2011/09/07 - 2011/09/07
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まつじゅんさん
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1年近い前ですが、妹島和世氏設計の建物を訪れる機会がありました。
アップするのが遅くなりましたが、先の愛妻交流館とは異なった空間構成ではありますが、妹島氏&西澤氏(SANAA)の設計主張は同じと感じました。
都心の真ん中に異彩を放つと感じるか、芸術性を感じるか、人それぞれとは思いますが、再び見て、感じたままを取り留めもなく綴ってみました。
暫しお付き合い下さい。
詳細なHPは↓
http://www.shibaurahouse.jp/information/
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本施設は、JR田町駅から南に300m、徒歩5分程の旧海岸通り沿いにあります。
遠目に見ても、全面ガラスが非常に軽やかな印象を与えているのが解ります。
この建物は、広告会社のオフィスビル建替で、オ-ナ-の強い意向で妹島氏に設計を依頼したとのことで、隣接する11階建てのマンションと殆ど同じ高さ(30cm程この建物が高いらしい。)でありながら、本施設は5階建で、倍近い階高の建物となっています。(実際は、M2、M4階があり7層となりますが、階段配置の考え方で階数としては5階建とのことです。) -
階数を含め、届出上は少し工夫がされているようで、SANAA担当者も詳細に説明しなかった。
推測であるが、1階を除き、外観は、先述の通り、全体としてはガラスの箱、どこからどこまでが1層であるか判然としない。
既成の階数概念を越えた自由さを表現しているのかもしれないが、デザインに内部機能が反映されているのかという疑問を感じた。オ-ナの意見は、「自分の希望を取り入れた層配置で使いやすい。」との事でしたが、中の社員の方々は「慣れました。」とのことで、微妙な意見の相違を感じた。
逆に言えば、それが妹島氏の本施設に対するデザインコンセプトと思える所です。
妹島作品には「公園性、広場」の概念を持ったものは多く、大半はSANAAによる金沢21世紀美術館のように、平屋に近いプランに基づいている。
公園は、寛ぎの場でもいいし、趣味などに積極的に活用してもいい。そのような自由度の高い場所で人々がその自由度を使いこなすことで建築のポテンシャルを発揮するという考えであろうと推察する。
しかし、本施設はオフィス街の限られた敷地に立つ5階建、そこに中間階(M2、M4)、吹き抜けやテラスにより、各フロアが絡み合うように立体的に構成している。
それぞれの空間を隔てる境界も透明性を重視し、建物をひとつの繋がった空間とし、風通しのよさを加えた構成が印象的である。
この建物における「公園・広場」は、1階部分であろう。ここだけで建物全体の開放性を象徴している印象を受けた。
誰もが集い、寛げる建物の象徴として、平凡なオ-プンスペ-スが重要なアイテムに昇華された要因は、やはり外観デザインになるのかと感じ入るところであるが、外観のポイントは、ガラス箱を削り取る格好で設けられたテラス状のスペ-ス。そこは上、下階と曲面のガラス壁面に螺旋階段で結んでいる。
このテラスは、吹きさらしではなくステンレス金網で覆って、内・外部を区分しない半空間となっている。これは、逢妻交流感の3層部や、青山の「Carina store」(妹島和世氏設計、2010年)と同じ手法で、妹島建築のポイントなのかもしれない。
また、そのテラスに配されたブレ-ス材は、建物のスケ-ル感から考えると非常に細いが、結構目立ち、存在感が伝わってくる。
このガラスの箱にあって、軽やかな建物に露見した斜材を取り入れたデザインが、構造の重厚さを演出する意図なのか、構造上やむを得ない物なのか解らないが、今までの見た他の作品に比べ存在感を感じる。
佐々木先生だからこそ、この程度の構造材で収まっているとも言えるが、外観デザインに与える印象について、意見が分かれるところだと思う。 -
1階はカフェが併設の誰でも利用できるラウンジとなっており、建物全体のコンセプトは地域密着型の自由な施設となっている。
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ワ-クショップが開かれているスペ-スの横には、簡単な喫茶や持ち込みの弁当を食べながら談笑する人達もいました。
道路に面して、外を歩く人から見ると入りたくなる空間を演出しており、自由な入場が誘発されています。
ここは建物内にありながら、広場です。 -
SANAAチェァ-の変形型のような椅子が置かれています。
外から見える椅子もデザインという捉え方なんでしょうね。
ただ、座る側の気持ちは反映されていない気がしましが・・・。 -
SANAAのディテ-ルはシンプルさを極限まで追求していると思います。
ただ、シンプルに見せたいために技巧を凝らしているという感じもします。
一般的に行われている、目地を設けたり、張ったり塗ったりという仕上げの手法ではありませんから、ゼネコンの方々から見れば、このような納まりは大変でしょうね。 -
5階はレンタルスペ-ス。
イベントやライブ等の使用も出来る空間となっています。
ただ、5階への垂直動線は6人乗りのEVが1基と中央階段のみで、多人数の移動には時間が掛かる気がします。 -
5層といいながら、このようなM階があり、ここが外部に開かれた空間となっております。
外部が吹き抜け2層分の空間ですが、勿体ない空間と取るか余裕と取るか、人それぞれの考え方です。
都心の一等地ですから、賃貸料金を取った方がと思うのは、生活に余裕のない私だからでしょうか。 -
東京湾の花火大会も見えないし、向かいのビルを見ても仕方ないように感じますが、この空間がこの建物のメインスペ-スなんでしょうね。
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内部も吹き抜けです。大きな建物でもないのに、アトリウムを設けて空を望めるなんて贅沢な建物です。
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この景色だけを見れば、ここが都心のオフィスビルとは思えないですね。
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本当にオフィスビルでありながら、実際にオフィスとして活用されている面積はほんのわずかです。
吹抜けや外部空間は贅沢な空間として、中の人々にゆとりを与えているとは思いますが、私ならトイレ等をもう少し広く作りたいですね。 -
レンタルスペ-スとして大小の会議室が設けられています。
自分達が使っている実用本位の建物との違いについて、じっくり考えて見ましたが、慣れ親しんだスペ-スに落ち着きを感じてしまいます。
故に発想も面白みがない箱になってしまうのでしょうか。 -
いつもながらSANAAの建築では、構造も同じ美意識を共有していると感じます。
佐々木先生の構造設計でしか成立しないと言えば言い過ぎかも知れませんが、私が普段行っている計算では、絶対に出来ませんし、無論行政を納得させる説明もできません。 -
ブレ-ス一つ見ても、無骨さを感じさせない美しさがあります。
この斜材にかかる引張り力は幾らで、ガセットプレ-トの接合部はどうなるのか等、家に帰って昔の教科書を出してみました。 -
この柱のようなものも、構造上重要な要素らしいです。
また、階数判断の要素でもあります。 -
天井の吹出し口も、廻縁等で目地のラインを出していません。
天井ボ-ドを吹出し口の部分だけ切り欠いています。
設備機器に付いている吹出し口は、ボ-ドの後ろに隠れているんですね。 -
見えない部分も同じです。
確かにラインは一つで綺麗に見えると思います。
ピクチャ-レ-ルも埋め込んで、中まで白色に塗装して、壁に溶け込ましています。 -
ダウンライトです。
照明器具の取り換え大変でしょうが、なにより天井ボ-ドを綺麗な円形に切り込むのが大変だったでしょうね。 -
天井点検口の目地も一つに見せるため、廻りの枠にクロスを巻き込んで同面で納めさせています。
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幅木も壁の白いラインが下まで降り、金物まで面で納めさせています。
私達は通常このようなことはしませんし、必ず異種面の取り合いは割れることを考えて、目地か1、2mmの段差を設けて納めています。
割れを考えないのかと質問しましたら、「割れてきたら直せばよい」と言う極めてシンプルな答えが返ってきました。 -
遮光カ-テンとするなら、天井に段差を設けてカ-テンボックスで納めようと考えますが、この程度光が入っても問題ないと、線だけが見えるように、カ-テンレ-ルを埋め込んでいます。
確かに、これ位は光が入っても問題はないでしょうが・・・。 -
階段の端部もシンプルナ納めですが、加工が大変でしょうね。
コスト的にも既製品を使ったらと考える私です。 -
一言で言えば、素材感と見切り線の排除が、デザインという事でしょうか。
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トイレだけは、機能優先のため既製品の改造も出来ないから、デザインとして見える場所から排除し、隠れた場所や奥まった場所に設置しているのでしょうか。
デザインへの拘り、主張は(理解は出来ませんが)尊敬すべき姿勢と思いますが、トイレについては何か違うという、感覚を持ってしまいました。
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