2014/02/01 - 2014/02/01
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naoさん
今でも旧暦の節句の日を祝う習わしのある中国の人々にとって、最も大きな節句は旧暦の正月にあたる「春節」で、今年は1月31日がその日になります。
これに合わせるように、神戸南京町でも1月31日から2月2日までの3日間、「春節」を祝う行事として「春節祭」が盛大に開催されます。
神戸南京町の「春節祭」は1987年(昭和62年)に始まり、途中、昭和天皇崩御の年と阪神淡路大震災の年の2回中止されましたが、今年で26回目を数え、今では地元南京町だけではなく、広く観光客にも親しまれる、神戸の冬の風物詩として定着しています。
「春節祭」のメイン会場である南京町広場では、舞蹈や太極拳などのイベントとともに、獅子舞と龍舞が繰り広げられ、立ち上がれば3mを超える獅子や、長さ18mの龍が広場内を所狭ましと駆け回る熱演に、観客からは惜しみない拍手が送られています。
古来中国では、獅子は龍の住む宮殿を守る霊獣で、「邪を払い、福を招く」象徴とされており、獅子に頭をかまれると「無病息災」や「家内安全」のご利益があると云われることから、獅子が廻って来ると観客達はわれもわれもと頭を差し出します。
ちなみに、獅子に頭をかまれるとご利益があるというのは日本の獅子舞と同じです。
中国の獅子舞は、大きく分けて「北方獅子舞」と「南方獅子舞」の2種類ありますが、現在、神戸で中国の獅子舞を舞う4団体のいずれもが「南方獅子舞」を舞っているそうです。
龍は、狼の眼、獅子のたてがみ、馬の耳、鹿の角、鷲の足などが合体した想像上の生き物で、中国では皇帝の化身として最も崇拝されてきました。
縦横に打ち振られる玉を追い求めて龍が乱舞する龍舞ですが、古来中国では、干ばつに苦しむ農民の雨乞いの儀式として舞われていたようで、龍が、太陽や月を表す玉を飲み込むことにより、青空は一転かき曇り、雨を降らせると信じられていました。
その後、お祝い事やお祭りの時に舞われるようになり、日本でも長崎の唐人屋敷で舞われていたものが、日本人の手により奉納舞に姿を変え、現在では『長崎くんち』の花形として全国に知れ渡っています。
この日、私が見た獅子舞と龍舞を披露したのは神戸市立兵庫商業高等学校の龍獅團で、女子生徒が三体の獅子舞を、男子生徒が龍舞を舞いました。
女子生徒が演じる獅子舞では、尾を担当する生徒が、頭を担当する生徒を膝の上に乗せ、獅子が立ち上がった姿を表現する場面など、それぞれの生徒のぴったりと息の合った演技に魅了されました。
男子生徒による龍舞では、後ろの生徒の膝に仰向けに体をあずける組体操のような姿勢や肩車上で反り返るなど、随所にアクロバティックなパフォーマンスを取り入れながら、長さ18mの龍を変幻自在に操り、そのスピーディーな動きに目が追い付かない程の見事な演技を披露していました。
ちなみに、神戸市立兵庫商業高等学校龍獅團は、平成25年度の全国高等学校総合文化祭長崎大会において、「龍舞」が郷土芸能部門の優秀4校に選ばれ、文化庁長官賞を受賞するほどの腕前で、伝承芸能では実質的に日本一と認められました。
また、香港で開催される夜光龍の世界大会「世界香港夜光龍醒獅邀請賽」に日本代表として出場し、常に上位入賞の輝かしい成績を納め、世界にその実力を認めさせています。
※ 「夜光龍」とは、龍全体に蛍光塗料を塗り、暗闇の中でブラックライトをあてて龍を幻想的に浮かび上がらせながら龍舞を演じる競技。
今年の世界大会では健闘むなしく9位に終わったそうですが、今後さらなる飛躍を期待したいと思います。
演技終了後、本当の卒業式に先立って、南京町商店街振興組合により3年生の龍獅團メンバーの卒業式が執り行われ、多くの観客から盛大な祝福を受けた生徒たちの晴れやかな笑顔が印象的でした。
- 同行者
- 一人旅
- 交通手段
- JRローカル
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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神戸南京町への最寄り駅、JR元町駅に着きました。
この「春節祭」で見たいと思っているイベントは16時からなので、ちょっと遅めのお出ましです。 -
駅前広場では、南米の民族音楽フォルクローレのストリートライブが行われています。
音楽好きの私としては、これはこれで興味があるので、ちょっとライブを楽しんでいくことにします。 -
日本の尺八とほぼ同じ原理の、ケーナや・・・
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サンポーニャで、「コンドルは飛んで行く」や「花祭り」を演奏しています。
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ストリートライブを楽しんだ後、南京町を目指して歩いていると、メリケンロードの街路樹でかわいいお猿さんを遊ばせている方が居ました。
このかわいさですから、やっぱりカメラを向けてしまいます。 -
ここが神戸南京町の東の入口、長安門です。
南京町 長安門 名所・史跡
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蒸籠の中に美味しそうな「おおとろ角煮まん」が並んでいます。
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こちらは色使いがかわいいですね。
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こちらのお店では、「中華ちまき」や「豚まん」が美味しそうに蒸しあげられています。
湯気の向こうでは、店員さんが北京ダックを調理しています。 -
こちらのお店では取引の真っ最中です。
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「春節祭」は人気があるので、大勢の人が繰り出していて、メインストリートは一方通行に規制されています。
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「福」の字が逆さまになるように提灯が吊られています。
これは、「倒福(タオフー)」という中国の習慣で、神様が来られることをお願いする意味が込められているそうです。 -
大勢の人波に流されながら、「春節祭」のメイン会場である南京町広場にたどり着きました。
ステージでは、神戸華僑総会による民族舞蹈や・・・南京町広場 公園・植物園
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兵庫太極拳同好会による太極拳などの演技が行われています。
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16時過ぎになると、この日のお目当ての獅子舞と龍舞の音楽隊の演奏が始まりました。
日本の獅子舞と違って、銅鑼や太鼓を寸断なく打ち鳴らす、とても賑やかな演奏です。 -
そうこうしていると、まず黒い獅子がステージ上に登場してきました。
中国の獅子舞は、大きく分けて「北方獅子舞」と「南方獅子舞」の2種類あるそうですが、この獅子舞は「南方獅子舞」だそうです。 -
獅子は、前足と後ろ足の二人一組で操っています。
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獅子舞の時、獅子の前にある蔓状の植物が置かれているのですが、一応意味はあるんでしょうが定かではありません。
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獅子の動きが速いので、普通のシャッタースピードでは動きを捉えられません。
でも、この方が却って獅子の躍動感が出て良いかもしれません。 -
次は、赤い獅子の登場です。
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日本の獅子舞に比べると衣装が派手な分、いくらかは愛嬌があります。
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獅子が立ち上がった姿を表現する演技です。
後ろ足の子が前足の子を膝に乗せています。 -
次は、黄色い獅子です。
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素早い動きの、獅子舞の躍動感を感じ取ってもらえますでしょうか・・・。
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これも獅子が立ちあがった姿の演技です。
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後ろ足の子が前足の子の腰を掴んで支えている様子がよくわかります。
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前足の子が、後ろ足の子の膝の上で片足立ちになり、足を掻く様子を演じています。
どちらの子もバランス感覚や体力が必要なんでしょうね・・・。 -
ステージ上で舞っていた獅子が観客の列にやってきて、頭を噛みだしました。
古来中国では、獅子は「邪を払い、福を招く」象徴とされており、獅子に頭をかまれると「無病息災」や「家内安全」のご利益があると云われているので、観客の皆さんはわれもわれもと頭を差し出します。
俺も噛んでほしいよ〜! -
ステージ上では、獅子舞の後を受け音楽隊が主役として演奏を披露しています。
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中国の獅子舞では、音楽隊も重要な要素として欠かせない存在です。
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今度は赤い獅子が観客を襲いだしました。
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再びステージに戻った獅子達の、三体揃い舞で獅子舞は締めくくられました。
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演技を終えた獅子から出てきたのは、何と、女子生徒さん達です。
あの、獅子が立ち上がった姿を表現する力技を軽々とこなしていたので、てっきり男子生徒が演じているものとばかり思っていたので、大変驚きました。
女子生徒さんの、ピッタリと息の合った演技に魅了された観客達からは惜しみない拍手が送られていました。
もちろん私も・・・。 -
獅子舞の後を受けて、男子生徒たちによる龍舞が登場しました。
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龍は、狼の眼、獅子のたてがみ、馬の耳、鹿の角、鷲の足などが合体した想像上の生き物で・・・
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中国では皇帝の化身として最も崇拝されてきました。
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龍舞は、古代中国で干ばつに苦しむ農民の雨乞いの儀式として舞われていたようです。
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太陽や月に見立てた玉を追って乱舞する龍が・・・
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縦横に打ち振られる玉を見事飲み込むことにより、青空は一転かき曇り、雨を降らせると信じられていました。
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その後、お祝い事やお祭りの時に舞われるようになり、日本でも長崎の唐人屋敷で舞われていたものが・・・
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日本人の手により奉納舞に姿を変え、現在では『長崎くんち』の花形として全国に知れ渡っています。
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さっきまで玉を追って乱舞していた龍が、肩車に乗った生徒たちによりトグロを巻き始めました。
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そして、肩車に乗っていた生徒が徐々に体を反らせ始め・・・
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体が水平近くなると、龍は波打つような動きに変わります。
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次に、反らせていた体を元に戻し・・・
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膝に乗った者同士が背中合わせでバランスを取り合う姿勢に組み換えると、龍を竜巻のような渦巻き状に操ります。
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龍を渦巻き状に操ったまま態勢を戻すと・・・
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今度は、後ろの生徒の膝に仰向けに体をあずける、組体操のような姿勢で龍を操り続けます。
手で龍を操りながら、体は次々とアクロバティックな姿勢を繰り出す演技は、相当な練習量に裏打ちされたものでないとできないと思います。
トグロを巻き始めてからの一連の動きは見ていてとても壮観で、その完成度の高さには感心させられました。 -
その後、玉を操っていた生徒を担ぎあげて演技は終了しました。
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フィナーレは全員が整列して観客に感謝の意を表します。
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挨拶を終えた生徒たちは、観客からの拍手喝さいを浴びながら退場していきました。
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演技終了後、学校の卒業式に先立って、南京町商店街振興組合により3年生の龍獅團メンバーの卒業式が執り行われ、多くの観客から盛大な祝福を受けた生徒たちの晴れやかな笑顔が印象的でした。
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最後は後輩達も入っての記念撮影タイムです。
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ステージわきの祭壇では、猪八戒と・・・
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三蔵法師と・・・
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孫悟空が、祭壇にお線香をあげて参拝するイベントの進行役を務めています。
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南京町から元町駅へ向かう途中の元町商店街でも、神戸華僑総会舞獅隊による獅子舞が舞われています。
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これは、お店の商売繁盛と五穀豊穣を祈願し、店頭に吊るされたご祝儀を集めてまわる「春節」伝統の行事で、採青(さいちん)というそうです。
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採青にやって来た獅子が、店内で何やら見つけたようです。
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次の瞬間、小さな子供の頭に「パクリ」と噛みつきました。
周りの大人たちは、微笑ましそうに笑っていますが、噛まれた本人は大変です。
びっくりしたのと恐ろしさの余り、大泣きしています。 -
でも、「獅子に頭をかまれると良いことがあるんだよ」と、お母さんは嬉しそうです。
南京町広場では果たせなかったんですが、このあと私も頭を噛んでもらうことができました。
これで、今年は元気に過ごせそうです。 -
店頭では、その後も獅子は舞い続けます。
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素早い動きで頭を振りまわすと・・・
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周りの観客たちに愛嬌をふりまきます。
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泣かせたり、笑わせたりと、ひとしきり舞った獅子は・・・
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次のお店へと移動して行きます。
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