味暦あんべの親ガニ丼

2012/12/16 - 2012/12/16

松葉ガニの解禁から、1月中旬頃までしか漁ができない、親ガニというのがあります。

雌のズワイガニで、香箱カニとか呼ぶ地方もあるようです。
松葉ガニの資源保護のために、産卵期前までしか漁ができないのですが、値段は今の時期なら地元のス−パ−で3〜4枚で1,000円とリ−ズナムルで、1枚の大きさも小さく、殆どは味噌汁の具として、消費されているようです。

私もこちらに引っ越してきて初めて食べたのですが、親ガニと大根の味噌汁は、本当に美味しく、山陰の味覚と呼ぶにふさわしい料理だと思います。
農林水産省HP↓
http://www.maff.go.jp/j/syokuiku/kodomo_navi/cuisine/cuisine5_1.html

そんな親ガニですが、丼にしようとすると非常に手間がかかります。
小さい親ガニの身を取っていくのは手間ですが、その手間を掛けた味は今の時期しか食べれない、旬のカニ料理です。

鳥取市の繁華街にある、味暦あんべの親ガに丼は、私が山陰に引っ越してきて良かった！と、感動と感謝の味でした。

内子の色が綺麗な橙で、まったりとした味わいがある12月までがお勧めです。

是非この味を多くの人に知って欲しいです。

エリア 鳥取市(鳥取)

• 同行者: カップル・夫婦
• 一人あたり費用: 1万円未満
• 交通手段: 自家用車

鳥取駅から徒歩15分弱でしょうか。

鳥取市の繁華街弥生町の端、NHKの側にあります。

小さな店で普段なら見過ごしてしまう位ですが、この時期は店の前に発泡スチロ−ルが積み重ねられています。

「親ガニ丼始まりました。」

この看板が目印です。

店内は、カウンタ−10席程と、奥に小さな座敷があるこじんまりとした店ですが、この時期の昼メニュ−はこれだけです。

ご飯の量を、私は多め、奥様は普通をセレクトしました。

運ばれてきた蓋を開けると、そこには輝くばかりのカニさんが待っていてくれました。

丼は親がにで埋め尽くされて、5種類の味が楽しめます。

真ん中の橙色が生の内子で、まさに親がに丼の顔です。

その中に、チョコンと醤油漬けされた外子が乗っています。
左側には溢れんばかりの足の身、右側には、腹の身にたっぷりのかにみそが絡めてあります。

甲羅に入っているのが、茹でた内子です。
コクのある、こりっとした塊が盛られています。

はたして何杯の親がにが使われているのでしょうか。

真ん中のオレンジ色の内子の部分を一口・・・。
薄い醤油味が付いている気がしますが、とろっとして、甘く、口の中で広がる旨み。

私、カニ味噌は得意ではないのですが、磯の香りというか独特の味や臭いでなく、本当に澄んだ味と呼ぶしか表現が見つかりません。

いや、何か言ってしまうとこの味を失ってしまうような気がしました。

こんな美味しい物があるのかとしか、表現できません。

私が今まで食べた料理で、こんなに美味しいと感じたものはありません。

身震いしてしまいました。

カニ汁は、大根と親ガニが3枚分位入っていました。

カニの旨みを吸い尽くした大根と、カニ味噌が溶け合った少し濃いめの味です。

何より、このカニ汁、お代わりが出来ます。
奥様、私が何杯お代わりするのか怖かったようですが、常識的な範囲内で。。。。

何も申し上げる事はございません。

親ガニに感謝です。

何度でも来れる距離ですが、食べ散らかしたくありません。

1年に一度、自分へのご褒美にします。

また、来年。
そう心に決めました。