2012/03/16 - 2012/03/22
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Tatsuoさん
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3月の南仏は木々に緑の若葉が芽吹き、桜やアーモンドも咲きほこって、もう春。そんな中、古代ローマの遺跡をたどります。
実際にそばでこの目で見ると、想像していた以上に巨大で強固でものすごい迫力。2000年前に作られたことが信じられないほどです。
【1】アヴィニョンへ
>【2】オランジュの古代劇場とニーム闘技場
【3】ポン・デュ・ガールとリュベロン
【4】アルプスのトロフィー
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【2】いよいよ今回の目的である古代ローマ遺跡です。
オランジュでは劇場、ニームでは闘技場を、じっくり時間をかけて堪能します。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
オランジュのローマ劇場~かつての姿を残す劇場(フランス)
http://roman-ruins.com/orange/
オランジュ凱旋門ーローマ軍団のエンブレムが描かれた浮き彫りが残る凱旋門(フランス)
http://roman-ruins.com/orange_triumphal_arch/
メゾン・カレ~南仏ニームの白く美しい神殿(フランス)
http://roman-ruins.com/maison-carree/
南仏ニームのカステルム・アクアエ~水道の分水施設(フランス)
http://roman-ruins.com/nimes-castellum/
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【1】3/16(金)成田
(21:55発 エールフランス277便)=
3/17(土)パリ=(TGV)
=アヴィニョン【泊】
>【2】3/18(日)オランジュ=ニーム
【アヴィニョン泊】
【3】3/19(月)アヴィニョン
=ポン・デュ・ガール=ゴルド
=エクス・アン・プロヴァンス【泊】
【4】3/20(火)
エクス・アン・プロヴァンス=カシ
=ラ・チュルビー=エズ【泊】
3/21(水)エズ=ニース=(TGV)
=パリ(エールフランス278便)
3/22(木)=成田
- 旅行の満足度
- 4.5
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 5.0
- グルメ
- 4.5
- 交通
- 5.0
- 交通手段
- レンタカー
- 航空会社
- エールフランス
- 旅行の手配内容
- 個別手配
-
今日はローマ遺跡巡りの日。
ホテルの中庭に面したガラス天井のテラスで朝食。
朝からとても爽快な気分です。
ただ残念なことに曇り空です。Mercure Pont D' Avignon Centre Hotel ホテル
-
オランジュ、ポン・デュ・ガール、ニーム、アルルと回る予定。
少し強行軍です。
9:10にアヴィニョンを出発。GPSに従ってローヌ川の西側に渡り、オランジュに向かいます。
GPSで有料道路を避ける検索をしてしまったようで、一般道を右折・左折を繰り返し、ところどころ少し狭い道も通りながら遠回りして行くことになってしまいました。本当はアヴィニョンの東側の高速で行くのが近かったようです。
ただ、おかげで道路脇の畑に咲き誇るアーモンドを見ながらドライブ。頭上高く高架橋を走るTGVも見ることができました。
少し余計に時間がかかり、1時間かけて10:10頃オランジュに到着。
古代劇場の近くの地下駐車場に車を止めます。
オランジュは古代ローマにとって、アルルから始まるガリアへの道の途中にある都市です。
地上に出ると建物越しに古代劇場がそびえているのが見えます。
思ったよりかなりでかい! -
舞台背後の壁の外側を通って劇場の入り口に向かいます。
近くで見上げるとさらに大きさを実感します。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
オランジュのローマ劇場~かつての姿を残す劇場(フランス)
http://roman-ruins.com/orange/ -
イチオシ
入り口で無料の音声ガイドを借りて、舞台の下手(左手)から入場です。
すると左手、舞台の背後に巨大な、まさに巨大な壁がそびえ立っているのに圧倒されます。
なんと高さ37m、12階建てのマンションに相当する、とんでもない高さ。
劇場は各地に数多く残っていますが、壁がこんなにきれいに残っているのは珍しいことです。
壁の中央上部にあるのは、この劇場が作られた時の皇帝、ローマ帝国初代皇帝アウグストゥスの大理石像。
この像は1951年と比較的最近に地中から見つかったもので、権威のある研究者の発案でここに置いた、という説明でした。本当にここに置いてあったかはわからないということでしょうか。
皇帝像は首が外せるようになっていて、皇帝が変わるとすげ替えていたそうです。
ローマというのはこういうところが妙に現実的で、現代と同じ匂いを感じます。
でもアウグストゥスの顔のままということは、すぐに埋もれたということでしょうか。
いろいろ謎が残ります。
今いる一番下はアリーナで、ローマでは貴族など一番身分の高い人が陣取った場所です。 -
観客席から舞台を見下ろします。
巨大です。収容人員は1万人ほどと考えられているそうです。
劇場の外に街並みを見渡せます。見下ろす感じが高さを実感させます。
属州の一都市にある劇場がこの立派さであることに、生活の豊かさが象徴的に現れていて、ローマの凄さを感じます。
客席は上に行くほど身分が低い人の席になっていたそうです。
客席の石段はほとんどが最近復元したもので、オリジナルが残るのは下の方の僅かな部分だけ。そこには文字が書いてある、との説明ですがわかりませんでした。
中世にはこの中にたくさんの人が住んでいたとのこと。壁と岩山に囲まれて防備は抜群です。ローマ滅亡後、ゲルマン人やイスラム教徒が侵入する物騒な時代が続いたことを物語ります。オランジュの古代劇場 建造物
-
オランジュについたときにぱらつき始めた雨が、土砂降りになってしまいました。
かつては布で屋根がかけられていましたが、今はありません。
しかたなく観客席の裏側の通路で雨宿りします。
先程まで10人ほどいた観光客たちも雨宿りなのかいなくなってしまいました。
南仏でもこんな雨が降るのですね。
なんとなく傘をさすほどの雨は降らないのかと思っていました。
一向にやむ気配がないので、雨に濡れながら見物します。
ここの音声ガイドはとても分かりやすいので、じっくり聞いて堪能します。 -
劇場の客席部分の傾斜は裏手の岩山を利用したもの。
岩山の反対側にも遺跡があります。用途は不明ですが神殿か市ではないかとのこと。 -
劇場から北に行くと凱旋門があります。
相変わらずの雨。
プロバンス地方はかなり早く紀元前121年にはローマに征服され、「ガリア・トランサルピナ」と呼ばれる、元老院が統治する属州となっていました。
スペインに向かうドミティア街道沿いのアルルから、ローヌ川沿いに北のガリアの中心地リヨンに向かう「アグリッパ街道」が、ここオランジュを通っていました。
凱旋門はその道の上に、紀元前20年ころに建てられたもの。
現代ではこの道は国道N7号線で、パリからイタリア国境までをつないでいます。
道路は上下線が両側に分かれて凱旋門を迂回しています。
凱旋門の下は大雨で水たまりになっていてくぐれません。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
オランジュ凱旋門ーローマ軍団のエンブレムが描かれた浮き彫りが残る凱旋門(フランス)
http://roman-ruins.com/orange_triumphal_arch/オランジュの凱旋門 建造物
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レリーフがはっきりと残っています。
縄が巻きつけられた柱や船の舳先のような物が見えます。
アウグストゥスのアクティウムの海戦でしょうか? -
中央上部の絵は人が戦っている姿。
カエサルのガリア平定? -
13時にオランジュを出発。
高速道路A9にのって一気に南下します。
しかし相変わらずの大雨。
本当は次はポン・デュ・ガールに行くはずでしたが、外での見物になるのでこの雨ではかなりつらそう。明日に回すことにして、ニームまで直行します。 -
「Tavel北サービスエリア」。
ちょうどアヴィニョンに向かう出入口を過ぎた辺りです。
案内板のマークで何があるかわかるのは日本と同じ。
ミシュランの地図だとここは青いガソリンポンプのマーク。地図には他に緑の木のマークもあります。
トイレだけのエリアとここのようにレストランを備えたエリアがあるので、これを区別しているかと思いましたが、マークと対応しているわけでもありません。最後まで地図上のマークの意味はよくわかりませんでした。 -
レストランはセルフサービスのビュッフェ形式。
-
メニューです。
なかなか美味しそう。 -
ケースに並んでいるので、実物を見てから指さして注文できます。
店の人も指で示しながら確認してくれて親切。
言葉がしゃべれなくても困りません。
白身魚を選びました。ソースが薄味でおいしい。 -
シャルル・ド・ゴールTGV駅に続き、ここにも粉でドリップして入れるコーヒーの自動販売機がありました。3台も置いてあります。
みんな珍しそうに買っていたので、フランスでは最近出てきたものなのかもしれません。 -
腹ごしらえをした後、再び高速道路を南下。
雨があがってきました。 -
高速を降り、GPSに従ってニームの中心街に向かいます。
街中は道路が直角に交わっていないので案内された道がどれだかわからず、一方通行が多いので行きたい方向にうまくいけませんが、なんとか北側から闘技場に近づくことができました。
シャルル・ド・ゴール広場の地下に駐車場があるらしいことは調べてあったのですが、広場一帯が工事中で、駐車場の入り口がわかりません。
辺りをぐるぐる回りながら何周もしてしまいましたが、ようやく広場北東側の道に入り口を見つけました。
広いきれいな駐車場です。 -
イチオシ
地上に出ると闘技場はすぐそこ。
闘技場の外観は2層で、とてもきれいな姿で残っています。
ただ3層のローマのコロッセオに比べるとだいぶこじんまりとしています。
やはり首都ローマと属州の都市ではだいぶ差があるのですね。円形闘技場 史跡・遺跡
-
ここのオーディオガイドは効果音も入って臨場感あふれていて、当時の様子が目に浮かぶようでした。
剣闘士の戦いというのはよく思われているイメージとは違って、それほど死ぬことはなかったそうです。
剣闘士が死んだ場合、主催者はその剣闘士が属していた剣闘士学校に保証金を払わなければならなかったので、めったに殺すという判定はしなかったとか。 -
剣闘士の解説があります。
これはトラキア剣闘士。
トラキア人ということなのでしょうが、おそらく実際のトラキア人とはあまり関係なくて、あくまでイメージでつくられたものでしょう。 -
イチオシ
これはレーティアーリウス。「投網剣闘士」です。
なんとほとんど裸で防具も付けず、武器は魚をとる網。
投網をして相手を絡めとるということですね。
ふざけてるんでしょうか?
思い武具をつけた剣闘士より、身軽で意外と強かったようです。 -
これはアルベラス剣闘士。
左手の先に丸い刃の武器がついています。(「Arbelos」という形だそう)
投網剣闘士に対抗するものとして登場した種類で、左手の丸い刃で投網剣闘士の網を切って逃れるのです。
完全にふざけてます。
こうしてみてみると、剣闘士というのはまるで現在のゲームのキャラクターです。
きっと当時の人は、現代人がゲームをするのと同じような感覚で見ていたのではないでしょうか。 -
闘技場の観客席の一番上からニームの街並みを眺めます。
ニームはローマの支配以前からあった街。
スペインに至るローマ街道、ドミティア街道が通っていて、ガリアへのアグリッパ街道が分岐する古代ローマの要衝の街です。
丘の上に建っているのは後で行くマーニュの塔です。
8世紀には一時イスラム教徒に占領されましたが、その痕跡は残っていません。 -
闘技場から北に進むと、古代ローマの神殿、メゾン・カレがあります。
紀元前16年頃の建造だそうですが、ものすごくきれい。
4世紀には教会に転用され、その後も使われ続けたとのこと。
使われ続けたことでこのようにきれいに残ったのでしょう。
この白さは最近の修復で取り戻したようです。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
メゾン・カレ~南仏ニームの白く美しい神殿(フランス)
http://roman-ruins.com/maison-carree/メゾン カレ 史跡・遺跡
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さらに北上して古代の分水場跡に向かいます。
最初場所がわからず、ニーム大学周辺を歩きまわってやっと見つけました。
中世の城塞跡でもある大学の西側の坂道を登ったところ、ちょうど敷地の中央あたりにあるのを見つけました。
向こう側に水が入ってくる口、こちら側に10個の出口が見えます。
街から坂を登ったところにあるので、ここから水圧をかけて配水できたでしょう。
貴族の家、大浴場、庶民が水をくむ街中の水道にうまく配分して、街中に豊富な水が行き渡っていたはずです。
ローマから遠く離れたこの街でも、豊かな生活を送っていたことが想像できます。
※古代ローマ遺跡に興味のある方はぜひ下記のサイトもご覧ください!
南仏ニームのカステルム・アクアエ~水道の分水施設(フランス)
http://roman-ruins.com/nimes-castellum/ -
この水はなんと約50kmも離れたところからやってきていました。
明日行く水道橋ポン・デュ・ガールはこの水道の一部なのです。 -
坂を登って十数分、先程闘技場から見た丘の上のマーニュ塔にやって来ました。
古代ローマの城壁の一部だそうです。
かなり頑丈な城壁だったであろうことがうかがわれます。
17:30を過ぎていたので残念ながら塔には登れませんでした。マーニュの塔 モニュメント・記念碑
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椰子の木に鎖でつながれたワニが描かれたニームの紋章。
アクティウムの海戦を記念した硬貨にちなんだものとのこと。
紋章は町中でいくつかみかけました。
これは闘技場の周辺の車止めのポールです。
6時半過ぎなのでアヴィニョンに戻ることにします。
もともとはこのあとアルルに行く予定でしたがやめました。
アルルにも古代ローマの劇場と闘技場がありますが、もっと保存状態の良いオランジュの劇場とニームの闘技場を、十分に時間をかけて堪能できたので、満足です。
高速A9を戻り、8時過ぎにアヴィニョンに帰りました。円形闘技場 史跡・遺跡
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旅行記グループ 南仏ローマ遺跡をめぐる旅(2012年3月)
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