ヨーロッパの原風景が広がるマラムレシュ、お伽話の世界

2008/10/26 - 2008/10/26

ルーマニア西部、トランシルヴァニア地方の一角の、マラムレシュ県。
尖塔を持つ木造教会群が世界遺産に登録されている。

昨朝、ハンガリーの首都ブダペストを出発、パンノニア平原を横切って、ハンガリー・ルーマニア国境の町、サトゥ・マーレで宿泊。

そして今日は、この教会群を巡る。

エリア その他の都市(ルーマニア)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• グルメ: 5.0

• 交通手段: レンタカー

ルーマニア北西部。映画のセットのような風景。
遠くに山が見え、目の前には畑や草地が広がる。


時々馬車に乗った村人が、横切っていく。
どの人も、みんな笑顔、興味津々って感じでこちらを見る。

野良作業の人も、手を休めて、手を振ってくれたりする。

地図を頼りに、世界遺産の木造教会群をさがす。
全部で、８箇所、登録されている。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%95%E3%82%A1%E3%82%A4%E3%83%AB:Wooden_Churches_of_Maramures.jpg

実は、この辺り一帯、尖塔を持つ木造教会がたくさんあり、全部が世界遺産に指定されているわけではない。

いかにも古めかしい教会もあれば、木造ゆえ、古いか新しいかわからない教会もある。

最初は、「世界遺産の教会を制覇する」なんて考えていたけれど、
この美しい風景を眺めながらドライブしていると、
そんな目標、どうでもよくなってきた。　この写真は、是非、拡大して！

教会の尖塔は、こんな感じ。

おそらく、時代とか地方の様式とか、類型があり、それぞれの
代表的なものが世界遺産に登録されているのだそうだ。
近づいてみると、確かに木造。　
素朴、無骨な中にも、細かい細工や装飾が施してある。

それから、天に届きそうな塔は、目の前でみるとやはり大きい。
圧倒される。威厳がある。　つくづく信仰の対象なのだな、と納得。

教会は、村の中心部にあったり、こんな風に人里離れたところに、突然建っていたりする。
地図はあるものの、探し当てるのに、思ったより苦労。

８つの教会とは、
　ブデシュティ（Budesti）木造教会
　デセシュティ（Desesti）木造教会
　バルサナ（Barsana）木造教会
　ポイェニレ・イゼイ（Poienile Izei）木造教会
　イェウッド・デアル（Ieud Deal）木造教会
　シュルデシュティ（Surdesti）木造教会
　プロピシュ（Plopis）木造教会
　ロゴズ（Rogoz）木造教会
このうち、いくつ訪ねられたかは、今も不明。

幹線道路には、世界遺産マークのついた小さな標識も、時々ある。

そこへ至る道が、曲がりくねっていて大変。

細い道、未舗装の道もあり、本当にこの先に建物があるのかしらん、と
不安になる。

村の中心にある教会は、墓地と一緒になっていることが多い。

観光地、というより、村人の生活の一部分。

途中、バヤ・マレ （Baia Mare）でランチ。結構大きな町だ。

正午ごろ、職場から自宅へ戻る地元の人たちで、メインストリートは大混雑。こんなにたくさんの人を見たのは久しぶり。

私たちは、めぬきとおりの定食屋さんへ。
チキンとポークカツレツにした。　すごく滋味あふれる味、おいしい！
マカロニは、日本人からするとちょっと茹ですぎかな。でも身体が温まりました。

ルーマニア（Romania）は、ローマ人（Roma）の国。さすが食事はおいしい。

ところで、写真真ん中のポタージュスープのようなものは、酸っぱいスープ。底に「もつ（牛の胃）」が沈んでいることがある。　地元の名物なんだけど、要注意！

ランチのレストランで教えてもらった、地元の人おすすめの修道院。

バヤ・マレの郊外。小高い丘をこえ、深い森の奥にたっている。
山全体が紅葉していて、とても美しい。一本道なのでわかりやすかった。

新旧の塔が、並び建っていた。

新しい塔のほうは、壁一杯に細かい装飾が施されていた。

絵巻物風に、聖人像も描かれている。

ルーマニア正教の教会。　

マラムレシュ地方には、木造教会のほかに、もうひとつ必見の場所がある。

シゲトゥ・マルマツィエイの西、　サプンツァ村の「陽気な墓」。

この道路に沿ってティサ川が流れているのだけれど、川の向こうはもうウクライナ。
主要な幹線道路なのに、夕方になると牧童に連れられて家に帰る牛たちで、時々道路は渋滞。

町はずれの立派な墓地。　
日本でもテレビ番組でもおなじみ。

故人の生前の仕事や生活が、ひとつひとつ墓標に描かれている。

墓地で写真を撮るなんて、ちょっと不謹慎でもあり、怖いかな、
とも思ったのだけれど、
ほほえましい絵、明るい雰囲気に、そんな心配は忘れてしまい、ひとつひとつの絵を楽しんだ。