2011/03/24 - 2011/03/24
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世界攻略者さん
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中国旅行の楽しみの一つに少数民族めぐりというものがあります。その中心といえるのが多種多様な民族が集まる雲南省。NHKの紀行番組のような素敵な出会いを求めて旅に出ます。
でも実際に行ってみると観光客向けのものばかりで、心から少数民族風情を感じることはまずありません。それじゃ納得できませんよねー。そこで、田舎で開かれる定期市に狙いを定め、こちらから「出会い」に行くことにしました。
**情報は2011年3月のもの。1人民元=12.3円で計算。
==雲南・少数民族マーケットハンター シリーズ==
その1(麗江、大理、景洪、モンフン、西定、ムアンシン) <==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10573334/
その2(緑春、元陽、老孟、ハニ族、イ族、ミャオ族)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10640369/
その3(金平、サパ、バクハー、紅頭ヤオ族、黒モン族、花モン族)
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10640488/
==中国少数民族==
貴州省 ミャオ族・トン族 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10524183/
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[目次]
定期市
ルート
徳欽、シャングリラ、虎跳峡
麗江、大理、昆明
瑞麗、景洪(シーサバンナ)
モンフン、西定
ラオス
ムアンシン - 市場
ルアンナムター - ツーリング
まとめ -
[定期市]
世の中には、少数民族めぐりをテーマに旅する人が少なからずいます。中国で言えば、雲南、貴州、広西あたりが彼らの目的地でしょうか。しかし残念なことに、今の中国で生の民族服を見ることはほとんどありません。
かろうじて期待が持てるのが、田舎で定期的に開かれるマーケットくらい。そこで、雲南省で行われる定期市に狙いを定め、町から町へと移動していくことにしました。名づけて少数民族マーケットハンター。魅力的なマイノリティ・タウンが見つかるまで旅は続きます。
参考: 雲南省 定期市情報
http://hiroto.kt.fc2.com/yunnanmarket_info2.html -
[ルート]
今回旅したルートはこんな感じです。雲南省の北、チベットに程近い徳欽からスタートして、逆時計回りに移動しました。この時の様子を3回に分けてお伝えしていきます。まずは黄色い点を結んだ区間から。雲南省を南北縦断した後、ラオスに攻め込むコースです。
赤い点: 昆明
黄色い点: 上から、徳欽、シャングリラ、虎跳峡、麗江、大理、瑞麗、孟連、西定、モンフン、景洪、ラオス国境(+ ムアンシン、ルアンナムター) -
[徳欽、シャングリラ、虎跳峡]
北から南に旅したこともあり、少数民族との出会いもその順番になります。最初は梅里雪山のある徳欽から。チベット族の多い町ですが、民族服に関して言えばほぼ全滅。かろうじて巡礼者(写真)が着ていたくらいです。
参考: 梅里雪山を巡る旅 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10526168/ -
次に向かった香格里拉(シャングリラ)はさらに都会で、全く期待が持てません。唯一見たのが、宿の集まる古城でひなたぼっこをするチベット族らしきオバサン達(写真)。この町には、漢族に加え、チベット族、リス族、ナシ族、イ族、ペー族もいるはずですが、民族服に関してはこれが精一杯です。
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「雲南省で少数民族めぐり」。私がこのテーマを最初に意識したのは、シャングリラと麗江の間にある虎跳峡を訪れた時でした。トレッキング前日、橋頭の商店街をぶらついていると、エリマキトカゲのような帽子をかぶったイ族の女性(写真)が偶然目に入りました。あっ、本当にいるんだ..。この時の驚きとときめきは今も忘れません。
急に少数民族に興味を持ちだした私ですが、そう簡単に事は運びません。この後、麗江(ナシ族)、大理(ペー族)、シーサパンナ(タイ族)などのメジャー観光地を訪問したものの、少数民族体験という点では失望の連続でした。
参考: 虎跳峡の歩き方 全3作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10523702/ -
[麗江、大理、昆明]
麗江はナシ族の町。一大観光地ということもあり、少数民族風情の演出に抜かりはありません。古城の広場では、白や黄色のスカートと赤いベストを身につけたオバサン達がフォークダンスを踊り、すぐ近くにある束河古鎮では、毎日豪華な民族ショー(写真)が行われます。
参考: 麗江逃票日記 全6作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10527829/ -
しかし、それらの衣装は普段着ではありません。ナシ族のお婆さんたちがよく着ているのは、青い人民帽と青いエプロンの地味な服装(写真)。すこし田舎の村に行けば、ポツポツ見かけます。しかし、この作業着のような格好を民族衣装と呼んでいいのかどうか..ちょっと微妙です。
麗江では、古城内の家庭旅館に宿泊しました。オーナー家族はナシ族でしたが、服装も文化も食べ物も漢族と何ら変わらず。全く得るものなし! -
では、ペー族の町、大理はどうでしょうか。大理は、耳海という大きな湖のほとりにある古風な城下町。この近辺には、古城(三月街)、沙坪、挖色と3つの著名な定期市があります。それぞれ行ってみましたが、赤と白を基調にした民族服を着ている人(写真中央)は、挖色に数人いただけ。いるところにはいるんでしょうが、気軽に会えなければ意味がありません。これらのマーケットは、定期市としては及第点でも、少数民族巡りという点では赤点です。
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この後、省都である昆明には戻らず、西に向かいました。昆明といえば、「雲南民族村」と呼ばれる省内の少数民族を集めたテーマパークや、イ族の女性がガイドしてくれる石林などがあります。行っていないので何とも言えませんが、「商業的」な民族衣装であることは間違いないでしょう。
写真: 大理・沙坪のペー族衣装店。ペー族の場合、伝統服は主にハレの場で着るような印象を受けました。 -
[瑞麗、景洪(シーサバンナ)]
大理から南西に下り、ミャンマーと国境を接する瑞麗までやってきました。この辺りにはタイ族やチンポー族が多く住んでいます。ここでもやはり、普段着の民族衣装を見つけるのは難しく、田舎で腰スカートの女性を確認するのがやっとです。祭り(写真)でもなければ、民族衣装を拝む機会はないでしょう。
参考: 瑞麗の向こう側 全4作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10537955/ -
その後、ミャンマー国境地帯をうろちょろした後、雲南の南端にあるシーサンパンナ・タイ族自治州にやってきました。中国を代表するタイ族エリアで、4月には水かけ祭りで大いに盛り上がります。でもそんなタイ族風情を求めてやって来た人は、州都・景洪の都会っぷりに少し戸惑うことでしょう。
そんな旅行者のために用意されているのが、いわゆる民族村です。景洪近郊のモンハン(ガンランバ)にある泰族園(100元=1230円)では、普通のタイ族の村をそのまま囲ってテーマパーク化しています。ちなみに、そこでの人気アトラクションは、毎日二回開かれる水掛け祭りです(写真)。 -
また、大ホールで踊りのショーも行われます。そこでは、ステージの踊りが終わると、客が気に入ったダンサーに花輪をかけるというカフェーもどきの事が行われていました(写真)。こんなところまでタイ風にしなくても..。私はこんなものを見るために、わざわざ遠くから来た訳ではありません(きっぱり)。
** タイのタイ人と中国のタイ族はちょっと違います。 -
[孟混(モンフン)、西定]
北から南まで移動しておいて、これといった成果なし。小規模な都市はもちろん、かなりの田舎でも民族衣装を見ることは厳しくなっています。やはり、ここは定期市をピンポイントで攻めるしかないようです。幸い、シーサバンナ地区には著名な定期市がいくつかあります。ひとつは孟混(モンフン)の日曜マーケット。アクセスは、景洪からバスで70分、孟海(モンハイ)から20分(6元)。 有名なマーケットですが、見た感じ普通の常設市場で、定期市という感じはしませんでした(写真)。 -
市場では、サロンにスカーフを身につけたタイ族の女性をちらほら見かけます(写真)。でも、タイ族の普段着って地味なんですよねー。ガイドブックによると、この日曜市にはアカ族(ハニ族)やプーラン族、ラフ族などの周辺民族も山から下りてやってくるとのこと。でも、実際には土産物売りのオバサンを含めアカ族を数人見かける程度です。かつての面影はすでになし。どうも、私はモンフンに来るのが10年遅かったようです。
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続いて、ロンプラ一押しの西定の木曜マーケット(写真)へ。アクセスはモンハイから1時間半(13元=160円)。バスの本数が少ないため、朝から見ようとすると一泊必要です。1
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この一帯の住民のほとんどは、アカ族(ハニ族)かプーラン族です。期待して行ったものの、見てわかる民族服を着ているのは、せいぜい2割程度。それも、アカ族の場合、単に赤いスカーフを巻いているだけです。うーん、いまひとつ。
写真:西定のマーケット。赤いスカーフのアカ族と黒いターバンを巻いたプーラン族。 -
モンハイからさらに瑞麗方向に進んだところに、孟連という町があり、ここでも大規模定期市が開かれます。ぜひ行ってみたかったのですが、タイミングが合わず断念しました。マーケットが開かれるのは通常5-7日に一回だけ。この辺りが定期市めぐりの難しいところです。
ガイドブックに載っている定期市でさえ期待はずれの連続。そうなると、より辺鄙な村をピンポイントで攻めるか、気の利いたツアーにでも参加するしか手がありません。と、考えていたところに妙案が浮かびました。民族衣装が急速に廃れていったのは、中国の発展に関係しているかもしれません。もしそうだとすれば、より貧しいお隣のラオスでは、まだ昔の伝統が残っている可能性があります。幸い、ラオスは景洪のすぐ南。一発逆転を求めて、ラオスに向かうことにしました。ちょっとルール破りですが..。
写真: 西定の定期市。雰囲気は悪くありません。 -
[ラオス]
ラオス北部も雲南同様、少数民族で有名です。その拠点はルアンナムターとムアンシン。景洪からバスやワゴンを乗り継いでいけば、午後にはルアンナムターに到着できるでしょう。数は少ないですが、景洪や孟拉(モンラー)から直通バスも出ています。
参考: ラオス・中国国境のカジノタウン
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10574274/ -
ルアンナムターに到着してみると、やはり中国とは少し雰囲気が違います。街も人ものんびりしており、女子学生の制服はサロン・スカート(写真上)。期待が高まりますが、実際には中国同様、民族衣装を来ている人はほとんどいません。土産物売りのアカ族のオバサンくらいです。
ある時、派手な服装の一団を見つけました(写真)。おっ、これは...と思いましたが、単に結婚披露宴の帰りでした。やはり、ラオスでも少数民族は自分から会いに行くしかないようです。 -
[ムアンシン - 市場]
ルアンナムターとムアンシンには常設の農作物市場があります。前者の方は普通の市場ですが、ムアンシンの方(写真)は外国人も訪れる「少数民族・見学」スポットとされています。 -
さっそく、ムアンシンの朝市に行ってみました。大変、活気のあるマーケットなのですが、わかりやすい民族服を着ていたのは、ほんの数人だけ。
写真: 銀の頭飾りをつけたアカ族。 -
こちらは、火災した隣の市場でゴミを漁る女性。派手な被り物で身元がバレバレです。でも私には何族かわかりません。何という腹立たしさ!
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[ルアンナムター - ツーリング]
市場はちょっと消化不良でした。もっと本格的に少数民族めぐりをしようとすると、近郊の村々を回ることになります。移動方法は、ツアーならワゴンやトレッキング、個人なら自転車かバイクが可能です。道路の通じた村が多いので、アカ族、各種タイ族、ヤオ族、モン族、カム族、ロロ族、ランテン族の集落などを気軽に訪問することができます。
写真: アカ族の村。他の集落に比べると特徴あり。 -
私の場合、ルアンナムターではオートバイ、ムアンシンではレンタル・サイクルで回りました。それそれ、多くの集落を回ったものの、結果はさんざんでした。まず、民族衣装着用率が非常に低いこと。どの村も同じように見えてしまいます。藍色のワンピースを着たランテン族が唯一の例外で、それ以外はほぼ全滅。さらには、個人で行くと、村にお金が入らないので、あまり歓迎されません。それ以前に、タイ語がある程度できないと、コミュニケーションをとるのも一苦労です。
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これはマネーを要求するランテン族の子供。ムアンシン近郊のある村では、絶望的なほど外国人慣れしていました。
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ただし、けっこう雰囲気のある村が多いので、ツーリングとしては十分楽しめます。おすすめはルアンナムター。スクーター(一日300-600円程度)が安く借りれて、町もムアンシンよりずっと便利です。
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[まとめ]
結局、ラオスでもこれといった成果は挙げられませんでした。今の世の中、もう少数民族めぐりという観光スタイルは成立しないのかもしれません。この時はそう感じていましたが、それは私の無知だと後で気づくことになります。この後訪問する雲南のベトナム寄りエリアには、現在進行形の「少数民族」エリアがいくつも存在するのでした。その成果は後続の旅行記で紹介していきます。 -
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when&view_mode=list
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/?dmos=dm&sort=when&view_mode=list
==少数民族関連==
貴州省 ミャオ族・トン族 全5作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10524183/
中米の民族マーケット 全15作 + 2作
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album/10688306/
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