2013/01/01 - 2013/01/06
287位(同エリア444件中)
せらおさん
2013年に向かう年末年始は1月4日の金曜日が休みだと9連休となる理想的な曜日の巡り。
この時に小笠原への旅行が行いやすい日程で、おがさわら丸の運行が実施されました。
29日(土)と元旦に東京から父島へ向かう便。3日と6日(日)に東京に到着する戻り便が運行されるというのです。
気づいたときにはもう29日の便は満員でしたが、元旦発で6日戻りの日程なら席に残りがあったので、この日程で小笠原に初訪問をしました。
例によって※無駄に詳細な※レポートをお送りします。必要な内容を上手にピックアップして読んでくださいね(笑)
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 船 新幹線
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
朝です。起きます。6時です。
今日は8時45分集合で「森歩きツアー」ですが朝ごはんを作り、しっかり準備する目的でちょっと早起き。
まずは、シャワーを浴びながら、備え付けの電気ケトルで湯沸かし。家から持ってきたお茶パックでほうじ茶を仕込み、続いて朝ごはんの準備です。
既に写真に出ていますが、調理にも、パンに塗るにも大活躍する今回買った唯一の調味料は
「チューブバター」でした。(マーガリンも混じってるやつ)
備え付けの調理器具はフライパンと小鍋。火力はIHコンロが一口。 -
さやいんげんを軽くゆで、一旦取り出し、鍋にバターを少量。ホウレンソウを切って、バター炒めにし、インゲンを追加。これで野菜炒めが完成。
次にフライパンにバターを流し、ベーコンスクランブルエッグを卵2個分作成します。
その間に、一階の共有スペースのオーブンレンジにパンをセットしておいて、熱々のを皿に。
さらに共有スペースにある使い放題なネスカフェ「バリスタ」で牛乳がカプチーノに変身!
さあ、これで朝ごはん(3日間、同じメニュー(笑)が完成です。
正直、同じ味(バターのみ)で飽きることを覚悟しましたがベーコンの風味が気分転換になって意外と平気。
塩コショウなど、持ち帰っても捨てるだけなので、大正解でした! -
食事のあとは、のんびりと準備しても、8時過ぎには出発可能。
集合場所の「ビジターセンター」は公園を挟んで徒歩1分。
既に開館しているビジターセンターで時間をつぶしながら待ち
8時40分にはペア3組と1人の合計7名。本日のツアー参加者が
勢ぞろいしました。 -
早速簡単な自己紹介のあと、島の成り立ちや
今日から見る生物たちについて、簡単なレクチャーが
出発前の車の中で実施されました。
小笠原で見られる鳥、少ないんですねえ。 -
と、そう言えば集合場所の公園にも
たくさんのメジロがやってきています。まるでスズメのように。
と、言うよりこの島ではスズメの位置をメジロが埋めているようですね。
9時過ぎに車は出発し、まず最初に「中央山山頂」を目指します。 -
車で走ること約10分。登山口に到着。簡単な説明からスタートです。
今から登る中央山は、一般人が登れる父島の最高峰(本当の最高峰は立入制限が)。
植生としては「乾性低木林」という、背の低い植物が中心に生える場所ですが、
一部の登山道に「アカガシラカラスバト」の営巣が確認されたため今日はルートが限定されます。とのこと。中央山 自然・景勝地
-
参加者の足元は、トレッキングシューズ1名、ウォーキングシューズが5名。
残る1名は「靴下にサンダル」。と言う状況ですが、このツアーなら、なんとかOK。
砂利道を登っていると、さっそく吉井嘉子さん(昨日はご主人の信秋さん)が
足元のコケから説明を開始してくださいました。これも固有種で杉苔を丸くしたようなフワフワ感が特徴的。 -
と「あ、グリーンアノールが居ますよ」
ハワイなどからの移住で、自然と紛れ込んだ緑のトカゲ。
数年前まではおみやげの絵柄にも広く採用されていたそうですが、固有種のトカゲを駆逐し、増える速度が速すぎるため蝶々などにとっても過度な影響を与えてしまうと言う、外来害獣です。
困ったことに、こいつが可愛い(笑)
日当たりのよい幹だったからか、まあ、こいつらが10匹くらい、次々と現れてはケンカしてくれる状況に。
写真をパチパチ撮りながら、説明を受ける一同。というか、トカゲで5分以上足止めしちゃうという、のんびりツアーを象徴するひとコマでした。 -
でも、ここは単なる通過点。先を急ぎます。
途中、アカガシラカラスバトの営巣地への制限札を横目に
車を停めたところから(まっすぐ歩けば)5分ほどで、山頂に到着。
あっけないほどですが、景色は抜群。 -
昨日までの曇天とはうって変わり、360度の青い海と
他の小笠原列島まで見てとれます。ただし、クジラが見つからない。
こんなときのために、バードウォッチング用の望遠鏡と三脚を
担いできたのですけどねえ。結局一日、望遠鏡は「持ち歩き損」(笑)
でも、ここでも色々な植物に出会えました。 -
島で唯一赤く染まる「ハゼの木」。
強い紫外線から若葉を守るため、若い葉だけにサビ色の粉を吹く
「アカテツ」という低木。(写真)
このサビ色は手でこすると簡単に取れるんですよ! -
2種類だけ、スイと高く生える「小笠原ビロウ」と「ノヤシ」の見分け方。
ビロウは、屋根を葺くのに使われる、柔らかい葉っぱが特徴。頭がぼさ、ダラリと垂れる感じで見分けます。
それに対し、ノヤシは名前の通り「ヤシ」っぽい、上を向いた葉っぱが特徴ですね。 -
そして、嘉子さんが足元の岩を「あ!!」と指さす先には
「オガサワラトカゲ」が一匹。確かに背中に線が無く、可愛いヤツです。 -
さらに写真を撮ってると、ほんの2mほどの距離に鳥が。
本土では近くに寄ってくることなどあり得ない「ウグイス」!!
こっそり大興奮ですよ。私達は。
ここでは30分近く、生物相などを中心にレクチャーが続き
記念写真もしっかり撮影して、車に戻りました。 -
次に向かった場所は、農業センター(&出発後、初のトイレ)。
大きな温室を持ち、小笠原の固有植物を保護している施設です。 -
施設の入口には、北限にあたるというコーヒーが植わり
生産量が少なく、50gで1000円くらいするんですよ。などと言う情報も。
次に紹介されたのは「ムニンツツジ」。
(小笠原は無人(ムニン、ブジン)島と称されていたのですね)
もう、現在自生するのはわずか1株だけ、という大変な状況だそうで
これもやっぱりノヤギが犯人なんですよね。きっと。 -
さらに天候に左右されやすい植物は、大きな温室で育成されています。
もう、そこは絶滅危惧種のオンパレード。
あれも、これも、どれもソレも、絶滅危惧種だらけ。 -
そして、この快適な温室の中にも、、、
いるんですよね。グリーンアノール君が。
背中の白いラインと、葉っぱに合わせた緑の姿が
可愛いっちゃ可愛いのですが、昆虫の敵だと思うとねえ。。
でも、勝手に駆除するわけにはいかないんですって。私たちが。 -
農園の敷地から微妙に出た場所になりますが
ちょうど道ばたに自生していた、この植物を指差した吉井さんが「あ、触っちゃだめですよ!!」
ウルシか何か?かと思いきや「唐辛子」なのだそうです。硫黄島名産の「死ぬほど辛い」唐辛子。サイズはとても小さいんですけどね。 -
また、道ばたには、本土でも良く見かける、セルフの野菜直売所がありました。ただ本土と違うのは、販売されている農産物の種類です。
なんと、「大コウモリのサインつき、バナナ」なんてものまで売られていたようで。。。これは欲しい!と思ったのですが、残念ながら売り切れですね。 -
そろそろ時刻はお昼。昼ごはんですよ。
車が立ち寄ったお弁当屋さんで人数分を受取り(ツアー代に込み)
向かう先は、昨日も立ち寄った「コペペ海岸」。
大好きな場所ですので、嫁さんが大喜びです。
海を眺めながら、おいしいおにぎり弁当を、ぺろり!コペペ海岸 自然・景勝地
-
砂浜に、こんなシュールな魚の頭がなぜか埋まっていたりしたのはご愛嬌。
1時間のお昼休みはきれいな石やサンゴのカケラを探していると、あっと言う間に残りわずか。 -
海岸では可愛いイソヒヨドリのオスが、すぐ足元までやってくるし。
ココは本当にエエ島や〜!!!! -
ご飯のあとは、車で移動。3分ほどで到着する小湊海岸へ。コペペからは岬1つだけへだてた場所です。
こちらはコペペよりさらに日あたりが良く、なんと10名弱のヒトが
中にはウェットも着ずに泳いでいる光景に遭遇。「それほどは寒くないですよ」ですって。
あくまでも好天時に限りますが1月でも泳げるのは本当な様です。
(すぐそこにサンゴ礁がある環境ですからね!)
海面の高さに出来た岩穴が、写真の右奥に見えますか?ちょうど良い潮位のときに、カヤックでここを通過して遊んだりできるそうですよ。 -
この海岸は単に景色が美しいだけではなく地学的にも珍しい地形を見る事ができる場所でして
写真にある、巨大な岩の模様は「枕状溶岩」です。
ココに行けばだれでも見られるのですが、海底火山から「ぼこり、ぼこり」と溶岩が出てきて、一気に冷やされたときにできる岩石で、個人的には大好きな火山イベントの跡。
ということで実は私だけ大興奮しております(笑)。
いやあ、楽しかったですよ〜♪ -
その他にも海岸の植物についてのレクチャーや
写真は「オカヤドカリ」の足跡。抜け殻の貝はありましたが、生きたヤドカリには遭遇できず。ちょっと残念。 -
さらに、これは鳥好きだけのポイントなのですが、この海岸へアクセスするルートに面した「川の河口部にある、汽水の天然ダム」が良かったのですよ。
この島には「住んでいない」いわゆる「渡り鳥」を2種目撃。イソシギと、オナガガモ。それぞれを2羽です。
何が嬉しいんだ、と言われるとツライのですけど、なんとも嬉しいものなのですよ。
「ああ、こいつらは、遥か遠くから渡ってきたんだな」
さらにこの島に限って言うと「こんな鳥が、生物を運んできたんだな」と。
実感できるから、です。
そうして我々夫婦二人だけが「ムハムハ」言ってる中、バンは次の地へ。 -
車が向かう先は★赤旗山★。目立った動物がいる場所ではありませんが、ノネコ、ノヤギを駆除しつつ、植物の復元をがんばっている場所。です。
ノヤギはもちろん草食なのですが、「新芽」を食うらしいのです。競争に慣れていない「木の」新芽をがつがつと。
なので、ノヤギが居なくなった場所でこそ、見られる植物の姿を。ということですね。
サンクチュアリに入るには、正式なガイドの帯同が必要で、さらに種などをコロコロで取り、足の裏はブラシでごしごしの上、酢酸スプレーで、小さな生き物を除きます。
(固有種のマイマイを守るため、でもあります)
最後に、入った人数をカウントする、自分の属性に沿った色の小石を「垢は田山」と書かれた緑の箱へ。 -
ネズミの食害にあった、タコの木の実を確認したり、
地面が明らかな溶岩だったりするので、島の成り立ちを再度確認したり。なかなかに充実した時間を過ごしました。 -
時刻はそろそろ午後2時。次なる場所は、本日最大の目玉。そして最後の訪問地である「東平アカガシラカラスバト サンクチュアリ」です。
-
移動時間は今回も数分。さっきの中央山山頂入口のすぐ近く。
どーんと背の高いネットが目立つ場所です。
写真のゲートが、限られたサンクチュアリへの入口の一つ。私たち観光客にとっては唯一のアクセスルートです。
ただ、厳重なネットは人間から自然を守ることよりも、さらにネコとヤギを両方シャットアウトすることが最重要ポイント。
すでに多くのヤギ、ネコが駆除されていることで、ぐっと「あかぽっぽ」ことアカガシラカラスバトが増え始めたと言います。
さあ、ゲートを開けて中に入りましょう。 -
役所もそうですが、民間のボランティアも加わってサンクチュアリを守る姿が、この手書きのホワイトボードに現れていますね、
でも。。。。今はちょうど営巣期なのでハトが居るであろう場所は、立ち入り禁止。と書いてあるわけです。すなわち一年で最も「ハトを見られる可能性が低い」時期でした。 -
サンクチュアリに入るには、先ほど同様、コロコロやごしごしが必須。
子育て時期でなければ、もう少し生存密度の高いエリアに入り。。。なんてことも夢ではないのでしょうけれど、今回は、まあ、無理でした。
でも、「赤ぽっぽの子育てを助けることができるのは、今だけ」
(邪魔しない、ってだけですけどね(笑)ということで、ムリヤリに
ちょっとだけ満足感を得た、サンクチュアリ訪問。かな? -
このエリアでは「マルハチ」と呼ばれる、大きなシダの固有種を特にじっくりと観察しました。
この植物の名前は、成長すると自然にはがれ落ちる葉っぱの付け根のところ(白い丸)に見られる葉脈跡の形です。わかりますでしょうか、漢数字の「八」を逆さにしたような、ぽつぽつが。
その他、水場では小さな固有種のエビや、「絶対遭遇できる天然記念物」のアメンボなども。こういった水場の存在も、あかぽっぽの生息には大切な条件なんですよね。 -
静かに進むなか、ガイドの吉村さんからは赤ぽっぽについて他にもいろいろな情報が伝えられます。
ノスリ以外の天敵なく育った赤ぽっぽは、普段からあまり飛ばず足元に落ちている実を、ひたすら探しながら歩く。
ので、人間が居ても、足元の実を食べるために、ずんずん近づいてきてしまうのだとか。
こちらから近づくことはもちろん避けるのですが「近づいてきてしまったら、とにかくじっとして立ち去るのを待つ」のだそうで。うーん、そんな目に遭ってみたい(笑)
アカガシラカラスバトについては、母島に住む方の
http://www13.ocn.ne.jp/~kobunoki/hato-index.html
このページで、かなり詳しく解説されていますね。 -
あかぽっぽの生息に必要な水場の存在は、こんな生き物にとっても大切な環境です。
これは突然、遊歩道に出てきた「藻ガニ」くん。水中ではなく、森林の中で生活をしているのだそうですが、明らかに「ズガニ、モガニ」と呼ばれる種類の蟹です。きっと、ミソは旨い!(笑) -
そうそう、植物では、何度か名前の出ている「ノヤシ」の幼木があり、紹介されました。
ヤシらしい大きさになってしまうと見られないのですが、幼木では「大きな葉っぱが、裂けるようにして、ヤシらしい葉っぱになる」ところが観察できるのだそうで。面白いものですねえ。 -
と、これで今日のツアーは終了。ゲートを出て、しっかりと戸締まりして、あとは各自を宿に送ってもらっておしまい。なのですけれど
ふと車内で「三日月山の展望台には間に合わないね」という話題が出たのです。有名な夕日スポットなのですが、けっこう急な坂を町から徒歩30分。
すでに今から歩いたのではヤバそうな感じなのです。が。
吉井さんからここでありがたい言葉が
「じゃあ、行きだけですけど、展望台まで行きましょうか?」
わーーーーい!。イヤなワケがありません。
一組だけ、夜のツアーの時間が近いヒトを除き全員が乗りました。 -
車でなら、わずか5分。夕日の時間に間に合ったのです。ありがとう!!!
ここ数日で、もっとも天気が良かったという、この日。展望台はご覧の通り、中々の人出です。 -
ちょっと残念なのは、そうは言っても雲があり「海に沈む夕日」とは行かなかったこと。
それでも次々の帰る人が多い中で、最後の10人くらいになるまでじっくりと夕暮れ空を楽しんだ私達でした。
帰りみちは、どんどん足下が暗くなる中をひたすら下ってくだって。。。。町へと戻りました。
相当にお腹が減っていた私達は、宿に戻ることなく、飲食店エリアへ。 -
居酒屋でメジャーな「チャーリー亭」の近くにある
「勘介」を今回はセレクトしました。 -
店構えはちょっと怖かったのですが、値段は良心的。
お寿司を中心に、今日の晩御飯をいただきました。でもウチの奥さんが、ちょっとお疲れで、細巻き寿司はパックに入れてもらい、宿に持ち帰って食べることに。 -
さあて、これで今日はおしまい。。。。。
では無かったのです!!!
なぜなら「夕焼けが見えた、ということは空が晴れている?」ということで宿の屋上で、星を楽しんだのです。巻き寿司とお酒を楽しみながら。
今回の宿「いしぴー」さんは、屋上が1つの売り。
そして、街中とは言え、小笠原の街明りは相当暗く、ちょっとしたプラネタリウム気分で、星を楽しむことが出来たのです。
双眼鏡もあるし、6等星くらいまで、しっかりと。
でも、、眠い(笑)。。。午後10時にはおやすみなさい。でした。。。
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