春の韓国ひとり旅Ⅵ： 安東（アンドン）⇒嶺東線（Ωループ・３段スイッチバック）の旅～道溪（トゲ）

2012/04/07 - 2012/04/13

嶺東線の桶里～道溪間は、３段スイッチバックとΩ(オメガ)ループで、30‰（1000分の30）の急勾配を行く、韓国きっての山越え区間であるが、今年の6月には東柏山駅から道渓駅までの区間をループ型にして繋ぐソラントンネルが開通し、輸送の支障となるスイッチバックとオメガループ線を廃線にする予定である。（トンネルは貫通しているが、道渓付近の工事が遅れており、開業は2012年6月ごろになる見込み。それと同時に東栢山～道渓間の旧線と、その上にある桶里・深浦里・興田・羅漢亭の4駅は廃止される予定）
X東栢山駅1.3kmー○桶里駅3.1kmーX深浦里信号場7.7kmーX興田駅4kmー○羅漢亭駅1.5kmー○道渓駅
（現在旅客列車が停車する駅は○表示、停車しない駅はX表示）

今のうちに乗っておかねばもう乗れない、折角の機会だからと格別鉄道ファンでもないけど乗って見ることにした。


【旅行日程】
　4/7 (土)境港⇒東海(トンヘ)港＝DBSクルーズフェリー乗船
　4/8 (日)東海(トンヘ)⇒三陟(サムチョク)⇒浦項(ポハン)⇒九龍浦(クリョンポ)
　4/9 (月)九龍浦(クリョンポ)⇔虎尾岬(ホミゴ)⇒慶州(キョンジュ)
　4/10(火)慶州(キョンジュ)＝１日シティーツアー
　4/11(水)慶州(キョンジュ)⇒安東(アンドン)⇔河回村(ハフェマウル）
★4/12(木)安東(アンドン)⇒道溪(トゲ)⇒三陟(サムチョク)⇒東海(トン　ヘ)港
　4/13(金)⇒境港着

【レート】　10000円≒135100ｗ(4月8日両替時）

エリア 三陟(韓国)

• 同行者: 一人旅
• 交通手段: 鉄道 タクシー

安東駅に向かう旅人が3人。

おそらく同じ列車に乗り合わせる韓国の人たちだろう。

安東(アンドン)⇒道溪(トゲ)の乗車券。9000w。

安東(アンドン)発、8時11分の江陵(カンヌン)行き(列車番号1672)は3番線みたいです。

10分前ですが改札を通ります。

やって来ましたムグンファ(日本の急行)1672号です。

車両とプラットホームの間は、これだけの隙間があります。

老人・子供にはちょっと危ない！

車内はガラガラ。

隣の車両は、自販機コーナー兼展望車両(？)になっている。。

利用はしなかったが、自販機は便利ですね！

目的の道溪(トゲ)までは3時間。

1672番のムグンファ号は安東から栄州(ヨンジュ)までは中央線(チュンアンソン)。
栄州からは嶺東線(ヨンドンソン)に入って行きます。

車窓からの景色は、のどかで美しく見飽きることはありません。

洞門も見えました。

列車は次第に標高を上げていきます。

鐵岩(チョラム)駅。

そこで見かけた石炭列車。

日本では、もう10年も前に石炭の歴史は終えたというのに・・・。

石炭は韓国唯一の昔からあるエナジー資源。

原発離れという世界的な傾向から、これからはますます見直されるはずです。

韓国のお墓も見えました。

土がこんもりと盛り上がっていて、まるで古墳のミニ版を見るようです。
ここらへんは、今でも土葬でしょうか？

今回の旅行ではバスの中からも度々見かけましたが、あっと言う間に通り過ぎてしまい、中々カメラに収めることができませんでした。

列車は標高７８０ｍの桶里(トンリ)駅を過ぎ、Ωループやスイッチバックで太白山脈を下って行きます。

この地図からすると、2つのΩ(オメガ)ループと3段のスイッチバックを通ります。

今年6月には新路線に切り替わり、Ωループやスイッチバックもなくなりトンネルの中を通るそうです。


眼下にはこれから通る線路が見えるが、写真ではよくわかりませんね。

トンネルを幾つか越えながら、右に左に曲がりながらループ線を下ります。

Ωループに入ったようです。

ほんの一瞬でしたが「美人瀑布」も見ることが出来ました。

深浦里(シンポリ)の信号所。

２つのΩループを下り大分高度を下げたところに位置します。

スイッチバックの中心興田駅(廃駅)はもうすぐです。

後ほどこの岩山の近くから、今と反対にΩループを走る列車を見ることになります。

下方に線路が、反対車線ではありません。
嶺東線は単線です。

興田駅で一旦停止し、先ほどは下方に見えたこの右側の線路にバックして進入するのです。

展望車両から写しました。

興田駅に停車。

この駅は廃駅になっていて今は信号所のようです。

しかしこのような係員が数人いました。

興田駅で停止後、反対方面に1.5Kmのスイッチバック線を下り羅漢亭駅に向かいます。

今度は左側に線路が見えます。

先ほど通った線路でしょうか、これから通る線路でしょうか？
何だか頭がこんがらがってきました(笑)

下方にトンネルらしきものが見えます。

オヤ？
反対方向から列車が登って来ました。

KORAILのダイヤには載っていません。
臨時列車のようです。

ムグンファ1672号より上級列車らしく、羅漢亭(ナハンジョン)駅ではスレ違いのためこちらの方が待っていました。

Ωループ・スイッチバック路線廃止前の観光列車かも知れません。

羅漢亭駅は時刻表に載っていません。
信号所と記されていています。

ムグンファ1672号は再び方向転換をして終着の江陵(カンヌン)方面に向かいます。

嶺東線、道溪(トゲ)駅に着きました。

降りたのは僕を含めて５人ほど。

線路を横断するにも階段がないので楽です。

だが・・このハラボジ(おじいちゃん)・・・さも当たり前のように 駅員を呼び止め荷物を持たせました。(笑)

日本では中々見かけない・・・。これも儒教の発達した韓国ならではの情景かも知れませんね？

道溪駅の時計。

臨時列車とのスレ違い待ちのためか到着は１０分遅れたようです。

道溪駅。

こじんまりとしていますが新しい建物です。

駅前の街並みまでも、こじんまりとしていてきれいです。

普通、駅近には数件はあるモーテルらしきものは、古びたそれらしきものを１軒見かけただけでした。

採掘した石炭を下ろすためのインクライン。

こういうのも今回初めて見ました。

道溪の町の住宅。

家が川の方にせり出していて、つっかえ棒がしてあります。
狭い土地の有効利用でしょうか？

１時間20000wでタクシーをチャーター。
スイッチバックが見える所に案内してもらいました。

運転手さんは韓国語オンリーの人で、日本語オンリーの僕とのコミニュケーションは身振り手振りで(笑)。

タクシーは国道から山道に入ります。

行き止まりまで行きます。

こんな看板がありましたが、何と書いてあるか全然わかりません。
こういう時身振り手振りでは現在地を聞くことも出来ませんね。
せめてGPS機能の付いたカメラなら何とか分かるのだが・・・。
多分興田信号所の手前付近だと思います。

近くには監視所みたいなのもありました。

ここには30分ばかりいましたが、その間監視員さんは、ただ立っているばかりでした。

滑り止めの砂の入った袋でしょうか？

上方を見上げると石炭車が通過していました。

２重連の機関車が押しているようです。

５分もすると今度は客車が下りてきます。

２つの列車は興田駅ですれ違ったのでしょうか？

時刻からすると客車はムグンファ1631号かも知れません。

興田駅で方向転換のため線路を乗り換え、今度は反対進行で下の線路を通るのです。
列車に乗っているよりイメージが掴めます。

３分すると目の前に現れました。

右の方にチラッと運転手さんが写っていますよ！

機関車は最後尾です。

１０分ほどすると貨物車が道溪方面からやって来ました。

目の前を２重連の機関車が押しているのを見るとすごい迫力です。

力強い唸り音をあげながら通り過ぎて行きました。

運転手さんに促され、もう１ヶ所のビューポイントへと下ります。

道路の勾配は写真で見るよりきついです。

タクシーは山道を下った後、国道を桶里方面に走りました。

車窓からさっき見た貨物車が見えました。

まさかこれを追っかけていたとは思いませんでした。

連れて行かれたのは「深浦里」。

汽車の車窓から見えた「美人瀑布」のあるところです。

ここからあの目印の岩山が近くに見えました。

列車の中で見るより雄大に見えます。

踏切もあります。

１時間前には僕も、ムグンファ1672号でここを通過しているのです。

踏切の右方面は、急カーブの線路。
Ωループかも知れません。

言葉の通じない運転手さんには聞けないから、想像するしかありません。

咲きほどの貨物列車がΩループを力強く登っていくのが見えました。

１日に８本の嶺東線で、こんなに見れるとは思ってもいませんでした。

道溪への帰り線路の込み入っている所が見えました。
スイッチバックの起点羅漢亭でしょう。

運転手さんは写真を取りやすいところでタクシーを止めてくれました。

もう少し運転手さんと会話ができたら正確なところが分かるけど・・・。
それでもポイントは押さえてくれていたようでした。

列車に乗って通過するだけでは分からないダイナミックさを見ることで実感できました。
ただ動画ならもっとそれを表現できるでしょう。

この旅行記へのコメント （2）

• こんぱすさん 2012/06/02 12:18:54

  帰省予定です。

  韓国でもあまり人の行かない航路、コースのようですね。　多くの人がだいたい同じ所へばっかり・・・という傾向のようで。
  韓国へは、ソウル空港へ３回乗り換えただけで１回も入国していません。
  短い期間でも行けれるようになればと思っています。
  不整脈の薬を飲んでいる状態ですし、最近はその他の所もガタがきている感じですので・・どうなりますか。
  ６月９日に叔母さんにも来て頂ける法事に出る予定です。　多少不安がありますが、ゆっくり一般道を通って車で帰るつもりです。　元来飲めない酒は全く避けてますが、少し立ち寄るかもしれません。
  

  りょしゅうさん からの返信 2012/06/02 15:12:28

  RE: 帰省予定です。

  > 韓国でもあまり人の行かない航路、コースのようですね。　多くの人がだいたい同じ所へばっかり・・・という傾向のようで。
  > 韓国へは、ソウル空港へ３回乗り換えただけで１回も入国していません。
  > 短い期間でも行けれるようになればと思っています。
  
  スサノオは新羅からきたと日本書紀は言っています。これはどういうことを意味するのか・・・？出雲人なら痛切に考えさせられるものがあります。
  今回の旅行はそういう思いから思い立ちました。
  
  > 不整脈の薬を飲んでいる状態ですし、最近はその他の所もガタがきている感じですので・・どうなりますか。
  
  僕も医者から言われ４種類の薬を飲んでいます。これは治す薬ではなく維持する薬だと思っています。この年になるともう諦めが先になりますね（笑）
  僕の知り合いの人で９０歳を超えてから富士登山を思いたった人がいます。その人に負けないように、お互いに元気を出して頑張りましょう！人生のゴールはまだまだ先です。
  
  > ６月９日に叔母さんにも来て頂ける法事に出る予定です。　多少不安がありますが、ゆっくり一般道を通って車で帰るつもりです。　元来飲めない酒は全く避けてますが、少し立ち寄るかもしれません。
  >
  
  お会いできる日を楽しみにしています。積もる話はその時に！！
  
  　　　　　　　　　りょしゅう