バナーラス (バラナシ)旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 2013年11月23日に成田を出発し、8日間の日程でインドを旅してきた。その中から、ここではバラナシへの旅を紹介していこうと思う。<br /> 午前11時30分成田発のエアーインディアAI307便は予定通り離陸した。移動時間は約9時間、現地時間18時にデリーのインディラ・ガンジー国際空港に到着、夕方だったためにこの日は空港からほど近いアショカカントリーリゾートホテルに宿泊する事になった。<br /> 翌日24日には再び空港に戻り、10時30分発の国内線AI406便でバラナシへ向かった。約1時間でバラナシのラール・バハードゥル・シャーストリー国際空港に到着した。<br /><br /> バラナシに到着すると、もうお昼だ。さっそく昼食をとり、その後は第一の訪問地である釈尊の聖地「鹿野苑サールナート」へ向かった。ここでは迎仏の塔や考古学博物館、ダメーク大塔、ムーラガンダクティ寺院などを見て回った。またバラナシの主力産業はシルクだと聞いて、その工房も訪ねてみる事にした。<br /><br /> 1万6千坪の広さを持つサールナート僧院跡には9世紀頃に建立されたとするサールナート寺院の跡や紀元前3世紀に建立された仏塔跡、さらに巨大な高さ34mのダメーク大塔などがあった。<br /> ムーラガンダックティー寺はスリランカ寺とも呼ばれており、第一次世界大戦の前、仏教遺跡の荒廃を嘆いたスリランカのダルマパーラ氏が建立したものだ。またこの寺に関しては日本政府も力を注いでおり、日本仏教会を通じて依頼を受けた日本画の「野生司香雪画伯」が、約5年に亘ってお釈迦様の生涯を描いた壁画を完成している。<br /><br /> 夕方になると、いよいよガンジス川に出掛ける事になった。なぜ夕方なのか。それは「アールティプージャ」の儀式を見るためだ。これは、ヒンドゥー教の伝統的な神への礼拝の一つで、燭台に火を灯し、礼拝僧が祈りを捧げる。河岸まで車で行く事が出来ないので、少し離れた所から人力車に乗った。インドの人力車は三輪自転車だった。ガンジス川に着いてみると、各地から大勢の人々が集まって来て、河岸は立錐の余地もないほど賑わっていた。<br /> しかしバラナシという街は凄まじい。もしかしたら世界でも屈指の汚い街なのかもしれない。人力車で走る道は舗装はされているようだが、かなりデコボコ。道ばたのあちこちにゴミの山があり、そこを車やバイク、自転車、人、牛、犬が好き勝手に動き廻っている。とにかく早い者勝ちだ。そこに交通ルールなどというものは存在しないかのようであった。 道には土ぼこりのほかにゴミ、牛や犬の糞などが散乱している。道を歩くときには注意していないと、必ず牛の糞を踏んでしまう。人力車を降りてから川まで歩く道すがらには多くの生活困難者がいて、金銭を要求してくる。中には可愛らしい少女もいる。あるいは小さな乳飲み子を抱いた母親もいる。何とも複雑な気持ちで通り過ぎていった。<br /> このガンジス川には明朝、もう一度訪ねる事にして、儀式を見学した後はホテルへと足を向けた。今日の宿泊はクラークスホテルだ。<br /><br /> 翌日25日は早朝にホテルを出発し、もう一度ガンジス川に向かった。聖地ガンジスに沐浴するのは日の出前からが良いとされているらしい。それを見学するにはこちらも早朝に出掛ける必要があったのだ。まだ暗いうちにホテルを出た。気温は10度を下回っているようだ。寒い。こんな気温のなかでヒンドゥー教徒は沐浴するのか。例によって人力車を使って川まで行った。沐浴をする人とは別に世界各国から集まったとおぼしき観光客がたくさんいるではないか。その数に圧倒されてしまった。<br /> こちらもその一団とともにボートに乗った。ボートの上から沐浴を見学するのだ。沐浴する場所のすぐ隣には何本もの煙が上がっていた。火も見える。聞くと死体を焼いているのだそうだ。しかし日本のような火葬場とは違って、蒔を積み上げて焼く。綺麗に焼き切れるわけではないが、焼け残った死体はそのまま川に流すのだそうだ。しかしこの火葬風景は写真に収める事は出来なかった。禁じられているそうだ。<br /> 信者達はそんな川に入って沐浴している。ゴミも流れている。そんな川で洗濯している者もいる。ものすごい世界ではある。

インドの旅(1)聖地ガンジス川

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2013/11/23 - 2013/11/30

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mitsuhiro

mitsuhiroさん

 2013年11月23日に成田を出発し、8日間の日程でインドを旅してきた。その中から、ここではバラナシへの旅を紹介していこうと思う。
 午前11時30分成田発のエアーインディアAI307便は予定通り離陸した。移動時間は約9時間、現地時間18時にデリーのインディラ・ガンジー国際空港に到着、夕方だったためにこの日は空港からほど近いアショカカントリーリゾートホテルに宿泊する事になった。
 翌日24日には再び空港に戻り、10時30分発の国内線AI406便でバラナシへ向かった。約1時間でバラナシのラール・バハードゥル・シャーストリー国際空港に到着した。

 バラナシに到着すると、もうお昼だ。さっそく昼食をとり、その後は第一の訪問地である釈尊の聖地「鹿野苑サールナート」へ向かった。ここでは迎仏の塔や考古学博物館、ダメーク大塔、ムーラガンダクティ寺院などを見て回った。またバラナシの主力産業はシルクだと聞いて、その工房も訪ねてみる事にした。

 1万6千坪の広さを持つサールナート僧院跡には9世紀頃に建立されたとするサールナート寺院の跡や紀元前3世紀に建立された仏塔跡、さらに巨大な高さ34mのダメーク大塔などがあった。
 ムーラガンダックティー寺はスリランカ寺とも呼ばれており、第一次世界大戦の前、仏教遺跡の荒廃を嘆いたスリランカのダルマパーラ氏が建立したものだ。またこの寺に関しては日本政府も力を注いでおり、日本仏教会を通じて依頼を受けた日本画の「野生司香雪画伯」が、約5年に亘ってお釈迦様の生涯を描いた壁画を完成している。

 夕方になると、いよいよガンジス川に出掛ける事になった。なぜ夕方なのか。それは「アールティプージャ」の儀式を見るためだ。これは、ヒンドゥー教の伝統的な神への礼拝の一つで、燭台に火を灯し、礼拝僧が祈りを捧げる。河岸まで車で行く事が出来ないので、少し離れた所から人力車に乗った。インドの人力車は三輪自転車だった。ガンジス川に着いてみると、各地から大勢の人々が集まって来て、河岸は立錐の余地もないほど賑わっていた。
 しかしバラナシという街は凄まじい。もしかしたら世界でも屈指の汚い街なのかもしれない。人力車で走る道は舗装はされているようだが、かなりデコボコ。道ばたのあちこちにゴミの山があり、そこを車やバイク、自転車、人、牛、犬が好き勝手に動き廻っている。とにかく早い者勝ちだ。そこに交通ルールなどというものは存在しないかのようであった。 道には土ぼこりのほかにゴミ、牛や犬の糞などが散乱している。道を歩くときには注意していないと、必ず牛の糞を踏んでしまう。人力車を降りてから川まで歩く道すがらには多くの生活困難者がいて、金銭を要求してくる。中には可愛らしい少女もいる。あるいは小さな乳飲み子を抱いた母親もいる。何とも複雑な気持ちで通り過ぎていった。
 このガンジス川には明朝、もう一度訪ねる事にして、儀式を見学した後はホテルへと足を向けた。今日の宿泊はクラークスホテルだ。

 翌日25日は早朝にホテルを出発し、もう一度ガンジス川に向かった。聖地ガンジスに沐浴するのは日の出前からが良いとされているらしい。それを見学するにはこちらも早朝に出掛ける必要があったのだ。まだ暗いうちにホテルを出た。気温は10度を下回っているようだ。寒い。こんな気温のなかでヒンドゥー教徒は沐浴するのか。例によって人力車を使って川まで行った。沐浴をする人とは別に世界各国から集まったとおぼしき観光客がたくさんいるではないか。その数に圧倒されてしまった。
 こちらもその一団とともにボートに乗った。ボートの上から沐浴を見学するのだ。沐浴する場所のすぐ隣には何本もの煙が上がっていた。火も見える。聞くと死体を焼いているのだそうだ。しかし日本のような火葬場とは違って、蒔を積み上げて焼く。綺麗に焼き切れるわけではないが、焼け残った死体はそのまま川に流すのだそうだ。しかしこの火葬風景は写真に収める事は出来なかった。禁じられているそうだ。
 信者達はそんな川に入って沐浴している。ゴミも流れている。そんな川で洗濯している者もいる。ものすごい世界ではある。

旅行の満足度
4.0
観光
5.0
ホテル
5.0
グルメ
4.0
ショッピング
3.0
交通
2.5
  • バラナシの玄関はラール・バハードゥル・シャーストリー国際空港。これから出掛けるであろう街の風景とは違って、なかなか立派で綺麗な空港だった。

    バラナシの玄関はラール・バハードゥル・シャーストリー国際空港。これから出掛けるであろう街の風景とは違って、なかなか立派で綺麗な空港だった。

  • バラナシの街角。この三輪自転車がインドの人力車だ。この人力車はそれこそ無数にいる。タクシー代わりの気軽な足になっているのだ。

    バラナシの街角。この三輪自転車がインドの人力車だ。この人力車はそれこそ無数にいる。タクシー代わりの気軽な足になっているのだ。

  • こんなのが普通に闊歩している

    こんなのが普通に闊歩している

  • ここにもいた

    ここにもいた

  • サルナートは、釈迦が悟りを開いた後、初めて説法を説いた地とされている。初転法輪の地で、仏教の四大聖地のひとつだそうだ。

    サルナートは、釈迦が悟りを開いた後、初めて説法を説いた地とされている。初転法輪の地で、仏教の四大聖地のひとつだそうだ。

  • サルナートの遺跡

    サルナートの遺跡

  • 外国から巡礼者の一団が来ていた。

    外国から巡礼者の一団が来ていた。

  • 祈りを捧げる巡礼者たち

    祈りを捧げる巡礼者たち

  • インドの女子高生たちが群がってきて、写真を撮らせて欲しいと言ってきた。かわりにこちらからも撮影させてもらった。

    インドの女子高生たちが群がってきて、写真を撮らせて欲しいと言ってきた。かわりにこちらからも撮影させてもらった。

  • 仏教の僧だろうか、傍らにあって煙が出ているのはもしかして蚊取り線香かな。そう言えばインドの蚊取り線香は日本のとは違って、蚊を殺さないんだそうだ。蚊が嫌がる煙を出して追い払うだけとか。宗教上、殺生は禁止なんだと…。

    仏教の僧だろうか、傍らにあって煙が出ているのはもしかして蚊取り線香かな。そう言えばインドの蚊取り線香は日本のとは違って、蚊を殺さないんだそうだ。蚊が嫌がる煙を出して追い払うだけとか。宗教上、殺生は禁止なんだと…。

  • ミネラルウォーターや、各種飲み物を売っていた。

    ミネラルウォーターや、各種飲み物を売っていた。

  • インドシルクの工房を訪ねた。懐かしい手織りの機械だ。

    インドシルクの工房を訪ねた。懐かしい手織りの機械だ。

  • シルク工房にて

    シルク工房にて

  • シルク工房

    シルク工房

  • 暗くなって、人力車でガンジス川に向かう。

    暗くなって、人力車でガンジス川に向かう。

  • そんな道すがら、どこにでも牛がいるのがインドだ。

    そんな道すがら、どこにでも牛がいるのがインドだ。

  • ガンジス川河岸で行われているアールティプージャの儀式会場

    イチオシ

    ガンジス川河岸で行われているアールティプージャの儀式会場

  • アールティプージャの儀式

    アールティプージャの儀式

  • アールティプージャの儀式

    アールティプージャの儀式

  • アールティプージャの儀式。ここを件gなくした後はホテルに入った。

    アールティプージャの儀式。ここを件gなくした後はホテルに入った。

  • 翌25日の朝、まだ暗いうちにホテルを出て、もう一度ガンジス川へ向かう

    翌25日の朝、まだ暗いうちにホテルを出て、もう一度ガンジス川へ向かう

  • ガンジス川の日の出

    ガンジス川の日の出

  • 昨夜、アールティプージャの儀式が行われていた河岸にはたくさんのボートが並んでいる。観光客はこのボートに乗って川の上から沐浴などを見学するのだ。

    昨夜、アールティプージャの儀式が行われていた河岸にはたくさんのボートが並んでいる。観光客はこのボートに乗って川の上から沐浴などを見学するのだ。

  • ボートから見た風景はこんな感じ。

    ボートから見た風景はこんな感じ。

  • 日本の灯籠流しに似ているが、これに火をつけてボートの上からガンジス川に流す。

    日本の灯籠流しに似ているが、これに火をつけてボートの上からガンジス川に流す。

  • 流したところ

    流したところ

  • 河岸を望む

    河岸を望む

  • 沐浴をしようとしている人

    沐浴をしようとしている人

  • 沐浴

    沐浴

  • 久美子の家は、日本人のバックパッカーがよく利用すると言われる宿だ。

    久美子の家は、日本人のバックパッカーがよく利用すると言われる宿だ。

  • ガンジス川で洗濯をしている

    ガンジス川で洗濯をしている

  • 沐浴する人々

    沐浴する人々

  • 苦行者というけれど…

    苦行者というけれど…

  • 沐浴する日本人女性。勇気ある行動だ。観光会社のツアーなどでは、絶対に止めて欲しいと言われているとか。

    イチオシ

    沐浴する日本人女性。勇気ある行動だ。観光会社のツアーなどでは、絶対に止めて欲しいと言われているとか。

  • 沐浴する人々

    沐浴する人々

  • 写真を撮ったら金銭を要求する

    写真を撮ったら金銭を要求する

  • ガンジス川を後にして、ムーラガンダックティー寺を訪れた。

    ガンジス川を後にして、ムーラガンダックティー寺を訪れた。

  • 日本語の表記がある釣り鐘

    日本語の表記がある釣り鐘

  • 釈尊の一生を描いた壁画

    釈尊の一生を描いた壁画

  • ゴミの山に座る牛

    ゴミの山に座る牛

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