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2012/11/11 - 2012/11/11
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naniwa ladyさん
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奈良の世界遺産、薬師寺の東塔の解体修理が行われていますが、その現場の見学会に参加してきたので、ご報告します。
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近鉄橿原線の西ノ京駅を下りると、薬師寺、唐招提寺と世界遺産のお寺が二つあります。
今日は雨になってしまいましたが、薬師寺の解体修理の見学に来ました。
これは中門にある仁王様です。なかなか彩色豊かですが、平山郁夫さんの作だそうです。 -
これは金堂です。
ご本尊が安置されている建物を本堂というそうで、そのご本尊が金銅仏なので金堂というそうです。
薬師寺は白鳳時代、天武天皇が発願され、持統天皇が開眼されたお寺で、龍宮造りの綺麗な白鳳伽藍だったそうですが、何回かの災害を受けて東塔以外2,3の仮堂が残るだけのお寺になりました。
でも昭和50年以降、高田好胤さんが写経による浄財に寄ってこのような素晴らしい伽藍を復元されました。 -
薬師寺金堂の中には薬師三尊蔵像がお祭りされています。
真ん中が薬師如来、向かって右に日光菩薩、左に月光菩薩がおられます。
薬師寺はその名のとおり、病気が治るように建てられたお寺なので、真ん中の薬師如来さまはお医者さま、日光菩薩さんが日勤の看護婦さん、月光菩薩さんが夜勤の看護婦さんだそうです。日光さんは暖かい優しいお顔、月光さんは利発で理知的なお顔をされています。
写真は堂内は撮影禁止です。 -
金堂の右側には創建当時の東塔がありますが、現在は解体修理中です。平成30年12月の完成予定だそうです。
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そして左側には美しい西塔があります。
白鳳時代に建立された東塔と昭和時代に建立された西塔、彩色がとれた木の素朴な美しさの古式豊かな東塔と”青丹よし”(青=緑と丹=朱の色が素晴らしい)と呼ばれる朱色と緑色の綺麗な彩色豊かな西塔との対比がまた薬師寺の魅力でもあります。 -
中門から入って、金堂、西塔を見て、東側に行くと、東院堂があります。
これは鎌倉時代に造られた建物です。 -
東院堂の中にはインドのグプタ王朝の影響を受けたと言われる美しい聖観音菩薩像、そして四方は四天王像が勇ましい姿でお祭りされています。
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四天王像の一つ、持国天です。
四天王像は常に配置が決まっていて、東→南→西→北へと、持国天、増長天、広目天、多目天となっています。 -
奈良時代のお寺にはお墓がありません。お葬式の習慣がなかったためで、お葬式は江戸時代からの慣習だそうです。
奈良時代のお寺は現在の大学の役目も果たしていました。金堂の北側にはお坊さんがお勉強をされていた講堂があります。 -
さぁ、解体修理現場の見学です。
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東塔の修理は江戸時代、大掛かりな修理が行われ、その際緑色の連子窓がなくなって白壁になったそうです。そして明治31年から33年にかけて解体に近い修理が行われ、昭和25年に屋根の葺き替えが行われ、今回またまた大掛かりな解体修理が行われることになりました。
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その理由としては礎石の沈下、心柱の亀裂・空洞化、軒の下がり、雨漏りなどですが、この木の様子からも納得がいきます。
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これは写真ですが、ひどい状態になっています。
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これは東塔の中央を支えている心柱ですが、シロアリが入って、中は空洞になっているそうで、コワいですね。
直径約90cmの心柱の木部は厚いところで14,5cm、薄いところでは3,4cmになっているそうです。 -
これから塔の上まで足場を上がっていきます。
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7階まで上がって来ました。
塔というのは仏舎利(お釈迦さまの骨)の入れ物で、いわゆるお墓ですが、塔の上のこの部分は傘の役目をしていると言われれる相輪(九輪)です。 -
相輪の部分には銘文が書かれています。
”天皇即位して8年 この伽藍をつくる・・・”
前半は天武天皇が持統天皇の病気平癒を願い薬師を造った由来が書かれ、後半は唐の西明寺の鐘銘、広弘明集のが置くが記載されています。 -
瓦の解体の流れが書かれています。
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ふーーん、丸瓦を取って漆喰、そして平瓦を取っていくんですね。
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瓦を取った後はこんな感じになっています。すごーーい根気のいる作業ですね。扱いを丁寧にしないといけないし。。。
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鬼瓦が展示されています。
これは室町時代のものです。 -
これは江戸時代。
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これは明治時代。
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これは昭和時代。
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鬼瓦も時代とともに代わってきていて、時代が新しくなるほど、顔が前に出て、瓦の厚みが増してきているそうです。
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これは相輪(九輪)の上の水煙、天女が彫られています。
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この7階の西側からは綺麗な西塔と西ノ京の町並が見えます。
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1階へ下りてきました。次のグループが早くも1階の初層部分の見学をしています。
所要時間は1時から約1時間あまりでした。 -
見学を終えてから、玄奘三蔵院へ来ました。
玄奘三蔵の像が安置されています。建物には”不東”の文字が、三蔵法師は西遊記でも有名ですが、経典を求めてインドへ、決して東、中国へは戻らないと決死の覚悟がうかがえます。
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この旅行記へのコメント (4)
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- morino296さん 2012/11/13 20:53:09
- 貴重なレポート
- naniwa ladyさん
こんばんは。
奈良時代のお寺にお墓がないといわれ納得です。
あまり気にしていませんでしたがそうだったのですね。
解体修理の現場見学、貴重なレポートを有難うございます。
それにしても、傷みが激しいのですね、驚きました。
心柱が、この状態では、いつ倒れるか分からないくらいですね。
足場がある時しか見れないものも見れて良かったですね。
修理完成まで、あと6年ですか、ちょっと先ですが、楽しみですね。
morino296
- naniwa ladyさん からの返信 2012/11/14 18:00:17
- RE: 貴重なレポート
- morino296さん、いつも書き込み、ご投票有難うございます。
本当に木はもろいですよね。そんなことになっているなんて、私もびっくりしました。
家もシロアリに食べられていたりして。。。
旅行記ではないですが、アップしてみました。
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- パリ好きおばさん 2012/11/12 21:49:48
- そうか、解体修理で解修なんだ〜
- 薬師寺…きれいですね〜
解修は改修ではないってことね。
新しい言葉を覚えた!
なんか、楽しいわ〜
- naniwa ladyさん からの返信 2012/11/13 17:45:31
- RE: そうか、解体修理で解修なんだ〜
- パリ好きさん、書き込み、ご投票有難うございまーーす。
おっしゃる通り、解体修理だから、ちじめて解修と略してしまいましたが、これは私の造語になるのかしらねぇ。。このような熟語があるのかないのかわかりません。うふふふふ♪♪国語の偉い先生に教えていただきたいわぁ。。ただ改めてないので、改修ではないですね。このごろちまたでは訳のわからない造語が増えているので、こういうことから繁殖するのでしょうか。。
有難うございました♪♪
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