チェンライ旅行記(ブログ) 一覧に戻る
 いつもの様にリムジンバスで都内に向かおう。 <br /><br /> AE3のバスがなかなか来ないので一服着けようとするが、切符売りの女の子が「ダメ!」、と口を尖がらせる。そして指さす方向を見ると、観葉樹(?)で囲った喫煙エリアが設けられている。バンコクに来ても喫煙者は肩身の狭い思いを強いられるのだ。<br /><br /> タバコを吸っているとバスが来たので乗り込みバッグを所定の置き場に収納し席に着く。乗客が徐々に増えて、そのバッグ置き場が一杯になった時、3人連れの日本人娘が乗り込んで来た。行き先は「ナナ!」、と大声で告げている。彼女達はバッグ置き場に窮しウロウロしている。同胞のよしみで、1人に私の横の座席に誘い、余裕のある足元にバッグを置く様に勧める。恐縮しながら座った彼女は、明るく話かけてくる。<br /><br /> 3人とも初タイで情報が欲しいのだろう。「私の分かる範囲ならば」、と彼女の質問に答えていると他の2人も話に加わってくる。訊いてみると彼女達は韓国ソウルに留学中で、卒業旅行でタイに来たらしい。そして奇遇にもホーチミンからは同じ飛行機だった様だ。するとソウルからもベトナム航空だろうと料金を尋ねてみると、何と23万ウォンだと言う。負けた!。円に換算すると18,000円位だ。どうりでホーチミンではハングルが飛びかっていたのだ。帰路発着表示を見てみると、確かに大韓航空とコードシェアー便が飛んでいる。<br /><br /> 彼女達のホテルは某友人御用達のマンハッタンホテルと言う。するとバスが停車する側の反対側となり陸橋を渡らねばならない事を告げると彼女達は「エーっ」と頭を抱える。だが、AE3バスは進路変更があったらしくプラトーナムから進入してきたので、通りを横断する必要が無い事を改めて告げると歓声を上げる。AE3バスはホテルの多いプラトーナム方面からの進行が正解かもしれない。<br /><br /> 彼女達はバンコクを案内して欲しそうだったが、貴重なバンコク滞在。残念ながら意識的に名前も訊かず彼女達とナナでお別れ。バスを降りた彼女達は、みんなで手を振ってくれる。日本なら若い娘から相手にされないオヤジなのに、海外ならではの栄誉だ。タイ好きオヤジの冥利につきる。しかし、マンハッタンだったらアソークの方が近い事を教え損なった。大きなバッグを引きずって人ごみの中を汗をかきながら歩かせてしまい、申し訳ない気持ちで一杯になった。<br /> <br /> 私もアソークでバスを降り、地下鉄でホイクアンへ。しかし、また地下鉄の入口で無粋なバッグ検閲が。手提げバッグは良いとしても引きずっているピギーケースの中を見せろと言う。思わず、「本気かよー」、と日本語で叫んでしまい、後続のタイ人が後ずさる。鍵を開けチラッと見せると、おざなりに懐中電灯で中を覗きオシマイ。まあ仕事だから勘弁してやろう。<br /><br /> 地下鉄でホイクアンに。そこから徒歩でパラッゾへ。結局ホテルに到着したのは21時。到着から3時間もかかってしまった。<br /><br /> チェックイン時に1000バーツのデポジットを取られ鍵を貰う。ラッキー、新館がアサインされている。旧館との違いはセーフティボックスとサービスの珈琲と紅茶が付いている程度だが、何故か得した気分。<br /><br /> だがボヤボヤしていられない。夜は短い。地下鉄、バスを乗り継ぎ22時前にはスクンビットの馴染みの古式屋へ。たっぷり揉んで貰い、店を出るとまだ24時前。もう1軒、古式に行くか。スクンビット・ソイ22には沢山古式店があり、まだ入店させてくれるだろう。<br /><br /> 通りをブラつくと各店の前で古式嬢が袖を引いてくる。その内の1人に訊くと「料金は2時間300バーツで時間は大丈夫」、と言う。インペリアル・クイーンズパーク・ホテルから通りに向かって2軒目の店だ。その店に入店する事にする。<br /><br /> 部屋に通されると仕切りにオイルマッサージを勧めてくる。おじさんは純粋に古式を受けたいのじゃ。帰り際に訊いてみるとこのソイ22近辺の古式屋は深夜2時まで営業していると言う。これが本当なら深夜着便でも充分間に合う。店を出たのが2時。娘の言葉通り周辺の店の前にはポロシャツ姿のマッサージ嬢がまだ元気に呼び込みをしている。JALの夜着便で来た時は、この近辺に来ようっと。 <br /><br /> <br /><br /> 翌朝は6時には目を覚ましてしまう。タイに来た時は、極端に睡眠時間が減る。友人達に訊いてもみんな同じ事を言う。午前中ウダウダとホテルで過ごし、チェックアウト後、荷物を預け空港に行くまで古式に行こう。<br /><br /> そろそろチェンライに向かう時間だ。ホテルに預けてある荷物をピックアップして余裕を持って空港に向かう。 <br />ホテルを出て重いバッグを引きずりながらラチャダー通りでタクシーを拾う。「時間が有るので下道でいいよ」、と運転手に告げると、「OK、OK!」、と、ホイクアンを右折し、アトリューム・ブテックホテル前の細い道を抜けてラマ9に出る。良く道を知っている運転手に当たったようだ。<br /><br /> ホイクアンからものの25分程度でスワンナブーム空港に到着し、料金は203バーツ。道を良く知っていたので、ご褒美にチップを含め230バーツを手渡す。バンコクで性格の良いタクシー運転手に当ると端数の3バーツは要らないという事もある。この場合210バーツを渡すと10バーツを返してくるのだ。だが、この運転手は、ワイをして素直に受け取った。<br /><br /> 時間はまだ18時半。20時半のエアーアジア便なので、国内線にしては早すぎる空港到着だ。前回エアーアジアでは超過荷物で苦い目にあったので、重そうな荷物は手提げバッグに移し、リミットぎりぎりの14.6Kg。エアーアジアはネゴが通用しない航空会社で、預け入れ荷物が重量オーバーすると、しゃかりきになってチャージする様だ。<br /><br /> チェックインをして1階のクーポン食堂で空腹を満たし搭乗ゲートへ行こう、と企んでいたが、チェックイン後に手渡されるシートを見るとボーディングタイムは19時5分となっている。「これじゃ飯を食っている時間が無い」、では腹が承知しない。ダッシュして1階に降り定番のカオパット(タイ風焼き飯)とパッタイ(タイ風焼きそば)を掻き込み出発ゲートに取って返す。<br /><br /> 搭乗ゲートには指定時間間際に到着。既に待合室には乗客が溢れており、どうして皆早くチェックイン出来たのか疑問を感じる。一説によると予定時間を前後して出発する便の乗客にはメールか電話で連絡があるらしいが、私にはなかった。次回からタイの携帯の番号も記入して予約しようっと。<br /><br /> ほぼ待たされる事も無く搭乗が始まり、チェンライ着は予定の1時間強前。遅れる事で定評のあるエアーアジアでも、早着が有る事に驚いたフライトだ。<br /><br /> こんな時に限ってバッグが先頭でレーンに出てきた。こんな時と言うのは、飛行機が早く着いたので、いつもは出口でプラカードを掲げて待っているホテルの迎車係員が一人もいなかったのだ。私の泊まるホテルの迎車は無いが、顔見知りのワンカムホテルの係員に100バーツを掴ませて同乗させて貰うのがパターンなのだ。<br /><br /> チェンライ空港は、個人旅行者にとって空港のレンターカー屋が運営するタクシーで移動するしか手段が無く、あとは機内で知り合いになったタイ人を迎えに来た車に同乗させて貰うかだ。空港に向かうのは、街中を走るミニソンテウ、ツクツクで向かう手は有るが、空港にはこれらは待っていないのだ。<br /><br /> 空港の建物の外で待っていると寒い。同じタイなのにバンコクとは大違いだ。勿論この寒さは経験しており織り込み済みだ。ウィンドブレーカーをはおり、暫くホテルバンを待っていた。<br /><br /> 1時間も早く着いたので当初の到着時間まで待てば来るだろうが、時間がもったいないので、タクシーでホテルに向かう事にする。レンターカー屋に行くと、車の大半が出払っておりボロ車が1台残っているだけだと言う。到着した乗客は全て姿を消し、寂しくなった空港で取り残されるのは辛い事も有り、ボロ車で了解しホテルに向かった。200バーツ及びチップ20バーツ。<br /><br /> ホテルは、友人に予約して貰ったスターブライトホテルだ。本音はJHCのホテルバーゲンで2,900円均一にリストアップされていたワンカムホテルが希望だったが、訪タイを決断した段階では既に完売だったので、泣く泣くの選択だ。<br /><br /> ネットで候補ホテルを探し、友人に何回もメールで相談してのスターブライトホテルだが、ポイントは立地である。手頃な価格のホテルはチェンライ市内には結構有るが希望するナイトバザール徒歩圏では限られており、設備からは少し高いかと感じたが当ホテルに決定した。<br /><br /> ワンカムホテルから徒歩1分のスターブライトホテルに到着すると、まだ21時過ぎだと言うのにフロントロビーを兼ねたレストランの灯は落とされ真っ暗だ。それでも玄関の扉は開いており、恐る恐る中に入ると初老のオヤジがノソッと姿を表す。予約してある旨を告げると聞いていない模様で、あちこちに電話をし始めた。何本かの電話の後、確認が取れたようで、ようやく鍵を渡してくれた。事前に分かっていたがエレベーターが無く、オヤジがバッグを担いで3階の部屋に案内してくれる。<br /><br /> このホテルはアメリカ人の経営らしく。今流行りのブディクホテルの先駆け的存在で7室しかなく、ゲストハウスをホテルに改造した感じだ。一応改装された部屋は広めで、キングサイズベッド、金庫、冷蔵庫、バスタブなどホテルの体を成しているが、いかんせん建物自体が古い。それで一泊1,300バーツ、プラス朝食が一人100バーツには正直首を傾げる価格設定だ。ただ、立地最優先で選んだので納得ずくだ。<br /><br /> 朝、友人がやって来てホテルで朝食を摂る。他に客はいない。フロント係兼ボーイがメニューを持ってきた。アメリカンブレックファーストが175バーツ、コンチネンタルブレックファスートが150バーツ、タイスタイルが75バーツとある。これを宿泊者からは1人100バーツで自由に選択させるのだ。朝食後、部屋に案内すると、突然「ホテルを替えようよ!」、と言い出した。「でもここを4泊分予約しているんだよ」、と私は難色を示す。すると「お金は払ったの」、と尋ねてきた。そうだ、昨夜は宿直のおじさんだったので、まだ宿泊料は払っていないのだ。「まだだよ」、と答えると、「じゃ大丈夫、ホテルを探しに行こ」、と手を引っ張られ近くの旅行代理店へ。<br /><br /> ワンカムホテルが良いと言うので、そこで尋ねてみると1700バーツと言う。他の代理店を当っても概ね同様だ。「フーン」、と頷いた友人に、そうだ、ワンカムのカラオケ屋の上だったら安く泊まれる事を思い出す。そこで直接ホテルに訊いてみる事にする。<br /><br /> 「1000バーツでいいと言っているよ、カラオケ上の2階の部屋はうるさいので少し安いみたい、普段なら900バーツだけれど、今は特別料金で1000バーツなんだって」、と告げる。今より安くなるし朝食もたらふく食べられる。後はスターブライトホテルのキャンセルをフロントに告げるだけだ。告げに行くと、嫌な顔をされたが無事にキャンセル成功。1泊分の1500バーツを支払いワンカムホテルに引越しを敢行する。引越しを「宿替え」って言うけれど、こんなケースがルーツなのだろうか?<br /><br /> ホテルでは、旧交のあるメーバーン達を捕まえ、バカ話に興じる。前回「日本から腕時計を買ってきてくれ!」、と言われていたが無論買ってきていない。それを覚えていた様で激しく追求を受けるが、とぼけまくりチョン。<br /><br /> そうこうしていると、夕食時間。少し空腹を覚え、友人に、「メシを食いに行こうか?」、と誘うが、矢張予想通り、「まだお腹空いていないよ、9時になったら行こうね」、と我慢を強いる発言を投げかける。その間、得意の古式だ。周辺の店は2時間200バーツ。古式三昧なのだ。<br /><br /> そして9時になり、食事に行く事にする。食事と言っても、レストランに行く身分ではなくナイトバザールの食堂だ。私は空腹を満たせば、それでOKなのでカオパット・クン(タイ風エビ入り焼き飯)とエビの天ぷら。友人に「何を食べる?」、と訊くと、「まだお腹減っていないよう、だから何もいらない」、と。どうせ私が食べているのを見て、私の食べ物にちょっかいを出し、その内「私も何か買ってくるう」、と言うに決まっている。<br /><br /> 「席を取っておく」、と言う友人を残して屋台に行き目的の物を買ってきた。席に戻ると、友人は視線を遠くの方に投げ掛けている。その視線の先を見ると、寿司の屋台だ。「寿司を食べたいの?」、と訊くと、「少しなら食べてもいいよ」、とようやく食欲を示し始めた。取りあえず私が代表して買いに行く。一つ10バーツと言う。日本の様に2個1じゃ無いのだ。友人の好きそうな物を10個程買い、席に戻る。寿司の小ささをカバーするためかガリをアホ程たっぷりと小鉢入りの醤油を付けてくれる。<br /><br /> 買ってきた中に鰻があり、鰻は初めてだったらしく友人は手を出さない。「これが一番美味しいよ」、と教えるとようやく箸をつけ、「美味しい♪」、と満面の笑みを浮かべる。私も一口マグロを食べてみたが、まあまあだ。ガリも美味かった。ペロッと平らげた友人はまだ物足りなさそう。すると、「あそこにマートークン(タイ風エビ入りさつま揚げ)が売っている。あれがいい!」、と言い出す。訊いてみると、今までナイトバザールには無かったらしい。そこで、その店に出向き、女の子に訊いてみると、「無い!」、と応える。陳列を見ても無いようだ。友人に「無いみたい」、と告げると「上の看板に書いてあるもん、あなたの発音がトムヤムクンに聞こえたんじゃない」、と茶化す。再度行っても同じ結果だったので、その足で寿司を再度買いに行く。友人も「不味い」、と言わなかたので、合格なのだろう。その証拠に翌日、外出の帰りに「寿司を買って帰る」、と言い出しその寿司屋台に付き合わされる羽目に。<br /><br /> その時は、ホテルに帰り、それを冷蔵庫に入れようとする。「明日食べるんだよ」、と言う友人に、「寿司は時間を置いたらダメだよ。それに冷蔵庫にいれたらパサパサになるよ」、と教える。「フーン、そうなんだ」、と素直にデスクの上に置き、「少ししたら食べるね」、と。<br /><br /> その後、友人を部屋に残し古式に行くが、帰ってきたらものの見事に全部平らげていた。余程腹が減っていたのか、美味しかったのであろう。<br /><br /> そうだ、もう一つ安い部屋にはデメリットがあった。安い部屋は、2階の大宴会場のロビーを横切っていかなければ部屋には行けない構造になっている。結婚披露宴、各種パーティ、集会用に供される施設で、大概のホテルでは収益の柱である。<br /><br /> この施設でワンカム2日目の夜、パーティが開催された。何のパーティかは分からないが、100名を超える若者がドレスアップして三々五々集まって来た。女の子はモデル並みの娘が多数おり、ファッションもトンでいる。パーティ開始まで若者がロビーを占領し壮観だ。その中をオヤジが若者を掻き分け部屋に戻るには相当勇気がいる。<br /><br /> ところで、昔はワンカムホテルにもMPがあったらしい。ホテルと風呂屋は設備が似通っているので、簡単に改造、改装が出来るのだろう。友人達と行った旧クレオパテラ変身ホテルにバイキングを食べに行った時にも話題になった。ホイクアンのHIPホテルもそうだ。<br /><br /> まあ、色々あったが、チェンライではワンカムかウアンインが今のところベストと認識した今回のホテル選びであった。<br /><br /><br />

アオザイ航空でバンコクへ、そしてチェンライへ

3いいね!

2009/12/11 - 2009/12/19

569位(同エリア673件中)

0

8

ルート3

ルート3さん

 いつもの様にリムジンバスで都内に向かおう。

 AE3のバスがなかなか来ないので一服着けようとするが、切符売りの女の子が「ダメ!」、と口を尖がらせる。そして指さす方向を見ると、観葉樹(?)で囲った喫煙エリアが設けられている。バンコクに来ても喫煙者は肩身の狭い思いを強いられるのだ。

 タバコを吸っているとバスが来たので乗り込みバッグを所定の置き場に収納し席に着く。乗客が徐々に増えて、そのバッグ置き場が一杯になった時、3人連れの日本人娘が乗り込んで来た。行き先は「ナナ!」、と大声で告げている。彼女達はバッグ置き場に窮しウロウロしている。同胞のよしみで、1人に私の横の座席に誘い、余裕のある足元にバッグを置く様に勧める。恐縮しながら座った彼女は、明るく話かけてくる。

 3人とも初タイで情報が欲しいのだろう。「私の分かる範囲ならば」、と彼女の質問に答えていると他の2人も話に加わってくる。訊いてみると彼女達は韓国ソウルに留学中で、卒業旅行でタイに来たらしい。そして奇遇にもホーチミンからは同じ飛行機だった様だ。するとソウルからもベトナム航空だろうと料金を尋ねてみると、何と23万ウォンだと言う。負けた!。円に換算すると18,000円位だ。どうりでホーチミンではハングルが飛びかっていたのだ。帰路発着表示を見てみると、確かに大韓航空とコードシェアー便が飛んでいる。

 彼女達のホテルは某友人御用達のマンハッタンホテルと言う。するとバスが停車する側の反対側となり陸橋を渡らねばならない事を告げると彼女達は「エーっ」と頭を抱える。だが、AE3バスは進路変更があったらしくプラトーナムから進入してきたので、通りを横断する必要が無い事を改めて告げると歓声を上げる。AE3バスはホテルの多いプラトーナム方面からの進行が正解かもしれない。

 彼女達はバンコクを案内して欲しそうだったが、貴重なバンコク滞在。残念ながら意識的に名前も訊かず彼女達とナナでお別れ。バスを降りた彼女達は、みんなで手を振ってくれる。日本なら若い娘から相手にされないオヤジなのに、海外ならではの栄誉だ。タイ好きオヤジの冥利につきる。しかし、マンハッタンだったらアソークの方が近い事を教え損なった。大きなバッグを引きずって人ごみの中を汗をかきながら歩かせてしまい、申し訳ない気持ちで一杯になった。
 
 私もアソークでバスを降り、地下鉄でホイクアンへ。しかし、また地下鉄の入口で無粋なバッグ検閲が。手提げバッグは良いとしても引きずっているピギーケースの中を見せろと言う。思わず、「本気かよー」、と日本語で叫んでしまい、後続のタイ人が後ずさる。鍵を開けチラッと見せると、おざなりに懐中電灯で中を覗きオシマイ。まあ仕事だから勘弁してやろう。

 地下鉄でホイクアンに。そこから徒歩でパラッゾへ。結局ホテルに到着したのは21時。到着から3時間もかかってしまった。

 チェックイン時に1000バーツのデポジットを取られ鍵を貰う。ラッキー、新館がアサインされている。旧館との違いはセーフティボックスとサービスの珈琲と紅茶が付いている程度だが、何故か得した気分。

 だがボヤボヤしていられない。夜は短い。地下鉄、バスを乗り継ぎ22時前にはスクンビットの馴染みの古式屋へ。たっぷり揉んで貰い、店を出るとまだ24時前。もう1軒、古式に行くか。スクンビット・ソイ22には沢山古式店があり、まだ入店させてくれるだろう。

 通りをブラつくと各店の前で古式嬢が袖を引いてくる。その内の1人に訊くと「料金は2時間300バーツで時間は大丈夫」、と言う。インペリアル・クイーンズパーク・ホテルから通りに向かって2軒目の店だ。その店に入店する事にする。

 部屋に通されると仕切りにオイルマッサージを勧めてくる。おじさんは純粋に古式を受けたいのじゃ。帰り際に訊いてみるとこのソイ22近辺の古式屋は深夜2時まで営業していると言う。これが本当なら深夜着便でも充分間に合う。店を出たのが2時。娘の言葉通り周辺の店の前にはポロシャツ姿のマッサージ嬢がまだ元気に呼び込みをしている。JALの夜着便で来た時は、この近辺に来ようっと。

 

 翌朝は6時には目を覚ましてしまう。タイに来た時は、極端に睡眠時間が減る。友人達に訊いてもみんな同じ事を言う。午前中ウダウダとホテルで過ごし、チェックアウト後、荷物を預け空港に行くまで古式に行こう。

 そろそろチェンライに向かう時間だ。ホテルに預けてある荷物をピックアップして余裕を持って空港に向かう。
ホテルを出て重いバッグを引きずりながらラチャダー通りでタクシーを拾う。「時間が有るので下道でいいよ」、と運転手に告げると、「OK、OK!」、と、ホイクアンを右折し、アトリューム・ブテックホテル前の細い道を抜けてラマ9に出る。良く道を知っている運転手に当たったようだ。

 ホイクアンからものの25分程度でスワンナブーム空港に到着し、料金は203バーツ。道を良く知っていたので、ご褒美にチップを含め230バーツを手渡す。バンコクで性格の良いタクシー運転手に当ると端数の3バーツは要らないという事もある。この場合210バーツを渡すと10バーツを返してくるのだ。だが、この運転手は、ワイをして素直に受け取った。

 時間はまだ18時半。20時半のエアーアジア便なので、国内線にしては早すぎる空港到着だ。前回エアーアジアでは超過荷物で苦い目にあったので、重そうな荷物は手提げバッグに移し、リミットぎりぎりの14.6Kg。エアーアジアはネゴが通用しない航空会社で、預け入れ荷物が重量オーバーすると、しゃかりきになってチャージする様だ。

 チェックインをして1階のクーポン食堂で空腹を満たし搭乗ゲートへ行こう、と企んでいたが、チェックイン後に手渡されるシートを見るとボーディングタイムは19時5分となっている。「これじゃ飯を食っている時間が無い」、では腹が承知しない。ダッシュして1階に降り定番のカオパット(タイ風焼き飯)とパッタイ(タイ風焼きそば)を掻き込み出発ゲートに取って返す。

 搭乗ゲートには指定時間間際に到着。既に待合室には乗客が溢れており、どうして皆早くチェックイン出来たのか疑問を感じる。一説によると予定時間を前後して出発する便の乗客にはメールか電話で連絡があるらしいが、私にはなかった。次回からタイの携帯の番号も記入して予約しようっと。

 ほぼ待たされる事も無く搭乗が始まり、チェンライ着は予定の1時間強前。遅れる事で定評のあるエアーアジアでも、早着が有る事に驚いたフライトだ。

 こんな時に限ってバッグが先頭でレーンに出てきた。こんな時と言うのは、飛行機が早く着いたので、いつもは出口でプラカードを掲げて待っているホテルの迎車係員が一人もいなかったのだ。私の泊まるホテルの迎車は無いが、顔見知りのワンカムホテルの係員に100バーツを掴ませて同乗させて貰うのがパターンなのだ。

 チェンライ空港は、個人旅行者にとって空港のレンターカー屋が運営するタクシーで移動するしか手段が無く、あとは機内で知り合いになったタイ人を迎えに来た車に同乗させて貰うかだ。空港に向かうのは、街中を走るミニソンテウ、ツクツクで向かう手は有るが、空港にはこれらは待っていないのだ。

 空港の建物の外で待っていると寒い。同じタイなのにバンコクとは大違いだ。勿論この寒さは経験しており織り込み済みだ。ウィンドブレーカーをはおり、暫くホテルバンを待っていた。

 1時間も早く着いたので当初の到着時間まで待てば来るだろうが、時間がもったいないので、タクシーでホテルに向かう事にする。レンターカー屋に行くと、車の大半が出払っておりボロ車が1台残っているだけだと言う。到着した乗客は全て姿を消し、寂しくなった空港で取り残されるのは辛い事も有り、ボロ車で了解しホテルに向かった。200バーツ及びチップ20バーツ。

 ホテルは、友人に予約して貰ったスターブライトホテルだ。本音はJHCのホテルバーゲンで2,900円均一にリストアップされていたワンカムホテルが希望だったが、訪タイを決断した段階では既に完売だったので、泣く泣くの選択だ。

 ネットで候補ホテルを探し、友人に何回もメールで相談してのスターブライトホテルだが、ポイントは立地である。手頃な価格のホテルはチェンライ市内には結構有るが希望するナイトバザール徒歩圏では限られており、設備からは少し高いかと感じたが当ホテルに決定した。

 ワンカムホテルから徒歩1分のスターブライトホテルに到着すると、まだ21時過ぎだと言うのにフロントロビーを兼ねたレストランの灯は落とされ真っ暗だ。それでも玄関の扉は開いており、恐る恐る中に入ると初老のオヤジがノソッと姿を表す。予約してある旨を告げると聞いていない模様で、あちこちに電話をし始めた。何本かの電話の後、確認が取れたようで、ようやく鍵を渡してくれた。事前に分かっていたがエレベーターが無く、オヤジがバッグを担いで3階の部屋に案内してくれる。

 このホテルはアメリカ人の経営らしく。今流行りのブディクホテルの先駆け的存在で7室しかなく、ゲストハウスをホテルに改造した感じだ。一応改装された部屋は広めで、キングサイズベッド、金庫、冷蔵庫、バスタブなどホテルの体を成しているが、いかんせん建物自体が古い。それで一泊1,300バーツ、プラス朝食が一人100バーツには正直首を傾げる価格設定だ。ただ、立地最優先で選んだので納得ずくだ。

 朝、友人がやって来てホテルで朝食を摂る。他に客はいない。フロント係兼ボーイがメニューを持ってきた。アメリカンブレックファーストが175バーツ、コンチネンタルブレックファスートが150バーツ、タイスタイルが75バーツとある。これを宿泊者からは1人100バーツで自由に選択させるのだ。朝食後、部屋に案内すると、突然「ホテルを替えようよ!」、と言い出した。「でもここを4泊分予約しているんだよ」、と私は難色を示す。すると「お金は払ったの」、と尋ねてきた。そうだ、昨夜は宿直のおじさんだったので、まだ宿泊料は払っていないのだ。「まだだよ」、と答えると、「じゃ大丈夫、ホテルを探しに行こ」、と手を引っ張られ近くの旅行代理店へ。

 ワンカムホテルが良いと言うので、そこで尋ねてみると1700バーツと言う。他の代理店を当っても概ね同様だ。「フーン」、と頷いた友人に、そうだ、ワンカムのカラオケ屋の上だったら安く泊まれる事を思い出す。そこで直接ホテルに訊いてみる事にする。

 「1000バーツでいいと言っているよ、カラオケ上の2階の部屋はうるさいので少し安いみたい、普段なら900バーツだけれど、今は特別料金で1000バーツなんだって」、と告げる。今より安くなるし朝食もたらふく食べられる。後はスターブライトホテルのキャンセルをフロントに告げるだけだ。告げに行くと、嫌な顔をされたが無事にキャンセル成功。1泊分の1500バーツを支払いワンカムホテルに引越しを敢行する。引越しを「宿替え」って言うけれど、こんなケースがルーツなのだろうか?

 ホテルでは、旧交のあるメーバーン達を捕まえ、バカ話に興じる。前回「日本から腕時計を買ってきてくれ!」、と言われていたが無論買ってきていない。それを覚えていた様で激しく追求を受けるが、とぼけまくりチョン。

 そうこうしていると、夕食時間。少し空腹を覚え、友人に、「メシを食いに行こうか?」、と誘うが、矢張予想通り、「まだお腹空いていないよ、9時になったら行こうね」、と我慢を強いる発言を投げかける。その間、得意の古式だ。周辺の店は2時間200バーツ。古式三昧なのだ。

 そして9時になり、食事に行く事にする。食事と言っても、レストランに行く身分ではなくナイトバザールの食堂だ。私は空腹を満たせば、それでOKなのでカオパット・クン(タイ風エビ入り焼き飯)とエビの天ぷら。友人に「何を食べる?」、と訊くと、「まだお腹減っていないよう、だから何もいらない」、と。どうせ私が食べているのを見て、私の食べ物にちょっかいを出し、その内「私も何か買ってくるう」、と言うに決まっている。

 「席を取っておく」、と言う友人を残して屋台に行き目的の物を買ってきた。席に戻ると、友人は視線を遠くの方に投げ掛けている。その視線の先を見ると、寿司の屋台だ。「寿司を食べたいの?」、と訊くと、「少しなら食べてもいいよ」、とようやく食欲を示し始めた。取りあえず私が代表して買いに行く。一つ10バーツと言う。日本の様に2個1じゃ無いのだ。友人の好きそうな物を10個程買い、席に戻る。寿司の小ささをカバーするためかガリをアホ程たっぷりと小鉢入りの醤油を付けてくれる。

 買ってきた中に鰻があり、鰻は初めてだったらしく友人は手を出さない。「これが一番美味しいよ」、と教えるとようやく箸をつけ、「美味しい♪」、と満面の笑みを浮かべる。私も一口マグロを食べてみたが、まあまあだ。ガリも美味かった。ペロッと平らげた友人はまだ物足りなさそう。すると、「あそこにマートークン(タイ風エビ入りさつま揚げ)が売っている。あれがいい!」、と言い出す。訊いてみると、今までナイトバザールには無かったらしい。そこで、その店に出向き、女の子に訊いてみると、「無い!」、と応える。陳列を見ても無いようだ。友人に「無いみたい」、と告げると「上の看板に書いてあるもん、あなたの発音がトムヤムクンに聞こえたんじゃない」、と茶化す。再度行っても同じ結果だったので、その足で寿司を再度買いに行く。友人も「不味い」、と言わなかたので、合格なのだろう。その証拠に翌日、外出の帰りに「寿司を買って帰る」、と言い出しその寿司屋台に付き合わされる羽目に。

 その時は、ホテルに帰り、それを冷蔵庫に入れようとする。「明日食べるんだよ」、と言う友人に、「寿司は時間を置いたらダメだよ。それに冷蔵庫にいれたらパサパサになるよ」、と教える。「フーン、そうなんだ」、と素直にデスクの上に置き、「少ししたら食べるね」、と。

 その後、友人を部屋に残し古式に行くが、帰ってきたらものの見事に全部平らげていた。余程腹が減っていたのか、美味しかったのであろう。

 そうだ、もう一つ安い部屋にはデメリットがあった。安い部屋は、2階の大宴会場のロビーを横切っていかなければ部屋には行けない構造になっている。結婚披露宴、各種パーティ、集会用に供される施設で、大概のホテルでは収益の柱である。

 この施設でワンカム2日目の夜、パーティが開催された。何のパーティかは分からないが、100名を超える若者がドレスアップして三々五々集まって来た。女の子はモデル並みの娘が多数おり、ファッションもトンでいる。パーティ開始まで若者がロビーを占領し壮観だ。その中をオヤジが若者を掻き分け部屋に戻るには相当勇気がいる。

 ところで、昔はワンカムホテルにもMPがあったらしい。ホテルと風呂屋は設備が似通っているので、簡単に改造、改装が出来るのだろう。友人達と行った旧クレオパテラ変身ホテルにバイキングを食べに行った時にも話題になった。ホイクアンのHIPホテルもそうだ。

 まあ、色々あったが、チェンライではワンカムかウアンインが今のところベストと認識した今回のホテル選びであった。


旅行の満足度
4.5
観光
3.0
ホテル
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
タクシー 徒歩 飛行機
航空会社
エアアジアX
旅行の手配内容
個別手配

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  • スターブライトホテル

    スターブライトホテル

  • ナイトバザールは朝はこんな感じ(パホンヨーテン通りに向かって)

    ナイトバザールは朝はこんな感じ(パホンヨーテン通りに向かって)

  • ナイトバザールは朝はこんな感じ(バスターミナルから)

    ナイトバザールは朝はこんな感じ(バスターミナルから)

  • 旧バスターミナル

    旧バスターミナル

  • ワンカムホテル

    ワンカムホテル

  • ワンカムホテルの看板

    ワンカムホテルの看板

  • この古いホテルは、こうすれば鍵がなくても通電します

    この古いホテルは、こうすれば鍵がなくても通電します

  • タイでもクリスマスの飾りつけ

    タイでもクリスマスの飾りつけ

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