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バスが来る気配は全くなかった。<br /><br />夫がそこで気がついた。<br />「そういえば、他のバス停にもバスが一度も来ないね。」<br /><br />もう待ち始めてから40分近く経っている。<br />おかしい。<br /><br />もう一度切符を買った売店に行く。<br /><br />バスが全く来ないことを告げると、ヴィンチ行きのバス停は<br />別の場所だと教えられた。<br /><br />言われた方向に歩いたけれど100mくらい行ってもそれらしきものはない。<br /><br />そこで通りすがりの3人の女の人に聞いた。<br />母親とその娘さんらしい。<br /><br />お母さんに尋ねた。「ヴィンチ村行きのバス停はどこですか。」<br />2人の娘さんが英語が少し話せるからと、話を聞いてくれた。<br /><br />「どこから来たのですか?日本からですか?」<br />「はい、そうです。」<br />「日本は大好きです。」<br />「どんなところが?」<br />帰ってきた答えが、「漫画。」<br /><br />ヨーロッパでの漫画ブームは聞いていたけど、こんなかたちで恩恵に与るとは思いもしなかった。<br /><br />エンポリの人はあまりバスを使わないのだろうか。<br />バスの本数も少ないみたいだし。<br /><br />3人は親身になってくれた。<br />どうも今日は祝日らしい。<br />突然、車に乗ってと言われた。駅まで行くらしい。<br />駅で確認しようということになった。<br /><br />駅に着く。<br />例のバス停で待っていたこと。バスの時刻表もあることを二人に告げる。<br /><br />もう一つ先のバス停に行こうと言う。<br /><br />そんないいのかな。どこかに出かける途中じゃないの?<br /><br />「時間はありますか?」戸惑っていると「大丈夫だから。」<br /><br />また車に戻った。大丈夫、大丈夫といわれ、また乗り込む。<br /><br />おかあさんが運転席から後ろの座席の私に聞いた。<br />「イタリア語は話せるの?」らしいイタリア語で。<br /><br />出国直前にかじった覚えたてのイタリア語を口から出した。<br />「Mi chiamo ○○.」「****アリス****.」<br /><br />なんとかお母さんはアリスさんだと分かった。」<br />はじめまして。と言いたいところだが、イタリア語が分からない。<br />娘さんに「How do you do?」はイタリア語でどういうのか聞いたがその英語が分からないと言う。<br />「Nice to meet you!」だと分かったのかもしれない。<br />思いついたのがフランス語の「Enchantée. 」<br />家族みんなで「あ~!」といって喜んでくれた。<br /><br />そんな会話をしながら次のバス停まで行った。<br />そこでもいろいろ確認してくれた。<br />とりあえず、そのバス停にも49番バスの表示があった。<br /><br />2人程待っていたので、私達もそこで待つことにした。<br />私達は3人とそれぞれ握手をかわし、お礼を行って分かれた。<br /><br />こんな出会いは初めてだった。<br /><br />結局バスが来たものの、回送らしく乗ることが出来なかった。<br />後でわかったが、祝日はバスも運行しないらしい。<br /><br />ヴィンチ村で過ごすはずの2時間を<br />エンポリで来ないバスを待って過ごした。<br />後ろ髪をひかれながら、また駅まで歩き、売店でチケットを換金してもらえず帰りは2等の満員列車で押されながら帰った。<br /><br />でも...<br />どっちが良かったのだろうか。<br />行くことが出来ていた方が良かったのか<br />行けなかったことが良かったのか...。<br /><br /><br />また行こうと思えば、ヴィンチ村は行ける。<br />でも、アリスさん家族にはもう会えない...。<br /><br />

⑥ Ciao, Italia. 出会いに乾杯!エンポリでのふれあい

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2013/04/25 - 2013/04/25

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photo旅

photo旅さん

バスが来る気配は全くなかった。

夫がそこで気がついた。
「そういえば、他のバス停にもバスが一度も来ないね。」

もう待ち始めてから40分近く経っている。
おかしい。

もう一度切符を買った売店に行く。

バスが全く来ないことを告げると、ヴィンチ行きのバス停は
別の場所だと教えられた。

言われた方向に歩いたけれど100mくらい行ってもそれらしきものはない。

そこで通りすがりの3人の女の人に聞いた。
母親とその娘さんらしい。

お母さんに尋ねた。「ヴィンチ村行きのバス停はどこですか。」
2人の娘さんが英語が少し話せるからと、話を聞いてくれた。

「どこから来たのですか?日本からですか?」
「はい、そうです。」
「日本は大好きです。」
「どんなところが?」
帰ってきた答えが、「漫画。」

ヨーロッパでの漫画ブームは聞いていたけど、こんなかたちで恩恵に与るとは思いもしなかった。

エンポリの人はあまりバスを使わないのだろうか。
バスの本数も少ないみたいだし。

3人は親身になってくれた。
どうも今日は祝日らしい。
突然、車に乗ってと言われた。駅まで行くらしい。
駅で確認しようということになった。

駅に着く。
例のバス停で待っていたこと。バスの時刻表もあることを二人に告げる。

もう一つ先のバス停に行こうと言う。

そんないいのかな。どこかに出かける途中じゃないの?

「時間はありますか?」戸惑っていると「大丈夫だから。」

また車に戻った。大丈夫、大丈夫といわれ、また乗り込む。

おかあさんが運転席から後ろの座席の私に聞いた。
「イタリア語は話せるの?」らしいイタリア語で。

出国直前にかじった覚えたてのイタリア語を口から出した。
「Mi chiamo ○○.」「****アリス****.」

なんとかお母さんはアリスさんだと分かった。」
はじめまして。と言いたいところだが、イタリア語が分からない。
娘さんに「How do you do?」はイタリア語でどういうのか聞いたがその英語が分からないと言う。
「Nice to meet you!」だと分かったのかもしれない。
思いついたのがフランス語の「Enchantée. 」
家族みんなで「あ~!」といって喜んでくれた。

そんな会話をしながら次のバス停まで行った。
そこでもいろいろ確認してくれた。
とりあえず、そのバス停にも49番バスの表示があった。

2人程待っていたので、私達もそこで待つことにした。
私達は3人とそれぞれ握手をかわし、お礼を行って分かれた。

こんな出会いは初めてだった。

結局バスが来たものの、回送らしく乗ることが出来なかった。
後でわかったが、祝日はバスも運行しないらしい。

ヴィンチ村で過ごすはずの2時間を
エンポリで来ないバスを待って過ごした。
後ろ髪をひかれながら、また駅まで歩き、売店でチケットを換金してもらえず帰りは2等の満員列車で押されながら帰った。

でも...
どっちが良かったのだろうか。
行くことが出来ていた方が良かったのか
行けなかったことが良かったのか...。


また行こうと思えば、ヴィンチ村は行ける。
でも、アリスさん家族にはもう会えない...。

旅行の満足度
5.0
  • 記念として残ったヴィンチ村までの使用しなかったバスの切符。

    記念として残ったヴィンチ村までの使用しなかったバスの切符。

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