佐野・栃木の枝垂れ一本桜巡り（２）　成就院～太山寺

2014/03/31 - 2014/03/31

みかも山のカタクリの群生を見たあと、我が奥方との待ち合わせに時間があったので、カタクリの里に近いところにある成就院の親子枝垂れ桜を見に行き、その後、二人で帰路途中にある太山寺の岩枝垂れ桜の鑑賞です。岩枝垂れ桜は、ライトアップされるというので、夜まで粘ることにしました。
建物のライトアップは絵になって良いものですが、自然物のライトアップというのはどこか不自然で、好みではありません。しかし、桜だけは別格です。夕闇せまるたそがれ時に、一本の枝垂れ桜だけが明るく暗闇に浮かび上がる姿は、昼の明るい華やかさと違い、妖艶な美しさを漂わせています。

エリア 栃木・壬生・都賀(栃木)

• 旅行の満足度: 4.5

• 同行者: カップル・夫婦（シニア）
• 交通手段: 自家用車

真言宗の古刹、梅花山成就院。本尊は不動明王を祭っている。ボケ封じ観音と花の寺として知られている。昨年に引き続き、2度目の訪問・参拝。

成就院のＨＰ
http://www.cc9.ne.jp/~oyako-sidare/index.html

かつて樹齢300年の枝垂れ桜の古木があったが、12年前に枯れてしまい、今はその古木の実生で育った3本の枝垂れ桜が残っている。親子桜という名前がつけられている。
本堂正面の桜が子桜、左右2本の桜が親桜ということになっている。
これは、本堂に向かって右側の親桜。

ぼけ封じ観音。
将来、認知症にならないように、今のうちにキチンと参拝しておこうかな。

ぼけ封じ観音の後ろの桜が、もうひとつの親桜。枝垂れ桜の実生から育っているのに、左側の桜と違って、枝垂れていない！　不思議なことがあるものだ。

本堂正面の子桜。開花が遅れているのと、花芽が昨年よりも少ないようだ。

子桜の根元にはサクラソウ、ニラバナ、水仙などの春の花が植えられている。

ボケ封じ観音があるからというわけではないだろうが、境内にはボケの木がたくさん植えられている。

どこから見ても枝垂れ桜には見えない

左側の親桜は良い感じで枝垂れている。

左親桜の手前のボケは樹齢５０年だそうだ。

樹齢50年のボケの花をアップで。

白いボケもある。

赤ミツマタが本堂の横にあった。普通は黄色だが、赤いミツマタを見るのは、2回目。樹形があまり良くなかったので、アップで一枚撮っただけ。

今日は本堂の入口に「なでぼとけ」が鎮座している。6羅漢の一人で、お賓頭盧（おびんずる）さまとも言うらしい。なでると病気にならないというご利益があって、頭、肩、肘、膝は、撫でられて手垢で黒くなっている。

羅漢さまの一人でしょうか？

ここは、昨年に続いて2回目であるし、我が奥方をピックアップしに佐野アウトレットに行く時間になったので、30分で撤収。

佐野プレミアムアウトレットで、我が奥方をピックアップし、今日最後の目的地、太山寺に夕方4時前に到着。
地元の人たちは大山寺（おおやまでら）と通称でよんでいるようだが、正式名称は大平山寶樹院太山寺（たいさんじ）。宗派は、これまた真言宗。アジサイ坂で有名な太平山の麓に位置している。
ここにも、樹齢３６０年の枝垂れ桜があり、山門の奥に見えている。

山門をくぐり本殿の前まで進むと、大きく枝を広げた枝垂れ桜がどっしりと構えている。
岩枝垂れ桜という名前が付いていて、説明パネルによると、
「徳川3代将軍家光の側室だった寳樹院（お楽の方）が、ここで病気療養したとき、息子の4代将軍家綱の武運長久と家光の冥福を祈り、京都から取り寄せて手植えしたと伝えられている」

以前は根元まで入り込めたそうだが、今では根の保護のため柵が張られている。
桜は、根を踏みつけられると急速に樹勢が衰えてしまうので、当然の処置ではある。柵の周りには水仙などの花が植えられ、近くにはレンギョウが植えられていて、黄色とピンクの対比が、とてもきれいだ。

混雑というほどではないが、夕刻になっても次から次へと見物客が訪れている。

柵の周りを巡りながら、いろいろなアングルでカメラに納めていく。

今日は風が強くて接写が難しい一日だったが、せっかく持ってきた手に入れたばかりのマクロレンズで少しだけ桜の花びらのアップを数枚撮影。

背景の黄色はレンギョウ

ここの枝垂れ桜を15年も毎年撮影しているという人と話す機会があった。以前は、この境内には岩枝垂れ桜と同じような枝垂れ桜が3本あったのだが、大勢の見物客が根元に入り込んで、根を傷めて枯れてしまったそうだ。昔あった桜の切り株の後が残されている。

ライトアップは６：１５からで、まだ４５分ある。それまで、車に戻って一服。

定刻どおり、ライトアップがはじまった。
真っ暗になるより、黄昏時で少し空が明るいくらいの方がライトアップされた桜が柔らかな光を受けて、しっとりした表情になって好ましい。

以下、コメントなしで、ライトアップされた岩枝垂れ桜をいろいろなアングルで捉えた写真を並べておく。

まだ7時半だが、夜の帳が下りてほとんど見物客も居なくなった。静寂の中で、桜だけが光を浴びて闇に浮かび上がっている姿は幻想的でさえある。都会の夜桜では、こんな雰囲気は味わえないだろうな。

たっぷりと、情感あふれる枝垂れ桜の古木のライトアップを堪能してから帰宅の途についた。

この旅行記へのコメント （4）

• ミッキーマーチさん 2014/04/12 12:15:29

  なんとも妖艶な…

  続けてやってまいりました…
  
  ライトアップされた桜の妖艶な美しさ…そしてこの人気のない静けさ
  
  妖しの世界に引きずりこまれそうな感じ…
  
  じっくり堪能させていただきました
  
  　　　ミッキーマーチ

  玄白さん からの返信 2014/04/12 22:55:24

  RE: なんとも妖艶な…

  ミッキーマーチさん
  
  毎度の訪問、コメントありがとうございます。
  今年の観桜記前半は枝垂れ桜が中心ですが、太山寺の枝垂れ夜桜は今年一番のヒットかなと思っています。あれだけ見事な桜なのにそれほど有名ではなくて見る人が少なく、桜を独り占めした贅沢なひとときでした。
  まだ、しばらく観桜記が続きますが、気が向いたらまたお出でください。
  
  玄白
  
  

• こあひるさん 2014/04/07 12:54:09

  妖艶な夜桜

  師匠、こんにちは。
  
  妖艶ですね〜〜〜夜桜は。
  
  ７時半で人がいなくなってしまうなんて（こんなに立派な桜の場所なのに）、信じられないですよね〜〜。ゆっくり撮れるのでいいですね。
  
  やっぱりマジカルアワーの時間帯は、夜桜の美しさが倍増ですね。昨日、テレビで、夜桜はこのうっすら暗くなってきた時間帯がベストと言っているのを聞いて、連れ合いが、余計なことを言いやがって・・・（私が夜桜で粘るのを怖れているらしい）とブツクサ言っていました。
  
  ライトアップされると、１本桜の孤高の美しさが強調されますね。枝垂れが、風になびいている様子もステキです。
  
  こあひる

  玄白さん からの返信 2014/04/07 22:16:13

  RE: 妖艶な夜桜

  こあひるさん、こんばんは！
  
  今日のＴＶで、仙台もソメイヨシノが開花したと言ってましたね。
  いよいよ、こあひるさんの桜巡り始動でしょうか？
  ダンナさんのぼやきもなんのその、どんどん、４ｔｒａにアップしてください。
  
  太山寺の夜桜は期待以上でした。今年の桜巡りでは一番の当たりかもしれません。夜桜に限らずマジックアワー時間帯の風景は自分の写真の腕が上がったと錯覚させるくらい美しさが増しますね。
  
  玄白