2009/07/30 - 2009/08/11
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Rolleiguyさん
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一寸古い旅行記ですが、ここでは見かけないので参考までに投稿します。
チューリッヒから車で小1時間、ヴィンタートゥールの郊外にある
小さな城キーブルク(Kyburg)です。ここが気に入って昔から何度も
訪問しました。 どこにでもありそうな城ですが、日本からの
お客様を案内したときには皆さんが喜びました。歴史に登場するのは1027年だそうです。Graf von Kyburg(キーブルク伯爵)を名乗り、現在のスイス中部地方では、ハプスブルクとサヴォア家と並ぶ有力貴族だったようです。1264年に一族が絶えて、ハプスブルクのルドルフI世が継承しました。
観光客はスイス人以外はまず来ないことと、麦畑に囲まれた静かな
キーブルクの村の美しさ、小さな教会、村の佇まいなど。
スイスには有名な観光地がいくらでもありますが、こうしたメインでは
ないところも格別の良さがあります。
キーブルク城には、こうした城(いわゆる城館を意味するSchlossではなく、戦いへの備えを持つBurg)には共通した設備などがあります。
台所(当然ですが)、立派な騎士の間、武器庫、チャペル、牢、拷問室、
跳ね上げ橋、堀、銃眼、大砲用の穴、井戸(籠城時の水確保)などです。
昔ここに住んでいた領主や騎士を想像しながら見学するのはいいものです。
私の知人で、海外に駐在していたときには、新聞は小さな記事しか読まない
人がいました。大きなニュースはどこででも入手出来ますが、小さな、
目立たない記事に、時に将来を暗示したりする内容が隠れていることが
あるからです。このキーブルクの城は、そうした小さい記事に似た
面白さがあります。是非一度訪問してみてください。キーブルクの集落も静かで魅力的です。(2020年7月追記)古い旅行記なのですが、今でもコンスタントにご訪問頂いているので、少し追記しました。
- 旅行の満足度
- 4.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 家族旅行
- 交通手段
- レンタカー
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
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キーブルクは周囲を麦畑や森に囲まれた、少し小高い場所にあります。
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近づいてみると、保存状態の良い城であることが分かります。城の外にはお花が植えられていて、城壁の日時計を見ながらベンチで寛げます。城の名前はChuigeburg(敵が攻めて来た時に、周辺住民が避難する場所)からKyburgとなったようです。
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城に入る道。山城のような粗さはなく、それなりに品の良さを感じます。
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城の中庭。石畳で訪れる人も少なく、静かな佇まいです。
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同じ場所で方角を変えて見たもの。イメージが湧くと思います。
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この城の系図(Stammbaum)です。1568年に作ったもののようですが、人物の年代が記されていません。多分1027年から一族の絶えた1264年までのものではないかと思います。ハプスブルクのルドルフI世がドイツ王に選出された後は、1273年から1322年まで神聖ローマ帝国の宝物がこの城に保管されていたこともあったと言われています。
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1642年に描かれたキーブルク城
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これは多分祭事などに領主が使ったのでしょう。馬の顔がひょうきんです。
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近くで見るとこんな顔をしていました。
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武器庫にある槍など。近くでよく見ると、日本の刀や槍の方がずっと洗練されているようで、西洋の武器はそうした感じを受けません。
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鉄のマドンナと呼ばれる拷問具です。パカッと開いた中に捕虜を入れて
扉を閉じる全身串刺しになる恐ろしい道具です。これは当時かなり普及していたようで、いろいろな城でよく見かけます。こんな拷問をされれたすぐ白状してしまいそうですね。 -
厨房です。それほど大きくはないので、城に住んでいた人の数はあまり多くなかったのかもしれません。
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食堂のようですが、民家のような設えで、これだけ見るとお城には見えません。昔もこのように整理整頓されていたのでしょうかね。
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これはワイン樽のようですが、まだガラス瓶とコルク栓が使われていなかったころは、ワインの保存は樽しかなかったようです。カメのワイン入れを見たことがありますが、輸送には適していなかったのではないかと思います。因みに、スイスではワインの産地はヴァリスやヴォー地方に多くあり、多分キーブルクの辺りではワイン醸造はしていなかっただろうと思います。
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城の2階から見たところ。この城には日時計がいくつかあります。ハプスブルクの関心はその後東方に移り、15世紀に城はチューリッヒ市が購入、1865年に個人が購入してスイスで最初のお城博物館となりました。1917年にチューリッヒ州が購入し、現在に至ります。
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城の窓から見た外の景色。ひなびた田舎にあります。
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違う方角を見たところ。彼方はサンクトガレン地方です。
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城から見た村の景色。
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城の中庭。 石畳が敷かれて静かな美しさがあります。
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村の佇まい。人っ子一人歩いていません。静かですが、死んだような村とは違い、生活の豊かさを感じます。人口は400人弱で、この200年くらい余り増減はないようです。
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小さな教会と木組みの民家。
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教会の塔。この塔の屋根部分の形状は中世を感じさせますね。
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角度を変えて見たところ。
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キーブルクの村のレストラン。こうした田舎で食べると、素朴で
いい感じですが、量は食べきれないほどあります。この日は酸っぱいポテトサラダとソーセージでした。 -
村の井戸。Brunnnenは泉と訳されることが多いですが、湧き出る泉ではなく、井戸の感じです。
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道路で見かけたハリネズミへの注意標識。Achte auf mich!とは、「僕に気を付けてね」ということです。ハリネズミは法律で保護されていますが、夜に出歩き、車にはねられることが多いのです。
どの程度効果があるのかわかりませんが、秋になるとよく道路ではねられたハリネズミを見かけました。剥製にしてもらって持ち帰りたいと思いましたが、保護動物なので駄目だと言われました。
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この旅行記へのコメント (8)
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- rinnmamaさん 2021/01/24 12:45:33
- 素朴な村ですね
- Rolleiguyさん、寒中お見舞い申し上げます。
本日は雨模様ですが、先日来よりの寒さは一段落の感じです。
フォロー頂いた後にご挨拶をと思いながら、機会を逸してしまいましてお礼もせずに申し訳ございません。
私はアルバム代わりの備忘録ですので長ったらしいのですが、ご訪問頂けまして有難うございます。
Rolleiguyさんは現地にお住まいだったようで、私のように時間に追われ観光地を忙しくまわる旅行記ではありませんので、拝見した後の余韻が穏やかになりホッコリいたします。
訪問した事の無い地名などは頭に入ってこないのですが、人知れず佇むキーブルグ城の麓の町も200年もの間、住民の増減も無いなって良いですね~・・
教会の塔も独特で見飽きませんね。
最後のハリネズミの標識もユーモラス且つ、ハリネズミがアピールしているようで愛らしい( ^ω^)・・・
未だ、拝見できていない旅行記の方が多いのですが、楽しませて頂く予定です。
今後ともよろしくお願い致します。
それでは、お気をつけてお過ごしくださいませ。
rinnmama
- Rolleiguyさん からの返信 2021/01/24 15:01:54
- Re: 素朴な村ですね
- rinnmamaさん、今日は。
ご覧頂き有難うございます。この旅行記は、少し古いのですが、可愛いお城を紹介したいと思って作成したものです。 幸い沢山の人に見て頂いて嬉しく思っています。
rinnmamaさんは沢山の旅行記を作成されたのですね。今日は大英博物館のを拝見しましたが、多分私は2度行ったように思いますが、最初はミイラのスルメのような実物を見て、よくこれを展示したものだと思いました。
昨年から旅行には行っていないので、新しいのが出来ないのですが、rinnmamaさんと同じく備忘録としての意味に加えて、新しい知識も盛り込んで、常にアップデートしています。もっと時間が出来たら本にしたいと思っているのですが、デジタル本なら出来るかも、と少し期待しています。
rinnmamaさんの旅行記もじっくり拝見して行きたいと思います。
引き続きよろしくお願いいたします。
Rolleiguy
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- akikoさん 2020/07/20 21:00:01
- 隠れた名所のキーブルク
- Rolleiguyさん、こんばんは!
スイスの隠れた名所を見せていただきました。
スイスというと牧草地に山の風景が思い浮かべますが、
キーブルクは麦畑の風景と共にお城などが見えるのですね!
17世紀の絵では小高い山の上にお城が建っていたようで、
風光明媚な場所だったことがしのばれますが、
今は同じような景色が見える場所はないのでしょうね~。
キーブルク城の窓からは中世の町並みと田舎の景色が広がり
とても素敵だと思いました。
このような長閑な村で1、2年住んでみたくなりました♪
きっと時間がゆったりと流れ、時間リッチで穏やかで
精神的に豊かな生活ができそうです~~。
akiko
- Rolleiguyさん からの返信 2020/07/20 22:31:51
- RE: 隠れた名所のキーブルク
- akikoさん、こんばんは。
古い旅行記ですが、少しリニューアルしました。ご覧頂き有難うございます。
1976年にスイスに着任したときに、日本からのお客さんでお城が見たい方には
ここが手軽に案内できるところだと先輩から教えられ、その後何十回と訪れたところです。帰国されたお客さんから、あそこは何というお城でしたか、とても良かったと
何回か言われました。有名な城ではありませんが、神聖ローマ帝国の宝物を一時的とはいえ保管したお城なので、それなりの存在感があります。
ことしはコロナのせいで海外はおろか、国内旅行もままならず、ストレスまでは
行かないものの、自分の年齢を考えると、山歩き出来るうちになるべく登りたいので、少し焦ってしまいます。ヨーロッパは日本人に入国を認める方向にある国も
出て来ましたが、コロナが完全に終息しないと自由に行くことは出来そうもないですね。そこにいくと、関西は見所だらけで羨ましいです。
せめてコロナが近寄って来ないように注意して過ごしたいものです。
どうぞご健康にお気を付けください。
Rolleiguy
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- sanaboさん 2019/05/20 01:55:31
- キーブルクのお城
- Rolleiguyさん、こんばんは
いつもご訪問、ご投票下さいましてありがとうございます。
ヴィンタートゥールという地名に聞き覚えがありましたので
グーグルマップで調べたところ、以前ザンクトガレンやアッペンツェルに
行ったときに通過したことを思い出しました。
キーブルクのお城は全く知りませんでしたが、Burgとはいえ
決して無骨ではない可愛らしい佇まいのお城ですね。
バカンスシーズンでも混みあっていないのもいいですね。
お城から見る長閑な光景も魅力的です。
系図(Stammbaum)も美しいですね。
こうしたお城のひとつひとつにそれぞれの歴史が
あるのだろうなぁと感じられ、ロマンをそそられます^^
sanabo
- Rolleiguyさん からの返信 2019/05/20 09:30:50
- RE: キーブルクのお城
- sanaboさん、今日は。
いつも美しいショットと懇切な紹介文を楽しく拝見しています。
キーブルクは本当に田舎のお城ですが、チューリッヒ周辺ではよく知られているお城で、
ちょっと出かけて見ようかという気持ちにさせてくれる場所です。
昔仕事をしていたときにん、日本から来た人をお連れすると、当時はまだ有名観光地以外は
日本人も殆どみかけず、皆さんがスイスにもこんなところがあるんだと思われたようで、
帰国した人からあのお城はなんという名前でしたかと、しばしば聞かれました。
厳めしいお城ではなくて、中世の城の暮らしを身近に感じられるのがいいのでしょう。
今年は7-8月にスイス、オーストリア、ドイツに出かける予定です。
Rolleiguy
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- ドロミティさん 2016/04/19 00:23:20
- キーブルク城♪
- Rolleiguyさん、こんばんは。
キーブルク城の旅行記も興味深く拝見させていただきました。
時の流れが止まっているかのような、もの静かな村の佇まいがお写真からも伝わってきました。
ハリネズミの標識可愛らしいですね。今度スイスに行ったら注意して探してみます。
ひと味違ったスイスをご紹介してくださり、どうもありがとうございました。 ドロミティ
- Rolleiguyさん からの返信 2016/04/21 21:15:35
- RE: キーブルク城♪
- ドロミティさん
沢山訪問くださいましてありがとうございます。
食べ物とホテルや交通機関については殆ど触れない旅行記が多いので、
多くの方には参考にならないかもしれませんが、こんなところも
あるんだなと思って頂ければ嬉しいです。
Rolleiguy
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