただし、それでも並走する道路の自動車には抜かれていくが)。<br /><br />@どうやっても良い写真が取れなかったため、出発前の車内の写真でも

     それにしても、日本から出発して2日目の夕方になってやっとまともな鐡旅の開始である(鐡ネタはあれこれ拾ってきたが)。しかし、窓が薄汚れているのと、すでに日が暮れかかっているため、綺麗な写真はもう期待できない。
     タンジュン・アル出発後はまだ民家も多いため、道端には多くの人がいる。小さな子どもは特によく手を振っているが、1日に3往復しかない(しかも今は2往復)ため、珍しいのかもしれない。列車は鈍足であるが、路盤の良い所ではそれなりの快速にもなる(ただし、それでも並走する道路の自動車には抜かれていくが)。

    @どうやっても良い写真が取れなかったため、出発前の車内の写真でも

  •  しばらくして、検札がやってきた。切符を持っていない旨を伝えると、車掌はいったん引き返し小銭と共に戻ってきた。私は印刷した時刻表を持っていたので、「この駅から、ボーフォートまで」と言い、さていくらになるのかと思って身構えていると、車掌が紙に書いたのはたったの「4.80」であった。2時間も乗車して160円では、その収支が気になるところである(北ボルネオ鉄道は、いくら豪華食事等が付いているとはいえ、約1万円である)。<br /> 列車は意外に遅れず、Kawangを定刻から2分遅れの18時09分に出発した。北ボルネオ鉄道が折り返すPaparまで太陽が持ってほしいと思っていたが、残念ながら18時15分頃には完全に真っ暗になってしまい、さらにスコールまで降ってきた。<br /> 景色も見えなくなってしまったため、PCでこの旅行記を作成したりして時間を潰し、終着のボーフォートには約10分遅れの19時44分に到着した。<br /><br />@駅舎外観(翌朝撮影)

     しばらくして、検札がやってきた。切符を持っていない旨を伝えると、車掌はいったん引き返し小銭と共に戻ってきた。私は印刷した時刻表を持っていたので、「この駅から、ボーフォートまで」と言い、さていくらになるのかと思って身構えていると、車掌が紙に書いたのはたったの「4.80」であった。2時間も乗車して160円では、その収支が気になるところである(北ボルネオ鉄道は、いくら豪華食事等が付いているとはいえ、約1万円である)。
     列車は意外に遅れず、Kawangを定刻から2分遅れの18時09分に出発した。北ボルネオ鉄道が折り返すPaparまで太陽が持ってほしいと思っていたが、残念ながら18時15分頃には完全に真っ暗になってしまい、さらにスコールまで降ってきた。
     景色も見えなくなってしまったため、PCでこの旅行記を作成したりして時間を潰し、終着のボーフォートには約10分遅れの19時44分に到着した。

    @駅舎外観(翌朝撮影)

  •  さて、問題の「宿探し」である。ネット上の旅行記を読んだ限りでは中華系の安宿などもあるようであるが、探してみないことには始まらない。海外での飛び込み宿泊は以前にもやったことがあるが、奇しくも初体験はマレーシアであった(マレー半島の地方都市「グアムサン」にて。http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/malaysia2-guamusang.htm 参照)。マレーシアの田舎都市には30〜40リンギットで泊まれる安宿が多くあるから、たぶん大丈夫であろう。<br /> 駅周辺にはレストランなどがあり、奥まで行けば賑やかな場所がありそうだが、手当たり次第に探すのも難儀である。そこでふと左手を見てみると、遠くの橋の近くに「RIVER PARK HOTEL」というネオンが見えたので、とりあえず近づいて行った。橋を渡ってそこまで行ってみると、レストランを併設しているような意外に大きくて立派なホテルである。<br /><br />@こんな大きなホテルがあったとは

     さて、問題の「宿探し」である。ネット上の旅行記を読んだ限りでは中華系の安宿などもあるようであるが、探してみないことには始まらない。海外での飛び込み宿泊は以前にもやったことがあるが、奇しくも初体験はマレーシアであった(マレー半島の地方都市「グアムサン」にて。http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/malaysia2-guamusang.htm 参照)。マレーシアの田舎都市には30〜40リンギットで泊まれる安宿が多くあるから、たぶん大丈夫であろう。
     駅周辺にはレストランなどがあり、奥まで行けば賑やかな場所がありそうだが、手当たり次第に探すのも難儀である。そこでふと左手を見てみると、遠くの橋の近くに「RIVER PARK HOTEL」というネオンが見えたので、とりあえず近づいて行った。橋を渡ってそこまで行ってみると、レストランを併設しているような意外に大きくて立派なホテルである。

    @こんな大きなホテルがあったとは

  •  「こりゃ安宿じゃないから、150リンギットはするかも」と思い、ホテルに入ってフロントで「予約はないが、最も安い部屋は?」と聞いたところ「119リンギット」ということで、即決した(安宿なら値段交渉などもあるかもしれないが、そういうところではなかった)。<br /> デポジット込で150リンギットをカードで払い部屋に入ると、思わず「こりゃいいや」と心の中で言ってしまった。備品自体は結構古いが、全体的にマレー風味で味付けされており、これはこれで思い出になる。それに、安宿に泊まる覚悟で来たため、普通のホテルに泊まれるという安心感もある。<br /><br />@こういう部屋

     「こりゃ安宿じゃないから、150リンギットはするかも」と思い、ホテルに入ってフロントで「予約はないが、最も安い部屋は?」と聞いたところ「119リンギット」ということで、即決した(安宿なら値段交渉などもあるかもしれないが、そういうところではなかった)。
     デポジット込で150リンギットをカードで払い部屋に入ると、思わず「こりゃいいや」と心の中で言ってしまった。備品自体は結構古いが、全体的にマレー風味で味付けされており、これはこれで思い出になる。それに、安宿に泊まる覚悟で来たため、普通のホテルに泊まれるという安心感もある。

    @こういう部屋

  •  さて、続いての問題は「酒探し」である。クアラルンプールやコタキナバル空港では、外国人向けのアルコールがコンビニで売っていたが、ここは地方都市である。しかし、市内には漢字が多い=中華系が多い=彼らは呑む、ということで、ホテルを出て駅付近の繁華街をあれこれ探してみることにした。<br /> しかし、どの店を覗いても冷蔵庫にあるのはジュースだけである。仕方がないので、今日だけはアルコールを諦めることにした。橋の近くにあった食堂で、海鮮のナシゴレンと鶏の足を買い、ホテルへ戻って晩餐である。ご飯は相変わらずの超大盛りであったが、「これでもか」というくらい海鮮がたくさん入っており、これで6リンギットならお買い得である。<br /><br />@でも量が多い…

     さて、続いての問題は「酒探し」である。クアラルンプールやコタキナバル空港では、外国人向けのアルコールがコンビニで売っていたが、ここは地方都市である。しかし、市内には漢字が多い=中華系が多い=彼らは呑む、ということで、ホテルを出て駅付近の繁華街をあれこれ探してみることにした。
     しかし、どの店を覗いても冷蔵庫にあるのはジュースだけである。仕方がないので、今日だけはアルコールを諦めることにした。橋の近くにあった食堂で、海鮮のナシゴレンと鶏の足を買い、ホテルへ戻って晩餐である。ご飯は相変わらずの超大盛りであったが、「これでもか」というくらい海鮮がたくさん入っており、これで6リンギットならお買い得である。

    @でも量が多い…

  • ■2014.10.12<br /> さて、ここまで色々あったが、とりあえず今日の「テノムまでの往復」が今回の旅のメインである。昨晩のボーフォートまでの移動では途中で日が暮れてしまい、燈火の加減で「大きな工場があったようだ」くらいの記憶しかないが、旅の目的としては今日さえ上手く行けば問題はない。<br /> ホテルから敢えて市街地(と言っても小さいが)を経由して、街の様子を見ながら駅に向かった。古い建物は、英国統治の影響であろうかどとこなく欧風の味付けである。<br /> 余裕をもって、7時過ぎに駅に到着した。待合室には多くの人がおり、西洋人の団体や中国人も多くいるようであった。<br /><br />@窓口(禁煙マークの下に貼ってあるのが、問題の貼り紙)

    ■2014.10.12
     さて、ここまで色々あったが、とりあえず今日の「テノムまでの往復」が今回の旅のメインである。昨晩のボーフォートまでの移動では途中で日が暮れてしまい、燈火の加減で「大きな工場があったようだ」くらいの記憶しかないが、旅の目的としては今日さえ上手く行けば問題はない。
     ホテルから敢えて市街地(と言っても小さいが)を経由して、街の様子を見ながら駅に向かった。古い建物は、英国統治の影響であろうかどとこなく欧風の味付けである。
     余裕をもって、7時過ぎに駅に到着した。待合室には多くの人がおり、西洋人の団体や中国人も多くいるようであった。

    @窓口(禁煙マークの下に貼ってあるのが、問題の貼り紙)

  •  列車はすでに入線しているが、窓口はまだ開いていないため切符を買うことができない。それより気になるのが、窓口の近くに貼り紙があり、そこに「508」という数字が書いてあるのである(508は、今日の午後にボーフォートからタンジュン・アルまえ乗る予定のもの)。というのも、サバ州立鉄道のサイトにあった「504が運休」というのは、月曜から土曜までの列車番号であり、それと同時刻の列車でも日曜は508になるのである。ただ、サイトを見たときから「日曜だけ運行するのは考えづらい。もしかして、日曜も運休なのではないだろうか」と私は疑っていたのであるが、どうやらその線が濃さそうである(まだ確定はできないが)。<br /> とりあえず、テノムまでは行きそうなので一安心である。時間があるので、駅の裏手に回って撮影したりして時間を潰した。<br /><br />@駅前の碑

     列車はすでに入線しているが、窓口はまだ開いていないため切符を買うことができない。それより気になるのが、窓口の近くに貼り紙があり、そこに「508」という数字が書いてあるのである(508は、今日の午後にボーフォートからタンジュン・アルまえ乗る予定のもの)。というのも、サバ州立鉄道のサイトにあった「504が運休」というのは、月曜から土曜までの列車番号であり、それと同時刻の列車でも日曜は508になるのである。ただ、サイトを見たときから「日曜だけ運行するのは考えづらい。もしかして、日曜も運休なのではないだろうか」と私は疑っていたのであるが、どうやらその線が濃さそうである(まだ確定はできないが)。
     とりあえず、テノムまでは行きそうなので一安心である。時間があるので、駅の裏手に回って撮影したりして時間を潰した。

    @駅前の碑

  •  7時30分過ぎに改札が開いたので、ホームへ向かった。編成は前から順に、[ディーゼル機関車][客車][客車][貨物車]となっている。ただし貨物の部分にも少しだけ座席があり、大きな荷物がある人はこれに乗ってもよいことになっている。もちろん、他の目的(「狭い座席は嫌だ」や、私のように「あれこれ撮影するため」)の人でも、ここに乗って構わない。<br /><br />@跨線橋より撮影

     7時30分過ぎに改札が開いたので、ホームへ向かった。編成は前から順に、[ディーゼル機関車][客車][客車][貨物車]となっている。ただし貨物の部分にも少しだけ座席があり、大きな荷物がある人はこれに乗ってもよいことになっている。もちろん、他の目的(「狭い座席は嫌だ」や、私のように「あれこれ撮影するため」)の人でも、ここに乗って構わない。

    @跨線橋より撮影

  •  私は当然の如く、真っ先に貨車に向かって座席を確保した(貨車後方のドアも解放されており撮影し放題であるため、貨車の一番後ろ側に陣取った)。薄汚れた車内であるが、これを「面白い」と思えるか否かは、人によって差が大きいと思われる(たいていの人は拒絶するかもしれない)。<br /><br />@貨車(この後、どんどん人と荷物が増えていった)

     私は当然の如く、真っ先に貨車に向かって座席を確保した(貨車後方のドアも解放されており撮影し放題であるため、貨車の一番後ろ側に陣取った)。薄汚れた車内であるが、これを「面白い」と思えるか否かは、人によって差が大きいと思われる(たいていの人は拒絶するかもしれない)。

    @貨車(この後、どんどん人と荷物が増えていった)

  •  時間が経つにつれて乗客も荷物も増えていき、客車の方の乗車率は8割を超え、貨車にも20人以上が乗り込んだ。そして定刻の7時50分になったが、列車はピクリとも動かない。そのまま5分…10分…と、何事もなかったかのように過ぎていく。「この程度の遅れでイライラしていては東南アジアの列車には乗れない」と思いつつ、そうはいってもさすがに「遅いな」と思い始めた8時14分、列車は何の前触れもなく動き出した。<br /> 出発してすぐに小さな駅に差し掛かったが、乗降はなくそのまま過ぎ去った(州立鉄道のサイトにある時刻表には大きな駅しか掲載されていないが、名もなき小さな乗降場が数えきれないくらい存在する)。ホームは5メートルくらいしかない、小さな駅である(最初はこれで驚いていたが、先に進むにつれてこれよりさらに小さい・みすぼらしい駅も登場していった)。<br /><br />@駅です(この路線ではかなり立派な部類であることが判明)

     時間が経つにつれて乗客も荷物も増えていき、客車の方の乗車率は8割を超え、貨車にも20人以上が乗り込んだ。そして定刻の7時50分になったが、列車はピクリとも動かない。そのまま5分…10分…と、何事もなかったかのように過ぎていく。「この程度の遅れでイライラしていては東南アジアの列車には乗れない」と思いつつ、そうはいってもさすがに「遅いな」と思い始めた8時14分、列車は何の前触れもなく動き出した。
     出発してすぐに小さな駅に差し掛かったが、乗降はなくそのまま過ぎ去った(州立鉄道のサイトにある時刻表には大きな駅しか掲載されていないが、名もなき小さな乗降場が数えきれないくらい存在する)。ホームは5メートルくらいしかない、小さな駅である(最初はこれで驚いていたが、先に進むにつれてこれよりさらに小さい・みすぼらしい駅も登場していった)。

    @駅です(この路線ではかなり立派な部類であることが判明)

  •  8時30分頃に前方で人が旗を振る姿が見え、先ほどと同様のミニ駅に停車した。今度はまともな乗降客がいるようであるが、停車時間=乗降に要する時間だけであり、人が乗ったのを確認するや否や出発してしまう。<br /> 立て続けに小さな駅に停車し、続いて小さな駅舎が2つ連なっている駅に停まった。ホームが2つあるのは、恐らく片方が古くなってきたため、新しいのを建てたのであろう(建て替えずに並べる辺りは意味不明であるが)。ここに停まったのは降りる客がいたからであるが、ホームで待っているのは犬だけである。<br /><br />@手前のホームの椅子付近にいるのが犬駅長、奥のホーム上と線路上にいるのが降りた人

     8時30分頃に前方で人が旗を振る姿が見え、先ほどと同様のミニ駅に停車した。今度はまともな乗降客がいるようであるが、停車時間=乗降に要する時間だけであり、人が乗ったのを確認するや否や出発してしまう。
     立て続けに小さな駅に停車し、続いて小さな駅舎が2つ連なっている駅に停まった。ホームが2つあるのは、恐らく片方が古くなってきたため、新しいのを建てたのであろう(建て替えずに並べる辺りは意味不明であるが)。ここに停まったのは降りる客がいたからであるが、ホームで待っているのは犬だけである。

    @手前のホームの椅子付近にいるのが犬駅長、奥のホーム上と線路上にいるのが降りた人

  •  進行方向右手には大きな川があり、付かず離れずの距離にある。のんびりとした田舎風景の中、列車は左右に揺られながら進んで行く(思えばこの時点での揺れなど大した部類には入らないものであり、テノム到着前の1時間は壮絶な揺れであった)。<br /> 時折、列車は思い出したかのようにして小駅に停まる。<br /><br />@ボロ駅の例(これよりもっとすごいのもあった)

     進行方向右手には大きな川があり、付かず離れずの距離にある。のんびりとした田舎風景の中、列車は左右に揺られながら進んで行く(思えばこの時点での揺れなど大した部類には入らないものであり、テノム到着前の1時間は壮絶な揺れであった)。
     時折、列車は思い出したかのようにして小駅に停まる。

    @ボロ駅の例(これよりもっとすごいのもあった)

  •  8時55分、列車はまた何もないところで停車した。「また小駅か」と思ったが、どうやらそうではないらしく、乗客もそこでぞろぞろ降り始めている。駅員ではない人(たぶん乗客)がやってきて、西洋人の団体相手に「チェンジ・トレイン」と言っていた。<br /> テノムまでの区間はさらに二分化されており、そのため途中で乗り換えるという話はネットで読んだことがあるが、今日に関しては駅も何もないところでの停車(乗り換え)ある。とりあえず言われるがままに降りて、線路上を歩き始めた。<br /><br />@事故後の避難みたい

     8時55分、列車はまた何もないところで停車した。「また小駅か」と思ったが、どうやらそうではないらしく、乗客もそこでぞろぞろ降り始めている。駅員ではない人(たぶん乗客)がやってきて、西洋人の団体相手に「チェンジ・トレイン」と言っていた。
     テノムまでの区間はさらに二分化されており、そのため途中で乗り換えるという話はネットで読んだことがあるが、今日に関しては駅も何もないところでの停車(乗り換え)ある。とりあえず言われるがままに降りて、線路上を歩き始めた。

    @事故後の避難みたい

  •  歩いて行くと、前方の50メートルくらいの間が枕木と旗で閉鎖されている。その上を歩いて行ったが、どうやら水害の影響で路盤が浮いた状態になっているではないか(このままで列車を通すのは危険と判断したのであろう)。<br /> 不便な乗り換えであるが、運休にせずこのようなイレギュラー対応をしてくれたのはありがたい(地元民はともかく、私はそうそう簡単にここに来ることはできないのである)。<br /><br />@浮いた路盤(新しいバラストは入れたが、まだ枕木が露出している状態)

     歩いて行くと、前方の50メートルくらいの間が枕木と旗で閉鎖されている。その上を歩いて行ったが、どうやら水害の影響で路盤が浮いた状態になっているではないか(このままで列車を通すのは危険と判断したのであろう)。
     不便な乗り換えであるが、運休にせずこのようなイレギュラー対応をしてくれたのはありがたい(地元民はともかく、私はそうそう簡単にここに来ることはできないのである)。

    @浮いた路盤(新しいバラストは入れたが、まだ枕木が露出している状態)

  •  路盤の不安定な部分は通り過ぎたが、乗り換えるべき列車はまだ到着していない(そういうタイミングは上手くいかないのであろう)。9時10分頃になり、やっと乗るべき列車が後ろ向きになってやって来たが、客車が1両減って乗車できる部分が2両だけになっているではないか。待っていた乗客はそれに乗り込むこととなったが、当然、混雑率はかなり上がってしまった。<br /><br />@ここから先はこれに

     路盤の不安定な部分は通り過ぎたが、乗り換えるべき列車はまだ到着していない(そういうタイミングは上手くいかないのであろう)。9時10分頃になり、やっと乗るべき列車が後ろ向きになってやって来たが、客車が1両減って乗車できる部分が2両だけになっているではないか。待っていた乗客はそれに乗り込むこととなったが、当然、混雑率はかなり上がってしまった。

    @ここから先はこれに

  •  乗客が乗り込み終わると出発し、そしてしばらくすると久々の大きなホームが現れて、9時15分にHalogilatに到着した。<br /> 同駅を出発して15分くらい走行すると、いかにも「水害の被害を復旧させました」という状態のところを走り始めた。バラストだけは新しいものが敷かれているが、それ以外はレールも枕木も旧いまま再利用しており、本当に大丈夫かと思ってしまうが、まぁ大丈夫なのであろう(そう信じるしかない)。<br /><br />@走れれば文句なし

     乗客が乗り込み終わると出発し、そしてしばらくすると久々の大きなホームが現れて、9時15分にHalogilatに到着した。
     同駅を出発して15分くらい走行すると、いかにも「水害の被害を復旧させました」という状態のところを走り始めた。バラストだけは新しいものが敷かれているが、それ以外はレールも枕木も旧いまま再利用しており、本当に大丈夫かと思ってしまうが、まぁ大丈夫なのであろう(そう信じるしかない)。

    @走れれば文句なし

  •  そんな区間を過ぎると、今度は「土砂崩れを復旧させました」というような区間に差し掛かった。今度は、本当にこれでいいのかと疑いたくなるような復旧具合であり、土手側の残土が崩れてこないのかどうか不安であるが、こちらについても「これでいい」と信じるしかない。<br /><br />@なぜなら実際に走っているのだから

     そんな区間を過ぎると、今度は「土砂崩れを復旧させました」というような区間に差し掛かった。今度は、本当にこれでいいのかと疑いたくなるような復旧具合であり、土手側の残土が崩れてこないのかどうか不安であるが、こちらについても「これでいい」と信じるしかない。

    @なぜなら実際に走っているのだから

  •  9時50分、Rayohに到着した。ここで西洋人の団体を含む多くの人が降りたが、近隣に何があるのかは不明である。ゴムボートなども少しあるようであったが、並走する川は茶色の水でかなりの濁流であり、ここで川下りをするのはかなり危ないであろうと思われる。いずれにせよ、車内の乗客はそれまでの4分の1くらいに減ってしまった。<br /><br />@Rayoh駅にて

     9時50分、Rayohに到着した。ここで西洋人の団体を含む多くの人が降りたが、近隣に何があるのかは不明である。ゴムボートなども少しあるようであったが、並走する川は茶色の水でかなりの濁流であり、ここで川下りをするのはかなり危ないであろうと思われる。いずれにせよ、車内の乗客はそれまでの4分の1くらいに減ってしまった。

    @Rayoh駅にて

  •  意外に長時間停車し、同駅を定刻から45分遅れの10時03分に出発した。それにしても、元々酷い揺れであったが、それがさらに酷くなってきている。レールの継ぎ目もガタンゴトンというよりもゴツンゴツンという感じで大きく体に響き、きちんとドアなどを押さえていないと振り落とされかねない勢いで左右に揺れ続けていく。<br /> しばらくして、あの短いホームの駅すらないところで停車した。この路線は駅のない所でも手を挙げると乗車できるらしいことは事前に調べて知っていたが、どうやらそれが本当に行われたようである。<br /><br />@駅のないところで乗る人々

     意外に長時間停車し、同駅を定刻から45分遅れの10時03分に出発した。それにしても、元々酷い揺れであったが、それがさらに酷くなってきている。レールの継ぎ目もガタンゴトンというよりもゴツンゴツンという感じで大きく体に響き、きちんとドアなどを押さえていないと振り落とされかねない勢いで左右に揺れ続けていく。
     しばらくして、あの短いホームの駅すらないところで停車した。この路線は駅のない所でも手を挙げると乗車できるらしいことは事前に調べて知っていたが、どうやらそれが本当に行われたようである。

    @駅のないところで乗る人々

  •  その人たちを乗せてしばらく走り続けると、またしても水害跡に差し掛かっていった。復旧はまだ完全には済んでいないようで重機があちこちに残ったままであるが、それでも運行を再開してしまう辺りは、流石と言うべきか、それとも…。<br /><br />@流石です

     その人たちを乗せてしばらく走り続けると、またしても水害跡に差し掛かっていった。復旧はまだ完全には済んでいないようで重機があちこちに残ったままであるが、それでも運行を再開してしまう辺りは、流石と言うべきか、それとも…。

    @流石です

  •  立ち続けて足が痛くなってしまったので、私は地元民の真似をして貨車の出入口の部分に座って外を眺めることにした。ズボンが少し汚れてしまうが、外を眺めるには快適である(ただし、不意の揺れが来るので手は離さないように注意する必要がある)。<br /> 10時28分にPangiに到着し、同駅を出発してしばらくすると、ダムが見え始めてきた(川の流れがあまりにも激しすぎるため、「ダムなどの治水対策が皆無なのだろう」と思っていたが、意外にそうではなかった)。ただし、高低差はほとんどないダムであるため、その治水能力はあまり高そうでなさそうである。<br /><br />@こんなダム(ダムとしての嵩は10メートル程度?)

     立ち続けて足が痛くなってしまったので、私は地元民の真似をして貨車の出入口の部分に座って外を眺めることにした。ズボンが少し汚れてしまうが、外を眺めるには快適である(ただし、不意の揺れが来るので手は離さないように注意する必要がある)。
     10時28分にPangiに到着し、同駅を出発してしばらくすると、ダムが見え始めてきた(川の流れがあまりにも激しすぎるため、「ダムなどの治水対策が皆無なのだろう」と思っていたが、意外にそうではなかった)。ただし、高低差はほとんどないダムであるため、その治水能力はあまり高そうでなさそうである。

    @こんなダム(ダムとしての嵩は10メートル程度?)

  •  ダムを過ぎると川面はゆったりとした流れとなり、そしてこの路線で唯一のトンネル(短いのであっという間に抜けてしまう)を通り過ぎ、そしていきなり人工物が増えて、11時05分に終点のテノムに到着した。定刻より52分の遅れであるが、急ぐ旅ではないため問題はない。<br /> それにしても、終点の直前まで森林と川しかなかったため、いきなり「砂漠のオアシス」のようにして町が現れた感じである。予想外に大きな町であり、人や車でごった返していた。<br /> 時刻的に昼時であるが、この町もサバ州の他の町と同様に、やたらと看板に中国語が目立つ。中国系の料理でも構わないが、せっかくなので看板に漢字がなく、かつ「ムスリム」と明記している店に入ってみた。ナシゴレンだとまた量が多いかもしれないため、ミーゴレン・アヤム(鶏焼きそば)にしてみた。<br /><br />@美味(ちょうど良い量)

     ダムを過ぎると川面はゆったりとした流れとなり、そしてこの路線で唯一のトンネル(短いのであっという間に抜けてしまう)を通り過ぎ、そしていきなり人工物が増えて、11時05分に終点のテノムに到着した。定刻より52分の遅れであるが、急ぐ旅ではないため問題はない。
     それにしても、終点の直前まで森林と川しかなかったため、いきなり「砂漠のオアシス」のようにして町が現れた感じである。予想外に大きな町であり、人や車でごった返していた。
     時刻的に昼時であるが、この町もサバ州の他の町と同様に、やたらと看板に中国語が目立つ。中国系の料理でも構わないが、せっかくなので看板に漢字がなく、かつ「ムスリム」と明記している店に入ってみた。ナシゴレンだとまた量が多いかもしれないため、ミーゴレン・アヤム(鶏焼きそば)にしてみた。

    @美味(ちょうど良い量)

  •  食後は街中を適当に散策し、その後は引込線の先の方まで行ってみた。すると、引込線を利用して機関車が反対側に付け替えられているではないか。例の不通区間には後ろ向き(バック)で来たはずであるから、この先どこかでまた機関車が付け替えられるに違いない(思えば、後ろ向きのままで走り続けるのは難しい=危険でもあるため、行けるところまでは通常の形態で走るのであろう)。<br /> 12時くらいに駅へ戻ったが、駅舎内はすごい人である。たったの2両編成に乗り切れるのかどうか、少しく不安である。<br /><br />@駅舎正面

     食後は街中を適当に散策し、その後は引込線の先の方まで行ってみた。すると、引込線を利用して機関車が反対側に付け替えられているではないか。例の不通区間には後ろ向き(バック)で来たはずであるから、この先どこかでまた機関車が付け替えられるに違いない(思えば、後ろ向きのままで走り続けるのは難しい=危険でもあるため、行けるところまでは通常の形態で走るのであろう)。
     12時くらいに駅へ戻ったが、駅舎内はすごい人である。たったの2両編成に乗り切れるのかどうか、少しく不安である。

    @駅舎正面

  •  ボーフォートまでの列車は格安であるが(たったの2.75リンギット)、冷房がないのは少し堪えるところである。駅舎前には大型のバスが停まっており、前面には大きく「K.K」と書いてあるため、あれに乗れば冷房で涼みながらコタキナバルまで直行でき、恐らく15時前には到着してしまうであろう。しかし、それでもあえて鉄道を選ぶのが、鐡旅の鐡旅たる所以である。<br /><br />@テノム駅舎内にはこんな絵も

     ボーフォートまでの列車は格安であるが(たったの2.75リンギット)、冷房がないのは少し堪えるところである。駅舎前には大型のバスが停まっており、前面には大きく「K.K」と書いてあるため、あれに乗れば冷房で涼みながらコタキナバルまで直行でき、恐らく15時前には到着してしまうであろう。しかし、それでもあえて鉄道を選ぶのが、鐡旅の鐡旅たる所以である。

    @テノム駅舎内にはこんな絵も

  •  12時05分くらいに改札が開いたが、12時に開くべき窓口がまだ閉っているため切符を買うことができない。少しお行儀が悪いと思いつつ、先に車内に入って不要な荷物で自分の席を押さえてから、窓口に戻って行列に並んだ(結局、同じようなことをしている人は何人もいたが)。<br /> 12時30分、往路とは違って定刻ぴったりに出発した。景色自体は、往路の逆再生であるから大差はない。<br /><br />@踏切番の仕事は1日2往復=4回だけ?

     12時05分くらいに改札が開いたが、12時に開くべき窓口がまだ閉っているため切符を買うことができない。少しお行儀が悪いと思いつつ、先に車内に入って不要な荷物で自分の席を押さえてから、窓口に戻って行列に並んだ(結局、同じようなことをしている人は何人もいたが)。
     12時30分、往路とは違って定刻ぴったりに出発した。景色自体は、往路の逆再生であるから大差はない。

    @踏切番の仕事は1日2往復=4回だけ?

  •  往路で団体客が多く降りたRayohでは、当然の如く彼らがまた乗ってきた。私のすぐ近くには20代くらいの若いマレー人の5人組が座ったが、彼女たちは往路で貨物の後ろ側(つまり私の近く)にいたのでなんとなく覚えている。すると私のことを見てそのうちの1人(私のすぐ隣りに座っていた子)が「××××」(おそらく「今朝も乗っていましたよね」のようなもの)と言ってきたので、私が「マレー語は話せません」と答えると、今度は結構流暢な英語で聞いてきたため、その後しばらく彼女たちの質問にあれこれ答え続けることになった。名前や出身という在り来りな話から、「台風が日本に近づいているけど大丈夫?」みたいな話にまで話題は多岐にわたったが、それにしても愛嬌がある子たちである。<br /> そのうち、「私たちはこれをやってきたの」と言って動画を見せてくれたが、やはりまさかの川下りであった。「この川?」「そう」「危なくない?」「ええ」という感じである。<br /><br />@あまり優雅な川下りはできなさそう

     往路で団体客が多く降りたRayohでは、当然の如く彼らがまた乗ってきた。私のすぐ近くには20代くらいの若いマレー人の5人組が座ったが、彼女たちは往路で貨物の後ろ側(つまり私の近く)にいたのでなんとなく覚えている。すると私のことを見てそのうちの1人(私のすぐ隣りに座っていた子)が「××××」(おそらく「今朝も乗っていましたよね」のようなもの)と言ってきたので、私が「マレー語は話せません」と答えると、今度は結構流暢な英語で聞いてきたため、その後しばらく彼女たちの質問にあれこれ答え続けることになった。名前や出身という在り来りな話から、「台風が日本に近づいているけど大丈夫?」みたいな話にまで話題は多岐にわたったが、それにしても愛嬌がある子たちである。
     そのうち、「私たちはこれをやってきたの」と言って動画を見せてくれたが、やはりまさかの川下りであった。「この川?」「そう」「危なくない?」「ええ」という感じである。

    @あまり優雅な川下りはできなさそう

  •  13字52分、Halogilatに到着し、予想通りここで機関車が付け替えられることとなった。付け替え作業はあっという間に終わり、機関車を最後尾にして列車はゆっくりと進み始めた(貨物車の先頭では、車掌が手信号で合図を送っている)。<br /> しばらく進み、例の不通区間にまた戻ってきた。<br /><br />@この程度のトラブルなら「旅の味付け」程度(ネタになるから逆に嬉しいくらい)

     13字52分、Halogilatに到着し、予想通りここで機関車が付け替えられることとなった。付け替え作業はあっという間に終わり、機関車を最後尾にして列車はゆっくりと進み始めた(貨物車の先頭では、車掌が手信号で合図を送っている)。
     しばらく進み、例の不通区間にまた戻ってきた。

    @この程度のトラブルなら「旅の味付け」程度(ネタになるから逆に嬉しいくらい)

  •  路盤が浮いた部分については今日の作業により新しいバラストが埋められていたが、まだその周囲は足で踏んでも緩い状態であるため、作業は完了していないようである。よって、しばしこの奇妙な乗り継ぎが続けられることであろう。<br /> 乗客の入れ替えはスムーズに終わったが、問題はいつまで後ろ向きのままで走り続けるか、ということである(先述したとおり、ボーフォートからしばらくの区間はミニ駅ばかりであり、行き違い設備のあるような大きな駅は皆無なのである)。<br /> 私の心配をよそに、結局列車は終着のボーフォートまで反対向きで走り続けた。到着は14時59分、遅延はたったの4分だけである(後ろ向きに走ったのに?)。<br /><br />@ボーフォートに到着(後ろ向きで)

     路盤が浮いた部分については今日の作業により新しいバラストが埋められていたが、まだその周囲は足で踏んでも緩い状態であるため、作業は完了していないようである。よって、しばしこの奇妙な乗り継ぎが続けられることであろう。
     乗客の入れ替えはスムーズに終わったが、問題はいつまで後ろ向きのままで走り続けるか、ということである(先述したとおり、ボーフォートからしばらくの区間はミニ駅ばかりであり、行き違い設備のあるような大きな駅は皆無なのである)。
     私の心配をよそに、結局列車は終着のボーフォートまで反対向きで走り続けた。到着は14時59分、遅延はたったの4分だけである(後ろ向きに走ったのに?)。

    @ボーフォートに到着(後ろ向きで)

  •  さて、問題はコタキナバル行の508が運行されるかどうかである。窓口の前で例の掲示を再確認していた際、車中で川下りの動画を見せてくれた子が通りかかったので、「これは、キャンセルという意味?」と訊いてみたところ、やはりそうであった。私は彼女に「ありがとう、バスに乗るから大丈夫」と言い、駅を後にした。<br /> なぜバスという言葉がすぐに出てきたのかというと、朝方に街中を散策した際に、小さなバスターミナルを発見していたからである。そこへ行ってみるとミニバンが停まっており、「K.K?」と訊いてきたので、頷いてそのバンに乗り込んだ。コタキナバルまでは12リンギットであり、鉄道の倍以上するが、90キロくらいも乗って400円程度と思えば安いものである。<br /> 15時30分頃、席数分の乗客が揃ったバスはボーフォートを出発した。ボロバスは時速120キロ程度で一般道を激走したが、とりあえず踏切などの鐡ネタは押さえておくことにした。<br /><br />@定番

     さて、問題はコタキナバル行の508が運行されるかどうかである。窓口の前で例の掲示を再確認していた際、車中で川下りの動画を見せてくれた子が通りかかったので、「これは、キャンセルという意味?」と訊いてみたところ、やはりそうであった。私は彼女に「ありがとう、バスに乗るから大丈夫」と言い、駅を後にした。
     なぜバスという言葉がすぐに出てきたのかというと、朝方に街中を散策した際に、小さなバスターミナルを発見していたからである。そこへ行ってみるとミニバンが停まっており、「K.K?」と訊いてきたので、頷いてそのバンに乗り込んだ。コタキナバルまでは12リンギットであり、鉄道の倍以上するが、90キロくらいも乗って400円程度と思えば安いものである。
     15時30分頃、席数分の乗客が揃ったバスはボーフォートを出発した。ボロバスは時速120キロ程度で一般道を激走したが、とりあえず踏切などの鐡ネタは押さえておくことにした。

    @定番

  •  「このペースだと1時間半くらいで到着してしまうのでは」と思ったが、途中で工事渋滞に嵌ってしまい20分ほど時間をロスしてしまった。17時過ぎにはコタキナバル空港(第一ターミナル)近くを通り過ぎ、そしてふと右手を見ると、ボーフォート行の最終列車である104とすれ違った(日曜日は30分早発になるため昨日よりは早い)。<br /><br />@線路と平行する

     「このペースだと1時間半くらいで到着してしまうのでは」と思ったが、途中で工事渋滞に嵌ってしまい20分ほど時間をロスしてしまった。17時過ぎにはコタキナバル空港(第一ターミナル)近くを通り過ぎ、そしてふと右手を見ると、ボーフォート行の最終列車である104とすれ違った(日曜日は30分早発になるため昨日よりは早い)。

    @線路と平行する

  •  バスはタンジュン・アル駅の隣りを通過し、さらにSembulan駅の隣りも通過し、17時25分頃にはバスターミナルに到着してしまった。バスなど利用する予定はなかったためどこに降りたのかわからず、少しだけ迷ってしまったが、予約済みであったガヤ通りにあるホテルには17時40分過ぎにはチェックインすることができた。本来の予定ならばチェックインは19時をはるかに過ぎてしまう予定であったから、少し複雑な心境(鉄道が使えない=時間の有効活用ができてしまう)である。<br /> その晩はナイト・マーケットを適当に散策してそこで買った鶏肉とコンビニビールで体を癒し、再度またホテルを出て適当に歩いているうちにまたナイト・マーケットに来てしまったため、そこで性懲りもなくナシゴレンで締めることにした。<br /><br />@しかし、レベルはだんだん上がってきている?

     バスはタンジュン・アル駅の隣りを通過し、さらにSembulan駅の隣りも通過し、17時25分頃にはバスターミナルに到着してしまった。バスなど利用する予定はなかったためどこに降りたのかわからず、少しだけ迷ってしまったが、予約済みであったガヤ通りにあるホテルには17時40分過ぎにはチェックインすることができた。本来の予定ならばチェックインは19時をはるかに過ぎてしまう予定であったから、少し複雑な心境(鉄道が使えない=時間の有効活用ができてしまう)である。
     その晩はナイト・マーケットを適当に散策してそこで買った鶏肉とコンビニビールで体を癒し、再度またホテルを出て適当に歩いているうちにまたナイト・マーケットに来てしまったため、そこで性懲りもなくナシゴレンで締めることにした。

    @しかし、レベルはだんだん上がってきている?

  • ■2014.10.13<br /> 今日の問題は、「そもそも何をするか」である。本来の旅程であれば、タンジュン・アルからSembulanまでの区間乗車と博物館の拝観を予定していたのであるが、運休による急な旅程変更によりどちらも済ませてしまっている。昨晩、ナイト・マーケットをぶらついていた際には「あまりあくせくせず、この町で半日のんびりしてもいいか」と思っていたのだが、朝起きてからやはり気持ちが変わり、もう一度鉄道に乗ることにした。<br /> といっても、14時頃の飛行機の便を押さえているため、ボーフォートまで行ってくるわけにはいかない。そこで、途中のPapar(北ボルネオ鉄道が折り返す駅)まで行ってみることにした(あっさりと書いたが、市内のワワサン・バスターミナルからタンジュン・アル駅までの乗り合いローカルバス、Paparから戻ってくるバスなどの情報検索に、1時間以上の時間を費やした)。<br /> 6時半頃にホテルを出て、海岸沿いに散策しながらバスターミナルへと向かった。<br /><br />@晴天

    ■2014.10.13
     今日の問題は、「そもそも何をするか」である。本来の旅程であれば、タンジュン・アルからSembulanまでの区間乗車と博物館の拝観を予定していたのであるが、運休による急な旅程変更によりどちらも済ませてしまっている。昨晩、ナイト・マーケットをぶらついていた際には「あまりあくせくせず、この町で半日のんびりしてもいいか」と思っていたのだが、朝起きてからやはり気持ちが変わり、もう一度鉄道に乗ることにした。
     といっても、14時頃の飛行機の便を押さえているため、ボーフォートまで行ってくるわけにはいかない。そこで、途中のPapar(北ボルネオ鉄道が折り返す駅)まで行ってみることにした(あっさりと書いたが、市内のワワサン・バスターミナルからタンジュン・アル駅までの乗り合いローカルバス、Paparから戻ってくるバスなどの情報検索に、1時間以上の時間を費やした)。
     6時半頃にホテルを出て、海岸沿いに散策しながらバスターミナルへと向かった。

    @晴天

  •  ワワサン・バスターミナルは改装中ということで、実際の発着場所についてはわからないままであったが、海岸沿いの道路を歩いていくと各方面に分かれてバスが集まっているところに出くわした。行き先を表示した看板もあり、これなら簡単である。<br /> ちなみに、乗り合いバスの検索については当初は難儀を極めたが、こちら(http://www.mysabah.com/download/local-bus-sabah.html)のサイトを発見してからは大枠を掴みとることができた。<br /><br />@これに乗る(料金はたったの1.5リンギット)

     ワワサン・バスターミナルは改装中ということで、実際の発着場所についてはわからないままであったが、海岸沿いの道路を歩いていくと各方面に分かれてバスが集まっているところに出くわした。行き先を表示した看板もあり、これなら簡単である。
     ちなみに、乗り合いバスの検索については当初は難儀を極めたが、こちら(http://www.mysabah.com/download/local-bus-sabah.html)のサイトを発見してからは大枠を掴みとることができた。

    @これに乗る(料金はたったの1.5リンギット)

  •  満員になった段階でバスは出発し、タンジュン・アル駅までは10分もかからずに到着した(ちなみに、私が最初の下車客であった。ほかの人はもっと長距離を利用するようである)。2日ぶりの同駅再訪である。時刻は7時10分頃、ちょうどSembulan行の201が定刻より遅れて出発していくところであった。<br /> 2日前との相違点としては、ホームに北ボルネオ鉄道の車両が係留されているという点である。中を覗き込んでみたところ、大きくはない車両であるため座席も狭いが、こういうのに揺られて優雅な気分に浸るのもいいのではないかと思われた。<br /><br />@今日は運航日ではありません

     満員になった段階でバスは出発し、タンジュン・アル駅までは10分もかからずに到着した(ちなみに、私が最初の下車客であった。ほかの人はもっと長距離を利用するようである)。2日ぶりの同駅再訪である。時刻は7時10分頃、ちょうどSembulan行の201が定刻より遅れて出発していくところであった。
     2日前との相違点としては、ホームに北ボルネオ鉄道の車両が係留されているという点である。中を覗き込んでみたところ、大きくはない車両であるため座席も狭いが、こういうのに揺られて優雅な気分に浸るのもいいのではないかと思われた。

    @今日は運航日ではありません

  •  その隣りのホームには、非冷房の客車が係留されていた。ボーフォートまでの区間は、中国製の冷房車(先ほど見かけたもの)とこの非冷房の客車の2編成で運用されていたようであるが、もしかしたらこの車両に何か不具合が発生し、その影響で103や508が運休になったという可能性も捨てきれない(結局、運休の詳細は不明であるが)。<br /><br />@味わいあり

     その隣りのホームには、非冷房の客車が係留されていた。ボーフォートまでの区間は、中国製の冷房車(先ほど見かけたもの)とこの非冷房の客車の2編成で運用されていたようであるが、もしかしたらこの車両に何か不具合が発生し、その影響で103や508が運休になったという可能性も捨てきれない(結局、運休の詳細は不明であるが)。

    @味わいあり

  •  窓口で、Paparまでの切符(たったの1.85リンギット)を買い、列車がやってくるのを待った。7時半頃にSembulanからの折り返し列車がやってきたが、ドアはすぐには開かない。中を見てみると、清掃をしているようであった。窓も拭いてくれているので、車窓を楽しむ側としてはありがたい。<br /> それにしても、清掃要員が5〜6人もいて、運転や車掌業務を行う人も3〜4人くらいいそうである。それに引き換え、乗車を待っている乗客は20人程度であり、運賃は先に示した通りである。いくら人件費が安い東南アジアとはいえ、どうしても収支が気になるところである。<br /><br />@出発待ち

     窓口で、Paparまでの切符(たったの1.85リンギット)を買い、列車がやってくるのを待った。7時半頃にSembulanからの折り返し列車がやってきたが、ドアはすぐには開かない。中を見てみると、清掃をしているようであった。窓も拭いてくれているので、車窓を楽しむ側としてはありがたい。
     それにしても、清掃要員が5〜6人もいて、運転や車掌業務を行う人も3〜4人くらいいそうである。それに引き換え、乗車を待っている乗客は20人程度であり、運賃は先に示した通りである。いくら人件費が安い東南アジアとはいえ、どうしても収支が気になるところである。

    @出発待ち

  •  冷房が効き過ぎている車内で出発を待っていた際、「その気になればボーフォートまで行けるな」ということに気づいた。折り返しの502に乗ったのではタンジュン・アル着が13時10分であるため、いくら印刷済みの飛行機のチケットを持っているとはいえリスクが高すぎるが、帰りを昨日と同様のバス(ミニバン)で帰ってくれば可能は範囲である。…と思ったが、やはり遅延のリスク(一昨日も列車が10分ほど遅延したし、昨日のミニバンも乗客が揃う(満席になる)まで20分以上を要したし、また工事渋滞で20分加算されている)を考えると、こちらも危険である。結局、「途中下車を楽しもう」ということに落ち着いた。<br /><br />@運転席を覗き見(ドアが開いていたので)

     冷房が効き過ぎている車内で出発を待っていた際、「その気になればボーフォートまで行けるな」ということに気づいた。折り返しの502に乗ったのではタンジュン・アル着が13時10分であるため、いくら印刷済みの飛行機のチケットを持っているとはいえリスクが高すぎるが、帰りを昨日と同様のバス(ミニバン)で帰ってくれば可能は範囲である。…と思ったが、やはり遅延のリスク(一昨日も列車が10分ほど遅延したし、昨日のミニバンも乗客が揃う(満席になる)まで20分以上を要したし、また工事渋滞で20分加算されている)を考えると、こちらも危険である。結局、「途中下車を楽しもう」ということに落ち着いた。

    @運転席を覗き見(ドアが開いていたので)

  •  タンジュン・アルを定刻から3分遅れの7時48分に出発、右手にある空港を過ぎ、最初の停車駅であるPutatanでは40〜50人が乗ってきた。同様に、次のKinarutでも多くの客が乗り、乗車率は60%くらいになった。ちなみに、同駅の手前では右手に少しだけ海が見える区間がある。これは昨日バスで戻ってくる際に気づいたものであり(初日に鉄道で移動した際は薄暗かったので、これに気づかなかった)、これが「部分的でもいいから、もう一度乗ろう」と思った原因の一つでもある。<br /><br />@壮大な眺めではありませんが

     タンジュン・アルを定刻から3分遅れの7時48分に出発、右手にある空港を過ぎ、最初の停車駅であるPutatanでは40〜50人が乗ってきた。同様に、次のKinarutでも多くの客が乗り、乗車率は60%くらいになった。ちなみに、同駅の手前では右手に少しだけ海が見える区間がある。これは昨日バスで戻ってくる際に気づいたものであり(初日に鉄道で移動した際は薄暗かったので、これに気づかなかった)、これが「部分的でもいいから、もう一度乗ろう」と思った原因の一つでもある。

    @壮大な眺めではありませんが

  •  この鉄道路線は、半分くらいの区間で4車線の車道と並走している。道路が併走していない区間では、やはり鉄道は自然(木々や田畑、湿地帯や草原)の中を走るので、車窓としてはこちらの方が一枚上手である。<br /> 8時34分、定刻から5分遅れでPaparに到着した。ここに何があるかは知らないが、観光列車の折り返し地点であるから「何もない」ということはないであろう。駅前には「K.K」と書いたバスがたくさん停まっており、帰りの心配はなさそうである。<br /> ノープランで街中を歩き、商店や魚市場、モスクなどを見て回った。鐡ネタはなかったが、とりあえず駅の裏手まで回ってみたりした。それにしても今日は、昨日までと違って強烈な日差しで皮膚が痛いくらいの暑さである。<br /><br />@踏切より撮影

     この鉄道路線は、半分くらいの区間で4車線の車道と並走している。道路が併走していない区間では、やはり鉄道は自然(木々や田畑、湿地帯や草原)の中を走るので、車窓としてはこちらの方が一枚上手である。
     8時34分、定刻から5分遅れでPaparに到着した。ここに何があるかは知らないが、観光列車の折り返し地点であるから「何もない」ということはないであろう。駅前には「K.K」と書いたバスがたくさん停まっており、帰りの心配はなさそうである。
     ノープランで街中を歩き、商店や魚市場、モスクなどを見て回った。鐡ネタはなかったが、とりあえず駅の裏手まで回ってみたりした。それにしても今日は、昨日までと違って強烈な日差しで皮膚が痛いくらいの暑さである。

    @踏切より撮影

  •  9時過ぎに駅へ戻り、ワワサン・バスターミナル行のバスに乗り込んだ。運良く冷房付のバスであり(ローカルバスは非冷房が多い)、しかも30人くらい乗れるバスであったが私が最後から2人目であったため、乗ってすぐに出発してくれた。運賃は5リンギット。<br /> 昨日と同じ景色を見ながら、約1時間後にコタキナバルへ戻ってきた。しばし時間があるため、歩いて市街地裏手にある展望台まで行ってみた。日差しが強いが、山道は木陰もあるのでまだ大丈夫である。<br /><br />@意外と絶景(写真では伝わりにくいですが)

     9時過ぎに駅へ戻り、ワワサン・バスターミナル行のバスに乗り込んだ。運良く冷房付のバスであり(ローカルバスは非冷房が多い)、しかも30人くらい乗れるバスであったが私が最後から2人目であったため、乗ってすぐに出発してくれた。運賃は5リンギット。
     昨日と同じ景色を見ながら、約1時間後にコタキナバルへ戻ってきた。しばし時間があるため、歩いて市街地裏手にある展望台まで行ってみた。日差しが強いが、山道は木陰もあるのでまだ大丈夫である。

    @意外と絶景(写真では伝わりにくいですが)

  •  展望台から下界に降りてからは、時間的にちょうどよいので昼食である。これまでと同じパターンで、ムスリムの店に入り、「ナシゴレン・USA」という変なものを頼んでみた。どの辺りがUSAなのかどうかは不明であるが、これはこれでおいしくいただいた。<br /><br />@命名理由不明

     展望台から下界に降りてからは、時間的にちょうどよいので昼食である。これまでと同じパターンで、ムスリムの店に入り、「ナシゴレン・USA」という変なものを頼んでみた。どの辺りがUSAなのかどうかは不明であるが、これはこれでおいしくいただいた。

    @命名理由不明

  •  あとは、空港へ行くだけである。本来はタンジュン・アル・ビーチ方面のローカルバス(1.5リンギット)か、2013年末から運行を開始した空港連絡バス(5リンギット)を使用するつもりであったが、展望台に行ったりお土産をスーパーで選んだりしているうちに、どちらも難しい時刻となってしまった。よって、タクシー(30リンギット)で移動することとなってしまった。これは正規価格でありぼられているわけではないが、しかし鉄道やローカルバスの安さを考えると、その気になれば歩けるような距離(4キロ強)に1,000円近くも出すことにはあまり納得はいかない。<br /><br /> …という塩梅で旅行記は終わる予定であったが14時05分発予定のLCCが予定通り運行されたため、クアラルンプールで6時間近くの空き時間が出来てしまった(私がLCCに乗る際には、「万が一欠航になっても次の便に乗れば間に合う」ことを前提にして予約している)。よって、マレー半島でも「プチ鐡」を行うことにしたため、追加で著しておきたい。<br /> KLIA2(LCC専用)から高速鉄道(KLIAエクスプレス)で移動し、クアラルンプール・セントラル駅へ。ここでKTMコミューターに乗り換える。行先は、バトゥ・ケイブである。<br /> マレー半島の鉄道はすべて乗車済みであるが、クアラルンプールの近郊路線については手つかず状態であるため、今回このようにして乗ってみることにしたのである。<br /><br />@新型車両

     あとは、空港へ行くだけである。本来はタンジュン・アル・ビーチ方面のローカルバス(1.5リンギット)か、2013年末から運行を開始した空港連絡バス(5リンギット)を使用するつもりであったが、展望台に行ったりお土産をスーパーで選んだりしているうちに、どちらも難しい時刻となってしまった。よって、タクシー(30リンギット)で移動することとなってしまった。これは正規価格でありぼられているわけではないが、しかし鉄道やローカルバスの安さを考えると、その気になれば歩けるような距離(4キロ強)に1,000円近くも出すことにはあまり納得はいかない。

     …という塩梅で旅行記は終わる予定であったが14時05分発予定のLCCが予定通り運行されたため、クアラルンプールで6時間近くの空き時間が出来てしまった(私がLCCに乗る際には、「万が一欠航になっても次の便に乗れば間に合う」ことを前提にして予約している)。よって、マレー半島でも「プチ鐡」を行うことにしたため、追加で著しておきたい。
     KLIA2(LCC専用)から高速鉄道(KLIAエクスプレス)で移動し、クアラルンプール・セントラル駅へ。ここでKTMコミューターに乗り換える。行先は、バトゥ・ケイブである。
     マレー半島の鉄道はすべて乗車済みであるが、クアラルンプールの近郊路線については手つかず状態であるため、今回このようにして乗ってみることにしたのである。

    @新型車両

  •  近郊路線ということで、足回りの良い通勤列車のようなものを想定していたが、他の路線と重複している区間はかなりの鈍足である(ほぼ「徐行」に近い)。運行本数も多く、複々線化もされていないため、仕様がないのであろう。<br /> 終着のバドゥ・ケイブに到着したのは、18時20分頃であった。サバ州ならばすでに日が暮れている時間であるが、マレー半島の方が西にあるため幸いにもまだ明るい。<br /> 洞窟につながる長大な階段を上り始めた時点で、クアラルンプール駅のコインロッカーに荷物を置いてこなかったことを後悔したが、後の祭りである。<br /><br />@壮観<br /><br /><br />*旅行記および私の詳細については以下で。<br />「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm

     近郊路線ということで、足回りの良い通勤列車のようなものを想定していたが、他の路線と重複している区間はかなりの鈍足である(ほぼ「徐行」に近い)。運行本数も多く、複々線化もされていないため、仕様がないのであろう。
     終着のバドゥ・ケイブに到着したのは、18時20分頃であった。サバ州ならばすでに日が暮れている時間であるが、マレー半島の方が西にあるため幸いにもまだ明るい。
     洞窟につながる長大な階段を上り始めた時点で、クアラルンプール駅のコインロッカーに荷物を置いてこなかったことを後悔したが、後の祭りである。

    @壮観


    *旅行記および私の詳細については以下で。
    「鐡旅」http://www2u.biglobe.ne.jp/~kokuden/tetu.htm

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この旅行記へのコメント (2)

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  • tanupamさん 2014/10/19 00:08:08
    推進運転とは・・・
    国電さん


    こんばんは

    ボルネオ、サバ州鉄道旅行記楽しませていただきました。
    私が行ったときと風景変わっていますね。
    ボーフォートから先は、日本なら運休してしまうような
    状態でも運行していたようで、それはそれで良かったで
    しょう。

    それにしても、推進運転で長距離を運転とは
    サバ州鉄道もなかなかやるなぁ、と思いました。

    私も10/10の深夜便でKL経由、ミャンマーへ行きました。
    11の朝はKLIAにいたので(ターミナルは別ですかね)
    ニアミスですね・・・。


    tanupam

    国電

    国電さん からの返信 2014/10/19 07:29:48
    RE: 推進運転とは・・・
    tanupam 様

     お久しぶりです、再訪ありがとうございます。
     現地であれこれ予定変更しましたが、とりあえず全線完乗できたので、ほっとしています。推進運転で40分以上も走ったことも、今となっては良い思い出です。事前の情報収集では、tanupamさんの旅行記も参考にさせていただき、コタキナバルでのホテルは同じところにしました。

     ミャンマーですか。私もあれこれ調べたことがあるのですが、鉄道の切符予約の面倒さや、写真撮影の許可などがあるみたいで、まだ足が向いていません。旅行記を楽しみにしています。
    --
    国電

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