アフガンは歌わない（３）　カブール市街

2002/09/02 - 2002/09/13

２００２年９月６日。６：３０起床。生きていたんだとなんだか変な感慨。無事だと分かるとむくむくと好奇心が頭をもたげてくる。現地の日本人スタッフの人が朝食の買い物に行くというので、大喜びでついていく。
バザールはほんの１００メートルぐらいのところ。バザールといっても露店が並んでいるだけ。
売られている品数は少なく、貧しい。
一方で、タリバーン政権崩壊後、音楽や映画など急速に外国の文化が流入している。それが流通している町は、遺跡のような廃墟の町。

事務所に戻ると、昨日の爆破事件が日本で報道されているのは間違いないので、日本に報告を入れることにした。当時は現地のNGOに外務省が衛星電話を貸与していて、それで連絡を取ることができた。
全員が電話をし終わると朝食となった。先ほど買った野菜を中心にサラダを作り、それと、ゆで卵、ナン、コーラ。卵やサラダをナンで包んで食べるがときどき砂でじゃりっとする。聞けば現地の人は、朝はナンと塩、お茶だけだという話。そのため、日本では珍しいビタミン欠乏症が多いようだった。

エリア カブール(アフガニスタン)

• 旅行の満足度: 5.0

• 同行者: 社員・団体旅行
• 旅行の手配内容: 団体旅行

この付近は比較的治安がいいということで、ぷらぷらと歩いて行く。

まずはナン。現地の人たちも自宅で焼かず、こうした店で買うことが多いという。

真ん中の老人が焼く係。周りの若者は何をしているのかよく分からない。
パキスタンなどにも何度か行ってよく見かけるのが、一人が働いていて、あとは周りにぐるっと腕組みをした男たちが何か議論をしている風景。これで経済がまわっていくのだから、何とも不思議な話だ。

支払いや受け渡しの係。お金とナンはちゃんと数えないと、すぐにごまかされる。

次に野菜。思った以上に色々なものがあるが、緑の葉っぱはすべて香草。これをメインにサラダなどを作るので、においものが苦手な私にはかなり厳しかった。

バザーのほぼ全景。ものすごいほこりの中、食べ物が並べられている。

はかりも原始的。

穀物を売っている店で卵を購入。卵もビニール袋に入れられる。

今日は買わないが、肉屋。写真はお見せできないが、新鮮だという証拠として、首から血を流している羊などがごろんと置いてあった。
肉がぶらんとぶら下がっているが、昼過ぎになるとこれに真っ黒になるほどハエがたかっていて、なかなか気持ち悪かった。

手前にはブルカの女性がいるが、こうやって女性が外にいるのは非常に珍しかった。

美容室だといわれたが、本当だろうか？最上階にPCOとか書いてあるので違うかもしれない。

サウンドショップ。アフガンはまだCDよりカセットの方が需要が多いようだ。
この女性たちはおそらくすべてインドの女優。アフガンの女性が二の腕をさらしているとはとても考えられない。
下の方にはスポーツ選手やアメリカの俳優もある。ブルース・リーもいた。

パキスタンでもそうだったが、朝、やたらとタクシーが走っている。ここらはカーブルの中でも最貧地帯なのだが、利用する人がいるのだろうか？

食事のあと、督永さんが別のお客さんの様子を見に行くというので、車に同乗させてもらう。

これが市街地といわれ、言葉を失った。

人々はどこから来ているのか。

どちらを見ても廃墟しかない。

カブールは四方を山に囲まれ、内戦時は、その山の上から撃ち降ろされたのだという。特に被害の大きかったのが、この辺り、ハザラ人が多く居住している地域だった。

こうした柱すら砲弾に当たるほど、銃撃は激しかったという。

砲撃によって壊れたのか、放置されて壊れてしまったのか知るよしもないが、撤去されたりしている場所はきわめて少ない。

ちょっと違う話になるが、アフガン・パキスタンでは、二人乗りするときには、横乗りだ。なにか奇妙な感じがした。

この旅行記へのコメント （2）

• k.sさん 2021/03/07 10:33:09

  お久し振りです

  エスペラさんへ
  
  久し振りに「アフガンは歌わない」を読ませていただきました。いい旅行記です。古さは感じませんでした。読んだのが、１～３なので、続きを読むため、また改めて訪問させていただきます。
  
  ところで、今は充電期間中ですか？長い間、旅行記をアップされていませんが...。
  
  k.sより

  エスペラさん からの返信 2021/05/26 16:44:10

  RE: お久し振りです

  k.s様
  ごぶさたしています。
  
  昨年2月に突然父が亡くなり、バタバタしているうちにコロナ騒動が拡がり、
  その間に、勤め先は同じですが、勤務地と仕事の内容ががらりと変わったりと、
  あまり旅にも出ないうちに一年以上が過ぎてしまいました。
  
  最近はやっとおちついてきて、近場限定で自転車旅行を再開し始めましたので
  ぼちぼちまた書き始めようかなと思っているところです。
  
  > エスペラさんへ
  >
  > 久し振りに「アフガンは歌わない」を読ませていただきました。いい旅行記です。古さは感じませんでした。読んだのが、１?３なので、続きを読むため、また改めて訪問させていただきます。
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  > ところで、今は充電期間中ですか？長い間、旅行記をアップされていませんが...。
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  > k.sより