源氏物語を楽しみながら歩いた宇治

2011/12/04 - 2011/12/04

横浜に住む妹が所用で関西に来て我が家に一泊したので、翌日宇治に出掛けることにしました。なにしろ妹は昔から大の源氏ファン。源氏関連の本もたくさん読んでいて思い入れも深く宇治を訪れるのを楽しみしておりました。

エリア 宇治(京都)

最初に行ったのは源氏物語ミュージアムです。
妹はもちろん初めてですが私は２回目。今回は私も少し源氏物語をおさらいしてきたので前回よりは理解できるはずです。

前回の旅行記
http://4travel.jp/traveler/etranger26/album/10395307/

ミュージアムの建物も紅葉に彩られてとてもきれいです。周辺にはもみじが多くちょうど見ごろでした。

館内は光源氏をテーマした展示と宇治十帖をテーマにした展示がありますが多くはなく、夢を膨らませている源氏ファンにはあまり満足できるものではないかも知れません。源氏物語を読んでいる人はそれぞれに自分なりのイメージを持っているでしょうから形にして展示するのはむずかしいでしょう。

宇治十帖の物語を２０分くらいの映像で見ることができますが、こちらも妹のイメージからは程遠かったようです。
近く上映される映画も不満の様子です。実在の人物があの光源氏や紫の上を演ずるなどけしからんのだそうです。

ミュージアムには満足しなかった妹ですがこの紅葉と宇治の町には感激の様子。

源氏物語にいざなわれて宇治の道を歩きます。

宇治上神社は八の宮のモデルと言われる菟道稚郎子の邸宅があった所とされています。八の宮の山荘もこのあたりに設定されているようです。　

神社の後ろには山が迫り、ここに八の宮と大君、中の君が暮らしていたと言われればそのように見える静かな鄙びたところです。

宇治川のほとりに来ると匂宮と浮舟が宇治川に漕ぎ出す像があります。

薫君や匂宮も何度も渡ったであろう宇治川。

橋を渡り対岸の紅葉を眺めつつ歩きます。

紅葉の庭を通り抜けると平等院です。

平等院鳳凰堂は藤原道長の別荘を息子頼道が寺院に改めたもので極楽浄土の宮殿を模したと言われています。鳳凰が羽を広げたように中堂、左右の翼廊、尾廊からなっています。
紫式部は道長の娘、彰子に仕えていたのですからこの平等院でも物語の構想が練られたのでしょう。

もともと平等院の地には光源氏のモデルといわれる源融の別荘がありました。
それがめぐりめぐって藤原道長の別荘となったのでした。

光源氏は息子夕霧に宇治の別荘を譲りましたからこの平等院は夕霧の別荘でもあったわけです。
なるほど、宇治川をはさんで対岸には八の宮の山荘があります。ここで源氏物語宇治十帖がの世界が繰り広げられたということです。

鳳凰堂の周りは燃えるような赤。宇治十帖は暗い場面が多いですがこんなに明るい宇治もいいものです。

鐘楼の周りも真っ赤。

もみじに彩られた鳳凰堂をぐるりと一周し宝物殿を鑑賞。

風光明媚な宇治には多くの平安貴族たちが別荘を構えました。
この平等院も藤原頼道が寺院に改めるまでは別荘として代々受け継がれていたのでした。藤原氏がこの世の春を謳歌していた時代の別荘は今の平等院からは想像もできないほど大きなものだったのでしょう。

光源氏、夕霧、藤原道長を話題にしながら見てまわった平等院でした。

宇治十帖を思い浮かべながらおしゃべりをし、紅葉も楽しむことができた宇治の町歩きでした。

この旅行記へのコメント （6）

• 前日光さん 2011/12/20 00:03:38

  行ってみたいです！

  こんばんは〜
  
  源氏物語ミュージアム、最近高校生の「国語便覧」にも載っていますよ。
  十二単の襲色目などは、目で見てわかるので、とても良いと思いますよ。
  
  それから寝殿造りの蔀がどうなっているかとか、場面場面の山場がイメージできるようになっているので、ひと目見れば分かりますから、そういう点では参考になるのではないでしょうか？
  
  宇治川に身を投げた浮舟や薫たちの世界を、その辺りの空気に触れてぜひ堪能してみたいです。
  私は「記紀歌謡」も好きですが、「源氏物語」も大好きです。
  
  私の源氏のイメージは、バタくさい生田斗真くんではなくて、現片岡仁左衛門（かつての片岡孝夫さま）が最高！と思っていますので、他の人ではやはり物足りないです。
  ただ姫君たちの衣装などは見てみたいので、結局機会があれば、その映画見てみるつもりです。
  妹さんとの宇治散歩、楽しめたようでよかったですね。
  近いうちにご一緒したいですね。
  
  　　前日光

  エトランゼさん からの返信 2011/12/20 19:52:11

  RE: 行ってみたいです！

  こんばんは！
  
  
  > 源氏物語ミュージアム、最近高校生の「国語便覧」にも載っていますよ。
  > 十二単の襲色目などは、目で見てわかるので、とても良いと思いますよ。
  >
  > それから寝殿造りの蔀がどうなっているかとか、場面場面の山場がイメージできるようになっているので、ひと目見れば分かりますから、そういう点では参考になるのではないでしょうか？
  
  なるほどそういう見方もあるのですね。
  何もかもが新しすぎて古典のにおいがしないので物足りなく感じていました。
  
  
  > 宇治川に身を投げた浮舟や薫たちの世界を、その辺りの空気に触れてぜひ堪能してみたいです。
  > 私は「記紀歌謡」も好きですが、「源氏物語」も大好きです。
  
  流れの速い宇治川を眺めていると浮舟を思い浮かべますし周辺の道を歩いていると薫や匂宮が通ったであろうと想像します。
  文学に詳しい前日光さんにはきっと興味深いところだと思いますよ。
  
  
  > 私の源氏のイメージは、バタくさい生田斗真くんではなくて、現片岡仁左衛門（かつての片岡孝夫さま）が最高！と思っていますので、他の人ではやはり物足りないです。
  
  そうそう前日光さんの源氏の君は片岡孝夫さまでしたね。
  紫の上はどなたかしら。
  
  そんなことや彼らの衣服の色のことなどを妹と話しながら宇治を散策していました。
  
  前日光さんともぜひご一緒したいです。
  
  
  　　　　　エトランゼ

• たらよろさん 2011/12/11 16:47:53

  源氏物語

  こんにとは、エトランゼさま。
  
  あまり思い入れが強いと実写化や、ミュージアム等
  少しイメージ化され過ぎているものは受け入れ辛い部分もありますよね。
  でも、私のように何となく大学で学んだ程度の思い入れだと
  源氏物語ミュージアムを楽しく拝見できました。
  見に行って、源氏物語とは全然無縁であろうおじさんの集団が社員旅行で来られてて
  わからないままにも、こういう世界を知って帰られるっていうのは嬉しいな♪とか思ってました（笑）
  こうしてみると、宇治にもたくさんの紅葉があって綺麗ですね〜
  ただ川沿いを歩いているだけで風情を感じますね♪
  
  秋色の世界を楽しませていただきました〜
  
  たらよろ

  エトランゼさん からの返信 2011/12/12 10:37:10

  RE: 源氏物語

  たらよろさん、こんにちは〜。
  
  
  > あまり思い入れが強いと実写化や、ミュージアム等
  > 少しイメージ化され過ぎているものは受け入れ辛い部分もありますよね。
  
  そうなんですよね。妹は今回の映画も見ないと言ってました。
  奈良でのロケ現場に遭遇した私は見てみたいのですが。
  
  
  
  > こうしてみると、宇治にもたくさんの紅葉があって綺麗ですね〜
  > ただ川沿いを歩いているだけで風情を感じますね♪
  
  宇治にもこんなにもみじがあったのですね。
  さわらびの道から宇治川をわたり平等院まで紅葉を楽しみながら歩きました。
  
  この後東福寺に行ったらやはり大混雑していました。
  この時期の京都は殺人的に混みますねえ。
  
  今年の京都市内の紅葉はたらよろさんの旅行記で見せていただきました。
  
  
  　　　　　エトランゼ

• morino296さん 2011/12/10 20:56:38

  宇治の紅葉

  エトランゼさん
  
  こんばんは。
  
  妹さんと紅葉の宇治をお楽しみになれて良かったですね。
  
  源氏物語ミュージアムは、いつも素通りで入ったことがありませんが、
  物語にお詳しい方には物足りないようですね。
  
  今年の紅葉は、見頃がないまま終わりかと思っていましたが、
  宇治の紅葉は綺麗だったようですね。
  
  平等院の鳳凰も青空をバックに綺麗に撮れましたね。
  
  morino296

  エトランゼさん からの返信 2011/12/11 13:50:42

  RE: 宇治の紅葉

  morino296さん、こんにちは。
  
  いつもありがとうございます。
  
  
  > 源氏物語ミュージアムは、いつも素通りで入ったことがありませんが、
  > 物語にお詳しい方には物足りないようですね。
  
  文学作品は読者がそれぞれにイメージを抱き登場人物や背景を思い描いていますからミュージアムで形にして展示するのは難しいでしょうね。
  でも館内はとてもきれいで源氏物語を感じられるように趣向が凝らされていました。
  
  
  > 今年の紅葉は、見頃がないまま終わりかと思っていましたが、
  > 宇治の紅葉は綺麗だったようですね。
  
  宇治にこれほどもみじの木が多いとは知りませんでした。ちょうど見ごろでミュージアムから平等院まで紅葉の中を歩くことができました。
  
  
  > 平等院の鳳凰も青空をバックに綺麗に撮れましたね。
  
  以前は午後に行ったので全くの逆光でうまく撮れませんでした。今回はそのリベンジで朝から出掛け陽を受けた鳳凰を写せました。青空だったのもラッキーでした。
  
  
  　　　　　エトランゼ