2012/05/13 - 2012/05/13
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仙台・荒浜地区を後にし、私が次に向かったのが3千人を超す死者・行方不明者を出した宮城県石巻市。最も代表的な被災地とされるこの町を、被害、復旧、復興の各方面から探っていきたいと思います。
**情報は2012年5月のもの。
== 東日本大震災 被災地10ヶ所めぐり ==
その1 - 仙台滞在、荒浜地区、松島町
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10670277/
その2 - 石巻市、門脇小学校 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10670285/
その3 - 女川町、大川小学校
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10670287/
その4 - 南三陸町、大谷海岸、気仙沼市
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10670289/
その5 - 陸前高田市、大船渡市、釜石市
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10670292/
更新:
2013/05/10 - ストリートビューへのリンク追加
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[目次]
石巻 - 概要
中洲
日和山公園
被災地区の眺め
門脇小学校
- 校内の様子
- 火災の跡
- 無傷の教室
- 屋上
ガレキ仮置き場
魚市場
復興商店街
まとめ
写真: 黄色の線- 高速経由。緑色の線 - 一般道の一例。ピンクの点 - 下から荒浜、仙台、松島、石巻。 -
[石巻 - 概要]
石巻は仙台から北東約50キロの位置にあります。ルートによりますが、所要時間は70分-100分程度。今回訪問した被災地の中では比較的アクセスが良く、仙台市から直通バスが毎時2-3本(90分、800円)出ています。
石巻市は牡鹿半島まで含む大きな町ということもあり、3735人もの死者及び行方不明者を出しました。これは全犠牲者の5分の1に相当する数で、震災で最も被害を受けた自治体になります。犠牲者/人口の割合は約2.3%。今回訪問したのは全体の一部に過ぎませんが、そのインパクトは十分すぎるものがありました。
地図: 水色 - 被害の大きい地域。ピンクの点 - 下から魚市場、日本製紙、門脇小学校、日和山公園、石ノ森萬画館、駅前ふれあい商店街。
参考:
犠牲者の数と人口に対する割合:
- http://www.isobesatoshi.com/data/sisya-eastjapan.html -
石巻市内に着いたのは夜の8時頃。適当に大きなコンビニを見つけて車内泊することにします。なぜだか知りませんが、東北地方の街道沿いのコンビニはどこも駐車スペースたっぷり。何の罪悪感もなく一泊させてもらいました。車内泊とはいえ寝床はフルフラット(ちょっと斜めに寝ますが..)。高速バスよりぐっすり眠れます。この時期、朝4時半にはもう空も明るくなっているので、早朝から行動開始です。
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[中洲]
石巻は他の被災地と比べ、多少「観光地」としての側面があります。そのひとつは中州にある石ノ森萬画館(写真)。その名の通り、石ノ森章太郎氏の作品をテーマにした漫画の博物館です。彼は石巻から50キロほど北にある石森町(現在の登米市)で生まれました。
駅からここまでの道は「石巻マンガロード」と呼ばれ、仮面ライダーやサイボーグ009などの石ノ森作品のキャラが道沿いに設置されています。そう、駅前商店街の振興に一役買っているわけです。
石ノ森萬画館: http://www.man-bow.com/manga/
石巻周辺の観光スポット:
http://ishinomaki-photo.blogspot.jp/2012/04/10.html -
さらに、このマンガ館の向かいには130年の歴史をもつ旧ハリストス正教会があります(写真右)。日本最古の木造教会のひとつで、市所有の有形文化財に指定されています。
旧北上川を逆上してきた津波はこの中州も襲い、これら2つの建物に大きな打撃を与えました。マンガ館は現在閉鎖中で、営業再開のめどは立っていません。ニュース報道によると、石巻市が萬画館の復旧に7億5000万円投入するとかしないとか。 -
一方、となりの教会は建物全体が工事用の防護ネットで囲まれ、被害の状況がよくわかりません。一応、「旧ハリストス正教会堂 応急保存プロジェクト」という活動が進行しており、期間限定で教会のライトアップなどを行なっていました(写真)。こちらも、所有者である石巻市が復旧をサポートする予定。個人的には、ライトアップより先に、倒壊して野ざらしになっている案内看板をまずなんとかすべきだと思うのですが..。
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この中州を河口側に進むと、なぜか自由の女神が出てきます。恐らくここに公園があったのでしょう。女神像の下半身部分は崩れ落ち、像を支える中の柱が露出したままになっています。
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[日和山公園]
駅のある市の中心部と海側のエリアの間には、日和山という丘陵地があり、その一部が公園(写真)となっています。この日和山公園は桜の名所としても有名です。高い場所にあるため、中州側と海側の景色を望むことができます。公園の無料駐車所に車を止めて、行ってみましょう。 -
これがさきほど紹介した中洲の眺め。2,3の建物と道路を除き、何も残っていません。
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こちらが海側にある南浜町の眺め。石巻で一番被害が大きかったエリアです。残念ながら木が邪魔で、被災地全体を見渡すことはできません。
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[被災地区の眺め]
それでは、海側の被災地区(南浜町+門脇町)に行ってみることにします。まずは日和山のすぐ手前にある門脇(かどのわき)小学校へ。この学校を選んだ理由は..特にありません。アクセスしやすいからです。 -
この学校の周りには墓地がたくさんあります。向かって左側の墓地から日和山のに続く階段(写真)は、住民の避難ルート。日和山があるお陰で多くの人が救われました。この道かどうかは不明ですが、門脇小の生徒達も、津波が来る前に日和山公園に避難してます。
そこから見た津波の映像:
- http://www.youtube.com/watch?v=RLgP3nmpaRc -
また、この場所は被災地域を見渡すのに絶好のポイント。そこからの眺めはこんな感じです。被災面積は荒浜地区の数倍あるかもしれません。さて、この焦土のようなエリアには、以前何があったのでしょうか。グーグルマップなどで出てくる店舗名などを見て初めて確認できる次第です。
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石巻は比較的大きな町のため、このエリアにも生き残った大きな建物がいくつかあります。海を正面に見て左手側に市民病院、さらに右手側にかなり大きな日本製紙の工場(写真)があります。製紙工場は普通に稼働していますが、完全復旧にはまだ少し時間がかかるとのことです。
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[門脇小学校 - 校内の様子]
次に、門脇小学校を詳しく見てみます。校舎は崩壊していませんが、火災で建物の右半分と三階部分が黒焦げになっています。紅白で長渕剛がライブ中継をしたのはここの校庭。なんとなく見覚えがあるのではないでしょうか。ちなみに福山雅治がコンサートを行ったのは駅から1キロほど北にある住吉中学校。シンディローパーが訪問したのは石巻市立大街道小学校。どうも、被災地の中で石巻ばかり注目されている気がするのですが、気のせいでしょうか。もっと被害の大きかった学校は他にもあります。 -
まずは、校舎の右隣にある体育館へ。床の奥側半分にゴミが溜まってますが、それほど大きな破損はないように見えます。二階通路に掲げられた「6年生思い出たくさんありがとう」の張り紙(写真右)は、二文字を除いてそのまま残っています。
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次に校舎の中へ。立ち入り禁止の注意書きがありますが、ドアやガラス類がすべて吹き飛んでいるため、簡単に中に入れてしまいます。実際、内部を撮影したブログが多数存在します。
玄関を入りまず気になったのが、下駄箱に残された数人分の靴。推測ですが、室内履きのまま避難したので、そのまま放置されているのだと思います。もしくは持ち主不明の忘れ物。 -
一階の廊下を進むと、すぐに職員室があります。もともと物が多いこともあって、室内には机、ドア、キャビネットにコピー機などが散乱しています。室内は津波で無茶苦茶になっているのですが、すぐ後ろの廊下に貼られた表彰状の類はそのまま残っています。ですので、津波の勢いはここで食い止められたと考えられます。
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[門脇小学校 - 火災の跡]
一方、職員室の隣の部屋は火災で丸焦げになっており、廊下側の壁も支柱を残して焼け落ちています。 -
その焼け焦げた部屋に石油ストーブが転がっていました(写真)。季節はまだ寒い3月。まさかこれが発火原因では...ありません。門脇小の火災は、学校に避難してきた住民の車が津波でぶつかり合って発火したものとされています。
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教室のある二階に上がってみます。「危険 - 火災による高温で強度が極端に低下しています。」の注意書きが示す通り、天井側はやや危険な感じ。
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机や椅子は金属部分だけが残り、机の上の板は灰になって教科書入れの部分に溜まります。床板や黒板も燃え尽き、金属と非金属の違いが鮮明です。
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[門脇小学校 - 無傷の教室]
火災にあったのは1,2階の右半分と3階だけ。二階の左半分は窓ガラスが少々割れている程度で、ほぼ無傷です(写真)。先の燃えた教室と比べると、信じがたいコントラストです。 -
被害の少ないこれらの5つの教室は、すべて低学年のクラス。「ひばりの2組」の教室では、お別れ会の準備が行われていたようです。でもお別れ会って一体..。誰かが転校する予定だったのかな。
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2年2組の教室では、お絵かきの絵がそのまま残っていました(写真)。それほど危険な状態でもないのに、これらの忘れ物を取りに来たり、職員室を整理したりしないのはなぜでしょう。学校側が立ち入らないように口を酸っぱくして言っているのかもしれません。
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[門脇小学校 - 屋上]
三階を見学した後、屋上に登ります。こちらは日和山側の眺め。廊下でつながれた後ろの校舎はほぼ無傷です。でも、これは津波が来なかったということではありません。少なくとも一階部分には波が回り込んでいたでしょう。 -
これが海側の眺め。海岸まで数百メートルの距離です。この学校は避難誘導がうまくいったため、学校に取り残された人はいませんでした。もしいたら、ここから迫りくる津波を見たことになります。
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学校から海岸まで5−6ブロック程度ですが、震災前はぎっしりと家屋で埋まっていました。この写真は職員室前に飾られていた開校130周年記念の空中撮影。この校舎の再開がないとすれば、この学校の長い歴史は140年記念を前にして、大きく変わることになります。
写真: 中央左上が門脇小学校。その斜め上にあるのが、日和山の上にある石巻市立女子高。学校に近いほう(左側)が門脇町で、海に近いほう(右側)が南浜町になります。 -
[ガレキ仮置き場]
海岸の方をよく見ると、ガレキの山が丘のように連なっているのがわかります。学校を出てあちらの方に行ってみます。 -
ガレキは海岸沿いの道路に沿って積み上げられていました。これらはもちろん、津波で流された家屋などの残骸で、木片、布切れ、マット、プラスチックなど様々。
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そのガレキの山のすぐ隣に、被災した車が積み上げられています。軽く数百台はあるでしょうか。ガレキの仮置き場は今回たくさん見てきましたが、これほど整然と並べられた場所はここだけです。
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まさに廃車の回廊。これとは別に、原型をとどめていない車体だけを集めた場所もあります。一般のガレキと違い、車は持ち主を特定できるパーソナルな廃棄物。運転中に流されたドライバーも少なくありません。それゆえ、無視できない重苦しさを感じるのでした。
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[魚市場]
石巻といえば漁業の町。続いて魚市場に行ってみることにします。海岸沿いの道路を東に進んで行くと橋があり、これが魚市場への近道。この橋のそばにも、まるで埋立地のような巨大なガレキの山があります。
さて、魚市場ですが元気に営業していました。建物は完全に修復したわけではありませんが、使用に問題はありません。 -
朝7時頃訪問。セリの真っ最中です。
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鯛、タコ、カニ、それにマンボウのような魚がセリにかけられていました。原発の問題などで一時はどうなるかと思われた東北の漁業ですが、少しづつ回復に向かっているようです。
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[復興商店街]
最後に駅前にある復興商店街を訪問してみます。駅の西側にある市営の「60分無料」パーキングに駐車した後、徒歩で向かいます。駅前には百貨店だった場所(写真)に石巻市役所が入居しています。
話が逸れますが、駅周辺に女子高生の多いこと多いこと。石巻女子とその敷地を間借りしている石巻女子商があるため、朝の8時頃、通行人の約8割は女子高生です。マンガ・ストリートならぬ女子高ストリートです。 -
駅から100メートルほど南に歩いたところに石巻街道(398号線)があり、道の両側に地元の商店街が並んでいます。その一角、かつて有料駐車場だった場所にひっそりと「石巻立町復興ふれあい商店街」という名の復興商店街が営業しています。つまり、普通の商店街の中に「仮設」商店街があるわけです。
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ここには20軒ほどの店舗が入居しています。この石巻街道沿いの商店街は日和山の後ろにあるため、海に面したエリアや川沿いの店舗ほど、津波の直撃を受けたわけではありません。それでも津波で店舗部分が壊され、営業再開できずにいる店も多くあります。そうした中、仮設とはいえ近場で店を開くことができるのは、実にすばらしいことです。近い将来、石ノ森萬画館が再開し、この商店街も震災以前の元気を取り戻すのを願ってやみません。
今回、このサイトを参考にして、被災地の復興商店街を数多く訪問しました。
http://fukkouganba.blog.fc2.com/ -
[まとめ]
震災後の石巻の様子は、グーグルマップのストリートビューで詳しく見ることができます(リンク集を参照)。2011年夏頃のやや古い画像ですが、今と大きく変わらないようです。もちろん、ストリートビューが表示するのは道路沿いの景色だけ。魚市場の活気も廃墟と化した学校内部の様子もわかりません。
ネットが発達し便利になった今でも、リアルで現地に赴くことの大切さは変わりません。そう考えると、今回の「被災地10ヶ所巡り」は実に意味のある旅なんだなー、と改めて思うわけです。 -
[リンク集]
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==震災関連 動画==
日和山の上から見た津波
http://www.youtube.com/watch?v=RLgP3nmpaRc
==ストリートビュー(2011年7月)==
門脇小学校
http://goo.gl/maps/jAp5c
石ノ森萬画館と旧ハリストス正教会堂
http://goo.gl/maps/wq6Kn
半壊の自由の女神
http://goo.gl/maps/bSbKa
海岸沿いのガレキ仮置き場
http://goo.gl/maps/2IEYq
廃車の回廊
http://goo.gl/maps/v0dCL
石巻市役所と仮面ライダーの像
http://goo.gl/maps/pM6VV
石巻街道 (仮設商店街はまだ有料パーキングのまま)
http://goo.gl/maps/qBvFW
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