2011/10/29 - 2011/10/29
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Weiwojingさん
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20世紀初頭パリのアール・デコの香りがする「旧朝香宮邸」(現・東京都庭園美術館)を訪ねました。改築のた10月一杯で2年間休館するというので、休館間際に出掛けたために大勢の人々でにぎわっていました。最後の数日間は夜間も開館しているので、こちらをメインに出掛けてみました。
たくさんの人が訪れていたために満足できる写真はあまり撮れませんでした。そこで過去に訪れた際に撮ったものも併せて編集してみました。
東京都庭園美術館は、1933年(昭和8)に建てられた朝香宮鳩彦王(1887〜1981)の邸宅を、美術館として1983年(昭和58)に開館しました。建築の全体設計は宮中、皇族関係の建築を専門とする宮内庁内匠寮工務課の権藤要吉(1895〜1970)が担当しましたが、1階と2階の主要な7室は内装をフランス人デザイナーのアンリ・ラパン(1873〜1939)が手掛けました。
ラパンはガラス工芸のルネ・ラリック(1860〜1945)、マックス・アングラン(1908〜69)、鉄工芸(鍛金)のレイモン・シューブ(1893〜1970)、彫刻家レオン・ブランショ(1868〜1947)等の作品をうまく組み込んで、フランスのアール・デコの華やかさを日本の地に再現させました。
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訪れた日は天気が良かたので、外から撮る写真は気に入ったものがたくさん撮ることが出来ました。
美術館の外観は至ってシンプルで、内部の華麗ともいえるインテリアと比べると建物そのものは驚くほどあっさりしています。 -
正面玄関を開けると、ルネ・ラりックがこの宮邸のために作られたガラス・レリーフが現れます。彼の美しい作品が館の入口に象徴的に配されていると言っても良いでしょう。
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レリーフをもっと大きくして、見てみましょう。レリーフには4体の女性が描かれていますが、それぞれ光背のような大きく広げた翼を持っています。高さが2.5メートルに及ぶこの作品はフランスのラリックの工場で作られました。
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足元を見ると、モザイク模様のタイルが貼られています。
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ここはアンリ・ラパンと宮内庁内匠寮が内装を手掛けた「大広間」です。
正面にはイタリア産の大理石を用いたマントル・ピースと鏡、壁にはワォールナット材が用い用いられて、落ち着いた雰囲気を生んでいます。天井の照明には40個の白熱灯が使われていて、大変シンプルでありながら、機能的な美しさを見ることが出来ます。 -
大広間の隣には来客を迎えた「大客室」があります。
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天井にはルネ・ラリック作のシャンデリア(ブカレスト)が2基吊り下げられています。
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大客室の扉です。扉には上部に、レイモン・シュ―ブによる鉄製のタンバン装飾が施れ、ドアの部分にはマックス・アングランによるエチング・グラスのパネルが嵌めこまれています。
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大客室の「大食堂」側の様子です。正面にエチング・ガラスで装飾された引き戸があり、ここから食堂に入ります。夜な夜なパーティが開かれ、多くの人々が集ってきたのでしょう。
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大広間の隣りには次室(つぎのま)があります。ここには白磁の大きなオブジェが置かれています。これはアンリ・ラバンが1932年(昭和7)に設計したものです。
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噴水の頭部、渦巻状の内部には電気が組み込まれていて、淡い光を発するようになっています。そのすぐ下には噴水の装置が取り付けられていて、そこから流れ出た水は、器の側面を静かに流れ出るようになっています。
朝香宮邸時代には、この搭から流れ出る香が来客を迎えたことから、「香水搭」と呼ばれるようになりました。 -
アンリ・ラパンの内装による「大食堂」です。来客を招く大食堂へは、隣の大客室からエチング・ガラスで装飾された引き戸を開けて入ります。
天井には照明器具が3基並んでいて、ラリックが果物(パイナップルとザクロ)をモチーフに製作したものです。 -
大食堂内にあるマントルピースとその上に飾られている壁画です。この壁絵には、赤いバーゴラのある噴水の庭にあたかも空想の館内部から臨むように描かれています。
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花を置くテーブルの脚の部分だけ写真に収めてみました。曲線の曲がり具合が素晴らしいです。
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テーブルの上にはこのような花が飾られています。華やかですね。
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ここから2階に上がります。階段の手摺には幾何学模様のデザインが施されています。
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階段の幾何学的模様を裏側から見たものです。
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2階はプライベートな空間となっていて、1階とはやや趣が異なっています。ここは2階ホールで、内装は宮内庁内匠寮が手掛けています。天井には丸いガラスのカバーと大きな板ガラスを用いてデザインした照明器具が付けられています。
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殿下の居室があった部屋です。書斎とともに、内装はすべてアンリ・ラパンの手によるものです。
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殿下の書斎だった部屋です。中央に大きなデスクが置かれています。天井は丸く、ドーム型になっていて、間接照明が柔らかな光を発しています。
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書斎の中央にある机は回転して、どの方向にも向けることが出来るようになっています。
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書斎の隣にある書庫です。
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殿下用の宮内庁内匠寮の内装による浴室です。ここにある衛生陶器はすべて外国から輸入されたものです。壁面には大理石が、床にはモザイク状にタイルが貼られています。
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庭園を臨む2階に配されたベランダは、イタリア産の白黒の大理石で出来た市松模様が素晴らしいです。天井にぶら下げられたペンダント型の照明器具は床の模様ともにモダンな印象を受けます。
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この部屋と奥の部屋は姫宮の寝室と居間です。
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姫宮の部屋の前にあるランプですが、形がまるで金平糖のようで、素晴らしいですね。
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もっと大きくして見てみましょう。
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この照明器具も素晴らしいですね。
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部屋ごとに置かれているラジエィターのカバーがどれも意匠を異にしています。これらは宮内庁内匠寮がデザインしたもので、それぞれの意匠にはアール・デコ風のデザインを採り入れたものや和風のモチーフを応用したもの等が見られます。
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朝香宮鳩彦殿下(1887〜1981)の写真です。
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明治天皇第8皇女・充子内親王(1891〜1933)の写真ですが、内親王は1910年鳩彦殿下と結婚されました。
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2階に上がって先ず圧倒されるのは、この照明柱です。日本的な装飾を持ち、柱の下の部分には生花を飾れるように工夫が施されています。
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照明器具がどれも素晴らしいです。部屋ごとに異なったデザインの器具が使われています。
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3階にある「ウインターガーデン」という名前の部屋です。この部屋は夏場に涼しく過ごすことが出来るように工夫されているそうです。
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木材を多く使用した他の部屋とは異なり、この部屋は石材、金属、ガラスが用いられています。市松模様の床と壁が美しいですが、2003年(平成15)に修復が行われ、その白さを蘇えらせました。2階べランダの市松模様と同じです。
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2階バルコニーの外に出てみると、広々とした庭の緑が見え、気持ち良いです。
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内部の見学もひと通り済んだので、美術館の南側に出てみました。
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南側の部分を大きく撮ってみました。
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南側1階には回廊のようになったテラスが一直線に伸びています。
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西洋庭園内には様々な現代アート作品が置かれていて、目を楽しませてくれます。これは安田侃の「風」(2000年)と言う名前の作品です。
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日本庭園もあり、そこには茶室が設けられています。
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茶室の名前は「光華(こうが)」といい、宮邸が竣工されて5年後の1938年(昭和13)に朝香宮鳩彦殿下によって建てられたものです。
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茶席は、立礼の席、広間、小間の三席で構成されています。この部屋は小間です。
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小間は4帖半の部屋で、室内には床の間、躙り口、貴人口付、中柱付、掛込天井が有ります。
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茶室がある日本庭園は、池泉本位の廻遊式庭園で、かつ書院式庭園です。
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夜間も最後の数日間は公開していました。そこでぜひ夜の美術館も見たいと思い長時間でしたが、夜間も楽しむことが出来ました。しかし、夜になると、見学者が数を増し、満足に写真を撮ることは不可能に近い状態でした。
この写真は美術館入り口で、中央の車寄せの左側には写真では全然見えませんが、見学者の列がどこまでも続いていました。 -
夜間に訪れたのは初めてだったので、車寄せの天井部分が青白い照明だったのを見て少々驚かされました。
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昼間撮った写真と多少重複しますが、見ていただければと思います。昼間の写真とは雰囲気が違い、それなりに撮りがいがありました。ただ、見学者が昼間とは比べ物にならない位に多かったので、充分撮ることが出来ず、枚数は多くありません。
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大客室の北側にあるドア上部の鉄製のタンパン装飾です。
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ドアのノッブが変わっていますね。細部を一つ一つ見てもどれも手が込んでいて、同じものは一つとありません。
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南側から見た夜の建物の様子です。夜間に訪れたのは初めてで、灯りの点された旧朝香宮邸も素晴らしいですね。
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庭の一隅には犬かオオカミのような動物が暗闇に浮かんで、こちらを睨んでいるみたいです。エドゥアール・サンドの「座る豹」(1930年)という作品です。
この日は一日がかりの見学となりました。ものすごい人ごみで大変でしたが、しばらくは休館(2014年まで)になるためしばしの見納めとなりました。
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