2013/10/27 - 2013/10/27
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たびたびさん
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大館でも花岡鉱山の歴史が少し見れましたが、小坂鉱山の近代産業遺産はまた別格。目を見張るような美しい立派な建物が残っていて、この華やかな雰囲気は筑豊地方とは明らかに異なります。テレビの普及でいったん廃れた劇場が復活して、熱い支持を得ている姿も感動的だし、正直、これほどのものだとは思いませんでした。
一方で、小坂鉱山が賑わっていた時代は筑豊の炭鉱が賑わっていた時代と重なります。それぞれの鉱山の閉山は、掘りつくされたわけではなく、言ってみれば日本の産業構造の変化から。効率性の高い産業が生まれ、取って代わられたことが大きな原因です。平たく言えば、円高によって、非効率的な産業は淘汰されていくのです。
では、逆に、日本にエレクトロニクスや自動車産業が起きなければ、今も鉱山は続いていたかもしれません。しかし、いくら昔の賑わいを懐かしんだところで、どっちの方がよかったかは明らかでしょう。
そして、時代は、今、TPPの決着がどうなるのか。気になるところ。しかし、その行方は、どうであれ、日本は先に進むしかないのだと思います。
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小坂に向かうバスの待ち時間を利用して、早朝の花輪の市街を散策します。
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旧関善酒店は、鹿角花輪駅から歩いて10分強。まっすぐの国道沿いに建っていました。この建物は、明治38年に建てられたもの。ちなみに、関善酒店は江戸中期創業の造り酒屋。花輪地域有数の財産家だったようです。なお、建物は国の登録有形文化財です。
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そこから山側の道に入って、これは、恩徳禅寺。
ほー、これは意表を突かれた感じ。この山門、沖縄の守礼門みたいですねえ。 -
こんなところに小さな仁王像です。愉快、愉快。
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うらの墓地を進んで、
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戊辰戦争でなくなった方の墓地。じつはこれが目当てでした。
司馬遼太郎の街道を行くでは、官軍に寝返った秋田藩に、南部藩だった鹿角側から攻め込んだのですが、まったく意味のない無益な戦いだったと紹介されています。 -
で、これは長年寺。奥でつながっていたので、出るのは、こちらの方になりました。
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同じ並びの御旅所。
鹿角では「花輪ばやし」という有名なお祭りがあります。それは、幸稲荷神社(さきわいいなりじんじゃ)という花輪の総鎮守のお祭りで、8月に行われます。神社の本殿は市街から遠い場所なのですが、本殿を出発した御神体は、いったん、この市街にある「御旅所」に安置されるのです。 -
花輪市街から小高い山の上に上った場所は小学校。
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ここは、花輪城という城跡です。小さな豪族がいく度も争った歴史があるようです。
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今度は、市街の東の外れ。
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下堰向三カ寺。ここも花輪の寺町といった一角です。
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さて、花輪駅に帰って来まして、小坂行きのバスを待ちます。
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これは駅前にある声良鶏(こえよしどり)の銅像。秋田では比内鶏、金八鶏(きんぱどり)と並ぶ天然記念物。秋田三鶏と呼ばれています。
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さて、待ち時間を利用して、昨日買っておいた花善の鶏めし弁当@850円をいただきます。
駅弁なんですが、圧倒的な支持を受けていて、ネットでもたくさん情報が出ています。 -
鶏肉がしっかりしていて、噛むと肉のうま味がしっかり感じられるような。ただ、期待が高かった分、評価が厳しくなってしまうのですが、駅弁の域は出ていないかなあと思いました。
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さて、バスで小坂に到着しました。
バス停から、康楽館に向かっている途中。これは芝居の幟ですね。ずいぶんたくさん立っています。 -
康楽館の向こうに見える宮殿のような建物は小坂鉱山事務所です。この建物は、鉱産額でかつて全国一位であったという小坂鉱山にかかる文化遺産。明治38年に建設されたという事務所です。あまりの美しさで、事務所というイメージではありません。
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手前の公演もどうしたんだろいうというくらい美しい。
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イチオシ
さらに近づいてみましょう。この銅像は、見る側の気持ちを的確に表してくれています。この建物を初めてみた人は、誰でもおのぼりさんのような気持ちになってしまうでしょう。
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イチオシ
うーん。素晴らしいです。
ただ、中の見学の前に、気になっている施設を先に回ります。 -
こちらは、あきたエコタウンセンター。いわゆる都市鉱山から、貴重な金属資源などを回収するリサイクルに関係する施設です。
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今注目されている分野だと思いますが、これは黒鉱を扱っていた小坂ならではの技術が背景にあるもの。黒鉱は、金・銀・銅などが雑多に含まれていて、その抽出技術が難しく、採算性に困難があったもの。小坂はその制約を乗り越えて発展したという歴史があり、その技術が生かされたものがこのセンターの設立につながっています。
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このエリア一帯が大きな公園のようになっています。
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イチオシ
こちらは、天使館。小坂鉱山の協力を得た聖心愛子会が、鉱山従業員の子どもたちの保育を目的として設置した幼育施設。
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現在の建物は、昭和7年の建てられたものです。内部の見学も可能。広い部屋は、飾りも何もないのですが、シンプルな構造には何か清々しい感じを持ちました。
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さて、再び小坂鉱山事務所内部に戻ってきました。お姫様気分で記念写真が撮れるよう、これは貸衣装です。
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ベランダからの眺め。向こうは康楽館。その間もよく整備された、広い敷地が広がります。
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内部は、人形やジオラマを使った分かりやすい展示だし、
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これは
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イチオシ
家族連れで見ても
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楽しいでしょう。
小坂鉱山は、金、銀、銅を産出。大館でもあった黒鉱は、いろんな金属を含んでいるので、精錬技術が壁となっていました。それを苦難の末、乗り越えて、その後の大発展の扉が開かれることになったのです。初期にドイツから技術を入れたのですが、ここまで高めたのは日本の技術者の努力によるものです。 -
さて、康楽館に戻ってきました。実は、芝居の予約をしていたんです。
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入口を入ると、とってもレトロですねえ。
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舞台に向かって、座布団が並んで。お客さんが少しずつ入ってくる。この感じもたまりません。
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ところで、康楽館は、明治43年、小坂鉱山の厚生施設として造られたもの。社長のポケットマネーで造られたということです。その後、テレビの普及等で閉鎖の時代もありましたが、復活。移築や復元ではなく、現役で利用されている木造芝居小屋としては最古の芝居小屋です。
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始まる前に、劇場の中を係りの人が案内してくれました。
お決まりの奈落に -
出演者の色紙。
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こちらは、楽屋で、
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出演者の落書きが
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あたりかまわず、書いてあります。ただ、これは重要文化財に指定される前なので、今はご法度です。
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今日の出演は三峰組です。
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さて、一幕目は、「一匹狼」。
渡世の世界に落ちた親子の情愛もの。痛快立ち回りに、ちらりとお涙ちょうだいのシーン。ハラハラドキドキの、あっという間でした。頼んでいた幕の内弁当を食べて、ちょっとクールダウンです。 -
周囲も、和やかなムード。劇場の係りの人が、再度注意事項を説明してくれたりするのですが、その説明がまた洒落が効いていて、笑いを誘う。劇場と観客が一体になっている和やかな雰囲気が気持ちいいですね。
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さて、一幕目は撮影禁止でしたが、歌謡ショーは制限なし。
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もー、
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バチバチ撮ってください。
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っていう
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感じです。
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座長を中心に、皆さん息があってますね。
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そして、ピンでの見せ場。
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それぞれが個性を出して演じます。
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ショートのストーリーも
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イチオシ
適度に混じって
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イチオシ
これも変化があって
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飽きさせません。
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イチオシ
と、花道から飛び出してきたのは、座長です。
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ご祝儀を持って駆け寄るお客さん。これがけっこう盛り上がります。
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次は客の中からお声がかかった人が舞台の上に、
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立ち回りを教えてくれるんだそうです。
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えい、とー。会場はバカ受けです。
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全員で、太鼓の競演。最後のクライマックスです。
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そして、終了。
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いやー、楽しませてもらいましたよー。ありがとうございました。
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イチオシ
劇場は、とにかく中の雰囲気が最高。舞台と観客との距離が本当に近いし、こんなに一体感のある劇場がまだあったんですね。
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そして、出口では役者さんのお見送り。皆さん名残惜しそうに帰って行きます。
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小坂町立総合博物館 郷土館は、康楽館の後に回りました。
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小坂鉱山については小坂鉱山事務所にもいろんな展示があるのですが、こちらは、奥州平泉の黄金文化との関係や
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戊辰戦争のことなどにも触れられていて、
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郷土史の観点もあるので、
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違う楽しみ方ができます。
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土人形も
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東北ならではです。
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黒鉱はここでも。
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かつての小坂駅舎などの
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野外展示もありました。
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花輪図書館の一角に残る旧鹿角郡公会堂は、大正5年に建てられた近代洋風建築。かなり風雪に耐えてきたような建物で、古びていますが、
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鹿角花輪の民俗資料館になっていて、図書館の方に声をかけると鍵を開けて内部を見せてくれました。
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かつては、南部藩だったこの土地ならではの民具などがけっこうたくさん集められています。
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中では、精巧な染物の型紙が目を引きました。
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鹿角は秋田県ですが、南部藩だったところ。なので、南部せんべいはまさしく地元のお菓子。田代煎餅店は、その老舗です。
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店内には例によって、たくさんの種類の南部せんべい。どれにしようかなあ。迷っていたら、揚げせんべいというのを勧められました。甘がらいたれをつけて揚げたタイプ。珍しいのでそれにしましたが、おっしゃるとおり、おいしさにもう一つアクセントが付いて、とってもおいしい。食べだすと止まらなくなって、一気に小袋ひとつを食べてしまいました。ごちそうさまでした。
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帰りの列車の中で何か食べるものないですかと尋ねたら、この店の一押しというチーズブッフェを勧められました。
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そうですか。なんか普通っぽいですけど。と思っていたんですが、いただくとチーズの香りがすごいです。それに塩味のきいたバターが絡んできて、これはうまい。鹿角のお菓子屋さんのレベルの高さを表していると思いました。
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スイートポテトの専門店。お菓子屋さんがけっこうたくさんある鹿角花輪にあって、事前の情報でもそれなりの人気店のよう。市内観光を終えて、3時頃に訪ねたのですが、残念ながら既に完売していました。ちょっと、認識が甘かったようですね。
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鹿角花輪駅前通り沿いにある和菓子屋さん。「名物はなんですか」と尋ねたら、だんぶり長者というお菓子を勧められて、それをいただきました。
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だんぶりとは、とんぼのこと。芳香の霊泉をだんぶりによって授けられたという昔話があるようです。で、お菓子の方も、ちょっと衝撃的な味わい。マルメロという果実を使った餡が不思議なうまさ。まさしく名物です。
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看板商品は、大直利(おおなおり)というくるみゆべし。
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直利というのは、鉱山で、成分が多く含まれる塊のこと。鉱山で栄えたこの地方ならではの命名です。細長い板状のゆべしの表面にクルミのかけらが乗っています。くるみゆべしは、練りこんであるのが普通なのですが、こんなタイプは特徴的です。量があるのがいいかもしれません。
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よもぎの入った今川焼があるというので訪ねましたが、
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見ると、つきたてを冷凍にしたヨモギのお餅があるというので、やっぱり、本物の味を味わいたくてそっちにしました。
しばらく持ち歩いて溶けたところをいただきましたが、これは期待通り。新鮮なヨモギの香りがいっぱいで、おいしくいただきました。これはいいです。 -
鹿角花輪駅前観光案内所は、駅の横に建つ独立した建物。司馬遼太郎の街道をゆくで、戊辰戦争の際、南部藩だった鹿角から、早々と維新政府についた秋田藩を攻撃した出来事について書かれていて、この資料展示がある場所を聞いたのですが、よく分かりませんでした。長年寺にある戊辰戦争の墓は訪ねたのですが、ちょっと残念でした。
さて、これで小坂・花輪はおしまい。盛岡に向かいましょう。 -
ただ、JR花輪線で鹿角花輪から盛岡に向かう途中。湯瀬温泉にも寄ってみます。
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ホテル滝の湯は、湯瀬温泉にある旅館。日帰り温泉で利用しました。湯瀬は湯瀬渓谷に抱かれるような地形。風呂は、湯瀬渓谷に面しているので、湯瀬渓谷が風呂の窓から正面に見えて、まさに絶景でした。
なお、風呂は、ちょっと浅めの場所があって、半身浴ができるので、けっこう長湯もできます。 -
イチオシ
湯瀬温泉に近づくとともに、急に山は広葉樹の山に変わってきて、見事な紅葉の地帯に入って行きます。湯瀬温泉は湯瀬渓谷に囲まれた温泉なんですね。湯瀬温泉の市街からは、湯瀬渓谷までの散策道があってとても簡単に渓谷が楽しめます。
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湯瀬温泉駅から歩いて数分。湯瀬渓谷という美しい渓谷に抱かれるような地区に10数軒の大小の宿がかたまっています。
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一番大きな宿は湯瀬ホテル。湯瀬温泉ではひと際大きな巨大ホテルで、外部資本なのかと思ったら、地元で大きくなったんだそう。玉川温泉も経営している、すごいホテルです。
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湯瀬ふれあいセンターは、湯瀬温泉にあって、唯一の公営公衆浴場です。一階が受付け、二階が浴室。
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一階のスペースはかなりあって、風呂上がりの休憩だけでなく、湯瀬の歴史やお祭り先祓舞などの文化の紹介もしていまして、前九年で阿部氏を滅ぼし後三年の役で清原氏に勝利するものの、この地でなくなった源義家にまつわるお祭りの話とかけっこう面白く読ませてもらいました。
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八幡太郎義家が、八幡平で病死したのも初めて知りました。
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湯瀬温泉六助旅館は、湯瀬温泉の中心部にある小さな旅館で、女将さんが切り盛りする名物旅館です。
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日帰り温泉の利用客もけっこう多いのですが、それはここがこの旅館独自の源泉を持っているから。少し硫黄分が入ったお湯がとっても体に優しい感じなんです。ちょっと風呂場は傷んでますが、湯の質重視が基本です。
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さて、盛岡に到着。ここで晩飯を食べましょう。盛岡駅から街の方へ向かいます。
で、このクロステラス盛岡は、盛岡駅と大通の中間地点にある商業施設。これができる前は、この辺りは正直さみしいエリアだったと思います。事業は、地元の資産家企業として知られた三田商店。ファッション関係や雑貨のテナントもあって、外観はびっくりするくらいおしゃれですが、キーテナントは「賢治の大地館」。地元の新鮮な農産物が集まっています。 -
晩飯は三千里にしましょう。盛岡駅から開運橋を渡って少し行った大通り沿い。盛岡だと焼き肉と冷麺の看板を掲げたお店はいくつもあるのですが、小さいけれども落ち着いた外観が前々から気になっていました。
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イチオシ
で、今回は冷麺をいただきましたが、基本的にはきちんとした仕上がり。盛岡の冷麺はレベルが高いので、麺とかスープとかこれでも特徴にはならないなあとか思ってしまいましたが、添えられた焼き肉がすごい。タンを使ったものだと思いますが、小さめなのに肉の凝縮された味わいがすごくて、存在感が抜群。これは大きな特徴でしょう。
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最後のお土産は盛岡駅ビルのフェザン。「おでんせ土産館」で。
ここには、どうしたんだろうというくらいお菓子屋さんがずらりと並んでいます。レストランのエリアはイマイチだと思うのですが、個々の充実度はちょっとすごいと思います。今回は竹芳で買いましたが、けっこう迷って困りました。 -
結局選んだのは竹芳。ここの看板商品というどら焼きを買いました。どら焼きなんてどこにでもあると思ったのですが、うちのは使っている砂糖が違いますということ。和糖というらしいのですが、どら焼き全体がしっとりした仕上がり。落ち着いた高級感のあるどら焼きでした。
以上で、四日間の旅はおしまい。東京に向かいます。大変お疲れ様でした。
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