2013年　シャモニー旅行　５日目　日帰りでクールマイヨールのフェレの谷へ

2013/08/03 - 2013/08/03

５日は雲はありましたが、また晴れでした。

今日はバスでモンブラントンネルを超えてクールマイヨールに出かけることにしました。
天気予報によると晴れ時々曇り、午後にわか雨とのこと。

シャモニー駅８時３０分発のバスでクールマイヨールに向かいました。
９時１５分にはクールマイヨールに着くはずです。
クールマイヨールに着いたらどうしようか。
ロープウェイでコル・シュクルイまで行って、モンテチェティフに行こうか、あるいはシュクルイ湖まで行くか。
またはバスでヴェニの谷まで行ってエリザベッタ小屋を往復するのもいいし・・・・
フェレの谷だったら比較的楽なハイキングが出来るよな・・・・

車中で楽しく考えていましたが、モンブラントンネルの手前でバスはいきなり渋滞にはまりました。
前を見ると長い長い列。しかもうんともすんとも動きません。
イタリア側からの車は流れているのに（それも車少なめ）、フランス側は全然動きません。
ずっと止まっていて、５分くらいしてやっと５０ｍくらい動く、で、また止まる。それの繰り返しです。
まさか事故渋滞？モンブラントンネルの中で事故が起き、イタリア側とフランス側の交互運転をしてるのでしょうか？
不安がよぎります。

エリア イタリア

• 同行者: 一人旅
• 旅行の手配内容: 個別手配

モンブラントンネルの近くまで来てやっと渋滞の原因が分かりました。
トンネル内の車間を充分に取るためだったんですね。
入口に遮断機があり、一台行っては閉まり、３秒くらいして開き、また一台行くと閉まり、３秒くらいして開く。
それの繰り返しなのでハイシーズンはめちゃくちゃ渋滞するんですね。
ただ、こうすれば車間距離は十分取ることが出来ます。
１９９９年にトンネル内で４０人近く亡くなるという大惨事がありましたから、それ以降こういうシステムになったのかもしれません。
モンブラントンネルに入るまで１時間近くかかりました。
トンネルに入って以降はスムーズに動きましたが、クールマイヨールについたのは１０時過ぎ。結局４５分以上遅れて到着です。

これでは当初の予定通りには行かないかもしれません。

クールマイヨールの町の展望は意外にもあまり良くありません。
モンブランは見えないし、近隣の小高い山に阻まれて他にもほとんど高い山は見ることが出来ません。
交通の便があまり良くないこともありますが、シャモニーに比べて日本人観光客に人気がない理由が良くわかりました。

実はクールマイヨールはモンブランの南にあるので、光線状態がシャモニーよりずっと良く、かなり期待していたのですが・・・・・
とりあえずシュクルイのコルに行こうと思いました。
観光局で聞くと今はプランシュクルイまではロープウェイで行けるが、シュクルイのコルまでは行ってないとのこと。
うーん・・・シュクルイのコルまでは自力で登らなければならないのか・・・・
事前に調べた所プランシュクルイまで登ってもあまり景観は良くないらしいです。
うーん、どうしよう。

いずれにしてもともかくプランシュクルイへのロープウェイ乗り場まで行ってみよう、と坂を下ったり、登ったりしてドローネの村まで行きました。

写真はドローネの村から見たダン・デュ・ジュアン。

ドローネの村は一見の価値がありました。
昔ながらの家並みが残っていて風情があります。
家は石造りで屋根はスレートぶきで、いかにもイタリアのむらという感じです。

が、それはそれとしてロープウェイの駅が見つかりません。
ドローネの村にあったロープウェイの駅はスキー専用らしく、夏のシーズンは閉鎖されていました。
じゃ、どこに？

あ！プランシュクルイらしき場所に行くロープウェイが動いています。
でもこれはドローネからじゃなく、どうやらクールマイヨールかららしい。
慌ててクールマイヨールに戻りました。

再び坂を登ったり降りたりしてクールマイヨールに戻りました。
時計を見るともう１１時。
無駄に一時間近くロスしてしまいました。
見ているとプランシュクルイへのロープウェイも頻度はそれほど多くはなさそうです。
仕方ありません。ここはあきらめて、フェレの谷かヴェニの谷へ行くバスに乗ろうと思ってバスの広場に行くと、フェレの谷行きのバスが。

とりあえずそのバスに乗ってプランパンシューと言う村まで行きました。
ここまで来るとモンブランもグランドジョラスも見ることが出来ます。

写真はプランパンシューから見たモンブラン。
シャモニー側から見るのとは全然違った姿です。
南面で常に太陽に照らされるためでしょうか。
厳しい岩峰と言う感じで、雪山のたおやかな美しさはありません。

シャモニーからのモンブランはまるでアイスクリームのようですが、
クールマイヨールから眺めるモンブランはごつごつした岩山です。

グランドジョラスも姿を変えます。
やはりごつごつした岩山でまるでドロミテアルプスのような感じです。

プランパンシューから上流を目指して歩きはじめます。

右側で川の流れる音が聞こえてきます。
けれども森に邪魔されて川自体はまだどこにも見えません。

歩いているうちに川が見えてきました。

川越しに見るグランドジョラス。

川沿いにヤナギランが咲いています。

最初のうちは橋もほとんどなかったのですが、やがていくつか橋がかかってくるようになります。
これはその名もPonte（橋）という名のバス停の側にかかっていた橋。

橋を渡るために芝生の草原を横切ろうとしたら、「ちょっと待って！」と言う感じで青年に止められてしまいました。
良く見ると草原ではゴルフをしている人がいます。
ゴルフ場だから関係者以外立ち入り禁止なのかなと思い、立ち去ろうとすると、「あ！入っちゃいけないんじゃなくて、今は球を打つ所だから危ないよ。」って感じです。
成る程、一人がクラブを振りあげて、今まさにショットを決めようとしている所でした。
ショットが決まると、彼もまた草原を横切って行きました。
その青年も関係者と言うわけではなく、やはり自分と同じように草原を横切ろうとした人でした。

シャモニーのゴルフ場と比べると、あまりにもプライベート感がなかったので、普通の河原でゴルフをしているのかと思いましたが、地図で調べたら、一応ちゃんとしたゴルフ・クラブでした。

結構横長に広く、この先ずっとゴルフ場が続いていました。

クラブの名前にグランドジョラスが入っているだけあって、グランドジョラスの真下にあります。

ただ規模は小さいと思います。

なんとなく上高地の河童橋を思わせる風景です。

このあたりでは主役はモンブランよりグランドジョラスかもしれません。

モンブランも美しいのですが、仰ぎ見るほどの高さを感じません。

シャモニーで見るモンブランのような雄大さはありません。

そこに行くとここからのグランドジョラスは周りを圧して、カメラのフレームに入りきりません。

ヤナギランとグランドジョラス。

昔見た写真集の写真ではこのあたりに教会があるはずなのですが・・・・
もしかしてこの廃屋がそうだったりして？

個人的にはシャモニーから見るグランドジョラスの方がやはり美しいと思います。

教会とグランドジョラスと言う構図が撮れなかったので、代わりに教会の鐘楼とモンブラン。（ただし頂上ではなく、横の部分です）

クールマイヨール。モンブラン山群を北に見ることが出来、写真的に光線状態は最高です。
なのになぜか日本では有名ではないし、ポスターになっている写真は少ない。夏の登山シーズンより冬のスキーシーズンに訪れる人が遥かに多い。
今まで不思議に思っていましたが、今回行ってみて理由が分かったような気もしました。

山は岩峰ばかりで、氷河を見るためには結構歩かなければならない。
シャモニーに比べて雲が出やすい。
またクールマイヨールでは前山が邪魔して、肝心のモンブランが見えない。
交通が不便。
夏に動いているリフトの数が少ない。etc.

シャモニーに行く人が圧倒的に多い理由が良くわかりました。

プランパンシューに戻り、ちょっと良いレストランでランチを食べました。
シカ肉があったので、それを注文しました。
思ってたよりあっさりしていて、そうと言われなければ分からないほど、癖がありませんでした。

この後バスでクールマイヨールに戻り、１６：００発のバスでシャモニーに帰ろうと思いましたが、時間になってもバスの姿が見えません。
どうやら、シャモニーから来るバスが渋滞で遅れている模様。（時刻表によると本当は１５：１５には着いているはずなのです）
１６：１５くらいにやっとバスが着き、再びモンブラントンネルで渋滞に遭遇し、シャモニーについたのは午後６時近くになってしまいました。

この旅行記へのコメント （2）

• 4nobuさん 2013/09/16 09:51:18

  クールマイヨール周辺懐かしく拝見

  ツール・ド・モンブラン一人歩きで前日エリザベッタ小屋に泊りフェレ谷のエレナ小屋に泊まる日にクールマイヨールで昼食を摂りました。
  その時もシェイクル、クールマイヨール間のロープウェイは休業中でドローネの村を通って延々と歩きました。
  イタリアはフランスやスイスに比べると観光国といえるのかと疑問になることがしばしばありますね。これもイタリアらしいのんびりの良さかもしれません。
  ご覧頂いたモンテモロ峠もイタリア側はロープウェイは休業、ホテルは1軒だけ営業のシーズンオフでもスイス側からは沢山の人が峠に向かって歩いて居ました。
  
  
  

  ken-kenさん からの返信 2013/09/16 14:05:54

  RE: クールマイヨール周辺懐かしく拝見

  4nobuさん、こんにちは。
  ご訪問ありがとうございました。
  
  > ツール・ド・モンブラン一人歩きで前日エリザベッタ小屋に泊りフェレ谷のエレナ小屋に泊まる日にクールマイヨールで昼食を摂りました。
  
  エリザベッタ小屋！いいですね！この時も途中までバスで行き、そこから歩こうかと思ったのですが、モンブラントンネルの渋滞で気持ちが落ち込み、行くのをやめてしまいました。
  
  > その時もシェイクル、クールマイヨール間のロープウェイは休業中でドローネの村を通って延々と歩きました。
  > イタリアはフランスやスイスに比べると観光国といえるのかと疑問になることがしばしばありますね。これもイタリアらしいのんびりの良さかもしれません。
  
  そうですね。ドロミテも６月初旬はほとんどのロープウェイが運休していました。
  お客がいないと言うのなら分かるのですが、今はシーズン関係なく世界中から観光客が来るのですから、動かしても赤字になることはないのにと思いました。
  その時、ラショッツのロープウェイのHPあてに運行日の質問メールを送ったのですが、結局返事は来ませんでした（笑）。
  まあ、イタリア人気質ですね。
  そのくせ、クールマイヨールのホテルの人が、「なぜ、日本人はシャモニーばかりでクールマイヨールには来ないのかしら？」って言ったそうです。
  当のイタリア人がまるっきりよくわかっていないのですね（笑）。
  
  > ご覧頂いたモンテモロ峠もイタリア側はロープウェイは休業、ホテルは1軒だけ営業のシーズンオフでもスイス側からは沢山の人が峠に向かって歩いて居ました。
  
  今回思ったのは、やはりスイスは観光立国と呼ばれるだけのことはあると言うことです。
  少なくとも、グリンデルワルト、ツェルマットの２大山岳リゾートにオフシーズンはないですからね。（シャモニーもそうかもしれません）
  どんな時期でも、ユングフラウヨッホとゴルナーグラード、エギーユ・ミディへは行くことが出来ますし、ホテルもほとんど休業と言うことはないですからね。
  
  申し訳ありません。熱くなってしまいました（笑）。
  マクニャーガ、是非行ってみたいところでしたので、4nobuさんの情報がとても役に立ちました。
  ありがとうございました。
  いつか行ってみたいと思っています。
  
  またよろしくお願い致します。
  　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ken-ken