2013/12/08 - 2013/12/08
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fuchiさん
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ニュルンベルク中央駅から10分でLaufamholz駅に到着。
”ヴァイツェングラス博物館(Schupfer Str 39:http://www.weizenglasmuseum-nuernberg.de)を訪れる。入場無料だがアポイントメントは取ったほうが望ましい。
博物館といっても、どうみても民家。そこの地下室にはありとあらゆるヴァイツェングラスが棚にぎっしりと並べられていた。これだけの数、種類があるドイツもすごいが、これを個人で集めたウォルター・ガイスラー館長の、徹底したコレクター魂には尊敬を禁じ得ない。さすがはギネスブックを勝ち取るだけのことはある。
古いものや珍しいもの、よく知ってる醸造所からマイナーなところまで、時間を忘れて眺めいる。二回りほどしてようやく満足し、記帳をすませると、次に個人醸造設備を見学させていただき、自家醸造したロッゲンビールをお土産にいただくことができた。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- 鉄道 徒歩
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
Sバーンで10分ほどのラウファムホルツ駅で下車。このあたりはすでに郊外で観光名所はなく,集合住宅などがたくさん並んでいるベッドタウンだ。
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ここでの目的は”ヴァイツェングラス博物館(http://www.weizenglasmuseum-nuernberg.de)”を訪れることだった。しかし、住所であるSchupfer通り39番をいくら探しても、それらしき建物や看板はない。
日本からメールで館長にアポイントメントを取っていたのだが、時間前10分になっても見つからないのは困った。あいにくと人通りもない・・・・ -
と思ったら、上の写真の家が正にそれだった!外見はどう見てもただの民家で、庭には薪が積み上げられ、屋根には太陽電池パネルといったエコハウス。
ここの郵便受けをよーーく見ると、家族の名前の下に小さく”ヴァイツェンビアグラスムゼーウム”と書かれていたのだ。これは知らないと見つけるのは難しい・・
呼び鈴を鳴らすと、ウォルター・ガイスラー館長自ら出てきて、お相手してくれた・・というか実質この博物館は彼の個人的コレクションで、スタッフも彼一人なのだ(不在の時は奥さんが対応するらしいが)。
玄関の中もこれまたどう見ても普通の家屋で、そこをとおり地下室への階段を下りていく。ちなみに入館料や休館日などはないが、事前にメール等でアポイントメントを取っておくのが望ましい。 -
こちらがヴァイツェンビアグラスミュージアム(Weizenbierglasmuseu)のウォルター・ガイスラー館長。手にお持ちなのは、私が日本から持参して寄付した”福島路ビールヴァイツェングラス”だ。
ホームページにグラスの寄付受付中と書かれていたので、おそらくはお持ちでないだろう醸造所のヴァイツェングラスを選定したのだ。
福島は、あまりいい意味でなくドイツでも有名になってしまったが、誤解されないようJAPAN Beer Timesを一緒に渡す。なぜならこの2013年秋号は福島路ビールへのインタビューが掲載されており、復興や安全性について力強く語られているメッセージがが英訳されて載っているのだ。
さて、挨拶と寄付を終え、館長に好きに見ていいよ、と言われたので、ヴァイツェングラスの展示の見学を開始した。狭い空間に天井まで届く棚がいくつも並び、ぎっしりとグラスが並べられている。 -
ベルリナー ヴァイセ用の専用棚。今日では一般的な聖杯型だけでもいろいろなバリエーションがあるが、ジョッキ型やデキャンタ型のものもあることが確認できる
銘柄も多く、かってはこれだけのベルリナーヴァイセ醸造所があったわけだ。現在ベルリナーヴァイセを作っている醸造所はかなり少ない。 -
通常のヴァイツェングラスは、おもに銘柄の地域別に整理されている。
この棚はベルリン近郊のようだが、注目は左下のライプツィガー・ゴーゼ。ゴーゼはかつてヴァイツェングラスで飲まれていたことがわかる。現在はシュタンゲ風の形状だ。 -
Unter BierやMossBierなどはラッパ状に口が大きく開いた形状をしているが、これは古めのデザインである。どちらもシュロスブラウエレイすなわち城館内の醸造所というところと関係があるのだろうか。
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このあたりはシュトゥットガルド近郊の棚。ディンケルアッカーやホフブロイのグラスが目につく
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もちろんバイエルン地方のグラスは圧倒的に多くの種類がある。こちらはクルムバッハーの醸造所のもののようだ。
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ヴェルテンブルガー修道院醸造所のヴァイツェングラス。何度もグラスをリデザインしていることがわかる。飲み口が金色になっているのは最近のものか。
棚が狭いので、カメラなどをひっかけて倒したりすることないよう、気を使って見学、撮影したのだが、おかげでピンボケな失敗も多い・・
棚への並べ方は過密で、ああ、地震のない国の人の並べ方だなあ・・と感じた。 -
JODOLBAUERのグラスは、古いラッパ型から最新のくびれがあるタイプまでそろっている。奥にある足つきはヴァイツェンボック用のようだ。ときおり赤い布が入れられたグラスがあるのは、白で書かれている文字やマークを見やすくするためだと思われる。
手前のラーバーヴァイスが気になる。ラーバー村にはプランクしか醸造所がないからだ。URLも書かれているのでアクセスしてみたが、どうもどこの醸造所なのかわからない・・ -
無言でパシャパシャやってると、館長が、それで楽しいのか?と聞いてきた。
”もちろん!”と答えてはみたものの、コミュニケーションを取らないのもあっちにしてみればあまりいい感じではないだろう。
そこで、”一番古いコレクションはどれか?”と聞いてみた。それで紹介してもらったのがこれ。
こちらはシュナイダーの醸造所がまだミュンヘンにあったころのヴァイセスブロイハウスのグラスなのだ。ミュンヘンの醸造所は第二次世界大戦末期に爆撃で破壊されたのがきっかけで閉鎖され、ケールハイムに移ったので、こちらは戦前のグラスということになる。 -
現在のシュナイダーはこんな感じだが、右端のベルリナーヴァイセ用のはどのビールに使うんだろう?なにげに後ろに同形のヴァイエンシュテファンのグラスがある。
足つきはアイスボック用だろうが、これも何種類かあるようだ。 -
1種類しかないグラスの醸造所はほとんど名前を知らないものばかりだが、さすがにエルディンガーといった有名醸造所は種類も多く、中段の棚のかなりの面積を占めている。
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これもエルディンガーのヴァイスビアグラスだが、グラス形状や字体からすばらしく年代物感があふれていて面白い。
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インゴルシュタットのヴァイスブロイハウスのグラスもクラシックな形状だ。
陶器タイプもあるが、中が見えない分、絵の付けかたが派手だ。 -
ヴァイエンシュテファンのグラスが多種並んでいる棚。昔はバイエルンの旗のマークがそのまま意匠になっていたのか!
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Hohenhammerのヴァイツェングラスは、ドゥンケルとヘレで形が違うところが珍しい。聞いたことない醸造所だけどグラスの種類はかなり多い方だ。
(一銘柄一種類、というところがほとんど) -
レーベンブロイは数こそ多いもののデザインのバリエーションがすくないな。しかしこの左のエクスポート・ヴァイスというのはなんだろう? 今のラインナップにはない(とゆうかレーベンブロイのヴァイス自体が見ない。すくなくとも定番ではない)、度数の高いヴァイスか?
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バイエルン地方醸造所用棚のほんの一部。奥の角にエルディンガーの3リットルヴァイツェングラスが置かれている。
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ヴァイツェンボック用グラスはいろいろな形があるようだ。
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ミュンヘン市内のブルワリーのコーナー。アウグスティナーにウニオン、パウラナー、フランツィスカナーにシュパーテン。そしてハッカープショールはもちろんのこと、合併前のハッカー単体のグラスもある。プショール醸造所のは見あたらないな・・。
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ところどころに、長かったり、太かったりの変な形のグラスがある。ボトルは飾りだろうか?
もうすでに棚からあふれて一部床置きされている状態だ。
ところで、これだけ数があるのに、ほとんどが500mlで300mlの小サイズのグラスはほとんどない。もちろんそれはドイツ人の酒量が多いということでもあるのだが、詳しい人に聞くと、ヴァイツェンは泡立ちが良いので300mlグラスだと泡が多くなりすぎてバランスが悪くなるんだそうだ。 -
プランク醸造所のグラスももちろんあるが、1種類だけなのでそれほど目立っていない。
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このミュージアムはガイスラー館長個人の素晴らしいコレクションなのだが、身内には多少理解が得られてないようで、娘さんは継いでくれそうにないし、奥さんからは自分が死んだら捨てるかも、と言われてるらしい。
彼は偉大なコレクターだが、それだけに後継者不足という大問題に悩まされているようだ。 -
海外のヴァイツェングラスは別室というか廊下の棚に並べられている。アメリカのものが多いそうだが、ベルギーやロシアのものも結構あるとのこと。
もちろん日本のものもある。こちらはおなじみ富士桜高原ビールのヴァイツェングラス。 -
キリンのヴァイツェングラスとか私でも初めて見たわ。日本人の私でも知らないものコレクションしてて素晴らしい!と感想をガイスラー館長に告げた。
日本製のヴァイツェングラスは、富士桜、ふじやま、KIRIN、箱根、東伯、みやしま、それに私の渡した福島路。すでに閉鎖された醸造所もあるが、海を渡ってこの博物館に収蔵されているのは何とも感慨深い。
今後寄付されたい方は、上記と被らない物を選定いただきたい。 -
このコレクションはもちろん世界一の規模であり、キネスブックにもしっかり登録されている。ミュージアムの壁にはギネスブックの証明書が飾られていた。獲得したのは1986年らしいが、そのころよりもだいぶグラスが増えているとのこと。
一通り見終わったあとで、分厚く大きいハードカバーの記帳に、サインとメッセージを記入。パラパラと前をめくると、ほとんどドイツ語、時々英語に交じって、ビール文化研究所所長のサインがあった。彼のレポートを参考に今回念を入れてアポイントを取ったおかげで、ガイスラー館長に会うことができたのだ。 -
グラスだけではなく、地下室のさらに別室では、最少規模の自家醸造設備が備わっており、ここでヴァイツェンビールやロッゲンビールを個人醸造しているとのこと。
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このヴァイツェングラス博物館のオリジナルラベル。Geissler Weisss echt handbrau(手作りのガイスラー・ヴァイス)と書かれている。
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あいにくこのヴァイツェンはちょうど品切れで、かわりにノンラベルの”ロッゲンビール”のボトルをご提供いただいた。ロッゲンとはライ麦のことで、ライ麦を使っているから酸っぱいよ、と忠告されたがありがたくいただき、日本にお土産として持ち帰った。
また、グラスだけでなくヴァイツェンビールも寄付や評価依頼があるらしい。これから醸造所を開く予定の、未発売のビールボトルがダースで送られてきたとか。
ヴァイツェンの権威とみなされているのだろうか。 -
ヴァイツェングラスミュージアム ロッゲンビール
薄いブラウンで酵母で濁っている。味は・・・あー漬物みたいなよくない味と酸味が出ちゃっている。ドイツ旅行から帰って2か月経ってから開けたのだけど、劣化しちゃったなあ。珍しいビールだからって、飲み友達との持ち寄り飲み会まで取っておいたのは失敗だったかーー。 -
ビアグラスだけではなく、ヴァイツェンに関する看板もコレクションされ、壁に所狭しと貼り付けられている。これはほんの一例だが、年代物のデルニッツァー・ゴーゼの看板と、ベルリナー・ヴァイスの看板。やはり同類扱いされているのだろうか??
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事務用の机には未整理?のグラスがあふれていた。
すこしお話を伺うことができ、(ちなみに会話は英語)、これらのコレクションの収集、管理維持の大変さと楽しさを語っていただいた。探しているビアグラスはあるか、と聞いてみると、コレクションを継いでくれる娘婿が一番欲しいよ、とジョークを返してきたが、コレクターにとっては結構冗談ごとじゃないよなあ・・
なんだかんだ90分近く粘ってしまったが、楽しい時間を過ごせたことを感謝し、退館。Sバーンでニュルンベルク旧市街へと帰還した。
ビール累計 22種/8.5l
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