2010/10/10 - 2010/10/17
5963位(同エリア11700件中)
杏樹さん
上海は近代になって発達した都市のため、「中国五千年」と言われる歴史の中ではたいしたことがないように思えるかもしれません。しかし、だからこそ上海では近代史にかかわりのある場所が多く、そこに注目してゆかりの地をめぐってみました。
この時の旅行記を出版しました。
「世界史オタク 上海・ハルビンを行く」(水原杏樹:著 文芸社)
本の紹介ブログ
https://www.bungeisha.co.jp/bookinfo/detail/978-4-286-14465-8.jsp
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 4.0
- 同行者
- 友人
- 一人あたり費用
- 10万円 - 15万円
- 交通手段
- 高速・路線バス タクシー 徒歩
- 航空会社
- ANA
- 旅行の手配内容
- 個別手配
PR
-
まずは虹口地区に、中国近代文革の巨星、魯迅ゆかりの地を訪ねます。
山陰路です。古い集合住宅が集まっていて、昔は日本人もたくさん住んでいました。 -
山陰路を行くと、大陸新邨という住宅街があります。そこに魯迅故居があります。
魯迅はここに1933年から死ぬまで(1936年)、許広平夫人と息子の海嬰と住んでいました。
入場料8元。 -
魯迅故居。狭い3階建。
1階は接客スペースと食堂、2階は書斎と寝室、3階は子供部屋。
魯迅の死後、許広平夫人は日本軍の支配を恐れて、ここを引き払って旧フランス租界の「淮海坊」へ引っ越しました。実際その後この周辺に住んでいた中国人は皆追い払われたそうです。
夫人は家具類をずっと保管していました。新中国成立後ここを魯迅故居として記念館にすることになり、夫人は家具をもとの位置に戻し、魯迅が暮らしていた時のように再現しました。 -
四川北路には、魯迅の援助をしていた内山書店がありました。書店は現存していませんが、店主の内山完三と魯迅の記念プレートがあります。
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四川北路にあるラモス・アパート。魯迅が一時期住んでいました。
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魯迅公園にある魯迅記念館。
入場は無料ですが、チケットを受け取らなくてはいけません。
展示は盛りだくさんで見ごたえたっぷりです。 -
ここから旧フランス租界に移ります。
香山路の孫文故居です。入場料20元。
最近リニューアルされ、展示が見やすくて充実しています。孫文の生涯に関する展示部分と住居部分に分かれています。孫文は宋慶齢と結婚して1917年からここに住んでいました。宋慶齢はアメリカの大学に留学していた才媛で、孫文の革命活動を支えました。孫文は1925年に亡くなりましたが、宋慶齢はその後もここに住み「革命未だ成らず」という言葉を残して死んだ孫文の跡を継いで革命運動を続けました。
1945年に宋慶齢はここを引き払って孫文の記念館として政府に寄贈しました。 -
周公館。1920年代。
孫文故居の少し南にあります。入場料2元。
中国共産党代表団の上海支部が置かれたところですが、国共内戦の時期で国民党政府の目をごまかすため、周恩来の別宅と言うことになっていました。周恩来はここで要人と会うなどしていました。 -
上海の古い建物をオシャレなカフェやショップに改装して、一大観光客ぼったくりエリアとなった新天地。この新天地の片隅に「一大会址」があります。
「一大会址」とは、共産党第一回代表大会が開かれた建物のことで、参加者の一人だった李漢俊の住居だったところです。大会は毛沢東を中心に13人の代表が集まって共産党の結党を宣言しました。
13人全員の写真とプロフィール、当時の社会情勢などの展示、そして大会の様子を再現した蝋人形と、本当に大会が開かれた部屋に当時のままテーブルといすを並べ、テーブルの上には湯呑が置いてあります。この写真は出口側です。
入場は無料ですが、チケットを受け取る必要があります。 -
一大会址の建物の側面。
新天地を含め、この周辺の建物は「石庫門」と言われ、主にフランス租界の中の中国人住宅として建てられたものです。 -
宋慶齢故居。淮海中路をずっと西へ行った端の方です。入場料20元。
宋慶齢は1945年に孫文故居を引き払いますが、その後住居が定まらず、1948年に蒋介石が息子の蒋緯国の住宅になっていたこの建物を提供します。
もとはドイツ人海運業者が1920年代に建てた家。
宋慶齢は共産中国成立後、大陸から脱出した姉・妹と袂を分かち、共産中国に残ります。そしてのちに名誉国家主席の地位を与えられます。
宋慶齢はここで政府や外国の要人をもてなすなどの「公邸」の役割を果たしていました。晩年は首都の北京に移りましたが、この家はずっとそのまま残していました。もともと上海生まれということもあって、上海に家を残しておきたかったのでしょう。
内部は今でも人が住んでいるかのように家具調度が配置され、生前の生活がしのばれます。敷地内に別に展示館があります。 -
宋慶齢故居。
上の建物の裏側に庭が広がっています。それを2階のバルコニーから眺められるようになっています。
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この旅行記へのコメント (3)
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- hirobekさん 2012/01/23 08:40:00
- 周公館
- 一昨年、私が行ったときは、こんなに蔦が絡んでいませんでした。
入場料も無料でした。
この写真はいつ頃でしょうか?
- 杏樹さん からの返信 2012/01/23 23:52:08
- RE: 周公館
- > 一昨年、私が行ったときは、こんなに蔦が絡んでいませんでした。
> 入場料も無料でした。
> この写真はいつ頃でしょうか?
2010年10月です。確かに、昔の写真ではもっと建物の様子がはっきりとわかります。
旅行記を拝見しましたが、近代建築にお詳しいようですね。魯迅故居は変わらないんですね。
-
- hirobekさん 2012/01/23 08:34:22
- 魯迅の家
- 私も10年以上前に行きました。
全く変わっていないので嬉しく、懐かしいです。
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