2011/02/20 - 2011/02/20
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世界攻略者さん
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雲南省・元陽といえば雄大な棚田の景色で有名です。普通は新街をベースに車で何箇所かある展望台を見て回るのですが、「行って見るだけ」では少々物足りません。そこで、棚田から棚田へのトレッキングに挑戦してみることにしました。
**情報は2011年2月のもの。1人民元=12.3円で計算。
== 元陽棚田トレック シリーズ一覧 ==
① 多依樹で一泊 <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551785/
② 多依樹から猛品へ 山越えウォーク
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551790/
③ チンコウから霸達へ 水路ウォーク
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551794/
④ 霸達から勝村へ、最後に龍樹覇
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10551795/
== 元陽周辺の少数民族 ==
雲南・少数民族マーケットハンター その2 (ハニ族、イ族)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10640369/
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[目次]
棚田トレックのすすめ
多依樹の展望台
多依樹の宿
キノコ屋根の集落
多依樹の日の出
周辺を散策
まとめ -
[棚田トレックのすすめ]
元陽といえば棚田。田んぼに水を張った11月から4月の時期には多くの観光客が景色を求めてやってきます。元陽県新街周辺にはたくさんの見所があります。有名なのを順に挙げると、①猛品の棚田(夕日)、②多依樹の棚田(日の出)、③霸達の棚田(夕日)、④チンコウ民族村と周辺の棚田(いちおう日の出)、⑤龍樹覇(夕日)となります。この他、活気溢れる少数民族マーケット(写真)などもありますが、今回テーマが違うので割愛します。
**新街鎮はチンコウや全福庄も含む広いエリアですが、本文中「新街」という時は、バスターミナルのある中心街を指します。
**元陽周辺の少数民族に関しては、次の旅行記を御覧ください。
雲南・少数民族マーケットハンター その2 (ハニ族、イ族)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10640369/ -
大半の旅行者は、棚田の映える朝日や夕暮れのタイミングを狙って展望台を訪問します。では昼間は何をしているかというと、周辺の村を訪問したり、ホテルで休んだりしているようです。そこで、頑張り屋さんの私は、この日中の時間を利用して棚田から棚田へ歩いて移動してみることにしました。名づけて「元陽・棚田トレック」です。
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ネタ元は、ロンリープラネット・雲南。この本の知名度は今ひとつですが、中国人執筆陣による現在最強の「雲南」ガイドブックです。ただし、この棚田トレッキングについて言えば、情報がかなり雑。試行錯誤を経ながらの旅となりました。それでも、アイデアを提供してくれたことに関しては高く評価していいと思います。
写真: 右からロンプラ中国南西地方(2007、英語版のみ)、ロンプラ雲南(2010、中国語版のみ)。内容は全く別物。 -
コースは2つ。多依樹から猛品へ東西横断するコース。もうひとつは、チンコウ村から霸達を経て勝村まで行くコース。所要時間はそれぞれ、6時間、7時間と書かれていますが、そこまで時間はかかりません。今回、4つの旅行記を通して、これらのトレッキングの様子を紹介したいと思います。
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[多依樹の展望台]
まずは、宿のある新街から乗り合いミニバン(15-20元=200円前後)に乗って、コース1のスタートポイントである多依樹へと向かいます。50分ほど走り、多依樹(ドォーイーシュ)の展望台に到着です。ここから先に見えているいくつかの集落が行政的に「勝村郷多依樹村」に属しています。
展望台(写真)は道路沿いの棚田を見下ろす場所にあります。入場料は30元。私が訪れた二日間はいずれも係員がおらず、無料で入ることができました。どうも、客の少ない時期にはこういうこともあるようです。オフシーズンといっても二月終盤で十分「見ごろ」の時期なのですが..。
**ある著名写真家によると、最良の撮影時期は12月-2月上旬、4/20-5/10, 7/25-8/20だそうです。 -
ここの展望台は3階建てで場所も広く、元陽で一番立派なものです。人が多すぎて棚田が見えないということはないでしょう。カメラマンが多く集まるのは右下にある階段状の展望テラス(写真左)ですが、眺めはたいして変わりません。
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中には休憩ラウンジがあり、お茶を飲んだり、日の出までくつろぐこともできます。 また、ここは地元民族の伝統家具や農作業具などが多数展示されており、ちょっとしたミニ博物館になっています。
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多依樹の棚田は、サイズ、傾斜、距離などのバランスが良く、時間帯を問わずきれいに見ることができます。展望台からみて東側に棚田があり、早朝には北東の谷の奥に雲海が現れます。写真は朝11時頃のもの。
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[多依樹の宿]
タクシーを借り切ることなく多依樹で朝日を見ようとすると、どうしても前日一泊する必要があります。宿は展望台の前後、道路沿いに5,6軒、さらにすぐ近くの普高老寨に2軒ほどあります。この中で人気なのが、普高老寨の端にある陽光客桟(写真右下)。近距離に棚田があり、屋上や一部の部屋は棚田ビューになっています。村の中からではなく、展望台のゲートそばの小道を下っていくとと迷わず到着できます。 -
ここは、いわゆるバックパッカー向けの宿で、ドミトリーがあります。4ベットの部屋(写真)で40元(500円)、二段ベットのドームで30元(370円)。。明るい色の壁、温熱毛布、ハンガー掛け、ベット横のテーブルとコンセントなど、パッカー旅行者のツボをよく抑えています。
中国では、このようなユースホステル風の宿が増えつつあり、大して安くないのが特徴です。この宿で言えば、眺めのいいトイレ付の部屋で180元(2200円)。普通の経済的ホテルとの違いは、ドミトリーとWiFi(この宿はなし)、さらには情報提供と雰囲気でしょうか -
この宿の経営が成立するのも、ここ多依樹が日の出スポットだから。ところで、この宿、チェックインの記帳がありませんでした。早朝、日の出を見に出かけてそのままトンズラしたりする奴はいないんでしょうか。
写真: 屋上からの眺め -
[キノコ屋根の集落]
展望台の右下にいくつか集落が見えています。その中で一番近くにあるのが、キノコ・ハウスの村 - 普高老寨。ほとんどの家の屋根にマッシュルーム風の藁葺き屋根が乗っています。陽光客桟もこの村の中にあるので、やはり、屋根はキノコ風です。
写真: 陽光客桟の屋上から村を見る。 -
夕方、この村に遊びに行ってみました。道路からだと、「普高老寨」と書かれた石碑から下っていくと村に入れます。一見、同じような家が並んでいますが、よく見ると、モダンな家と古い家が共存しています。壁の色はオレンジ色に近い茶色に統一。そういえばこの色、新街の主要ホテルやバスターミナルと同じ系統の色ですが、何か意味があるのでしょうか。
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注目のキノコ屋根は、大半がちょこんと屋上に乗っけてある物置のような感じ。わらの下にはトタン風の屋根が見えているところもあります。この村には整備された広場があり、道案内の標識も設置されています。入場料は取っていないものの、政府による観光振興のお金が入っているのでしょう。
後で調べてみると、農村の貧困救済プロジェクトの一環として、ハニ族伝統家屋の修復プロジェクトが進行中で、チンコウ、大魚塘、普高老寨合わせて380戸がすでに「もとどおり」に修復されたのこと。
写真: 公衆便所までキノコ屋根 -
散策後、宿に戻る途中、道に迷ってしまいました。村から陽光客桟への道が少々わかりにくいのです。近くを通りかかった老人に道を聞くと、なぜか老人は私を家に招待してくれくれました。質問に一言も答えることなく半ば強引に。
意図せずしてキノコハウスの見学です。一見、普通の家のように見えますが、中に入ってみると意外にも山小屋風。大部屋で、小さな収納スペースと三畳ほどの寝室以外に部屋の区切りはありません。家の中心に囲炉裏、奥には大なべがはめられた釜戸と水がめ。壁は日干し煉瓦で、天井はススで真っ黒け。何というか..年季が入っています。 -
老人は「まあ座って座って」と私に夕食まで待つよう薦めてきます。老夫婦だけかと思っていると、その息子や孫らも家を頻繁に出入りしていて大変にぎやか。まさに子沢山、三世代の農村の生活がここにあります。ハニ族は何人まで子供を生めるのでしょう。
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食事は少量の豚肉料理を除いて、老人がさっき田んぼから取ってきた魚やドクダミの茎が中心。あまりおいしくない料理からこの村の貧しさが伺えます。そういえばこの家にはテレビさえありません。外観は同じキノコハウスでも、中は各家さまざまなようです。
老人と息子の三人で、ビールと地酒を飲みながら世間話をします。元陽周辺では、山の奥のほうに行くと、急に普通語が通じなくなることがあります。私も、老人の息子の話している言葉の半分もわかりません。お互いに勘を働かせつつ、子供らの助けを得ながら、なんとなく会話が成立している感じです。
写真: 夕食の魚。水田の中では稚魚が飼われています。 -
陽が暮れたところで宿に戻ることにします。この後、この家を再度訪れることはまずないでしょう。お礼を手渡そうとすると、予想通り、老人達は頑固として受け取りません。そこで、私が持っていた果物を子供らにあげることで、双方の面子を保つことができました。そういえば、このようなもてなしは、雲南の南部に来てからははじめての体験です。北部のような濃い経験をすることはあまりないのです。元陽が海抜1600メートルの高地にあるということが、少しは関係しているのかもしれません。
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[多依樹の日の出]
翌朝、7時に起きて展望台を目指します。宿の前の道をまっすぐ進み、、展望台の下を通って道路に到着です。すでにたくさんのカメラマンが三脚を立ててスタンバっていました。太陽が顔を出すまでは、谷の奥に見える雲海を狙ってシャッターをきります。ここの一眼レフ率は約7-8割。これは何を意味しているかというと、元陽は旅行者に人気というよりは、カメラ愛好者に人気というわけです。
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だんだんと空が明るくなり、7時50分、太陽が山の上から顔を出しました。展望台にシャッター音が鳴り響きます。
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日が高くなるにつれ、で水面の一部が輝き始めました。
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水面の揺れに合わせ、小さな光の粒がキラキラ踊ります。
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日の出を見届けると、まだ十分に明るくなっていないのに、多くの旅行者が帰っていきます。朝食の時間でしょうか。
写真: 奥に見えているのが普高老寨の集落。 -
実際のところ、8時半を過ぎると、眺めはほとんど変化しません。粘っていた撮影旅行の団体も帰りはじめ、9時にはほどんど誰もいなくなりました。
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[周辺を散策]
展望台を後にし、近くをぶらついてみます。道路を新街方向に少し歩いて行くと、宿が一軒、その少し手前に右側に奥の村へ行く小道があります。
写真: 黄色い点 - 左から展望台、ホテル、奥の集落 -
この辺りは木が邪魔な場所が多いものの、棚田を横から見ることができます。流れ込む雲海を横から撮影するのに最適です(写真)。
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道路に戻り、南の集落がある方にで歩いていきます。普高老寨の入り口を過ぎ、次の集落の辺りで、村の方へ降りてみます。キノコハウスがないところを見ると、おそらくこちらが普高の新寨でしょう。
村へと続く道では、農作業に出かける人、水牛の放牧に行く人、荷物を運ぶ人などとすれ違います。すぐそばの観光地とは無縁の、地味な農村の生活が繰り広げられています。 -
休耕期ということもあり道路工事や新しい建物のレンガ運びに従事する人を見かけます。多くは女性で、まじめに、どこか楽しそうに働いています。この地方の立派な棚田の多くは、ハニ族を中心とした地元の人々が作り上げてきたもの。彼らの勤勉さあっての棚田ということを、我々旅行者は忘れがちです。
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道は、村の下にある棚田までつながっています。ここは、展望台から見えていた景色の一部。あの辺りかな..と当りをつけながらあぜ道を歩きます。残念ながら、下まで来てしまうと、角度がないため広大な棚田の眺めは限定的です。
しかしながら、棚田の数の多いこと。21世紀の今でも、田植えから稲刈まですべて村人の手作業で行われます。収穫後、その場で脱穀したコメは担いで村まで運ばなければなりません。軽く数百枚はある田んぼを収穫し終えるまで、何往復することやら。平地の大規模農業と比べ、ものすごいハンディです。彼女らにとっては、レンガ運びなど楽な作業なのかもしれません。 -
[まとめ]
数ある棚田のひとつに過ぎない多依樹ですが、退屈することなく一日過ごせてしまうものです。棚田を上から下から、周辺の村も含めて満喫しました。次はいよいよ猛品へのトレッキングに出発です。続きは次の旅行記で。 -
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?view_mode=list&dmos=os&wide=AS&middle=CN&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=os&wide=&middle=&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&wide=&middle=&sort=when&view_mode=list
==雲南旅行記==
虎跳峡の歩き方 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10523702/
麗江逃票日記 全6+3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/
梅里雪山を巡る旅 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/
瑞麗の向こう側 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/
雲南 少数民族マーケットハンター 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
中国国境のカジノタウン 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573770/
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