2012/10/10 - 2012/10/11
394位(同エリア879件中)
玄白さん
紅葉のシーズンを迎え、東北方面の温泉と紅葉の名所を訪ねて3泊4日のドライブ旅行に出かけて来ました。
行程は
10/10 磐梯吾妻スカイライン経由岩手県一関の厳美渓温泉泊まり
10/11 世界遺産奥州平泉観光 秋田県子安峡温泉泊まり
10/12 栗駒山登山 宮城県鳴子温泉泊まり
10/13 仙台市郊外の泉ヶ岳登山
今回の旅行記は5部構成にしました。
①秋の東北、温泉巡り旅行(1)世界遺産平泉と厳美渓温泉(本編)
②秋の東北、温泉巡り旅行(2)子安峡温泉
③秋の東北、温泉巡り旅行(3)鳴子温泉と泉ヶ岳登山
④2012年紅葉絶景スポット巡り(2)磐梯吾妻スカイラインドライブ編
⑤2012年紅葉絶景スポット巡り(3)栗駒山登山編
厳美渓温泉は一関ICから10分ほどの里にある渓谷美をウリにした温泉です。源泉の温度が低いので掛け流し温泉ではなく、温泉としての魅力はいまひとつですが、平泉に近いので中尊寺観光拠点しての価値があります。中尊寺、毛越寺は学生のころに訪れて以来、実に40年ぶりになります。昨年6月ユネスコ世界文化遺産に登録されてから、東日本大震災復興支援キャンペーンとあいまって、観光客が激増したそうです。「世界遺産」ブランドの威力は絶大です。
- 同行者
- カップル・夫婦(シニア)
- 一人あたり費用
- 1万円 - 3万円
- 交通手段
- 自家用車
- 旅行の手配内容
- 個別手配
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午前中、磐梯吾妻スカイラインドライブを楽しんだ後、東北道一関ICで降りて10分で厳美渓到着です。
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イチオシ
宿にチェックインするには時間が早かったため、一旦宿の駐車場に車を置き、厳美渓散策に出ました。
厳美渓は栗駒山から流れ出た磐井川の急流が岩を削り、奇岩が連なっています。 -
渓流の真ん中あたりにあずまやがあって、そこだけ大勢の観光客が集まっています。
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このあずまやと対岸の店の間にロープが張られていて、カゴが行き来しています。
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カゴの中には団子が入っています。対岸の店は「かっこう屋」という団子屋で、あずまやに居る客がカゴに代金を入れて木槌でまな板を叩いて合図すると、店の主人がカゴを引っ張り上げ、団子とお茶を入れて戻すというユニークな団子販売をしているのです。「空飛ぶ団子」として厳美渓の名物になっています。
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一箱¥400で、あずき餡、黒ゴマ餡、みたらし餡の3種類の団子が入っています。創業は明治11年という老舗です。「名物にうまいもの無し」という意地悪な格言がありますが、ここの団子はなかなかどうして柔らかくて美味です。
郭公団子という名前は、創業者の千葉酉吉氏が郭公鳥の鳴き声の物真似が上手で、客を喜ばせていたということに由来するのだそうです。のんびりとした古き良き時代を感じさせる逸話でありますな〜 -
晴れた日が続くと渓流の水はエメラルドグリーンの澄んだ流れなのだそうですが、この日は前日の雨のせいで濁っていました。およそ一ヵ月後くらいには渓流沿いの木々が紅葉になり、絶景となるのですが、10月中旬では、青葉です。
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小さな滝?のような流れが磐井川に流れ込んでいますが、近くに丸く穴があいた岩が見えます。この穴、甌穴(おうけつ、かめあな)と言って、急流で岩の割れ目が拡がり、そこに小石が入り込んで水の渦でグルグル回って丸い穴に変化したものだそうです。この穴、天然記念物なのだそうです。これ、団体客のガイドさんの説明を立ち聞きして仕入れた雑学です。
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郭公団子のカゴが渓流の上を飛んでいます
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渓流の写真だけ見ると山間の渓谷のようにも見えますが、厳美渓から少し離れると水田が続く平野部の何の変哲もない農村風景が広がっています。こんな平野部のわずか2kmほどの区間だけ、深山渓谷のような景観になっているのは何とも不思議な感じがします。
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今日の宿は純和風温泉旅館「いつくし園」です。
旅館については、クチコミに書いたのでそちらを参照願います。
http://4travel.jp/domestic/area/tohoku/iwate/hanamaki/ichinoseki/tips/10402020/
仲居さんの話によると、客数が以前より倍増したそうです。理由は2つ。まず、平泉が世界文化遺産の登録されたこと、2つ目は、東日本大震災の復興支援で気仙沼に行くボランティアの人達の定宿になっているからなのだそうです。 -
厳美渓から中尊寺まで30分ほどのドライブですが、途中に達谷窟毘沙門堂という寺があり、境内の岸壁に「岩面大佛」(磨崖仏)が彫られています。毘沙門堂には立ち寄りませんでしたが、顔面大佛は道路から見ることができます。
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朝9時に中尊寺の駐車場に到着。参道の月見坂を登って中尊寺境内の散策です。金色堂は坂を上って800m先の一番奥にあります。あいにくの雨とまだ早い時間なので、観光客は少なく、静寂な雰囲気がよろしい!
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坂の中間付近にある弁慶堂。案内板によると「この堂は通称弁慶堂という文政9年(1826)の再建である。藤原時代五方鎮守のため火伏の神として本尊勝軍地蔵菩薩を祀り愛宕宮と称した傍らに義経公と弁慶の木像を安置す。弁慶像は文治5年(1189)4月高館落城と共に主君のため最期まで奮戦し衣川中の瀬に立往生悲憤の姿なり更に宝物を陳列国宝の磬及安宅の関勧進帳に義経主従が背負った笈がある代表的鎌倉彫である。」と書いてあります。
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弁慶堂の隣りに立つ薬師堂。名前からして本尊は薬師如来ですが、戸が閉められていて中をみることができませんでした。
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薬師堂の隣りにある観音堂。参拝客はおらず、雨に濡れた銅葺きの屋根が淡く光っている様はなかなか風情がある。
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中尊寺本堂。
中尊寺というとまず金色堂が思い出されますが、建物に派手さはなくとも仏事の中心はやはり本堂でしょう。宗派は天台宗で本尊は阿弥陀如来 -
「仏像は拝むものであって写真撮影なぞケシカラン!」という意見の人もいると思われますが、ここは写真撮影禁止ではなく、仏像には美術品という側面もありますから、参拝客がいなかったので遠慮なく撮影させてもらいました。
阿弥陀如来の両脇にぶら下がっている法灯は天台宗総本山比叡山延暦寺から分火されたもので一度も消したことがないのだそうです。 -
境内のもみじは先端が少しだけ色づき始めていますが、赤く染まるのは一ヶ月くらい先のようです。
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本堂の脇に「松寿庵」という茶室があります。松下幸之助が寄進し裏千家家元の千宗室設計による比較的新しい茶室です。¥1000で茶室に入って抹茶をいただけます。
趣味で茶道をやっている我が奥方がぜひ入りたいと言っていたのですが、あいにくこの日は来賓が居て中尊寺のお坊さんが接待に使っているということで直ぐに入れませんでした。しばらく待っていたのですが、いっこうに空く気配がなかったので、お茶券を払い戻してお茶を飲むことなく本堂を後にしたのでありました。 -
峰薬師堂。平泉では薬師如来信仰が盛んだったようで、中尊寺境内には、ここや、薬師堂などいくつかの堂が本尊に薬師如来を祀っています。特に峰薬師堂は目の病気にご利益があると言われていて、目の絵馬やお守りが売られています。
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本尊の薬師如来。目の絵馬が奉納されています
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入口の脇に小さな池があります。ここには、天然記念物のモリアオガエルが生息しているのだそうです。
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裏手に回って見た峰薬師如来堂。このイロハモミジが紅葉すると真紅になり、お堂との取り合わせが絶妙のシーンになりそうですが、モミジがまだ青々としているのが、画竜点睛を欠きます。
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イチオシ
モミジの緑色が雨に濡れて鮮やかになっていて、それなりの絵になっていないこともないかなと自己満足しています。紅葉であれば文句なしですが・・・
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雨に濡れた木の葉の深緑色とお地蔵さんの頭巾、前掛けの赤のコントラストがきれいです。
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大日堂。名前からして本尊は大日如来です
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本尊の大日如来。
仏教では悟りを開いた最高の仏として4人の如来がいます。すなわち釈迦如来、阿弥陀如来、薬師如来そして大日如来。釈迦は仏教の創設者、阿弥陀如来は極楽浄土を統括するリーダー、薬師如来は病気や薬、医療をつかさどる仏ということでわかりやすいのですが、大日如来というのはどうもよくわからない。密教では最高位に位置づけられた仏で宇宙と一体になっている仏という、なんとも哲学的な仏なのです。 -
仙台萩。盛りはもう過ぎています
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イチオシ
やっと金色堂にたどり着きました。ここと隣りの賛衡蔵(中尊寺の宝物の展示館)はセットで拝観料¥800が必要です。金色堂は、写真に写っている建物(覆堂)の中のガラスケースの中に納まっています。残念ながら撮影禁止なので、写真はありません。
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イチオシ
金色堂の奥にある経蔵。ここもイロハモミジが紅葉すれば一幅の絵になる撮影スポットですが、残念。
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白山神社に向かう参道の入口にある釈迦堂。戸が閉まっていて中を見ることはできませんでしたが、たぶん本尊は釈迦如来でしょう。
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白山神社入口の鳥居。中尊寺境内の一番奥まったところにあります。
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白山神社本殿前に建つ能楽堂。春と秋の藤原祭りで中尊寺の僧侶たちによって能が奉納されるそうです。国の重要文化財に指定されています。
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能舞台の背景の絵
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白山神社本殿
じっくり見て回ったので、昼食の時間となってしまいました。駐車場に戻り、近くの蕎麦屋で昼食を食べ、次なる目的地、毛越寺へ。 -
毛越寺本堂
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イチオシ
本堂裏手のまだ青いモミジとうっすらと色づき始めたモミジ
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創建当時の毛越寺伽藍の想像図。現在の毛越寺本堂はこの図の池の下の部分に建ってます。大泉ヶ池には中島を中継して円隆寺に続く橋が架けられ、左側には二代藤原基衡が起工し三代秀衡が完成させた嘉祥寺がある。創建当時は中尊寺を凌ぐ大伽藍だったそうです。
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大泉ヶ池
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開山堂
毛越寺を開いた慈覚大師円仁を祭る御堂。 -
嘉祥寺跡
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このあたりはうっすらと紅葉しかかっています
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常行堂。常行堂というのは天台宗の修行の道場ですが、当時の建物は焼失してしまい、現在の建物は江戸時代のものだそうです。
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遣水の後。平安時代には曲水の宴が行われていました。
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この庭園と池は築山、州浜、荒磯など海がイメージされたものになっていて、極楽浄土をこの世に表現したということです。気のせいですが、平安時代の香りがただよっているようです。
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州浜をイメージした池の部分
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出入り口を少し入ったところに松尾芭蕉の句碑が建っています。
句は有名な「夏草や、つわものどもが夢の跡」
源義経・弁慶主従が頼朝の意を受けた藤原泰衡との戦いで破れ自害したことを詠んだ句です -
本殿参道を挟んで句碑の反対側の宝物館の近くに英訳された句碑が建っています。
2時過ぎに平泉を後にして明日の栗駒山登山口の須川温泉経由で今宵の宿、子安峡温泉に向かいます。平泉を出た後、ガソリンが残り少ないことに気がついてスタンドを探すが、これが見当たらない! 厳美渓の郵便局に立ち寄って、スタンドの場所を聞いたところ、一関ICの先まで行かないとスタンドは無いという。TVで地方のガソリンスタンドの状況、ガソリン弱者のドキュメンター番組をやっていましたが、それを実感した旅でもありました。
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