歴史と芸術をワイン尽くしで楽しむ旅①　‐まずはバルセロナで酔う－

2012/05/01 - 2012/05/09

家族がスペインのマラガで結婚式を挙げることになった。
そう聞かされたのが４か月前。
初めての海外挙式参列、初めてのスペイン。

計画を練って練って練りまくり、家族と過ごすの半分、一人旅半分で、この旅を決行した。

５月１日　成田→バルセロナ
５月２日　バルセロナ
５月３日　バルセロナ→コルドバ
５月４日　コルドバ→マラガ
５月５日　マラガ
５月６日　マラガ（グラナダ観光）
５月７日　マラガ→マドリッド
５月８日　マドリッド→
５月９日　→成田

まずはバルセロナから。
バルセロナと言えばガウディ！
モデルニスモ！
時を重ねて深く、あるいは進化する建築群の数々は、本当に夢のような空間だった。

エリア バルセロナ(スペイン)

• 旅行の満足度: 4.5
• 観光: 4.5
• ホテル: 4.5
• グルメ: 4.0
• ショッピング: 4.0
• 交通: 4.5

• 同行者: 一人旅
• 一人あたり費用: 20万円 - 25万円
• 交通手段: 鉄道 高速・路線バス タクシー 徒歩
• 航空会社: ルフトハンザドイツ航空
• 旅行の手配内容: 個別手配

私をスペインまで連れて行ってくれるのは、大好きルフトハンザ。
ゴールデンウィーク半ばからの出発で空席もたくさんあり、フライトはかなり快適だった。

今のところ、スペインまでの直行便はない。
私はフランクフルトで乗り継ぎ。

フランクフルトまで10〜11時間。
フランクフルトからバルセロナまでは約２時間。

乗り継ぎ時間を入れて、計15時間くらいの移動。

さて、バルセロナ空港に着きましたよ。
ドキドキ…

空港でスーツケースを開けて、手荷物を中へ。
ほぼ手ぶらで空港を出る。スリ対策。

到着日がメーデーで少し心配してたけど、19時の時点で、交通は普通に機能していた。

空港から街までは空港バス（aerobus）で。
5.65ユーロ。

私の目的地カタルーニャ広場までは、約30分。

吟味に吟味を重ねたホテル。
こちらはカタルーニャ広場から徒歩５分もかからない。
ウルキオナオナ駅に激近で、カタルーニャ音楽堂からも近い。

Hotel Fontanella
http://www.hostalfontanella.com/index.php

googleマップで前もって確認していたけど、たしかに入り口がわかりづらい…
それもそのはず、大きなビルの１フロアがホテルで、半分が家族の居住スペース、半分をホテルとして貸しているというスタイル。

昼はこの重厚なドアも空いているのだけれど、19時くらいから閉まってしまう。右側にあるインターホンを押して、鍵を開けてもらう。
でもレセプションは24時間やっているので、深夜に帰ってきても普通に開けてくれる。

そして重厚な扉をあけると、このレトロなエレベーター。
ステキ！

シングルルームは50ユーロ前後。
この部屋はトイレ・シャワー共有だけど、もちろん付いている部屋もある。

インテリアがいちいちカワイイ。
口コミでは狭いと書いてあったけど、90Ｌのスーツケースを広げるスペースも十分あった。

荷物を置いて身軽になったら、そのままお散歩。
この時点で19時くらい。

５月の夜は長い。

まずは王の広場とカテドラル。
中に入れるのは19時までで、外側のみ観賞。
この周囲はパフォーマーも多くて、おそらくスリも多い。

警戒するけど、浮かれる気持ちが抑えられない。

すぐ近くに、落書きのようなピカソの壁画。
なんでこんな可愛くしちゃったんだ。
…好き！

カテドラルを抜けるとサン・ジャウマ広場へ。
街灯がオシャレ。

近くのカフェでフルーツジュースの試飲をしていた。
美味しかったので、この日の夕食はこちらで。
サンドイッチなどは、この窯で温めてくれる。

フォカッチャ（大）とマンゴーとか何かのジュース（大）。

大きいのしかないという、スペイン食の洗礼をいきなり受ける。
8.65ユーロ。

この日は健康食だったなー。

この後、サンタ・マリア・デル・ピ教会でのコンサートに直行しようと思ってたのが、うっかり道に迷う…。

地図を見てもどこかわからない、でもタクシーに乗る距離でもないように思える。こうなりゃ歩いてやろうじゃん、おなかもいっぱいだし！ということで、ひたすら思った道を歩いた結果、わかりやすいコロンブスの塔に。

向かう方向は真逆だけれど、なんだか心強い。

ここまで来ればもう簡単。
ランブラス通りへ。

20時半くらい。
時間のせいか、メーデーのせいか、お店はぼちぼち閉まってた。
お土産屋さんとか、レストランはやってたけど。

せっかくなので、レイアール広場へ。
こちらの街灯は、ガウディの処女作だとか。

にぎわってたなあ。

そしてミロのモザイク。
ここはもう、常に人通りがある感じ。
大きいモザイクなので、全体像を見るのも難しい。

yoga catとyoga dog

さー20分遅れでサンタ・マリア・デル・ピ教会へ。
20分遅れたのに、始まってなかったよ！
でももちろん、いい席はとれず…

この日はギターのカルテット。
ロマンチックな曲あり、熱い曲あり、小芝居ありの、すばらしいステージだった。
そして夜の教会っていうのもステキ。

この日のパンフ。

この日の〆は、サクラダファミリア！

この大聖堂はランドマークであり、あこがれであり、旅の一つの目的でもあった。
内部も見たいけど、ライトアップも見たい！
ということで、23時をまわっていたけど一人で見に行くことに。

地下鉄の駅を上がったら、すぐにこの姿が！

近くで見たい衝動をこらえ、生誕のファサード側に位置するガウディ広場へ。
生誕のファサードはマップで東側。

正直、０時近くにこの広場に入るのは多少勇気がいる。

と思ったら、池の周りにはカメラ持ちがいっぱいいた。
カップルで来てても、どっちかがカメラを持っていて、一人がベンチで待っているという姿が多かった。

ああでもない、こうでもないとしながら、場所をゆずりあい、交代しながら、それぞれ写真を撮りまくる。

それにしても、ああ、まぶしい…

ガウディ広場の池は、まさに水鏡。

今度は少し近くから。
ううん…夜でもはっきり見える彫刻の数々。

耐えられなくなって、柵にへばりついて彫刻をじっくり見る。

羊飼いの礼拝。

こちらは反対側、犠牲のファサード。

生誕のファサードより、ライトダウンしてあるけど、それでもこの迫力。

ヴェロニカに、

ユダの裏切りのキス。

すぐ近くには数字版。こちらは縦・横・斜め、どこを足しても33になる。キリストの死亡した年齢。


犠牲のファサードは直線的で硬質な印象だけど、見ごたえがある。

ケチな私は帰りも地下鉄で。
深夜はガラッガラ。

２日目、この日もまずはサクラダファミリアへ。

出遅れて９時。
着いたらさすがの行列で、まずは付近のバルで朝食を調達。
バケットにトマトを塗りこんだパン・コン・トマテに、生ハムをたっぷりはさんだサンドを購入。

カウンターにあるのを指さしたら、わざわざ新しいのを作ってくれた。

列に並びながらサンドイッチを頬張り、待つこと30分。
思っていたよりは早かった。朝だったから？

とにかく犠牲のファサードから入場。
入場料が13ユーロで、エレベーターが３ユーロ。

入り口の「福音の扉」には新約聖書の一部が。

圧巻。
高く伸びる柱、降り注ぐ光、白い壁に映るステンドグラス…一瞬で世界が変わる。

光の音が聞こえるみたい。

はまっているステンドグラスは、まだ一部。
なのに、この美しさ。
時間や光の強さでゆらぐ、変わる。

祭壇とは反対側。

どこを向いても感覚を支配されるような空間。

そして天井。
規則的にはめられた、タイルの一枚一枚まで美しい。

それにしても天井だっていうのに、この明るさはどういうことなの。

たっぷり内部を見学したら、エレベーターの予約時間にぴったり。
私は犠牲のファサードでチケットを購入したので、犠牲のファサード側のエレベーターに。

バルセロナの街を一望。
この町の区画って、ホントに完成されてる。

そしてこの世界遺産は、名実ともに工事中なんだな。

帰りはときどき外を見ながら、らせん階段を利用。
高さのせいか、運動不足のせいか、足がフルフル…

工事中。

ステンドグラスがはまっていない窓。

広いらせん階段が終わると、今度はせまいらせん階段に。

夜は柵越しにしか見ることができなかった彫刻をじっくり。
羊飼いの礼拝には、ちゃんと羊も犬もいるのね。

嬰児虐待と、エジプトへ逃れるマリアとキリスト。

柱を支えるカメ。

上からはカエルちゃん。

地下の資料館では建物の構造や、作業の様子がうかがえる。

この建物を出るのは惜しいけど、時間も惜しい！

再びガウディ広場からサクラダファミリアを。
やっぱり水鏡は夜がキレイだ。

次に向かうのはこちら。
サクラダファミリアから斜めに伸びる道を、まっすぐ歩く。
10分弱かな。

サン・パウ病院！
こちらはモンタネールの作品。

中を見るにはガイドツアーに参加するしかないので、外観のみ。
でも、外観だけでもステキ！

サン・パウ病院の横から92番バスに乗って、次に行くのはグエル公園。
バスによるみたいだけど、このバスは車内に次の停留所の表示もないし、アナウンスもなかった。
でも、乗客が「グエル公園？次で降りなさい」って教えてくれる。

この日は天気が最高に良かったので、公園からさらに登って、高台へ。

バルセロナ一望！
遠くに海、そしてサクラダファミリアが見える。

ここらで地元の人にペッタリくっつかれる。
スリではなく、過剰なスキンシップに…

若い人はね、「脈ないな」と思ったら、すっと引く人が多いんだけど、歳を重ねるとね、しつこくなっちゃうんですかね…

ナンパを必死に振り切って、あの有名な広場へ。

モザイクのベンチは延々続いて、二重十字架と溶け込んで、いい感じ。

後ろから見てもかわいいモザイクベンチ。

グエル公園は見どころたくさん。
前も後ろも、右も左も、上も下も、見逃せない所がたくさん。
観光でちょっと訪れるだけにはもったなかったな。

公園の東から正面に向かって下っていくと、いっそうの人ごみ。
もしや…

トカゲ！

もう、とにかく人が群がっている。
人がいなくなったすきに、私も一枚。

そして最後に振り返ると、公園の正面入り口。
この集合住宅が実現していたら、どんな家が建ったんだろう。

うう〜モザイクかわいい！

グエル公園を出て、レセップス駅まで歩く。
こんな坂を、よくみんな歩いてくるな…と思いながら。
惰弱な私は地下鉄とバスを利用しまくる。

さて、レセップス駅からリセウ駅へ。
私が行った中で、リセウ駅だけは、やたらステキだった。

昨日の夜も来た、ランブラス通りへ。
球根も売ってる。

12時まわって訪れたのはサン・ジョセップ市場。
通称ボケリア。

炎天下を歩いてのどがカラカラなので、とりあえずはフルーツジュースのスタンドへ。
カラフル♪

最初に飲むのはサングリア！
1.5ユーロ。

暑かったので一気飲み。すぐに２杯目に。

飲み物片手にブラブラ。
こちらはチョコレートの専門店。
１個から買える。
とにかく「エスト　ウノ　ポルファボール（これ１個ください）」と言いまくる。
けど、１個じゃ足りないしね〜色々買っちゃうよね。

買ってきたチョコ。
かわいい＞おいしい
まずくはないけど。

バラはマジパンで中を固めてあった。

キノコ専門店。

野菜とフルーツ。

ハム専門店。

ものすごく多い魚屋さん。
魚売りながら、おばちゃん達がさくさく捌いてる。

揚げもの屋さん。
魚介の揚げものが多かったかな。

卵専門店。すごい種類！

スパイス専門店。

キッチン用品店のお姉さん。
キッチン用品は、かわいくて面白いものが多かった。

スタイリッシュで、しかも使えるものっていいよね。

キッチン用品店で購入。
マッチのライター。
でかい！うふふw

ボケリアを出て、ランブラス通りを南下する途中、テラス席のレストランでは、みんなデカビールや、デカワインがサーブされている。
その誘惑に勝てるかっての…

ランチはガッツリデカビールと魚介のパスタ。
パスタは湯で過ぎ感満載で、別においしくもないんだけど、魚介はたっぷりで、どれもおいしい。

おなかが（本当に…）いっぱいになったら、再び歩き出しましょ。
前日に迷ってたどり着いたコロンブスの広場。
下では周囲をライオンちゃん達が守ってる。

目印にはなるし、ポーズはかっこいいし。
コロンブスの塔は、やたら写真を撮ってきた。

コロンブス通りは遊歩道になってる。
ここら辺からバスに乗ろうと思ってたけど、この気候、そしてビールとパスタでおなかいっぱいなので、ブラブラ歩くことに。

ごきげんなロブスター。
昆虫ぽい。

バルセロナは大型犬と一緒に歩いてる人が多かった。
みんなお利口さんで、リードいらずの子も多い。

とっとこ歩いて向かったのは、絶対行きたかったチョコレート博物館！

インフォメーションでチケット購入。4.3ユーロ。
こちらのチケットはチョコレート♪

館内はチョコレートの歴史や、チョコレートで作られたオブジェが並んでいる。
バルセロナで相当時間があるか、チョコレートに異常に興味がある人が行けばいいと思う。

ただしそれは入場するかどうかの話。

入場しなくてもショップとカフェは利用できるので、時間があったら、このホットチョコレートを是非！
小さいのが1.65ユーロ。

高級なチョコレート感はないけれど、とにかく美味しい。
アクというか、癖というか、角を上手くならしたような。悪く言えば平坦な、よく言えばなめらかなホットチョコレート。
暑い日こそ飲みたい。

あと、スペインで出てくるチョコレートは、基本、そんなに甘くない。50〜70％のものが主流で出てきた。
日本の、いわゆる30％くらいのミルクチョコレートよりも食べやすいし飲みやすい。
平たく言うと、すごく好き。

チョコレート博物館で買ったもの。
チョコレート味のジンと、キャンドル。

キャンドルはチョコレートの甘い香りがいっぱいで、思わず舐めてしまいそう。

だいぶ重たくなった荷物をいったんホテルにおいて、次はカサ・ミラへ。
ここも地下鉄で行こうと思ってたけど、結局歩く。
このあたりの観光スポットは、ほとんど歩いて廻ることができる。

カサ・ミラは15ユーロ。
並んでいたら諦めようと思ってたけど、17時くらいに行ったら、10分くらいしか並ばなかった。

まずはテラスを見学するために、階段をひたすらのぼる…

もー飽きた！と思ったころに、テラスへ。
いい…このテラスはいい！

飽きないわ〜色々見ちゃうし、のんびりしたい…でも、足元には気をつけて。

テラスを降りて、屋根裏は、クジラの背骨に支えられているような感覚。

色んな部屋を見ることができる。

玄関ホールに戻ってくると、中庭に。

全ての部屋が中庭に面している。
それにしてもよく晴れてた。

次は、すごく楽しみにしてたカサ・バトリョ！
18.15ユーロ。

高い…と思ってたけど、オーディオガイドを無料で貸してくれるので、逆にお得な気分に。

ここも18時くらいに行ったら全然並ばなかった。

玄関ホール。
背骨のような階段。

美しい…
なんて美しい階段なの。

写真で情報収集していた以上の柔らかさと温かい空気感。

ど派手なシャンデリアと、個性的なシャンデリア。

大通りに面した部屋の、涼しげなステンドグラス。

効果的な換気と採光システム。

得意の屋根裏アーチ。

こちらの煙突もステキ！

床のタイルもいちいちステキ。

この日最後の観光は、カタルーニャ音楽堂。
ここもめちゃくちゃ楽しみにしてた！

じっくり楽しみたかったので、夜のコンサートを日本でネット予約。
当日、プリントアウトした予約票を持っていくと、チケットに交換してくれる。
この日はピアノコンサートで、安い３階席をチョイス。
館内のステンドグラスや彫刻を見るには、そっちがいいんじゃないかと思ったもので。
この読みは大正解。
もちろん、コンサートも楽しめるように、３階席だけど、一番前の席をキープ。

外の柱。
なんなの！かわいい！

もうひとつ楽しみだったのが、こちらのバル。
こちらはチケットがなくても楽しむことができる。

現金の持ち合わせがなかったのでカード払い…と思ったら、ミニマムチャージが15ユーロからで、最初っからワインを２杯注文する。
これでぴったり15ユーロ。
他のバルよりは割高。でもお上品なピンチョスでおいしいの、これ！

手前からマッシュルームのマリネ、
ドライトマトとクリームチーズ
生ハム山もり、
イワシのマリネ

イワシが最高に美味しかった。

そして館内、コンサート。

昼のガイドツアーでは、写真撮影は堅く禁止されているそう。
まあ、本当は夜もダメなんでしょうが。
夜は普通にみんな、フラッシュたいて写真をとっている。
もちろん、コンサート中はダメだけれど。

そして３階席の恩恵が！
素晴らしいステンドグラスに、柱のモザイク、舞台を飾る彫刻の数々は、本当に時間を忘れてうっとり、じっくり鑑賞できた。

この日は、この人のコンサートだった。
素晴らしかったよ。

３日目、バルセロナのホテルをチェックアウト。
ホテルのおかあさんには、色々良くしてもらった。

こちらのわんこちゃん。
全く吠えもせず、呼ぶまで来ず、呼んだらおなかを見せて「なでて、なでて！」となつっこい子。

地下鉄でサンツ駅まで行くか悩んだけど、スーツケースが重いので、やっぱりタクシーで。
カタルーニャ広場からサンツ駅まで8.5ユーロ。

サンツ駅。
これでバルセロナとはさようなら。

さあ、次はいよいよ期待のAVEに乗ってコルドバへ。