2011/03/25 - 2011/03/25
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世界攻略者さん
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前半は散々な内容でしたが、気を取り直して先に進みます。ラオスから帰った後、雲南省の東に向かってみると、そこには少数民族の楽園が広がっていました。特に元陽一帯は中国全体で最も民族衣装着用率が高いエリアかもしれません。それがどれほどすごいものなのか、この旅行記を通してご紹介しましょう。
**情報は2011年3月のもの。1人民元=12.3円で計算。
==雲南・少数民族マーケットハンター シリーズ==
その1(麗江、大理、景洪、モンフン、西定、ムアンシン) <==
http://4travel.jp/travelogue/10573334
その2(緑春、元陽、老孟、ハニ族、イ族、ミャオ族)
http://4travel.jp/travelogue/10640369
その3(金平、サパ、バクハー、紅頭ヤオ族、黒モン族、花モン族)
http://4travel.jp/travelogue/10640488
==元陽関係==
[雲南] 元陽棚田トレック 全4作
http://4travel.jp/travelogue/10551785
==中国少数民族==
貴州省 ミャオ族・トン族 全5作
http://4travel.jp/travelogue/10524183
変更:
2014/09/07 写真拡大
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[目次]
ルート
緑春
元陽
元陽 - 市場巡り
老孟
まとめ -
[ルート]
続いて、少数民族巡りの第二章です。ラオスから中国に戻った後、元陽を目指します。地図上の緑の点が今回訪問した町になります。
緑の点: 左下から緑春、老孟、元陽。 -
[緑春]
いったん景洪に戻った後、雲南の東側へと移動していきます。次の目的地は棚田で有名な元陽。景洪から元陽は道が悪いため、一日では行けません。よって、江城や緑春あたりで一泊することになります。何の期待もなく立ち寄った緑春ですが、これが大当たりでした。
緑春はハニ族の地方都市。街は山の稜線のような場所に位置し、稜線沿いに伸びる一本の長い道が町のメインストリートになっています。この町に来てまず驚くのが民族服を着た人の多さ。普通に小奇麗な町の通りを、綺麗に着飾った女性たちが行き来しています(写真)。 -
成人女性の2,3割は民族服を着用しているでしょうか。こう言うと少なく聞こえますが、町のメインストリートは人通りが多く、次から次へと民族衣装に遭遇します。このような民族衣装が現役の町は緑春が初めて。ちょっとしたカルチャーショックを覚えます。
ここの特徴は帽子から垂れた赤や紫の紐飾り(写真)。若い人は赤色、年配の人は紫色を使う傾向があります。残念ながら、民族衣装は帽子とズボンだけで上着は現代服という人が多いのですが、そこに「手抜き」感が感じられないのは、やはり帽子が立派だからでしょうか。 -
これだけ利用者が多い訳なので、街中には普通に民族衣装専門店(写真)があります。左下は例の帽子。
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単に民族衣装の着用率ならば、この後訪問する元陽近郊の方が上かもしれません。この緑春がユニークなのは、町が都会っぽいのに住民が民族服を着ていることです。そして、その着こなしも洗練されています。市場で野菜を売るオバサンも、通りを掃除する清掃員も、靴磨きの女性(写真)も、その職業が不釣合いなほどきれいに着こなしています。
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これは広場で雑談する年配の女性たち。何かの劇団員ではなく、単に近くに住む住民です。広々としたコンクリートの地面と小奇麗な衣装が実にミスマッチです。
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緑春の中で最も民族衣装を見かける場所が、町の中心にある市場。道路を挟んで老百姓農貿市場と緑春商業広場の2つのマーケットが向かい合って建っています。注目は緑春商業広場奥の建物二階にある野菜売り場。自ら育てた野菜を売るオバサン達の民族服着用率はなんと8割以上。今までの市場めぐりは何だったんだ!という感じです。
写真: 野菜売り場の端のグループだけ帽子が違う。 -
中で商売できない人達は、市場入口付近で路上販売します。民族服を来た女性があっちにも、こっちにも。ここでは、これが毎朝繰り広げられるごく普通の風景です。しかも、市場があるのは銀行や商店が立ち並ぶ町の目抜き通り。
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市場の魚屋さん。売り手も買い手もおしゃれな帽子を忘れません。
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[元陽]
緑春で「いい感触」を得た後、次に向かったのが棚田で有名な元陽。緑春からわずか4時間(32元=400円)の距離です。元陽の中心、新街鎮に腰を据え、棚田巡りと平行して少数民族巡りにも精を出しました。
参考: 元陽・棚田トレック 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/ -
元陽県は有名観光地であると同時に、周りは山と田んぼしかないド田舎でもあります。そのせいか、地元の住民も普通に民族衣装を着て生活しています。若い女性や子供らもの着用率も高めです。
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元陽でよく見かけるのは、主にハニ族とイ族。その見分け方ですが、写真のような菱形の布飾りをお尻につけているのがこの辺りのイ族のスタイル。たいてい、膝下が青いジャージ風ズボンを履いています。
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これはイ族のブティック。明るい色と手の込んだ刺繍が特長です。
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こちらはハニ族。イ族と比べややシックな感じが多いようです(子供は例外)。ただし、ハニ族の場合、その居住地や部族の系列によってスタイルがかなり異なります。つい先日訪問した緑春もハニ族です。覚えてますか?
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DVDを漁る若い女性。通学時どういう格好をしているのか気になります。ここまでの写真は新街の定期市で撮ったものですが、普段の日でも民族衣装は普通に見られます。イ族、ハニ族共に、上着を右側で閉じるようなスタイルが一般的です。
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[元陽 - 市場巡り]
とはいえ、元陽に来たからには、定期市巡りをお勧めします。元陽近郊では、毎日のようにどこかで定期市が行われていて、観光客も気軽に見学できます。人が多く集まるため、複数の少数民族をまとめて見られるのが最大の魅力です。さらには、普段街に出てこない山里の人たちに会える数少ないチャンスでもあります。
各定期市のスケジュールは、曜日か干支によって決められており、たいてい、4日に一回、6日に一回、7日に一回のいずれかです。ほとんどの場所へは新街のバスターミナルまたは雲梯順捷酒店前の広場から乗り合いワゴンが出ています。場所により1時間-1時間半程度。 -
主な定期市の場所を赤で表示しました。左から時計回りに、沙拉托、牛角寨、新街、勝村、攀枝花、黄茅嶺、老孟。黄緑の点は著名な棚田。一番左から時計回りに、龍樹覇、チンコウ、霸達、多依樹、猛品
** 元陽近郊の定期市スケジュールはこちらで確認できます。
http://hiroto.kt.fc2.com/yunnanmarket_info2.html -
今回、私が訪問した4つの定期市を紹介してみたいと思います。 最も便利なのは、ほとんどの旅行者が滞在する新街で行われる定期市。頻度は4日に1回。場所は雲梯順捷酒店(旧政府招待所)横から続く坂道を下った先にあります。ここに集まるのは主にハニ族(写真左)とイ族(写真右)の女性達。タイ族やランテン・ヤオ族もたまに見かけます。
露店は長い坂道に沿って並び、買い物カゴを背負った女性たちが階段を昇り降りする様子は絵になります。 -
次に紹介するのが、牛角寨の定期市(4日に1日)。新街から90分ほど悪路を走った先にある大きなマーケットです。運動場のように広い敷地で行われ、大変熱気があります。
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ここに来るのは主にハニ族とイ族。ハニ族の服装は新街と違い、黒に赤い刺繍を入れたものがマジョリティです。日差しが強いので、スカーフの上に帽子をかぶります。
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この蓑のようなマントはシュロでできた雨合羽。荷物を背負う時のクッションにもなる万能の作業ウェアです。さらには、写真のように日傘としても使えます。そうか、その手があったか!
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ずいぶん不便な場所で行われるマーケットですが、ここに来ている客の多くはさらに辺鄙な場所から来ています。トラックで乗りつけ、商品や食料品をまとめ買いしていくグループをいくつか見かけました。他の村人の分まで買っているに違い有りません。こういう事情もあってか、元陽近郊のマーケットは大変活気があるものになっています。
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次に向かったのが、黄茅嶺の土曜市。乗合ワゴンで1時間強。山に囲まれたのどかな市場です。
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ここでは、イ族、ハニ族に加え、ミャオ族とランテンヤオ族の割合が少し増えます。車で1時間も走れば、民族構成もその衣装も変わってしまうのが、市場巡りの面白いところです。写真は、携帯電話会社のキャンペーン(民族ショー)を見る本物の少数民族(ランテンヤオ族)の女性。なんだかシュールです。
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[老孟]
最後に紹介するのが、元陽近郊で最も有名な老孟の日曜市です。乗り合いワゴンで約80分ほど。この場所は、正確には元陽県ではなく、隣の金平県になります。ここはとにかく規模が大きく、マーケットの日には街の大半の道路に店が並びます。 -
老孟の特徴は、スカートをはいたミャオ族が多いこと。他の市場では滅多に見かけません。イ族やハニ族のズボンはジャージのような地味なものが多いため、派手なミャオ族のスカートはちょっと新鮮に映ります。お婆さんまで同じような格好をしているのは、少し違和感ありますが..。
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スカートは原宿辺りで売ってそうなフリル付のペラペラ・スカート。一方、上着は現代服を適当にコーディネート。派手カワイイのはいいのですが、これらはモロ既製服で、手作りの民族服を着ている女性はほとんどいません。とはいえ、みんなが同じようなスカートとすね当て身に着けているという点で、民族衣装の要件は十分満たしていると思われます。これらのすね当ては農作業の怪我防止という本来の目的を離れ、お洒落なハイソックスにしか見えません。
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ここでは、奇抜な頭飾りが特徴的なランテン・ヤオ族(写真)の女性が確実に見られます。他ではたまに見かける程度ですが、老孟では「売り手」でもあるからです。
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この市場にはミャオ族、ハニ族、イ族に加え、ランテン・ヤオ族やタイ族、さらにはアールー族もやってきます。少数民族のバラエティという点では、他の定期市より一歩上です。
写真: このシックなスカートはタイ族でしょう。 -
写真はランテン・ヤオ族とミャオ族の女性。このように、市場のあちこちで、少数民族の異種格闘技戦が行われているのでした。マーケットの規模、民族の豊富さ、アクセスの良さなどを考えると、老孟が雲南No.1の定期市と言って間違いないでしょう。
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[まとめ]
今回の旅を通して、緑春、元陽県、老孟などの魅力的な少数民族タウンに出会うことができました。あっけないほど簡単にリベンジ成功です。「これだけ見ればもう満足」と言いたいところですが、逆に少数民族についての興味が湧いて来ました。いろいろ調べてみると、老孟のある金平県もまた、元陽同様、少数民族で宝庫だということです。
このまま旅を続け、金平県のさらにディープな世界へと進んでいきたいと思います。さらには国境を越えてベトナム北部にも。少数民族を巡る旅はまだまだ続きます。
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
==少数民族関連==
貴州省 ミャオ族・トン族 全5作
http://4travel.jp/travelogue/10524183
中米の民族マーケット 全15作 + 2作
http://4travel.jp/travelogue/10688306
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