
2012/08/06 - 2012/08/07
15位(同エリア75件中)
ひらしまさん
古代ギリシア・ローマからビザンティン帝国、さらにオスマントルコと、世界史の主要舞台でありつづけた彼の地を、なるべくその年代順に訪ねてみたいというのがこの旅のテーマでした。まあ、やはり予定通りにはいかなかったのですが…。
まずはエーゲ海寄りの古代遺跡の地、ベルガマをめざします。メンバーは妻と私の二人です。
1トルコリラ(TL)≒45円
- 旅行の満足度
- 4.5
- 同行者
- カップル・夫婦
- 一人あたり費用
- 25万円 - 30万円
- 交通手段
- 鉄道 高速・路線バス タクシー 飛行機
- 航空会社
- ターキッシュ エアラインズ
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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-
現地1日目。
早朝4時半に着いたイスタンブル空港で、イズミル行きに乗り換える。まわりに日本人がいなくなり、非日常感が高まってくる。 -
たった1時間の飛行なのに朝食が出て驚いた。関空−イスタンブル便でも朝食は出たので2度目の朝食となる。トルコ航空は食事には律儀だ。
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エーゲ海沿岸の中心都市イズミルからベルガマへは、約100km北に戻る。
トルコの陸上交通はバスが中心だそうで、我々もバス2本を乗り継いでベルガマに向かう。
空港からイズミルのオトガルまではHavasシャトルバスで25分、6.5リラだった。 -
オトガルはバスセンターのこと。
でも、空港からのバスが着いた場所から一般のバス乗り場までは長い階段が……。
スーツケースの我々にはいきなりきつかったなあ。 -
オトガルには、ケバプをはじめとした食べ物屋さんも並んでいる。
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ここでベルガマ行きの切符(たった10リラ!)を買って、20人乗りくらいのミニバスに乗り込む。
途中で何か所も止まり、客が乗り、降りてゆく乗合バスだ。 -
左手にエーゲ海が見え隠れする。
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さらに行くと一面のひまわりが。
ベルガマのオトガルに着いた。
若い車掌にホテルへの道を尋ねると、まわりの人に聞き回ってくれ、結局タクシーを呼んでくれた。ありがとう。 -
Hera Hotel は、アクロポリスの丘を少し登りかけた坂の住宅街にあった。
古い邸宅を改修してつくられた趣のある小さなホテルだ。 -
豊穣の神デメテルの名が冠された部屋。
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白壁に木製の調度が落ち着く。
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壁がとても厚く、風が通るので、冷房を入れなくても涼しい。
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昼食に街に下りる。
すれ違った中学生くらいの女の子たちに「コンニチハ」と声をかけられ驚いた。
せっかく声をかけてくれたのだから、おしゃべりしてくればよかった。 -
八百屋さんに山積みのスイカと少年。
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ドネルケバプはどこでも目立つ。
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ベルガマはアクロポリスの丘のすぐ下に街が広がり、歩道は人で一杯。
真昼の日差しは強烈だが、日傘を差しているのは妻くらい。黒い日傘が珍しいのか、ずいぶんじろじろ見られた。
日本人が珍しいわけではないよね? -
洒落たアーケード発見。
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中は涼しくて
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このデザイン素敵だなあ。
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でも営業していたのは宝飾店一つだけだったのが不思議。
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脇にはいるとこんな店も。
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さて、昼食は宿のマダムに勧められた店に行ってみたが、あいにく満席。脇道のロカンタに入った。
全然外国人など入らない店のように見えたが、トルコ料理を楽しみにしてきた妻は臆することなく、ガラスケースからキョフテとサラダ、飲むヨーグルトを注文。 -
意外と淡泊な味だった。初めてのロカンタは2人で11リラ。
長テーブルの奥にいた地元客の男性が、帰るときに出口をふさいでいた妻に声をかけられなくて困っていた。店の人も含め優しい人たちだ。 -
午後はホテルで休憩。
街を見下ろす共有バルコニーで風に吹かれ、部屋に戻って軽く午睡。
テレビでオリンピックの女子サッカー準決勝を見られないかとチャンネルを回すがやはり無理だった。
その代わり、トルコの放送局のニュースで広島の原爆慰霊祭が写っているのを見て、遠い国でちゃんと伝えてくれていることに感謝。
夕方4時にタクシーが迎えに来た。
昼にオトガルから乗ったタクシーの運転手に勧誘され、アクロポリス往復を頼んでいた。
だが、宿のマダムがあとから「商売の邪魔はできないから黙っていたけど、アクロポリスはロープウェイで行けばすぐだから、遠いアスクレピオンにしたらどうか」と助言してくれたので、それに従いアスクレピオンに向かってもらう。 -
今日は市の日だとかで渋滞する街を抜け、丘を登って開けたところにあるアスクレピオン入り口で車を降りた。
アスクレピオンは、紀元前4世紀に始まる医術の神アスクレピオスを祭る神殿であり、医療施設でもあったという。
現代の我々がお世話になっている西洋医学の源流の地ということになるのかも知れない。
夕方のためか閑散とした入場口を通り、参道を進む。 -
円形の治療棟。
そう言えばうちの近くの病院にもこういう円形のがあったっけ。斬新な建築と思っていたけれど、太古の昔からあったとは…。 -
治療棟側から地下道を進む。この暗さが落ち着く。
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アスクレピオンの多くの施設が廃墟となっている中で、野外劇場はほぼ形をとどめている。
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客席のほとんどはきれいに補修されているが、右手上部の不揃いの部分は昔のままなのだろう。
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劇場上部から見下ろしたアスクレピオン。
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回廊の列柱は見事だ。
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参道を戻るとき前方にアクロポリスが見えた。
ガイドブックによれば、ペルガモンはアレクサンドロス大王の死後にその領土が分割されて生まれたヘレニズム国家の一つで、紀元前3〜紀元前2世紀に栄え、ローマ領となってからも繁栄は続いたらしい。
その中心たるアクロポリスの、野外劇場やトラヤヌス神殿がはっきり見える。
以前ベルリンで見たゼウスの祭壇は、あそこから削りとられたのだ。
明日はあそこに登る(と、この時は思っていた)。 -
車で市街に戻り、2世紀の神殿遺跡クズル・アウルへ。
巨大なクズル・アウルは迫力はあるが、すぐ見終わってしまった。
車を帰してしまったことを、宿への坂道を上りながら後悔した。6時だというのにこの暑さは想定外だ。 -
夕食は、宿のマダムが2番目に勧めたすぐ近くのレストランへ。
芝生の庭のテーブルで、アクロポリスの丘と街の両方が見える絶好のロケーション。
でも、ラムのケパプはよかったがほかは今ひとつ。野菜は酸っぱいばかり。 -
それでも一応チップをはずんだら、シェフを名乗る男が出てきて、料理はどうだったかと聞くので妻がおいしかったと外交辞令を述べたら、なんと、自分にもチップをくれという。
あきれたけれど、しつこいのでなんだか気の毒になってあげてしまった。 -
宿に帰り、ぐっすり眠っていた深夜、太鼓の音で目が覚めた。外の通りをどんどん近づいて来て大迫力の音だ。時計を見ると午前2時。
こんな真夜中に傍若無人の大音量とは、日本で言えば暴走族みたいなもの?とも思ったが、太鼓のリズムは音楽的で、心地よい。
なんだろうと思っているうちに遠ざかっていき、午前4時頃に2回目もあった。
翌朝の食事の時に宿の人に聞くと、ラマダンの一環だという。
日本に帰ってから調べてみたら、こういうことらしい。
イスラム教の人々が太陽が出ている間は飲食を絶つラマダン期間中は、日の出前に朝食をつくって食べ終えないと空腹のまま一日過ごすことになってしまうので、「起きて朝食をつくる時間だよ〜」と触れて回るのが、夜明け前の太鼓の意味。
でも、そこから逸脱して真夜中に太鼓を叩き回り、ひんしゅくを買うことも増えて問題となっているとか。なるほど。
あの晩のは、おそらくマレットとスティックでの両面打ちで、なかなかドラマティックな太鼓だった。
このラマダンの太鼓は、次の宿泊地セルチュクでも聞こえたが、少し離れていたらしくそう迫力はなかった。大都会イスタンブルに至ってはまったく聞くことがなかった。
ベルガマの夜の迫力ある太鼓のリズムがなつかしく思い出される。 -
現地2日目。
妻が疲れ気味のためアクロポリス見学は見送ることにして、ゆっくり朝食をとる。
ゆで卵、蜂蜜、ジャムがおいしい。
ここではハエではなくハチが寄ってくる。蜂蜜、横取りしてごめん。 -
イズミルに戻るバスのオトガルは、市内のミニバス専用オトガルでよかったのだが、タクシー任せにしていたら郊外のオトガルまで運ばれてしまった。
で、大型バスに乗るのもいいかと思っていたら、結局ミニバス。近距離はみなミニバスらしい。
しかも、始発ではないため荷物置き場は一杯で、スーツケースは通路に置くことになった。
でも、乗客同士で荷物のスペースを融通し合ったりして、トルコのバスの居心地は悪くない。
水とファンタオレンジのほか、香油を手に塗ってくれるのも体験して、トルコのバス満喫! -
イズミルのオトガルで、ごまパンとヨーグルトで昼食をすませ、セルチュク行きのミニバスに乗り込む。
次はエフェソス遺跡だ。
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この旅行記へのコメント (2)
-
- sanaboさん 2019/04/25 22:35:42
- ラマダンの太鼓
- ひらしまさん、こんばんは
ご訪問、ありがとうございました^^
今日はトルコ旅行記ベルガマ編を拝読させていただきました。
ベルガマは初めて聞く地名でしたのでグーグルマップで
場所を検索してしまいました。
イズミールまでは日本人の観光コースですけど、
ベルガマまでいらっしゃる方はあまりいないのでは?
乗り合いバスに揺られてのディープな旅に興味をそそられました。
ラマダン中は日没後に食事をとることは知っていましたが
早朝(いえ、夜中も?笑)、太鼓のリズムが町に響き渡るとは
知りませんでした。
そのような不意打ちに出くわすのも旅の楽しさ、醍醐味ですね。
今年のひらしま家はどちらへお出かけでしょうか?
我が家は6月にコッツウォルズと湖水地方を巡って来ます。
sanabo
- ひらしまさん からの返信 2019/04/26 22:23:12
- 不意打ちに出くわしたい
- sanaboさん、こんばんは。
いろいろあったトルコの旅、なかでもラマダンの太鼓は今でもなつかしく思い出されます。
sanaboさんのおっしゃる通り、不意打ちに出くわすことこそ旅の醍醐味なんですね。
インターネットのおかげでいろんな情報を入手した上で旅に出かけられるようになり、本当にありがたいんだけど、そのぶん不意打ちに出くわすことが減ってるような気もします。
一度でいいから、だれか僕の好みに合わせて旅を計画し連れてってくれ、何も知らないまっさらな状態で新鮮な感動を味合わせてくれないかなあ、なんて時々思います。
だったらあれこれ調べずに行けばいいだけの話なんですけどね。
それもできない…。
今年の我が家は3月に中国雲南に行くはずでした。
ところが2月に妻が足首を捻挫し、4月に延期。
それでも回復せず、結局中止に至りました。
秋にはどこかへ行きたいなと思いつつ、昔の旅行記の手直しなどしています(涙)。
コッツウォルズいいですね。
英国なら右ハンドルだから車で行けるかなんてイメージはしたものの行ってないので、蜂蜜色の村の写真を楽しみに待っています。
ひらしま
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