2012/04/19 - 2012/04/21
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ちゃおさん
最初にこの仏塔、五重塔を見た時の感動は忘れられない。初冬の日暮れ時、霧雨のような秋雨が時折ぱらぱらと木立を揺らし、その木立の向こうに、黒々とした五重塔が立っていた。無言と言うか、静寂の中に。この塔が京都最古の木造建造物というだけではない。応仁の大乱に境内の堂宇はことごとく灰燼に帰したが、この五重塔のみは、災禍を免れ、今日眼前に静かに立っている。国内の幾つかの五重塔を見てきたが、この塔ほどどっしりとし、安定感があり、高く、且つ堂々とした塔はなかった。最初に見た時の感動はそれだったかも知れない。
その後、桜の時期に来た時は、桜に見とれ、この塔自体の存在感も薄れてしまっていた。今日は桜がない。この塔が主人公だ。門柱と違って、近寄って粗肌の木地に触ることは出来ないが、だが、遠くからでもその感触は分かるような気がする。・・何を語りかけてくるのか・・。その言葉は分からない。自分で受けるしかない。しかし最初に見た時と違って、今日はインスピレーションも働かない。レシーバーが低下しているのは、歳のせいかも知れないが・・。
塔をゆっくり左回りに回る。又もう一度今度は右回りに回る。湿った地面の感触が気持ち良い。1200年前の比丘、比丘尼もこうして堂々巡りをしたのだろうか・・。秀吉の大茶会の時は、各大名にはそんな余裕はなかった筈だ。神仏そっちのけで、護摩スリに奔走していただろう。お茶という当時にあっては最も高尚な芸、文化の場に於いてすら、自身の立身出世、栄達に汲々としていたに違いない。いやいや違う。利休が大徳寺の言い掛かりで切腹させられてからまだ数年も経っていなかった。歴史にもしもはないが、もしこの時利休が生きていたら、どんな茶会になっていただろう・・。
先へ急ごう。いつまでもこの塔と語らっていても詮が無い。足腰の弱った下肢を引きずるようにして弁天堂に向かった。
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