2013(4) ミュンヘン街歩き　時間がなくて マリエン広場近辺の 教会のみ

2013/04/22 - 2013/04/23

アルテ･ピナコテークに時間を取られて、ミュンヘンの観光の時間が少なくなってしまいました。

見たいところは山ほどありますが、そんな贅沢を言っている場合ではないようです。
とりあえず、マリエン広場に戻って、その周りの教会詣でをすることにしました。

・フラウエン教会の塔に登ってみたい、悪魔の足跡も見てみたい。
・そして聖ミヒャエル教会ではヴィッテルスバッハ家の墓所に行ってみたい。
・時間があるようだったら、一昨年に引き続き、第三帝国の足跡を辿ってみたい。
それくらいしか出来そうにありません。

マリエン広場では、今夜サッカーの欧州チャンピオンリーグか開催され、準決勝をかけて地元バイエルンがスペイン･バルセロナと対戦するらしく、ものすごい人だかりです。

エリア ミュンヘン(ドイツ)

時間を今朝に戻して…。

ヴィクリアーリエン・マルクトでの白ソーセージの朝食が早すぎた私たちは、Uバーンで1駅のゼントリンガー門に向かいました。

地下鉄駅を登ると、目の前に何やら近代的な塔が…。
調べたら聖マテウス教会、最近再建されたものだそうです。

塔の上の十字架が見えなかったら、教会とは思わないでしょう。

ゼンドリンガー門は、ミュンヘンに現存する城壁の3つのうちの一つの門だそう。
残り２つはイザール門、カールス門。

門に近づいたら、何やらアコーデンに乗って素敵な歌声が聞こえてきました。

歌っていたのはこの女性。

その歌声があんまり素敵なので、目の前のカバンの中に1ユーロを入れて、「写真撮っていい？」って聞いたら、こんな笑顔を向けてくれました。

とっても雰囲気があって、ミュンヘンの街角に似合う女性でした。

連続した壁には、十字架のイエスキリストが祀られています。

十字架の上の文字【INRI】の文字は、日本語では「ユダヤ人の王、ナザレのイエス」と訳されて、イエスの磔刑像にはよく見られる文字だそう。

マリエン広場の方向に歩いていると、左側に素晴らしい装飾の建物が見えてきました。

入り口もこんなゴテゴテの飾り。
このロココ様式の建物はもしや・・・？

茶色のプレートには「アザム・ハウス」と・・。
これがあのー。

私が探していた教会はこちら、お隣のアザム教会のほうです。
正式には聖ヨハン・ネポムーク教会。

さっきの建物は、アザム教会を造ったアザム兄弟が住んでいた家で、現在は会社などが入っているそう。

中に一歩足を踏み入れてビックリ仰天！
なんとまあ豪華絢爛な内部だこと！

中央祭壇も

壁にいくつも立っている聖像も…。
すべて見事な装飾です。

天井のフレスコ画は「聖ネポムクの生涯」が描かれているそう。

聖ネポムクといえば、頭に5つの星がついたワッカをつけて、十字架か棕櫚を持っているあの…
そうですね、ヨーロッパでは有名な聖人です。

回廊。
磔刑のキリスト像と、壁面のフレスコ画。

聖堂入り口の天井も凝っています。
太陽を中心に光が降り注いでいる。

アザム兄弟は、南ドイツのロココ技術の基礎を築いた人物だそう。

彼らは画家でもあり、彫刻家でもあり、設計家でもあり、建築職人でもあったなんでも出来る天才芸術家でした。
彼らはミュンヘン市内に、アザム教会のほかにもいくつか教会を手がけているそう。


階下のクリプタ（地下聖堂）の説明。

9時になりましたので、ヴィクトアーリエンマルクトに向かいました。

広場から見えた聖霊教会。聖霊施療院付属の教会だったそう。
改築された際には、アザム兄弟が装飾を手がけたそうです。

今回は内部は見ませんでした。
後ろにはペーター教会の塔が見えます。

ここで白ソーセージの朝食を摂って…

アルテピナコテークで名画を鑑賞して…、

ちょっと観光の時間が少なくなりました。
急いでマリエンプラッツに行くと、ここはヒト・ヒト・ヒトの波、大勢の人であふれていました。

なんでも今夜、地元バイエルンが出場する大事なサッカーの試合があるんだそうです。

人ごみを避けてラートハウスの中庭に逃げ込みます。

バイエルンのシンボル、ライオンさんがラーツケラーの案内を。

後で寄りますねー。

中庭の建築物も彫像などの装飾品で飾られています。

カーゴイル。
怪物などの姿をした雨どいです。

ちょっとユーモラスな怪物さん。

何を叫んでいるのでしょうか？

さてゆっくりしているわけにはいきません。
一昨年訪れた際、中に入れなかったフラウエンキルヒェに向かいます。

ホテルの窓から見えたあのネギ坊主頭の教会です。

前回はこの入り口がわからなかったのよねー。

中は、朝のアザム教会に比べると清楚な佇まい。

私は「悪魔の足跡」を探してキョロキョロします。

入り口近くに、ルートヴィヒ皇帝の記念の墓がありました。

歴代神聖ローマ皇帝のなかで、ヴィッテルスバッハ家出身の皇帝の一人がルートヴィヒ4世です。
フラウエン教会は、ヴィッテルスバッハ家の霊廟で、46人の墓所があるそうです。

ところで、悪魔の足跡、悪魔の足跡っと…。
あれ、どこにあるんだろう？

教会内部は22本の白い柱が２列に並んでおり、入り口からはそれが白い壁のように見えるのだとか。
また窓は見えない構造になっていて、教会を壊しにきた悪魔が、こんな窓もない教会にやってくる信者なんかいるもんかと、勝ち誇って足跡を残したそう。

それが悪魔の足跡の伝説。

ともかく先に塔に登りましょう。
ところが、塔のエレベーターは5時でお終いなんですって（泣）。
とっくに過ぎていますね。

と言うことは、他の教会も早く行かなければ閉まってしまう。
悪魔の足跡は見つからなかったけど、急いで次に向かいます。

あの白い立派な建物がミヒャエル教会。
サッカーの人並みがここにも溢れています。

ミヒャエル教会。
壁にはヴィッテルスバッハ家の領主たちの石像が並んでいます。
ここにはヴィッテルスバッハ家の墓所があるのです。
歴史に興味がある私は一度お参りしたいと思っていました。

今見てきたフラウエン教会と比べると豪華な内装です。

1540年のイエズス会設立後、ヴィルヘルム５世が反宗教改革の一環として建立させたイエズス会の教会。
当時、アルプス以北では最も壮大なルネサンス様式の教会で、その膨大な建築費用によって国立銀行が破綻しそうになったほどだそうです。

礼拝堂。
中央には「悪魔と闘う聖ミヒャエル」の祭壇画があります。
ちょっと見にくいですね。

右の祭壇画。

説教壇

あのルートヴィヒ2世の写真・・。

ここがお墓の入口のようです。
しかし、案内にはここも4時半で閉まったようです。

ここには、ルートヴィヒ2世のお墓をはじめ、ビッテルスバッハ家の君主30人が葬られている墓所があるのです。

やっぱり間に合わなかった・・

パイプオルガン

聖水の天使像

内部には、1945年第二次世界大戦後の聖ミヒャエル教会の様子が展示してありました。

戦争によって壊滅的に破壊された教会、あちらにはフラウエン教会のネギ坊主の塔も見えます。

ミュンヘンも例に漏れず、連合国による激しい空爆を受けました。
メチャメチャに破壊され瓦礫の塊となった教会内部。

かろうじて形をとどめている教会の遺構がいっそう悲惨さを物語っています。

教会入口の、「悪と闘う大天使ミヒャエルの像」

教会の全体像。

あの戦後の壊滅的な破壊から、よくぞこんなに立派に再建されたものです。
ドイツの底力を見た思いです。

さっき見学したフラウエン教会が見えます。

まだ見たいところはいろいろありますが、もう足が疲れました。

この後、ラーツケラーでシュパーゲルで夕食をいただいてホテルに戻りました。

22日夜

教会絡みでもう一つ。
ミュンヘン到着初日、ホーフブロイハウスに食事に行く途中で、ペーター教会にも寄りました。

この教会は、ミュンヘンで最も古い11世紀前半からあったそう。

302段の階段を使って塔に登ることが出来ます。
時間が遅くて教会は閉まっていましたが、開いていても登る気サラサラなし。

教会の壁のレリーフ。
なんだかお釈迦様がハスの花に座っているよう…。

今回は、マリエン広場付近の教会だけでしたが、ミュンヘンには歴史的な教会がたくさんあります。
ミュンヘンの街歩きで疲れたら、静かな教会で休憩を。
贅沢なひと時ですね。

この旅行記へのコメント （6）

• ハッピーねこさん 2013/06/13 21:41:26

  私も大好きです！マリエン広場近辺の教会。

  himmelさん、こんばんは。
  ミュンヘン編、着々と作成されていますね！
  楽しく拝見しています。
  
  マリエン広場周辺の教会は、私も大好きです。
  フラウエン教会は、himmelさんと同じく塔にはまだ上れておらず、そして
  悪魔の足跡も見つけきれていないままです。
  次の宿題です。
  
  ミヒャエル教会は荘厳で素晴らしいですよね。
  初めて訪ねた時はちょうど夕方のミサの時間で、とても感動したのを覚えています。
  外観はずっと修復中だったように思いますが、やっと終わったのですね。
  莫大な資金を費やしたエピソード、知りませんでした。
  さすがhimmelさん！
  
  アザム教会は去年初めて行きましたが、ここも小さいのに豪奢で美しいですよね。
  インスブルックで大聖堂を見たあとでしたので、アザム兄弟恐るべしっ！と思いましたよ。＾＾
  
  アザム教会から先（西の方）へはまだ行ったことがないので、次は足を延ばして３つ目の門も見たいです。
  
  ミュンヘンってやっぱりいい街ですね！

  frau.himmelさん からの返信 2013/06/14 14:01:38

  RE: 私も大好きです！マリエン広場近辺の教会。

  ハッピーねこさん　こんにちは。
  
  いつもありがとうございます。
  
  > ミュンヘン編、着々と作成されていますね！
  
  また1年がかりの作成だけは・・なんて思っているのですが、なかなかはかどりません。
  
  ミュンヘンのマリエン広場付近、いいですよねー。
  何処に行くのもあそこを通れば便利ですし、通ればちょっと寄ろうかしら・・なんて。
  つい滞在中何度かいく場所になりました。
  
  ハッピーねこさんも悪魔の足跡見つからなかったのですか？それに塔もまだとか・・
  やっぱり似ていますね。
  ミヒャエル教会は工事中だったのですか？では私たちが行った時は出来上がったばかりだったのですね、きっと。
  道理でとても綺麗でした。
  あそこのヴィッテルスバッハ家のお墓もとうとう見れずじまい。
  まだまだミュンヘンは」行きたいところが多すぎて・・
  なかなかドイツから卒業できません。
  
  来週は九州です。お天気はどうでしょうね。
  今年は梅雨とは名ばかりで晴れの日が多かったので、
  そちらでどかっとこなければいいのですが。
  
  himmel

  ハッピーねこさん からの返信 2013/06/15 02:11:15

  来週は九州へ！？

  himmelさん、こんばんは。
  
  来週はお里帰りですか？
  九州も梅雨入りしてもしばらくは雨知らずでしたが、先週末くらいから時折降っております。
  来週の九州は、日月が晴れマーク、水木くらいの週なかが雨マークになっていますが、
  果たして予報どおりになりますかどうか。
  ご滞在が梅雨の晴れ間に当たりますよう祈っております。
  よいご旅行を。
  
  おやすみなさい。

  frau.himmelさん からの返信 2013/06/15 11:13:57

  お天気情報、ありがとうございました

  ハッピーねこさん　おはようございます。
  
  九州のお天気情報ありがとうございます。
  やっぱり梅雨空のようですね。
  まあ、用事は屋内ですから良いのですが、その後レンタカーで近場を回りたいと思っていますので。
  雨だとどうしてもテンションが下がりますものね。
  
  九州にも両親が鬼門に入るとなかなか行かなくなりました。
  せっかくの行けるチャンス、アレもしたいこれもしたいと。
  何より、九州でしか手に入らない食材を買い込みたい。
  麦ミソ大好きです。それに熊本のお米は人気があるんですって？
  豆腐の味噌漬け、焼酎も・・。
  あ〜〜何しに九州に行くのやら（笑）
  
  himmel
  

• norisaさん 2013/06/13 18:13:28

  大丈夫でしょうか？

  frau.himmelさん
  
  マリエン広場というところ、いかにもドイツ！？
  戦火にみまわれたのでしょうかーー？
  聖ヨハン・ネポムーク教会は大丈夫のようですね。
  
  さて、最近洪水のニュースが報じられています。
  ミュンヘンは大丈夫でしょうかーー。
  
  来月ドイツに出没する予定ですがーー（汗）
  
  norisa

  frau.himmelさん からの返信 2013/06/14 13:49:03

  RE: 大丈夫でしょうか？

  norisaさん　いつもありがとうございます。
  
  来月ドイツにご出発ですか？
  洪水の問題、悩ましいですね。
  聞くところによると、ドレスデンを流れるエルベ川などでは、
  まだ警戒を怠っていないようですね。
  ドイツ北部も。
  
  ミュンヘンはどうでしょうね、あそこにはイザール川が流れていますが
  あれは支川ですからね。
  でも6月はじめは、バイエルン州も被害を受けたそうですから、
  もしかしたらまだ復旧してない小さな道路はあるかもしれません。
  
  実は2002年8月、ドレスデンが未曾有の大洪水に見舞われたとき、
  2ヵ月後の10月にドレスデンを訪れました。
  その時は美術品などを避難させていて、準備が間に合わないとかで
  アルテ･マイスター絵画館は閉館されていました。
  そういう細かい不都合はあるかもしれませんが、
  
  強運をお持ちのnorisaさんご夫妻のこと、きっと大丈夫ですよ。
  でも、いいなー。
  ヨーロッパはいい気候のころですね。
  
  薀蓄話満載の旅行記が楽しみです。
  
  himmel