プーケット旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 まだ暗い内に目が覚める。<br /><br /> ベランダから海の方を見ると人が集まり始めている。”何だろう?” 双眼鏡を取り出し眺めると通り沿いで物を売っている様子だ。うっすらと日が明けはじめ散歩、ジョッキングをするファランなども興味深そうに取り囲み腰をかがめて見出した。店を出しているのは1人ではなく3人に増えている。<br /> そこで重い腰を上げ私も早朝の散歩と洒落こもう。部屋からはフロントを通らずプールの横を通れば前の道路に出られる。その道路を渡れば海だ。おせいじにも綺麗とは言えないビーチ、更に船の係留地になっているのだろう船だらけだが、海は海だ。<br /> その海沿いの道路で売っているのは魚だった。ミニ朝市が毎朝開催されるのだろう車、バイクで地元の人が次々に訪れ買っていく。散歩から戻ってきた時にはほぼ完売状態で店じまいを始めていた。<br /><br /> ホテルに戻り、海の見えるテラスで朝食。おっ、このホテルの朝食は種類が多いぞ。ヨーグルトは元よりアイスクリーム、シュークリームまである。甘党の私には歓迎すべき品揃えだ。フルーツの種類も定番のスイカ、パイナップル、バナナ以外に3、4種類もある。<br /> そこに友人から電話が。「チェンライ空港に着いたよ。もっと早く電話をしたかったが、姉さん、旦那が一緒だったので、出来ないでいたの、ごめんね」、と詫びる。結局チェンライからはタイ航空を乗り継いでやってくるらしい。預け入れ荷物がスルーなので「サバーイ、サバーイ」、とか。<br /> だが、当初考えていた乗り継ぎ便ではリスクが高いとの事で、バンコクでは余裕を持たせた次便で発券されたと再度連絡してくる。結局昨日私が乗った便で15時半には到着する <br /><br /> 到着時間の確認も出来たし今日はノンビリできる。「ホテルまでは一人で来い!」、と言ったものの時間はたっぷりあるので迎えに行ってやるかな。だがタクシーメーターで行くと空港まで500バーツ。空港からは450バーツなので迎えの料金が50バーツ加算されるので痛い。<br /> そうだプーケットタウン経由で行こう。ホテルの近くにバスの乗り場があったのを昨夜見た。タウンからは空港を結ぶ安いリムジンバスがあり、それで行こう。そしてプーケットタウンはパトンよりは物価が安いので古式も300バーツ/2hが可能と勝手な推測。今から出れば丁度いい時間に空港に着けるだろう。<br /><br /> 思い立ったら即行動だ。昨日調達したサンダルに半パン、Tシャツ姿でソンテウ乗り場に向かう。着くと普通のバスの格好をしたソンテウが発車したところだ。目で追いながら後ろに停車しているトラック改造ソンテウの運動手に出発時間を確認する。10時20分だと言うので30分毎に出ている様だ。<br /> 目の前のオーシャンプラザの一番客となり10時15分にソンテウ乗り場に戻る。すると荷台席には既にファラン客で満員。タイ人もちらほら座っているがタイ語はかしましいファラン語に圧倒されている。<br /> 両サイド一列と中央一列の座席で、座っていける乗客は30人位だろうか。最後列に1人分のスペースが有り、座って行ける最終乗客となった。と思ったが、オヤジ車掌がそれからやって来た乗客を座らせる為に「詰めろ、詰めろ!」、と叫び座っている客を奥へ押し込める。私が座ってから7、8人が座ってしまう猛烈な詰め込みぶりだ。<br /> タイ人は人と人の肌の触れ合いは気にしないのかな?触れただけで喧嘩になる日本とは大違い。もっとも日本でも通勤電車は押し合いへし合いなので同じ事か。お陰で可愛い女の子が隣に詰め込まれ、彼女と密着した形で得した気分だ。25バーツで朝からルンルンで1時間かけプーケットタウンに到着。<br /><br /> 到着した場所は中華街らしく漢字が溢れている。付近を散策してみるが古式屋は見当たらない。中国人は按摩大好き人種のはずなのにな。<br /> 時間はたっぷりあるが、まず空港行きリムジンバスの乗り場の確認が必要だ。そこに行けば近くに古式屋があるだろうと”パイ、ボーコーソ(バス乗り場へ行ってくれ)”と告げモトサイで移動。40バーツ也。<br /><br /> 到着したのはプーケットと各地を結ぶ長距離バスアーケード。そして付近を探す事20分。ようやく古式屋を発見。しかもパトンより大幅に安い300バーツ/2h。迷う事はない。店の前にいた屋台のおばさんが、「古式でっか、社長?」、と声をかけてくる。鷹揚に頷くと涼しい店内に案内してくれる。まだ昼になっていないので客は誰もいない。<br /> 奥の古式スペースを指示されマッサージ着に着替える。汗でズボズボに濡れたシャツから解放され心地よい。<br /> マッサージが始まった。マッサージ嬢?は少々トウの立った40代と覚しきおばさん。ぜい肉がなく、この歳にしてはスタイルは良い。しかも揉むテンポがリズミカルで素晴らしく、相当年季が入った手錬だ。<br /> そこに、けたたましい携帯の着信音が。見ると友人からだ。「バンコクに到着したよ」、と言う。だがプーケット行きの便が少し遅れるらしい。<br /><br /> アーケードに戻り空港行きのバスを探す。教えられたプラットホームから離れた奥の方に行くと85バーツと言う料金と時刻表が掲示されてある。次の発車は2時20分とある。<br /> 丁度入ってきた若いバスの運転手に訊くと、「このバスが空港行きですぜ、旦那!」、と言う。だがまだ発車まで1時間弱ある。バスの待ち時間で苦労をする日だ。しかし若いが親切な運転手で「バスの中で待ってもいいよ」、と言ってくれる。しかもわざわざエアコンまで作動させてくれる。日本じゃ省エネで停車中のバスはエンジンを切り、従ってエアコンも作動しない事を考えるとタイはアバウトだ。そこが魅力なのだが・・・。<br /><br /> 時間がきて発車だ。乗客は少なく快適な移動が約束された様なものだ。が、途中で学生などがどんどん乗り込み、そして降りていく。「空港までノンストップ直行バスじゃないのか」、と言いたかったが、ここはタイ。我慢、我慢。<br /><br /> 空港には予定より10分遅れで到着したが、まだ友人の到着便まで余裕がある。今日は荷物が無いので金属センサーゲートをくぐるだけで出入りが自由で何回も喫煙エリアと到着口を行ったり来たり。<br /> 到着口に戻り到着案内板を見ると、あれっ友人の便は既に到着している。電話を入れてみるが、電源が入っていない状態になっている。まさか迎えに来ているとは思っていないので電源を入れていないのだろう。<br /> 暫くすると友人から「プーケットに着いたもんね、ホテルの名前なんだっけ?」、と少し疲れた様な声で電話が入る。到着ゲートの表の方から見ていると携帯を耳に当てた友人がゲートに近づいてくるのが見える。「シービューパトンだよ、建物の外に出て右の方に行くとメータータクシー乗り場が在るのでメータータクシーでおいで」、と告げるとゲートの内側のリムジンタクシー案内所に行き、「ちょっと待ってね」、と何か話をしている。そして出口の扉を無視し今度は反対側の案内所に向かう。外と勘違いしているようだ。<br /> もうよいだろうと、扉の外側から大きな声で友人の名前を呼ぶ。出口のセキュリティマンが何事かと振り向くが、事情を理解すると笑顔を向けてくれる。私に気が付いた友人は満面の笑みを浮かべ嬉しそうに小走りでやってくる。<br /> 「どうして貴方がここにいるの?迎えに来るタクシーは高いからホテルで待っていると言ってたじゃない」、とむくれてみせる。<br /><br /> 荷物を持ってやりタクシー乗り場へ。昨日顔見知りになった客引きオヤジが笑顔を向けてくる。ホテルに到着。ピンクのホテル外観を見て友人は、「ナーラック(可愛い)ナ」、とお気に召した様子。部屋にも満足した様子で、窓からの景色に目を輝かせる。<br /> <br /> まだ外は明るい。散歩がてら夕食に行こう。そう言えば昨夜は、マッサージ後、コンビニで買ってきたカップヌードルを寂しく2個食べたのだ。今日はジャンクセーロンに友人お気に入りの”FUJI”が出店しているので、そこに行こう。<br /> 途中海岸で写真を撮ったり、滞在中のミニツアーの予約をする。街のあちらこちらに観光案内スタンドがあり、適当に飛び込んだのだ。ピーピ島、パンガー湾、ファンタシー、クラビ、島内観光が候補に上がり、最終的にはクラビと島内観光を選ぶ。<br /> <br /> ”FUJI”で夕食後、歩いてホテルに帰還。昨日、今日とドタバタ続きで2人とも寝不足なので早めに就寝。<br /><br /><br /><br /> 昨夜早めに寝たせいか今日も薄暗い時間に目が覚める。ホテル内には小鳥が多くやってくる様で明るくなる頃からの小鳥のサエズリが爽やかに聞こえ幸せな気分にしてくれる。<br /> 友人も小鳥の声に惹かれたのか、日本語で「おはよふ」、と言いながらベッドからモゾモゾと抜け出してくる。<br /> 「早朝の散歩に行こう!」、と話がまとまりホテル前の海岸へ。明るくなり今日も朝市に人が集まり始めている。 その前のビーチで膝まで水につかりホテルをバックに写真を撮ったり、沖まで突き出した桟橋まで足を伸ばしたりし、ようやくリゾートを満喫。<br /><br /> 今日はこのホテルをチェックアウトしブラサリに移動だ。従って午前中はのんびり出来る。雰囲気の良いレストランでゆったりと朝食を摂り部屋で寛ぐ。<br /><br /> そろそろチェックアウトの時間だ。ブラサリまでは徒歩10分程度。歩いて行くつもりだったが、友人が疲れた様な気配だったのでツクツクタクシーと価格交渉をさせる。「150バーツ!」、と言い一切交渉の余地は無い様だ。観光客向けぼったくり協定価格になっているのだろう。バカらしいので歩く事にする。バックを引きずるのも道路が良くバンコクよりは転がし易い。<br /><br /> ほどなくブラサリ到着。ブラサリも別室で座ってのチェックインだ。歩いてきたので汗がしたたり落ちているのでウエルカムドリンクが美味い。つい友人の分まで飲んでしまう。<br /><br /> このホテルも雰囲気が良い。通路には緑が一杯、洒落たプールも数種類有り、仄かな香料が我々を迎えてくれる。人気ホテルだと言うのも頷ける。だが、部屋は超普通だ。一番安い部屋なので形ばかりのベランダの前は隣のホテル。シービューホテルとは大違い。ロケーションはブラサリに軍配が上がるが、友人も「シービューの方が良かったね」、と残念そう。高い部屋はきっと良いのだろうな。<br /><br /> そうだ昼から島内観光だ。見所は山の上に建立された大仏とプロンテップ岬の夕日だ。そのために13時45分出発のツアーを選んだのだ。時間通りに運転手兼ガイドがロビーまで迎えにきた。客は我々2人だけだと言う。1BOXカーに案内され出発。<br /> 山の頂上にある大仏に着いた。観光地化された施設だ。入り口でタイ人の女の子が”日本頑張れ!”、のTシャツを着て何かをアピールしている。大津波の復興応援だ。着ているTシャツが300バーツで売られているので、これの利益は日本に送られると言っているのだろう。<br /> プーケット滞在中、このシャツを着たシンガポール人に会った。ここだけではなく島内のあちらこちらで売られているに違いない。「こんな時期にノー天気な日本人です。ごめんなさい」、と心の中で詫び彼女の前を立ち去った。<br /><br /> カシューナッツ工場、宝石屋にも連れていかれた。これは堂々とパンフレットにも掲載され観光地の一つとされているが、”違うだろう!”。リベート目当ての拉致だあ。ただカシューナッツは北タイより相当安いとの事で友人が姉達の土産として買い求める。<br /><br /> 次に車は住宅街の中を走行しだした。そして民家の前に停まる。「ん、ここは観光地?」、と尋ねると、「私の家な、ちょっと待っていてね」、と車から離れ家の中に。戻ってきた運転手は、5歳位の男の子を連れており、男の子を助手席に乗せる。今からコブ付きで仕事をする様だ。まさにタイ。考えてみれば、2人で1300バーツも出すのなら乗用車タクシーをチャーターした方が良かったかも。この金額位で半日観光は可能だっただろう。<br /><br /> プーケットで一番有名なワットシャロンに到着。敬虔な仏教徒である友人が本堂参拝中、一人表で待つ私に電話が。何事かと出ると、「上にいるんだもんね」、と弾んだ声で言う。見上げると高い本堂のテラスで手を振っている友人の姿が。<br /> 次はプロンテップ岬だ。ここで18時半までたっぷり1時間半夕日を鑑賞する今日のクライマックスだ。<br /> 友人は岬の先端まで険しい道をどんどん歩いて行く。岩肌だらけで急勾配の道なき道だ。日本の様に危険防止用の柵など当然無い。足早に進む友人の健脚に歩調を合わせるのは私にはちとキツイ。ようやく行き止まりの岬先端で追い付くが、友人は座り込みジーッと海の彼方一点を見つめている。海が珍しいのだ。<br /> その横に座るり、夕日が海に向かって降下していくのを静かに見物。<br /> 「時間がきたので帰ろ」、と促すとまたしても健脚ぶりを発揮しどんどん岩だらけの坂道を友人は進軍して行く。上り坂が多く行きよりもキツイので、距離は開く一方だ。既に滝の様に汗が吹き出、息が上がってしまう。<br /> 展望台には5分以上引き離されただろう。その展望台は、到着した時にはまばらだったが、日が沈む寸前なので大変な人出。友人を探すが、既に車に戻ったようだ。<br /><br /> ホテルに戻り、明日の話題になる。「船は怖いな、風も強いみたいだし揺れるでしょ、行きたくないな」、と友人が言い出した。まあ、結局は行くのだが。<br /><br /> <br /><br /> クラビツアーのホテルピックアップは7時〜7時15分。6時45分に行く用意をし朝食会場へ。ただし、時間が無くパンを一口かじっただけで私は様子を見にロビーで待機。<br /> <br /> 乗り込んだバンには既に他のホテルでピックアップされた参加者達が待っていた。ファランとマリオ顔の中近東人ばかりで日本人はいない。そう言えばプーケット滞在中会った日本人は2組だけだった。<br /> バンはプーケットタウンの先の港に着き、参加者マークのワッペンを胸に貼られる。そして船を3隻経由して、大型船?に乗る。岸壁が小さく、各所に行く船が横並びに接岸され、一番奥の船に乗り移るのだ。<br /><br /> クラビまで2時間の旅だ。友人は初めての航海らしく不安気に乗り込み、景色の良い甲板席を避け、エアコンの効いた船室のリクライナ椅子にドカッと座る。「甲板は風が強いな」、と敬遠したようだ。船室は上下2室あり、どちらも空いている。<br /> この船もツアー主催会社の所有で既にツアーは始まっている。船内のスナックスタンドにあるソフトドリンクは無料となっている。船内を散策してみるが日本人はいない様だ。<br /><br /> 揺れることもなくクラビに着き港の沖合いで、ツアー毎にスピードボートに乗り換える。一旦上陸するのではなく船と船を接舷させ、乗り移るのだ。参加者の中には、足ヒレなどのダイビングセットを持参し楽しもうとの若者達もいるが、我々の様に観光目的がメインも何人かいる。その中には、ムスリムらしい黒い頭巾姿の娘、子供連れ、老夫婦などバラエティに富んでいる。スピードボートにはそれら参加者が乗り移ると満席だ。総数30名ほどだろうか。<br /><br /> チキン島、アオナンビーチ、プラナン洞窟、ボダ島などを巡り、短時間の景色、海水浴、シュノケリング、昼食を楽しんだ。もっとも我々は水につかったのはボートから降りる時と浜辺で膝下までの水遊び程度だ。だが友人は水着を持ってきておらず残念そう。泳ぎたかったようだ。それでもツアーの醍醐味、透明度の高いエメラルドグリーンの海、大小の島々に友人も大満足。内陸育ちだけに、ビーチで波と戯れるのが余程嬉しかったようだ。<br /><br /> その中でも、沖合いのシュノケリングポイントでは熱帯魚が泳ぎ回り、旅行会社が用意したクラッカーを与えると、クラッカーめがけて集まる群れを見るだけで結構楽しい。友人も何回も何回もクラッカーを貰いに行き、ボートから投げ込み熱帯魚が集まるのを見て、「見て見て、プラー(魚)、プラー」、と叫んでいる。<br /><br /> スピードボートの中ではソフトドリンク、お菓子、フルーツなどふんだんに振る舞われサービス満点。スピードボートも時速50km程度は出、爽快。要は大型モーターボートなのだ。<br /><br /> 帰りは再び沖合いで大型船に乗り換えプーケットへ。一日だけなのに身体は真っ赤になり、腕時計の跡の白さが、それを物語る。プーケットの港で待つ方面別のバンでホテルに帰還。<br /> すっかり海に魅せられた友人は、明日もう一度行きたそう。「明日はピーピ島にでも行く?」、と水を向けると、「うん、行こう」、と。早速昨日予約した案内所に行きピーピ島ツアーの予約を入れる。2人で2800バーツ也。<br /><br /> 明日の朝も早い。寝よう<br /><br /><br /><br /> 今日はピピ島だ。昨日のクラビより若干近いし、プーケット港からは直接スピードボートなのでホテルピックアップは昨日より30分遅い7時45分。昨日ゆっくり食べられなかった朝食を堪能しよう。<br /><br /> ブラサリの朝食は種類は多いもののアイスクリーム無し、フルーツの種類貧弱、海が見えない等でここはシービューパトンに一票。友人も同意見で「シービューに泊まりたいなあ!」、と。<br /><br /> そうこうしている内にピックアップの時間が。2人してロビーに向かい迎えを待つ。まだ来ていないのを確認した友人は「トイレに行きたい」、と館内の奥へ。ロビー近辺にトイレが無いホテルも珍しい。<br />そして昨日と同じように迎えにきたバンで昨日とは違う港へ。<br /> <br /> 港にはスピードボートが既に横付けされており各ビーチから集まった参加者達が乗り込む。ボートは昨日クラビで乗ったのと同じ大きさで満席だ。毎日毎日よくもまあ人数が確保出来るものだ。参加者を見ると今日も日本人はいない。だが以外にタイ人が意外に多いのが印象的だ。<br /><br /> さあ本格的なピピ島ツアーの始まりだ。ピピ・ドン島のトンサイビーチ、モンキービーチ、ピピ・レ島のバイキング洞窟などを訪れたが、実際今はどこにいるかはチンプンカンプン。だが、どこまでも青い空、エメラルドグリーンの先に浮かぶ奇妙な姿の島々、白い砂浜から続く遠浅のビーチが南国にいる事を嫌がおうにも浸り言葉をなくす。ビーチの端っこの岩の上に座り、それらの景色を眺め、そして景色をバックにデジカメのシャッターを押しまくる。<br /><br /> スピードボートは今日もエンジン3基搭載した物だ。だが、50Kmで疾走する高速船は風が強く景色を楽しむ余裕がない。友人は「昨日の船の方が良かったなあ」、と今一気分が乗らない様子。それでも最初のビーチに到着し、後ろ向きに砂浜の手前に着けたボートから降りる際、綺麗な水に足を浸した途端機嫌が良くなった。<br /><br /> ビーチでは多くのスピードボートの後ろ姿を見た。エンジンが1基の小型から2基、3基、4基と並び大きな船体の物は5基だ。エンジンはヤマハ、ホンダが大半で、いやそれ以外は見なかった。<br /><br /> ツアーの内容は昨日と大差なく行く場所が違うだけだ。だがサービスは昨日の方が上だった。今日は船内でのフルーツ、お菓子、魚餌付けのクラッカーが提供されない。唯一コーラと水、冷たい手拭き程度の提供だ。<br /> ただ最後に行ったビーチでは1時間半のフリータイムが与えられ、その時にはサービス・ステーションが設けられドリンク、フルーツ、シュノケリング用具が提供された。<br /><br /> そうだ、最初のビーチでちよっとした事が。イタリア系と思えるカップルが集合時間になっても船に戻ってこない。ツアーのスタッフはメインガイド、運転手、スタッフ2人だが、この4人が探し回り、ようやく15分後に発見。時間を忘れ泳いでいたようだ。<br /> 「あれっ、あいつらだ!」。朝、我々がホテルでピックアップされた後、バンはパトンのバンドラ通り近くで停まり参加者を呼びに運転手は何処に走った。だが、しばらくして戻った彼は一人。どこかに電話していたが、直ぐに走り出し次のホテルへ。一組の参加者を拾った後、運転手の携帯に着信が。そして運転手は我々のホテルの方に戻り、しばらく停まって待っていたが、誰も現れれず再度走りだす。そしてまた電話が入り、車はまたまた我々のホテルの近くに戻る。一方通行ばかりなので、結構な距離を走り、時間を要する。停まって待っているとイタリア系と思えるカップルが表れ、車に乗り込んだ。無言でだ。そのカップルが遅刻したのだ。この先思いやられそう。メインガイドは全員の前でクレームを付け、自分がはめていた腕時計を貸し与え、「時間に遅れないように!」、と念を押す。勿論、接客業なので本気で怒っているわけではなく全員に対するポーズ的なパフォーマンスだ。<br /><br /> そう言えば昨日もフランス野郎とフィリピン女のカップルも定刻になっても現れず、スタッフが探し回る一幕があった。砂浜で寝入ってしまったらしく結局15分遅れで登場。これにはファラン達が親指を下に向け、「ブーブー!」、と明るくブーイングで迎え、フランス野郎は頭を掻く仕草で場をとりつくろった。<br /><br /> とあるビーチに到着する間際、ガイドが全員にスイカを一片ずつ配り始めた。手に取った友人は、お腹が空いていたのか、パクっと一口かぶりつく。これを見たガイドは、「食べちゃダメ!」、と英語で注意する。ポカンとした友人は、「どうして?」、と目で私に助けを求める。<br /> ガイドの説明によるとビーチにいる猿の餌として参加者に配った様だ。餌付けをして猿との触れ合いを楽しんで貰おうとのサービスだ。友人は「猿なんか家の近くに沢山いるもん」、と憮然とした表情。<br /> だが、ビーチに着き、可愛い赤ちゃん猿を見ると、「可愛いなあ」、と食べさしのスイカを差し出す変わり身の速さを見せる。ここがモンキービーチだった。<br /><br /> また、立ち寄ったビーチの内の一つは、キメの細かいパウダー状の真っ白な砂でサンダルを脱いで裸足が心地く、友人も砂遊びに興じて楽しそう。<br /><br /> 各所を巡り、前記のステーションが設けられたビーチに到着した。最後の立ち寄りビーチだ。ビーチチェアを一人75バーツで借りのんびりしようと腰を下ろす。<br /> 友人は昨日と同じく浜辺で水遊び程度しか今日もしていない。ふと後ろを見ると衣料品屋がある。そこで普通の服を購入。今着ている服のまま泳ぎ、上がってきたら買ってきた服に着替えるのだ。タイ人得意の水泳スタイルだ。<br /> 戻ってくると友人は直ぐに行動にうつした。背中に安全ベストを着け、シュノーケリング用の水中メガネをかぶる。残された時間は45分。横に寝そべっていた同じツアーのムスリム娘に荷物を託し、友人と海へ。カメラマンに徹するのだ。<br /> 「魚はいるかい?」、と尋ねると、「いないみたい」、と。昨日から魚が泳ぎ回る中でシュノーケリングをするツアー参加者を見て、羨やましそうに、「魚と遊びたいなあ」、と言っていたのだ。そこでスタッフに訊いてみると「反対側のビーチには魚が沢山いる」、と言う。友人にその事を告げると、目を輝かせて反対側のビーチに突進する。<br /> 先行した友人が沖合いから呼んでいる。沖合いといっても遠浅なので人間の背丈程の深さはない。ただし、私は泳ぐ用意をしていないので膝下までの深さの場所で勘弁して貰う。「魚がいっぱい、一杯いるの。昨日みんながしていたように餌付けをしたいなあ」、と言う。いるいる、何種類もの熱帯魚が群れを成している。人間を恐れず友人の周りを悠然と泳ぎまくっている。捕まえようと手を伸ばすが素走しっこく触れる事も出来ない。<br /> 「昨日の様にクラッカーがあったら、もっと魚が寄ってくるのになあ」、と友人の言葉に浜辺の店にダッシュ。チップスを一袋買い渡す。街では15バーツ程度だが、ここでは50バーツだ。すると友人はボリボリとかじり出す。食いしん坊め。「おいおい、餌付けだろう」。「そっか、忘れてた」、とぺロッと舌を出しイタズラっぽい笑顔を浮かべ粉砕したチップスを海にバラ撒く。途端に熱帯魚が瞬間移動的に集まり友人を取り巻く。魚と戯れ本当に楽しそう。<br /><br /> 束の間の水遊びを終えブラサリ・ホテルに戻った。ここで、少しホテルに触れておこう。<br /><br /> ブラサリの特長の一つに冷蔵庫の中にドリンク、棚に置かれた水、2種類のスナック、珈琲、紅茶が無料だ。水、珈琲、紅茶はどこのホテルでも無料で置かれているが、2つで20バーツもしないであろうスナック、コーラ、ファンタ、スプライト、ビール4缶は有難たい。金額にしたら僅かなものだろうが、ちょっぴり得をした気分になるのは私だけではないだろう。<br /> 根がさもしい私は、昨日のクラビに引き続き、ピピ島にもコーラとビールを一缶づつバックに忍ばせ部屋を出た。滅多に口にしないビールをビーチで飲もうとの考えだ。昨日、クラビ行きの船の中での無料ビールをたしなんだ。もっとも喉を潤す程度で、半分以上はゴミ箱行きだ。全部飲み干してしまえば、それからの旅程が覚束かないので。<br /><br /> 夕食を終えると友人は流石に疲れたのかベッドに潜り込み安らかな寝息をたて始めた。時間はまだ21時半。今日は体力に充分余裕がある。古式でも行こう。昨夜は南国特有の強いシャワーがあったので空模様が心配だ。ホテル近くの店にしようとホテル横の古式店の前を物欲しげにゆっくりと歩く。すると矢張店先で網を張っていた女の子数人から一斉に声がかかる。訊いてみると250バーツ/1h、500バーツ/2h。交渉するが下がらない。<br /><br /> 初日にお世話になった店もここから近いので、そこに行こうと立ち去りかけると一人の女が追いかけてきた。「2時間400バーツでよい」、と言う。ただ100バーツのチップを約束させられる。”えっ、プーケットはチップを払わないのが一般的?” ファランはノーチップなのかな?チップはハナから払うつもりなので了解し店内へ。「あなた一昨日、重そうなバックを引いて店の前を通ったでしょう」、と突然言われる。その時から鴨とマークされていたのかな? 恐るべし。<br /><br /> マッサージ師はプーケットタウンからパトンに稼ぎに来ており36歳だとか。「子供が3人おり生活が大変なので1年前から古式の仕事を始めた」、と喋りながらのマッサージだ。おしゃべり好きな女性で、会話が弾む。<br /> 「帰る段になり500バーツ札を出し「100バーツの釣りを寄越せ」、と告げる。怪訝そうに財布を取り出したが20バーツ札しかない。100バーツで缶コーヒーでも買って帰りたかったのだが20バーツでは1本しか買えない。<br /><br /> コンビニで缶コーヒーを買い帰還。明日はバンコクに移動だ。 .   <br /><br /> さて、パトンの街を散歩しているとバンコクの風景との違いに気が付いた。もっとも一人よがりの公算大かもしれないが。世界中から訪れるタイ有数の観光地らしく旅行案内所がやたら多い。独立したスタンド、店舗の軒先、ホテルの中、それこそ案内所だらけだ。行く前は、ネットで日本人経営の旅行会社をピックアップし、現地に着いてから友人の嗜好を訊き申し込みをしようと考えていたが、初日一人の時、案内所の一つを冷やかしてみると日本人経営の会社よりも安いようだ。当然予想された事なので、現地の英語ツアーも視野に入れていたが、正にその通りだった。<br /> 友人が到着してツアーの申し込みをイの一番に手がける。それにしても旅行会社所の多い事、どこに行けばよいのやら。飛び込んだのはオーシャンプラザの正面入口の前にあるスタンドで、おばさんが一人で暇そうにしている。店先にズラッと並ぶパンフレットを手に取り、友人を交え行き先を相談していると、男の子が商談に加わった。私がサイモンキャバレーのショーのパンフレットを示し、「これはカトッーイ(おかま)ショーな」、と言うと、自分を指差し、「僕もね」、とウインクを。陽気な奴だ。<br /><br /> クラビに行った後、友人のリクエストに応え再度、同じスタンドに出向く。その時は彼?一人だった。「ピピ島にも行きたい」、と水を向ける。彼は我々の顔を覚えており、値引きにも応じてくれテキパキと手配をこなす。信頼度は○。<br /><br /> ピピに行った夜、ブラサリに近いスタンドに一人で立ち寄り「安い古式しらない?」、と尋ねると、「知り合いがマッサージ店で働いている、訊いてあげるよ」、と何処に電話をする。そして「安くなったよ、1時間400バーツだって」、と鼻をピクつかせる。「うーん、高いよ」、とその場を立ち去った事は言うまでもない。基本価格が高い店なのだろう。スパだったのかも。<br /><br /> <br /> もう一つやたら目についたのは、1kg50バーツとの張り紙だ。クリーニング屋だろう。それも申し合わせた様に統一価格だ。業者の取り次ぎ店らしく、店は全くクリーニング屋の呈をなしていない。タイでクリーニング屋を利用した事は無いが、この金額は?山盛りの洗濯物の管理は大丈夫なのだろうか? 一つ二つ紛失されていてもマイペンライで片付けられそう。1キロとはどのくらいの量になるのだろう?クリーニングの品質は?などなど疑問が浮かぶ。長期滞在者の多い観光地なので、それなりの需要が見込まれ、実際に有るので取り次ぎ店が林立しているに違いない。タイ語でマジックなんかを用い名前を書かれるのかな。それだったら記念になりそう。<br /><br /> 明日はバンコクに戻る。

ソンクラン最中のタイ旅行(プーケットでリゾート)

2いいね!

2011/04/07 - 2011/04/18

3755位(同エリア4412件中)

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21

ルート3

ルート3さん

 まだ暗い内に目が覚める。

 ベランダから海の方を見ると人が集まり始めている。”何だろう?” 双眼鏡を取り出し眺めると通り沿いで物を売っている様子だ。うっすらと日が明けはじめ散歩、ジョッキングをするファランなども興味深そうに取り囲み腰をかがめて見出した。店を出しているのは1人ではなく3人に増えている。
 そこで重い腰を上げ私も早朝の散歩と洒落こもう。部屋からはフロントを通らずプールの横を通れば前の道路に出られる。その道路を渡れば海だ。おせいじにも綺麗とは言えないビーチ、更に船の係留地になっているのだろう船だらけだが、海は海だ。
 その海沿いの道路で売っているのは魚だった。ミニ朝市が毎朝開催されるのだろう車、バイクで地元の人が次々に訪れ買っていく。散歩から戻ってきた時にはほぼ完売状態で店じまいを始めていた。

 ホテルに戻り、海の見えるテラスで朝食。おっ、このホテルの朝食は種類が多いぞ。ヨーグルトは元よりアイスクリーム、シュークリームまである。甘党の私には歓迎すべき品揃えだ。フルーツの種類も定番のスイカ、パイナップル、バナナ以外に3、4種類もある。
 そこに友人から電話が。「チェンライ空港に着いたよ。もっと早く電話をしたかったが、姉さん、旦那が一緒だったので、出来ないでいたの、ごめんね」、と詫びる。結局チェンライからはタイ航空を乗り継いでやってくるらしい。預け入れ荷物がスルーなので「サバーイ、サバーイ」、とか。
 だが、当初考えていた乗り継ぎ便ではリスクが高いとの事で、バンコクでは余裕を持たせた次便で発券されたと再度連絡してくる。結局昨日私が乗った便で15時半には到着する 

 到着時間の確認も出来たし今日はノンビリできる。「ホテルまでは一人で来い!」、と言ったものの時間はたっぷりあるので迎えに行ってやるかな。だがタクシーメーターで行くと空港まで500バーツ。空港からは450バーツなので迎えの料金が50バーツ加算されるので痛い。
 そうだプーケットタウン経由で行こう。ホテルの近くにバスの乗り場があったのを昨夜見た。タウンからは空港を結ぶ安いリムジンバスがあり、それで行こう。そしてプーケットタウンはパトンよりは物価が安いので古式も300バーツ/2hが可能と勝手な推測。今から出れば丁度いい時間に空港に着けるだろう。

 思い立ったら即行動だ。昨日調達したサンダルに半パン、Tシャツ姿でソンテウ乗り場に向かう。着くと普通のバスの格好をしたソンテウが発車したところだ。目で追いながら後ろに停車しているトラック改造ソンテウの運動手に出発時間を確認する。10時20分だと言うので30分毎に出ている様だ。
 目の前のオーシャンプラザの一番客となり10時15分にソンテウ乗り場に戻る。すると荷台席には既にファラン客で満員。タイ人もちらほら座っているがタイ語はかしましいファラン語に圧倒されている。
 両サイド一列と中央一列の座席で、座っていける乗客は30人位だろうか。最後列に1人分のスペースが有り、座って行ける最終乗客となった。と思ったが、オヤジ車掌がそれからやって来た乗客を座らせる為に「詰めろ、詰めろ!」、と叫び座っている客を奥へ押し込める。私が座ってから7、8人が座ってしまう猛烈な詰め込みぶりだ。
 タイ人は人と人の肌の触れ合いは気にしないのかな?触れただけで喧嘩になる日本とは大違い。もっとも日本でも通勤電車は押し合いへし合いなので同じ事か。お陰で可愛い女の子が隣に詰め込まれ、彼女と密着した形で得した気分だ。25バーツで朝からルンルンで1時間かけプーケットタウンに到着。

 到着した場所は中華街らしく漢字が溢れている。付近を散策してみるが古式屋は見当たらない。中国人は按摩大好き人種のはずなのにな。
 時間はたっぷりあるが、まず空港行きリムジンバスの乗り場の確認が必要だ。そこに行けば近くに古式屋があるだろうと”パイ、ボーコーソ(バス乗り場へ行ってくれ)”と告げモトサイで移動。40バーツ也。

 到着したのはプーケットと各地を結ぶ長距離バスアーケード。そして付近を探す事20分。ようやく古式屋を発見。しかもパトンより大幅に安い300バーツ/2h。迷う事はない。店の前にいた屋台のおばさんが、「古式でっか、社長?」、と声をかけてくる。鷹揚に頷くと涼しい店内に案内してくれる。まだ昼になっていないので客は誰もいない。
 奥の古式スペースを指示されマッサージ着に着替える。汗でズボズボに濡れたシャツから解放され心地よい。
 マッサージが始まった。マッサージ嬢?は少々トウの立った40代と覚しきおばさん。ぜい肉がなく、この歳にしてはスタイルは良い。しかも揉むテンポがリズミカルで素晴らしく、相当年季が入った手錬だ。
 そこに、けたたましい携帯の着信音が。見ると友人からだ。「バンコクに到着したよ」、と言う。だがプーケット行きの便が少し遅れるらしい。

 アーケードに戻り空港行きのバスを探す。教えられたプラットホームから離れた奥の方に行くと85バーツと言う料金と時刻表が掲示されてある。次の発車は2時20分とある。
 丁度入ってきた若いバスの運転手に訊くと、「このバスが空港行きですぜ、旦那!」、と言う。だがまだ発車まで1時間弱ある。バスの待ち時間で苦労をする日だ。しかし若いが親切な運転手で「バスの中で待ってもいいよ」、と言ってくれる。しかもわざわざエアコンまで作動させてくれる。日本じゃ省エネで停車中のバスはエンジンを切り、従ってエアコンも作動しない事を考えるとタイはアバウトだ。そこが魅力なのだが・・・。

 時間がきて発車だ。乗客は少なく快適な移動が約束された様なものだ。が、途中で学生などがどんどん乗り込み、そして降りていく。「空港までノンストップ直行バスじゃないのか」、と言いたかったが、ここはタイ。我慢、我慢。

 空港には予定より10分遅れで到着したが、まだ友人の到着便まで余裕がある。今日は荷物が無いので金属センサーゲートをくぐるだけで出入りが自由で何回も喫煙エリアと到着口を行ったり来たり。
 到着口に戻り到着案内板を見ると、あれっ友人の便は既に到着している。電話を入れてみるが、電源が入っていない状態になっている。まさか迎えに来ているとは思っていないので電源を入れていないのだろう。
 暫くすると友人から「プーケットに着いたもんね、ホテルの名前なんだっけ?」、と少し疲れた様な声で電話が入る。到着ゲートの表の方から見ていると携帯を耳に当てた友人がゲートに近づいてくるのが見える。「シービューパトンだよ、建物の外に出て右の方に行くとメータータクシー乗り場が在るのでメータータクシーでおいで」、と告げるとゲートの内側のリムジンタクシー案内所に行き、「ちょっと待ってね」、と何か話をしている。そして出口の扉を無視し今度は反対側の案内所に向かう。外と勘違いしているようだ。
 もうよいだろうと、扉の外側から大きな声で友人の名前を呼ぶ。出口のセキュリティマンが何事かと振り向くが、事情を理解すると笑顔を向けてくれる。私に気が付いた友人は満面の笑みを浮かべ嬉しそうに小走りでやってくる。
 「どうして貴方がここにいるの?迎えに来るタクシーは高いからホテルで待っていると言ってたじゃない」、とむくれてみせる。

 荷物を持ってやりタクシー乗り場へ。昨日顔見知りになった客引きオヤジが笑顔を向けてくる。ホテルに到着。ピンクのホテル外観を見て友人は、「ナーラック(可愛い)ナ」、とお気に召した様子。部屋にも満足した様子で、窓からの景色に目を輝かせる。
 
 まだ外は明るい。散歩がてら夕食に行こう。そう言えば昨夜は、マッサージ後、コンビニで買ってきたカップヌードルを寂しく2個食べたのだ。今日はジャンクセーロンに友人お気に入りの”FUJI”が出店しているので、そこに行こう。
 途中海岸で写真を撮ったり、滞在中のミニツアーの予約をする。街のあちらこちらに観光案内スタンドがあり、適当に飛び込んだのだ。ピーピ島、パンガー湾、ファンタシー、クラビ、島内観光が候補に上がり、最終的にはクラビと島内観光を選ぶ。
 
 ”FUJI”で夕食後、歩いてホテルに帰還。昨日、今日とドタバタ続きで2人とも寝不足なので早めに就寝。



 昨夜早めに寝たせいか今日も薄暗い時間に目が覚める。ホテル内には小鳥が多くやってくる様で明るくなる頃からの小鳥のサエズリが爽やかに聞こえ幸せな気分にしてくれる。
 友人も小鳥の声に惹かれたのか、日本語で「おはよふ」、と言いながらベッドからモゾモゾと抜け出してくる。
 「早朝の散歩に行こう!」、と話がまとまりホテル前の海岸へ。明るくなり今日も朝市に人が集まり始めている。 その前のビーチで膝まで水につかりホテルをバックに写真を撮ったり、沖まで突き出した桟橋まで足を伸ばしたりし、ようやくリゾートを満喫。

 今日はこのホテルをチェックアウトしブラサリに移動だ。従って午前中はのんびり出来る。雰囲気の良いレストランでゆったりと朝食を摂り部屋で寛ぐ。

 そろそろチェックアウトの時間だ。ブラサリまでは徒歩10分程度。歩いて行くつもりだったが、友人が疲れた様な気配だったのでツクツクタクシーと価格交渉をさせる。「150バーツ!」、と言い一切交渉の余地は無い様だ。観光客向けぼったくり協定価格になっているのだろう。バカらしいので歩く事にする。バックを引きずるのも道路が良くバンコクよりは転がし易い。

 ほどなくブラサリ到着。ブラサリも別室で座ってのチェックインだ。歩いてきたので汗がしたたり落ちているのでウエルカムドリンクが美味い。つい友人の分まで飲んでしまう。

 このホテルも雰囲気が良い。通路には緑が一杯、洒落たプールも数種類有り、仄かな香料が我々を迎えてくれる。人気ホテルだと言うのも頷ける。だが、部屋は超普通だ。一番安い部屋なので形ばかりのベランダの前は隣のホテル。シービューホテルとは大違い。ロケーションはブラサリに軍配が上がるが、友人も「シービューの方が良かったね」、と残念そう。高い部屋はきっと良いのだろうな。

 そうだ昼から島内観光だ。見所は山の上に建立された大仏とプロンテップ岬の夕日だ。そのために13時45分出発のツアーを選んだのだ。時間通りに運転手兼ガイドがロビーまで迎えにきた。客は我々2人だけだと言う。1BOXカーに案内され出発。
 山の頂上にある大仏に着いた。観光地化された施設だ。入り口でタイ人の女の子が”日本頑張れ!”、のTシャツを着て何かをアピールしている。大津波の復興応援だ。着ているTシャツが300バーツで売られているので、これの利益は日本に送られると言っているのだろう。
 プーケット滞在中、このシャツを着たシンガポール人に会った。ここだけではなく島内のあちらこちらで売られているに違いない。「こんな時期にノー天気な日本人です。ごめんなさい」、と心の中で詫び彼女の前を立ち去った。

 カシューナッツ工場、宝石屋にも連れていかれた。これは堂々とパンフレットにも掲載され観光地の一つとされているが、”違うだろう!”。リベート目当ての拉致だあ。ただカシューナッツは北タイより相当安いとの事で友人が姉達の土産として買い求める。

 次に車は住宅街の中を走行しだした。そして民家の前に停まる。「ん、ここは観光地?」、と尋ねると、「私の家な、ちょっと待っていてね」、と車から離れ家の中に。戻ってきた運転手は、5歳位の男の子を連れており、男の子を助手席に乗せる。今からコブ付きで仕事をする様だ。まさにタイ。考えてみれば、2人で1300バーツも出すのなら乗用車タクシーをチャーターした方が良かったかも。この金額位で半日観光は可能だっただろう。

 プーケットで一番有名なワットシャロンに到着。敬虔な仏教徒である友人が本堂参拝中、一人表で待つ私に電話が。何事かと出ると、「上にいるんだもんね」、と弾んだ声で言う。見上げると高い本堂のテラスで手を振っている友人の姿が。
 次はプロンテップ岬だ。ここで18時半までたっぷり1時間半夕日を鑑賞する今日のクライマックスだ。
 友人は岬の先端まで険しい道をどんどん歩いて行く。岩肌だらけで急勾配の道なき道だ。日本の様に危険防止用の柵など当然無い。足早に進む友人の健脚に歩調を合わせるのは私にはちとキツイ。ようやく行き止まりの岬先端で追い付くが、友人は座り込みジーッと海の彼方一点を見つめている。海が珍しいのだ。
 その横に座るり、夕日が海に向かって降下していくのを静かに見物。
 「時間がきたので帰ろ」、と促すとまたしても健脚ぶりを発揮しどんどん岩だらけの坂道を友人は進軍して行く。上り坂が多く行きよりもキツイので、距離は開く一方だ。既に滝の様に汗が吹き出、息が上がってしまう。
 展望台には5分以上引き離されただろう。その展望台は、到着した時にはまばらだったが、日が沈む寸前なので大変な人出。友人を探すが、既に車に戻ったようだ。

 ホテルに戻り、明日の話題になる。「船は怖いな、風も強いみたいだし揺れるでしょ、行きたくないな」、と友人が言い出した。まあ、結局は行くのだが。

 

 クラビツアーのホテルピックアップは7時〜7時15分。6時45分に行く用意をし朝食会場へ。ただし、時間が無くパンを一口かじっただけで私は様子を見にロビーで待機。
 
 乗り込んだバンには既に他のホテルでピックアップされた参加者達が待っていた。ファランとマリオ顔の中近東人ばかりで日本人はいない。そう言えばプーケット滞在中会った日本人は2組だけだった。
 バンはプーケットタウンの先の港に着き、参加者マークのワッペンを胸に貼られる。そして船を3隻経由して、大型船?に乗る。岸壁が小さく、各所に行く船が横並びに接岸され、一番奥の船に乗り移るのだ。

 クラビまで2時間の旅だ。友人は初めての航海らしく不安気に乗り込み、景色の良い甲板席を避け、エアコンの効いた船室のリクライナ椅子にドカッと座る。「甲板は風が強いな」、と敬遠したようだ。船室は上下2室あり、どちらも空いている。
 この船もツアー主催会社の所有で既にツアーは始まっている。船内のスナックスタンドにあるソフトドリンクは無料となっている。船内を散策してみるが日本人はいない様だ。

 揺れることもなくクラビに着き港の沖合いで、ツアー毎にスピードボートに乗り換える。一旦上陸するのではなく船と船を接舷させ、乗り移るのだ。参加者の中には、足ヒレなどのダイビングセットを持参し楽しもうとの若者達もいるが、我々の様に観光目的がメインも何人かいる。その中には、ムスリムらしい黒い頭巾姿の娘、子供連れ、老夫婦などバラエティに富んでいる。スピードボートにはそれら参加者が乗り移ると満席だ。総数30名ほどだろうか。

 チキン島、アオナンビーチ、プラナン洞窟、ボダ島などを巡り、短時間の景色、海水浴、シュノケリング、昼食を楽しんだ。もっとも我々は水につかったのはボートから降りる時と浜辺で膝下までの水遊び程度だ。だが友人は水着を持ってきておらず残念そう。泳ぎたかったようだ。それでもツアーの醍醐味、透明度の高いエメラルドグリーンの海、大小の島々に友人も大満足。内陸育ちだけに、ビーチで波と戯れるのが余程嬉しかったようだ。

 その中でも、沖合いのシュノケリングポイントでは熱帯魚が泳ぎ回り、旅行会社が用意したクラッカーを与えると、クラッカーめがけて集まる群れを見るだけで結構楽しい。友人も何回も何回もクラッカーを貰いに行き、ボートから投げ込み熱帯魚が集まるのを見て、「見て見て、プラー(魚)、プラー」、と叫んでいる。

 スピードボートの中ではソフトドリンク、お菓子、フルーツなどふんだんに振る舞われサービス満点。スピードボートも時速50km程度は出、爽快。要は大型モーターボートなのだ。

 帰りは再び沖合いで大型船に乗り換えプーケットへ。一日だけなのに身体は真っ赤になり、腕時計の跡の白さが、それを物語る。プーケットの港で待つ方面別のバンでホテルに帰還。
 すっかり海に魅せられた友人は、明日もう一度行きたそう。「明日はピーピ島にでも行く?」、と水を向けると、「うん、行こう」、と。早速昨日予約した案内所に行きピーピ島ツアーの予約を入れる。2人で2800バーツ也。

 明日の朝も早い。寝よう



 今日はピピ島だ。昨日のクラビより若干近いし、プーケット港からは直接スピードボートなのでホテルピックアップは昨日より30分遅い7時45分。昨日ゆっくり食べられなかった朝食を堪能しよう。

 ブラサリの朝食は種類は多いもののアイスクリーム無し、フルーツの種類貧弱、海が見えない等でここはシービューパトンに一票。友人も同意見で「シービューに泊まりたいなあ!」、と。

 そうこうしている内にピックアップの時間が。2人してロビーに向かい迎えを待つ。まだ来ていないのを確認した友人は「トイレに行きたい」、と館内の奥へ。ロビー近辺にトイレが無いホテルも珍しい。
そして昨日と同じように迎えにきたバンで昨日とは違う港へ。
 
 港にはスピードボートが既に横付けされており各ビーチから集まった参加者達が乗り込む。ボートは昨日クラビで乗ったのと同じ大きさで満席だ。毎日毎日よくもまあ人数が確保出来るものだ。参加者を見ると今日も日本人はいない。だが以外にタイ人が意外に多いのが印象的だ。

 さあ本格的なピピ島ツアーの始まりだ。ピピ・ドン島のトンサイビーチ、モンキービーチ、ピピ・レ島のバイキング洞窟などを訪れたが、実際今はどこにいるかはチンプンカンプン。だが、どこまでも青い空、エメラルドグリーンの先に浮かぶ奇妙な姿の島々、白い砂浜から続く遠浅のビーチが南国にいる事を嫌がおうにも浸り言葉をなくす。ビーチの端っこの岩の上に座り、それらの景色を眺め、そして景色をバックにデジカメのシャッターを押しまくる。

 スピードボートは今日もエンジン3基搭載した物だ。だが、50Kmで疾走する高速船は風が強く景色を楽しむ余裕がない。友人は「昨日の船の方が良かったなあ」、と今一気分が乗らない様子。それでも最初のビーチに到着し、後ろ向きに砂浜の手前に着けたボートから降りる際、綺麗な水に足を浸した途端機嫌が良くなった。

 ビーチでは多くのスピードボートの後ろ姿を見た。エンジンが1基の小型から2基、3基、4基と並び大きな船体の物は5基だ。エンジンはヤマハ、ホンダが大半で、いやそれ以外は見なかった。

 ツアーの内容は昨日と大差なく行く場所が違うだけだ。だがサービスは昨日の方が上だった。今日は船内でのフルーツ、お菓子、魚餌付けのクラッカーが提供されない。唯一コーラと水、冷たい手拭き程度の提供だ。
 ただ最後に行ったビーチでは1時間半のフリータイムが与えられ、その時にはサービス・ステーションが設けられドリンク、フルーツ、シュノケリング用具が提供された。

 そうだ、最初のビーチでちよっとした事が。イタリア系と思えるカップルが集合時間になっても船に戻ってこない。ツアーのスタッフはメインガイド、運転手、スタッフ2人だが、この4人が探し回り、ようやく15分後に発見。時間を忘れ泳いでいたようだ。
 「あれっ、あいつらだ!」。朝、我々がホテルでピックアップされた後、バンはパトンのバンドラ通り近くで停まり参加者を呼びに運転手は何処に走った。だが、しばらくして戻った彼は一人。どこかに電話していたが、直ぐに走り出し次のホテルへ。一組の参加者を拾った後、運転手の携帯に着信が。そして運転手は我々のホテルの方に戻り、しばらく停まって待っていたが、誰も現れれず再度走りだす。そしてまた電話が入り、車はまたまた我々のホテルの近くに戻る。一方通行ばかりなので、結構な距離を走り、時間を要する。停まって待っているとイタリア系と思えるカップルが表れ、車に乗り込んだ。無言でだ。そのカップルが遅刻したのだ。この先思いやられそう。メインガイドは全員の前でクレームを付け、自分がはめていた腕時計を貸し与え、「時間に遅れないように!」、と念を押す。勿論、接客業なので本気で怒っているわけではなく全員に対するポーズ的なパフォーマンスだ。

 そう言えば昨日もフランス野郎とフィリピン女のカップルも定刻になっても現れず、スタッフが探し回る一幕があった。砂浜で寝入ってしまったらしく結局15分遅れで登場。これにはファラン達が親指を下に向け、「ブーブー!」、と明るくブーイングで迎え、フランス野郎は頭を掻く仕草で場をとりつくろった。

 とあるビーチに到着する間際、ガイドが全員にスイカを一片ずつ配り始めた。手に取った友人は、お腹が空いていたのか、パクっと一口かぶりつく。これを見たガイドは、「食べちゃダメ!」、と英語で注意する。ポカンとした友人は、「どうして?」、と目で私に助けを求める。
 ガイドの説明によるとビーチにいる猿の餌として参加者に配った様だ。餌付けをして猿との触れ合いを楽しんで貰おうとのサービスだ。友人は「猿なんか家の近くに沢山いるもん」、と憮然とした表情。
 だが、ビーチに着き、可愛い赤ちゃん猿を見ると、「可愛いなあ」、と食べさしのスイカを差し出す変わり身の速さを見せる。ここがモンキービーチだった。

 また、立ち寄ったビーチの内の一つは、キメの細かいパウダー状の真っ白な砂でサンダルを脱いで裸足が心地く、友人も砂遊びに興じて楽しそう。

 各所を巡り、前記のステーションが設けられたビーチに到着した。最後の立ち寄りビーチだ。ビーチチェアを一人75バーツで借りのんびりしようと腰を下ろす。
 友人は昨日と同じく浜辺で水遊び程度しか今日もしていない。ふと後ろを見ると衣料品屋がある。そこで普通の服を購入。今着ている服のまま泳ぎ、上がってきたら買ってきた服に着替えるのだ。タイ人得意の水泳スタイルだ。
 戻ってくると友人は直ぐに行動にうつした。背中に安全ベストを着け、シュノーケリング用の水中メガネをかぶる。残された時間は45分。横に寝そべっていた同じツアーのムスリム娘に荷物を託し、友人と海へ。カメラマンに徹するのだ。
 「魚はいるかい?」、と尋ねると、「いないみたい」、と。昨日から魚が泳ぎ回る中でシュノーケリングをするツアー参加者を見て、羨やましそうに、「魚と遊びたいなあ」、と言っていたのだ。そこでスタッフに訊いてみると「反対側のビーチには魚が沢山いる」、と言う。友人にその事を告げると、目を輝かせて反対側のビーチに突進する。
 先行した友人が沖合いから呼んでいる。沖合いといっても遠浅なので人間の背丈程の深さはない。ただし、私は泳ぐ用意をしていないので膝下までの深さの場所で勘弁して貰う。「魚がいっぱい、一杯いるの。昨日みんながしていたように餌付けをしたいなあ」、と言う。いるいる、何種類もの熱帯魚が群れを成している。人間を恐れず友人の周りを悠然と泳ぎまくっている。捕まえようと手を伸ばすが素走しっこく触れる事も出来ない。
 「昨日の様にクラッカーがあったら、もっと魚が寄ってくるのになあ」、と友人の言葉に浜辺の店にダッシュ。チップスを一袋買い渡す。街では15バーツ程度だが、ここでは50バーツだ。すると友人はボリボリとかじり出す。食いしん坊め。「おいおい、餌付けだろう」。「そっか、忘れてた」、とぺロッと舌を出しイタズラっぽい笑顔を浮かべ粉砕したチップスを海にバラ撒く。途端に熱帯魚が瞬間移動的に集まり友人を取り巻く。魚と戯れ本当に楽しそう。

 束の間の水遊びを終えブラサリ・ホテルに戻った。ここで、少しホテルに触れておこう。

 ブラサリの特長の一つに冷蔵庫の中にドリンク、棚に置かれた水、2種類のスナック、珈琲、紅茶が無料だ。水、珈琲、紅茶はどこのホテルでも無料で置かれているが、2つで20バーツもしないであろうスナック、コーラ、ファンタ、スプライト、ビール4缶は有難たい。金額にしたら僅かなものだろうが、ちょっぴり得をした気分になるのは私だけではないだろう。
 根がさもしい私は、昨日のクラビに引き続き、ピピ島にもコーラとビールを一缶づつバックに忍ばせ部屋を出た。滅多に口にしないビールをビーチで飲もうとの考えだ。昨日、クラビ行きの船の中での無料ビールをたしなんだ。もっとも喉を潤す程度で、半分以上はゴミ箱行きだ。全部飲み干してしまえば、それからの旅程が覚束かないので。

 夕食を終えると友人は流石に疲れたのかベッドに潜り込み安らかな寝息をたて始めた。時間はまだ21時半。今日は体力に充分余裕がある。古式でも行こう。昨夜は南国特有の強いシャワーがあったので空模様が心配だ。ホテル近くの店にしようとホテル横の古式店の前を物欲しげにゆっくりと歩く。すると矢張店先で網を張っていた女の子数人から一斉に声がかかる。訊いてみると250バーツ/1h、500バーツ/2h。交渉するが下がらない。

 初日にお世話になった店もここから近いので、そこに行こうと立ち去りかけると一人の女が追いかけてきた。「2時間400バーツでよい」、と言う。ただ100バーツのチップを約束させられる。”えっ、プーケットはチップを払わないのが一般的?” ファランはノーチップなのかな?チップはハナから払うつもりなので了解し店内へ。「あなた一昨日、重そうなバックを引いて店の前を通ったでしょう」、と突然言われる。その時から鴨とマークされていたのかな? 恐るべし。

 マッサージ師はプーケットタウンからパトンに稼ぎに来ており36歳だとか。「子供が3人おり生活が大変なので1年前から古式の仕事を始めた」、と喋りながらのマッサージだ。おしゃべり好きな女性で、会話が弾む。
 「帰る段になり500バーツ札を出し「100バーツの釣りを寄越せ」、と告げる。怪訝そうに財布を取り出したが20バーツ札しかない。100バーツで缶コーヒーでも買って帰りたかったのだが20バーツでは1本しか買えない。

 コンビニで缶コーヒーを買い帰還。明日はバンコクに移動だ。 .

 さて、パトンの街を散歩しているとバンコクの風景との違いに気が付いた。もっとも一人よがりの公算大かもしれないが。世界中から訪れるタイ有数の観光地らしく旅行案内所がやたら多い。独立したスタンド、店舗の軒先、ホテルの中、それこそ案内所だらけだ。行く前は、ネットで日本人経営の旅行会社をピックアップし、現地に着いてから友人の嗜好を訊き申し込みをしようと考えていたが、初日一人の時、案内所の一つを冷やかしてみると日本人経営の会社よりも安いようだ。当然予想された事なので、現地の英語ツアーも視野に入れていたが、正にその通りだった。
 友人が到着してツアーの申し込みをイの一番に手がける。それにしても旅行会社所の多い事、どこに行けばよいのやら。飛び込んだのはオーシャンプラザの正面入口の前にあるスタンドで、おばさんが一人で暇そうにしている。店先にズラッと並ぶパンフレットを手に取り、友人を交え行き先を相談していると、男の子が商談に加わった。私がサイモンキャバレーのショーのパンフレットを示し、「これはカトッーイ(おかま)ショーな」、と言うと、自分を指差し、「僕もね」、とウインクを。陽気な奴だ。

 クラビに行った後、友人のリクエストに応え再度、同じスタンドに出向く。その時は彼?一人だった。「ピピ島にも行きたい」、と水を向ける。彼は我々の顔を覚えており、値引きにも応じてくれテキパキと手配をこなす。信頼度は○。

 ピピに行った夜、ブラサリに近いスタンドに一人で立ち寄り「安い古式しらない?」、と尋ねると、「知り合いがマッサージ店で働いている、訊いてあげるよ」、と何処に電話をする。そして「安くなったよ、1時間400バーツだって」、と鼻をピクつかせる。「うーん、高いよ」、とその場を立ち去った事は言うまでもない。基本価格が高い店なのだろう。スパだったのかも。

 
 もう一つやたら目についたのは、1kg50バーツとの張り紙だ。クリーニング屋だろう。それも申し合わせた様に統一価格だ。業者の取り次ぎ店らしく、店は全くクリーニング屋の呈をなしていない。タイでクリーニング屋を利用した事は無いが、この金額は?山盛りの洗濯物の管理は大丈夫なのだろうか? 一つ二つ紛失されていてもマイペンライで片付けられそう。1キロとはどのくらいの量になるのだろう?クリーニングの品質は?などなど疑問が浮かぶ。長期滞在者の多い観光地なので、それなりの需要が見込まれ、実際に有るので取り次ぎ店が林立しているに違いない。タイ語でマジックなんかを用い名前を書かれるのかな。それだったら記念になりそう。

 明日はバンコクに戻る。

旅行の満足度
4.5
観光
4.5
ホテル
3.0
交通
4.0
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
20万円 - 25万円
交通手段
タクシー 徒歩 バイク 飛行機
旅行の手配内容
個別手配

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  • シービュー・パトンの朝食

    シービュー・パトンの朝食

  • シービュー・パトンの朝食<br /><br /> 

    シービュー・パトンの朝食

     

  • シービュー・パトンの朝食会場

    シービュー・パトンの朝食会場

  • シービュー・パトン前から海を望む

    シービュー・パトン前から海を望む

  • このソンテウでタウンへ

    このソンテウでタウンへ

  • このモトサイでボーコーソーへ

    このモトサイでボーコーソーへ

  • タウンのボーコーソー

    タウンのボーコーソー

  • タウンのボーコーソー

    タウンのボーコーソー

  • タウンからの空港リムジン車内

    タウンからの空港リムジン車内

  • タウンからの空港リムジンが到着

    タウンからの空港リムジンが到着

  • ビッグ仏陀

    ビッグ仏陀

  • プロンテップ岬の夕日

    プロンテップ岬の夕日

  • ワット・シャロン

    ワット・シャロン

  • チキン島

    チキン島

  • キレイなビーチ

    キレイなビーチ

  • 魚の餌つけ

    魚の餌つけ

  • 魚の餌つけ

    魚の餌つけ

  • ピピ島

    ピピ島

  • プーケット空港

    プーケット空港

  • プーケット空港のタクシー乗り場

    プーケット空港のタクシー乗り場

  • プーケットタウン

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