2011/03/26 - 2011/03/26
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世界攻略者さん
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ひと通り雲南の少数民族を極めた後、最後に目指すは金平の紅頭ヤオ族。この辺りで最もインパクトのある少数民族衣装とされています。その後ベトナムに渡り、「西洋人向け」観光地であるサパとバクハーも覗いてみたいと思います。
**情報は2011年3月のもの。1人民元=12.3円で計算。
== 雲南・少数民族マーケットハンター シリーズ==
その1(麗江、大理、景洪、モンフン、西定、ムアンシン)
http://4travel.jp/travelogue/10573334
その2(緑春、元陽、老孟、ハニ族、イ族、ミャオ族)
http://4travel.jp/travelogue/10640369
その3(金平、サパ、バクハー、紅頭ヤオ族、黒モン族、花モン族) <==
http://4travel.jp/travelogue/10640488
== 中国少数民族 ==
貴州省 ミャオ族・トン族 全5作
http://4travel.jp/travelogue/10524183
変更:
2014/09/13 写真拡大
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[目次]
ルート
金平
金水河
河口
サパ
サパ - 市場
サパ - トレッキング
バクハー
まとめ -
[ルート]
元陽を後にし、隣の金平県へ向かいます。その後、河口を経てベトナムへ。今回旅行したのがピンクの点。左から、金水河、金平、サパ、河口、バクハー。 -
[金平]
元陽県の南東にある金平県も、少数民族のメッカとして知られています。あまり観光客が行くような場所ではありませんが、気になったので行ってみることにしました。
金平県の中心、金平鎮へは、昆明、河口、緑春、建水、個旧、老孟などからバスが出ています。午後発の便があるのは個旧くらいなので、行ってマーケットを見て帰ってくるとなると、3日がかりになります。さらに、ここにはインターネットの使えるホテルが見当たらず、ネットカフェも外国人不可。滞在中ずっと雨と寒さに震えながらの散々な日々でした。 -
金平の街中では、元陽ほどではありませんが、民族衣装を来た人をよく見かけます。それが定期市(6日に1日)の日になると、近隣の山村から出てきた人達も加わり、街の民族衣装率は大幅にアップします。
金平にはマーケットが2つ。1つは金運バスターミナルのすぐそば、金運賓館の裏にある常設のマーケット「城区総合市場」。もうひとつは、定期市の日だけ使われる「金中総合貿易商城」。後者は金運バスターミナルと金平バスターミナルの間にあります。定期市の規模は老孟に遠く及びませんが、2つのマーケットを行き来する人たちでなかなかの賑わいです。定期市の会場には屋根があるものの、晴れていればもっと盛り上がったと思います。 -
金平でよく見かけるのがハニ族、イ族、紅頭ヤオ族、ミャオ族(スカート)の人たち。こちらのイ族・ハニ族の衣装は、元陽のものとかなり異なります。特にイ族の場合、長髪を頭の上で束ねている女性が多いようです(写真上)。部分的につけ毛も使われているかもしれませんが、ゴージャス感たっぷりです。
そして何と言っても金平の売りは、その奇抜な外観で知られる紅頭ヤオ族(写真)がいることです。他ではまず見られないため、紅頭ヤオ族を見るために、わざわざ金平まで来たようなものです。赤いトンガリ帽子に派手なズボン。この風変わりなスタイルは、忠実に守られているというわけではなく、人や世代によって少々ばらつきがあります。 -
忠誠度をランクづけすると、ちゃんと頭を剃っている人(上の写真) > いちおう帽子をかぶっている人 > 帽子はともかく、衣装は着てる人 > 上だけ着て下ジーパン>普通の服を着ている人、の順になります。「普通の服」だと他の民族と区別がつかないわけで、やはりアイデンティティって重要です。
本来「紅頭」ヤオのはずですが、雨に濡れないよう、その上にタオルを巻く「タオラー」ヤオが増殖中です(写真)。 -
[金水河]
金平・定期市の翌日、ベトナム国境にある金水河鎮でも定期市が開かれます。せっかくなので行ってみることにしました。アクセスは金平バスターミナルから乗り合いワゴンで1時間半。この日は途中、土砂崩れで足止めを食らってしまい、金水河の那発に着いた時にはもうお昼を回っていました。
雨のせいもあって、道路に並んだ店はすでに店じまいモード(写真)。沙ヤオ族の他、各種少数民族、さらにはベトナムからの越境組もいると聞きましたが、人が少なくて話になりません。一応、タイ族っぽい人とヤオ族っぽい人(写真下)は確認できました。 -
盛り上がらないマーケットを後にし、ベトナム国境まで行ってみます。国境に架かる橋を眺めていると、確かにマーケット帰りの人が何人かベトナムに帰っていきました。この辺りは簡単に川を渡れそうな場所がないため、現地民も律儀に正式な国境ゲートを通って行き来します。なお、この国境は外国人には開放されていません。
本来、定期市めぐりは一年中確実に楽しめるアトラクションのはずですが、雨の日だけは例外です。人出の少なさに加え、傘が邪魔でいい写真が取れません。数日に一回の開催なので、天気が好転するまで待つわけにもいかず...。そんな当たり前のことが身にしみた金平への遠征でした。
** 金平、金水河の定期市スケジュールはこちらで確認できます。
http://hiroto.kt.fc2.com/yunnanmarket_info2.html -
[河口]
金平の後、ベトナムへの玄関口である河口の街へ。これで緑春-元陽-老孟-金平と続いた充実の旅は、一区切りついたことになります。しかし、少数民族めぐりというテーマを、国境という形で制限してしまうのももったいない気がします。そこで、ラオスのリベンジを兼ねて、ベトナム側にも突撃してみることにしました。ラオス同様、ベトナム北部も、少数民族エリアとして知られています。 -
とりあえず河口に一泊。河口は基本的に漢族の街ですが、交通の要所でもあるため、少数民族のグループをちらほら見かけます。全く同じ服を着て集団で行動する姿は、都会に迷い込んだ小動物のようで滑稽です(写真、写真上)。
ところで、この河口という町は国境の街らしく、実にハチャメチャなところです。夜になると10代のベトナム人娼婦が街を闊歩する「ゆるさ」がある一方で、ここの税関は、私が知るかぎり中国で一番の「きつさ」です。ベトナム・中国共に2週間のビザ免除があるため、理論的には永遠に行き来できる、と言われてきました。しかし、ここのタカビーな税関がそんな甘いプランを許してくれるかどうか、甚だ疑問です。 -
[サパ]
翌日、対岸のベトナム・ラオカイに渡った後、乗合ワゴン(1時間)でサパの町へ。ここはかつてフランス人の避暑地だった場所で、街はやや洋風。ホテルによっては別荘風の内装で、中国にはないセンスを感じます。 -
現在のサパは、避暑地というよりは、少数民族観光の拠点として賑わっています。サパ周辺の村々には、モン族、ザオ族、ザイ族などが暮らし、驚くべきことに普段から民族衣装を着て生活しています。女性でいえば、小さな子供以外はほとんど着ているようです。著名な観光地でありなが、ライフスタイルを変えない所に大きな価値を感じます。
写真: 街のシンボルの教会。 -
そういうこともあり、街を歩けば至るところで民族衣装を見かけます。サパで最も多いのが、足軽のような格好をした黒モン族(写真)。専業の物売りだけでなく、買い物ついでに商機を伺う副業組もいるため、ちょっと興味を示すとすぐに囲まれます(写真)。ただし、全くしつこくないのも彼女らの特長です。
中国と違い、ここで重要なのが英語力。売り上げに直結するため、物売りの女性はたいてい英語を話します。その流暢さはピンキリですが、コミュニケーションをとるには十分なレベルです。アジア広しといえども、純粋な田舎の少数民族と英語で仲良く会話できるのは、サパくらいなのではないでしょうか。 -
黒モン族の次に多いのが赤ザオ族(写真)。頭を剃り、その上に座布団のような物を被っているのが特長です。どこか、金平の紅頭ヤオ族に似てますよね。それもそのはず、ベトナムのザオ族は中国のヤオ族に相当します。その関係をまとめると、(中国語、ベトナム語) = (ミャオ族、モン族)、(ヤオ族、ザオ族)、(タイ族の一派、ザイ族)になります。紅ザオ族の女性は、教会前の広場で露店をやったり、市場の中でテイラーをやっているのをよく見かけます。
3番目に多いザイ族は、衣装が地味なためあまり気づかないかもしれません。頭にチェックのスカーフをしていることが多いようです。 -
[サパ - 市場]
サパには常設の市場があり、観光客が必ず訪れるスポットです。一階が生鮮食料品売り場と屋台街。二階は主に民族衣装などを扱っています。サパのマーケットは土日が一番盛り上がるとされていますが、それほど大きな差はありません。確かに週末は通路で商売をする人(写真)が増え、旅行者目当ての物売りも増えます。とはいえ、少数民族の人達は平日でも普通にいるので、土日にこだわる必要はありません。差があるとすれば、教会前広場にある露店マーケットくらいでしょうか。 -
市場の2階部分では、民族衣装などの衣類が売られています。ここは、現地人向けと観光客向けを両方兼ねているようです。テーラーのオバサンもいるため、その気になれば、黒モン族の衣装を自分用に仕立てることも可能です。さすがに外では着るには目立ちすぎるので、寝巻きくらいにしか使えませんが..。
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一方、一階の屋台街は旅行者にとって使い勝手のいい場所。というのも、サパには小洒落たレストランしかなく、安く食事するのが難しいのです。しかし、ここでは現地人価格(時々ツーリスト・プライス)。現地の人たちに混じって、テーブルで食事をします。たまたま英語の話せる物売りと相席すれば、「商売どう?」「今日まだ一つも売れてないのよ..」などど、現地の事情に詳しくなることうけ合いです。
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[サパ - トレッキング]
サパでは、トレッキングが人気アクティビティのひとつ。早い話、近郊の村への散歩です。一番近いのが、市場を抜けて山を降りた先にあるカットカット村へのコース。黒モン族の村で、村のそばに滝があります。もう一つ人気なのが、ラオチャイ村(黒モン)からタヴァン村(ザイ)へと抜けるコース。いずれも、それほど景色がいいわけではありませんが、棚田と少数民族風情のコンボで、そこそこ楽しめます。 -
このトレッキングで面白いのが、地元住民がもれなく付いて来ることです。例えば10人のグループでコースを回っていたとすると、同じくらいの人数の現地女性が「勝手に」グループに帯同して話相手になってくれます。遠くから見ていると、まるで大名行列のようです。もちろん、最後には「buy for me!!」と情に訴える作戦なのですが、みんながみんな何か買ってくれるわけではありません。そんな不確実な状況の中、長時間明るく振舞う彼女達は、あまり損得を考えない性格なのかもしれません。
写真: ラオチャイの食堂の外で団体客を待つ物売りの女性達。 -
私は例によって、一人で近郊の村を回りました。その時気づいたのですが、黒モン族の村では、なんと男性も半分くらい民族服を着ているのです。基本的に街で観光客に物を売るのは女性の仕事。男性は村で農作業などをしているため、あまり多くみかけません。決してかっこいいデザインではありませんが、その姿で田んぼや畑に出かけます(写真)。
今回の旅では多くの民族衣装を見てきましたが、すべて女性の話。男性もやればできるんです。 -
サパで先述のトレッキングを行う場合、途中のチェックポイントで少額の入村料のようなものを取られます。それを避けるため、カットカットからラオチャイまで、わざわざ農道を歩いて行ったのですが、これが結構大変でした。それはさておき、途中のリンホー村の小学校でちょっとした発見がありました。
ここは黒モン族の村ですが、何と子供達はカラフルなスカートを穿いているのです(写真)。老孟でミャオ族が穿いていたのに似ています。まあ、スカートはスカートだし、サパの市場にも売ってました。子供らが黒系の地味な民族服より、こちらの可愛らしいスカートの方を選ぶのも理解できます。しかし、このトレンドが続くと、10年後にはこの一帯の民族衣装率が大きく下がってしまうのではないかと心配です。 -
[バクハー(バックハー)]
トレッキング以上にサパで人気なのが、マーケット巡りです。雲南同様、ベトナム北部にも少数民族が集まる定期市がいくつかあります。サパから日帰りツアーが出ているのが、コックリー(火曜)、カンカウ(土曜)、バクハー(日曜)の三ヶ所。最も有名なのがバクハーで、土曜にサパに来て日曜にバクハーの定期市を見るのが、外国人観光客の鉄板スケジュールとされています。
バックハーへは、サパからラオカイ経由で2-3時間。乗り合いワゴンとバスを乗り継いでも行けますが、サパと往復する場合、ツアー(10ドル)と費用はほとんど変わりません。さらにツアーに参加した場合、近くの花モン族の村で民家を見学することもできます。 -
私もツアーに参加して、小型バスでバックハーに向かいます。到着後、ゲストハウスが並ぶ大通りからマーケットまで降りていくと、そこには華やかな世界が広がっていました。この定期市に集まるのは、主に花モン族の女性たち(写真)。赤系統のメルヘンチックな服装で、スカートはアンデスの女性のように腰から広がっています。そんな女性たちがそこら中にいる訳で、何だかお花畑にでもいるような気分です。ここまではイメージ通り。
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とはいえ、女性専用という訳でもないので、男性もそれなりにいます。マーケットの奥まで歩いて行くと、そこにあったのは女性達の楽園ではなく、昼間っから飲み食いするオヤジ連中の姿でした。マーケットの中心部は食堂エリアになっており、まだ12時にもなってないのに満員盛況です。客の大半は男性で、男同士楽しそうに飲み食いしています。このマーケットは、女性の買い物天国のように言われていますが、男の交流の場としても機能しているのです。
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いずれにせよ、ここの男性陣は、女性の派手さと比べ地味、地味すぎる!
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食堂街を抜けると、犬のフリマがあります。ペットとして通用しそうなルックスの犬もいますが、おそらく食用でしょう。
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犬売り場近くの階段を登ると、小山の上の水牛マーケットに出ます。何とも牧歌的な眺めです。サパと違い、このマーケットにはフリーの物売りがいません。そのため、誰にも邪魔されることなく、まったりと市場見学できるのです。
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この小山の上からマーケットを見下ろすとこんな感じです。水色のビニール屋根の部分がすべて市場のテントになっています。
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この市場では花モン族の存在が圧倒的ですが、周辺には他の少数民族も住んでいます。例えば写真のこの軍団。ただし、どの民族なのかはちょっと自信がありません。サパの黒モンとは少し違うし...。彼女らは黒い衣装に合わせて、黒い巾着バッグをコーディネート。一方、花モン族のバックはポシェット型が一般的です。
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いまさらですが、花モン族の女性は人一倍おしゃれ意識が強いように感じます。一見同じように見える服も、パターンが微妙に違うし、市場の大きな部分が衣料や装飾品などで占められています。さらには、他の市場と比べ竹籠を背負う女性が少なめ。その代わりに、赤いプラスチックカゴ(写真)を使う人が沢山います。いっそのこと竹籠も赤くしてみては..。この先、花モン族のファッション・トレンドがどう変わっていくのか、興味深いところです。
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写真は市場にいた仲良しグループ。みんなでワクワクしながら楽しく買い物しています。まさに青春の1ページ! バックハーのマーケットに元気を感じるのは、若い女性が多いからかもしれません。
ここまで見てきたように、北ベトナムは非常に効率のいい観光地と言えます。サパとバックハーの二ヶ所を回るだけで、フレンドリーな黒モン族、派手ですれていない花モン族、風変わりな赤ザオ族とすべて見ることができるのです。 -
[まとめ]
さて、長々と雲南及び周辺国を旅して来ました。最後にお勧めプランを考えてみたいと思います。やはり外せないのが、老孟とバックハーの定期市。くしくも同じスカート系の民族衣装が見られます。元陽からサパは一日で移動できますが、困ったことに、この2つのマーケットは共に日曜開催です。両方見ようとすると、その間の時間を潰さなければなりません。しかし、観光スポットはいくつもあるので問題ないでしょう。元陽の棚田観光と定期市、サパのトレッキング、タイミングが会えば金平、時期が合えばちょっと遠回りですが羅平の菜の花畑などにも立ち寄れます。
結局、ありがちな「雲南-北ベトナム」ツアーと同じような内容になってしまいましたね。まあ個人旅行とはこんなものです。ガイドブックにあたかも魅力があるかのように書かれている場所に行き、実はたいしたことないことを確認する。その繰り返しです。ツアーのスケジュールが洗練されているとわかっていても、自分だけの発見を求めて遠回りしてしまう。逆に遠回りしたからこそ自信を持って言えるのです。
「少数民族衣装が見たければ元陽とサパに行け」と。
[リンク集]
==中国旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&level1=1&level2=2&level3=&sort=when
==海外旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=os&sort=when
==国内旅行記一覧==
http://4travel.jp/traveler/sekai_koryaku/album?dmos=dm&sort=when
==少数民族関連==
貴州省 ミャオ族・トン族 全5作
http://4travel.jp/travelogue/10524183
中米の民族マーケット 全15作 + 2作
http://4travel.jp/travelogue/10688306
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