2006/08/22 - 2006/08/30
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scomitcheeseさん
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この国では事が予定通りに運ぶのはラッキー中のラッキーだという。その意味ウユニ3日間の旅は、ホテルこそ飛込みだったがつつがなく予定をこなし、ラパスへの帰途についた。何が起こるかわからないので、ガソリンスタンドがあるところでは、タンクは常に満タンにしておかなければならないのが暗黙の鉄則だそうだ。ラパスまで持ちそうではあったが、オルーロで給油した。
そしてラパスまであと100キロというところでそれは起こった。トレーラーが何台も道端に止まっているなあ、向こうに見える未舗装の狭い道路を通るトラックや車が多いなあと思っていたら、ブロッケオ(道路封鎖)だった。この国の社会の一面を勉強することになる。
村民が手分けしてたった一つの幹線道路のあちこちに土砂や石を積み上げ、車を通さない。以前に幹線道路沿線の全ての村でもいっせいに道路全部に石を敷き詰め、要求を通すまで応じないという手段に出たことがあるそうだ。村民のストライキ。空港や飛行機会社、バス、鉄道のストもよくあるとのこと。離合もままならない枝道に車が殺到するわけだ。
セミプロドライバー氏も脇道に入った。またほこりとの戦いだ。かなり迂回して幹線道路のある町に戻った。フィエスタでもないのに人が異常に多い。ここも封鎖されている。車に石を投げられることもあるそうだ。事情を聞こうと窓を開けると、8歳くらいの男の子が話しかけてきた。
ドライバー氏「席を空けてくれ。この子が乗るから。何かお菓子も用意して」
道案内を申し出たという。よくわからないがちょっと不安になった。結局その子は乗らなかった。他の大人に制されたらしい。脇道に戻るしかなかった。あとはドライバー氏の地理的感覚に頼らざるを得なかった。ラパスの方向へ里道を走るしかないらしい。
町の外れの小さな橋に人だかりがしている。脇道もブロッケオしている。人だかりは男性だけ。さっと緊張が走った。性的役割分担がはっきりしているのだななどと思ったのはずっと後になってから。バスは交渉で通した。次は私たちの番。年配から10代くらいまでの男たち10人くらいに取り囲まれた。射るような眼差しで見つめられる。年長の男がむちを片手に窓の中まで腕を入れてくる。
「俺たちの村のことを首都の大統領に話してくれよ。大統領を連れてきてくれ。そうすりゃわかるんだ」予算がちゃんと降りないらしい。先住民族出身の大統領支持派だったのに、いざ政権が発足しても自分たちの暮らしが一向に変わらないと実力行使に出たようだ。最近労働組合や交通機関のストライキすら珍しくなった自分の国では考えられないことである。それも1村として様々な職種の人々が荷担している。きっと参加しないと村八分にされるのだろうな。
ここからがドライバー氏の腕の見せ所だった。以下は後で聞いた話の内容。
D「そうだよなあ。君たちの言うことはわかるよ。でもこの車見てくれよ。ウユニから来たからほこりだらけだろ?ラパスまで送り届けなきゃいけないんだ。こちらも困るんだ。お願いだから。きれいなお嬢さんたち(私のこと ふふふ)を連れて行かなきゃならないんだ。」
ドライバー氏の声が裏返る。
「お願い」を表す「ポレファボーレ」は何回聞いただろう。お金を出そうとすると、
年配男「金で解決するような問題じゃないんだ」
どうなるんだろう?若い方の男が「通してやれよ」と言った。
「お菓子を渡してくれる?」ドライバー氏が後ろを振り向いた。
幾ばくかのお金とナビスコのクラッカーを渡して通してもらう。冬のこの国で汗をかいた一瞬だった。時間にして5分くらい?でもすごく長く感じた。むちを持つ手といつ飛んでくるかわからない投石、射るような目つき。こわかった。通されなかったらと思うともっとこわかった。
自転車と羊しか通らなさそうな山道。対向車がないことを祈るばかり。羊の番をしている村の人はいたって親切で、方向が間違ってないことやラパスの方向を教えてくれる。ブロッケオを知ってか知らずか。
道はいよいよ狭くなる。小さな集落を過ぎ、峠道にさしかかる。帰途の道のりを予測するすべがない。食べ物が残っているのはいいことだと同行者が言う。明日まで食べられるから。2泊の旅を、何かあった時のために3泊分用意していた。この話が出たところで、あと1泊、それも車中泊を覚悟する。
やっと峠だあ!
あ~~~~!全員が声をあげた。峠の向こうに信じられない光景が待っていた。100メートル以上も真下に谷間の集落、それを見守る大きなボリビア版エアーズロック。そしてそのずっと先、山の稜線の向こうに白く輝くイリマニ山!!絶景だ!在数十年のドライバー氏も「すごい!信じられない。どこの観光ガイドにも載ってない!」を連発。誰も知らない宝物を発見したような歓喜の声だった。絶景に皆子どものようにはしゃぎまわる。それは緊張が解けた瞬間でもあったのだ。困難のごほうびにしては美しすぎる。
お昼ご飯を食べていないことと空腹に気づいた。素晴らしく美しい景色を堪能しながら、立ったままバナナとクッキーをほおばった!おいしかった。景色がごちそうだった。
ボリビア記①ラパスへ
ボリビア記②ケーナ・サンポーニャ工房
ボリビア記③アルティプラノ
ボリビア記④ウユニ
ボリビア記⑤Isra De Pesca塩湖に浮かぶ島
ボリビア記⑥忘れられた村Museoウユニの対岸へ
ボリビア記⑦ブロッケオ★
ボリビア記⑧帰途~ハリケーンせまる
- 旅行の満足度
- 5.0
- 交通
- 1.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 30万円 - 50万円
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- アメリカン航空
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
道路封鎖の写真はありません。写真など写せるはずもなく・・・
峠を越えたら待っていた絶景、ボリビアのエアーズロック。
遠くにイリマニ山です。 -
バナナとクッキーを食べ終わると、細い道を降りてエアーズロックのふもとに。小さな集落がへばりつくようにありました。
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ラパスに帰り、今度はチャランゴの楽器工房にお邪魔しました。ここも頑丈な檻の中に工房がありました。
買いました、チャランゴ♪でも弾けない(+o+)
音色がやさしくて好きなので。
スタジオのドナートさんは、ボリビアでも有名なチャランゴ奏者でもあるのです。
アルマジロの皮で作ったものはお土産屋で売ってましたが、ここのは木製。 -
翌日、ラパスのすり鉢のふちで街とイリマニを望みます。
今日は、チャカルタヤのインカ道をトレッキングし、世界で一番標高の高いスキー場5300mへ行きます。 -
名も知らぬ五色湖。こんな景色を独り占めしていいんですか?というくらい。
どんな形容詞を使っても表現できない美しさです。 -
トレッキングのスタート地点になかなかつけません。というのも、ほけ〜と眺めるだけだから。
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湖は、赤、緑、青、黄色、そして湖面に映った雪の白。
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雪を頂く斜面に近づきます。そして向こうには氷河が見えています。
さて、氷河まで歩けるでしょうか?
5000m近いので、ゆっくり歩みを進めます。 -
道路を横断するリャマの群れ。
なるべく近づきたくて、娘はそおっと近付きます。
じっと立ってリャマを見つめます。
立ち尽くすこと30分。群れはゆっくりと丘を下って行きました。
インカ道はその昔、ペルーのマチュピチュまで続く道でした。
人がひとり通れるくらいの細い道が、断崖に沿って続いており、道に沿って水路があるのです。今はセメントで固めてありますが、その昔から利用されてきた人間の知恵。 -
ムックみたい!
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お邪魔して悪かったわね。群れは道を横切り谷へ下りていきました。
飼い主はどこかにいるはずなのですが。 -
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アンデスからはるか下にアマゾン方面を眺める。
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昔々の人が断崖をくりぬいて人ひとり通れる道を作ったのがよくわかる1枚です。
同行者と娘の姿が見えますか?
右は2~300mも切れ落ちています。
自転車で通っていたイスラエルの人が落ちてなくなったという場所に、プレートがはめてありました。ぞおっとします。
場所によっては、足元がハングオーバーしていたり、道幅が足の幅くらいだったり、今考えてもおそろしい。高所恐怖症の人は辞めた方が無難です。
万年雪をかぶる山もきれい!そういえば、山の中腹の雪渓を登攀するクライマーが2人豆粒のように見えました。成功してほしいと願いつつ。 -
延々と続く水路。
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標高5000mくらいでしょうか?ゆっくり歩いていましたし、道自体はあまり急な坂ではなかったのですが、娘が引き返したいと言いました。
氷河まで行きたかったのですが、ここで断念。 -
道から崖下を見下ろす。
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氷河まであと1歩。
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アマゾン方面。雲がかかり湿気があるのがわかります。
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これも真下です!
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トレッキングから帰り、チャタルカヤのスキー場を目指しましたが、でこぼこの傾いた道、道の下は2~300mもの谷底という道が続き、(今日はドライバー氏は休息、同行者が運転していました)一つ間違えば確実に谷底まで転落しそうな山道です。
難題も車の離合が必要で、さすがに怖くなってきました。
同行者も、「ここまでにしようか。」と引き返すことにしました。
なので、世界一標高の高いスキー場へは行きませんでした。
でもきっと5000mくらいまでは行けたのじゃないかと思います。 -
ラパスに戻り、午後はマルコさんの出場するサッカーの試合を観に行きました。
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ブルーはラパスの色。出国のときチームの帽子をかぶっていたら、普段はいかめしいイミグレーションの係りの人みなさんが、喜んでくれました。
試合に行ったのよ!応援したよ。 -
試合のあと、マルコさんにサインを書いてもらいました。
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