2009/10/02 - 2009/10/11
679位(同エリア1176件中)
ゆらのとさん
今回も2年前の10月に旅行した南米旅行の続きである。いよいよ、クライマックスのマチュピチとナスカである。ちょっと長い文で恐縮だが、きっと貴方の知らないことが欠いてある。最後まで読んでいただければありがたい、
10月7日の早朝7時、マチュピチュ遺跡へ行くためにホテルを出た。途中から1時間半ほど高原列車に乗り、遺跡の麓のアグアスカリエンテス駅に到着したのは9時過ぎだった。その後、マチュピチュ行きのシャトルバスに乗った。このバスは旅行社が手配したバスでなく、小型のマチュピチュ専用バスで誰もが先着順に詰めて乗る。
バスに乗って約1時間、突如、マチュピチの遺跡が彼方に見えたとき、バスの乗客が一斉に「ワアッー」と声を上げた。青空の下に剣のような山々が聳えている。その中にポッカりと現われた遺跡は、まるで神秘な空中都市であった。
ご存知の方も多いと思うが、マチュピチュは歴史遺産と文化遺産の両方を持ったユネスコの世界遺産である。(二つ兼ねている世界遺産は珍しい)
マチュピチュの遺跡は1911年にアメリカのヒンガムという考古学者によって発見されたのだそうだ。インカ帝国が滅んて400年以上も険しい山中の中でひっそりと埋もれていたのである。
「どうして山の頂上に建造したのか」、「どのようにして一つ200トンもある巨石を頂上まで運んだか」、「どのようにしてかみそりの刃も通さないほどに石を精密に切って組合わせたか」、「どのような人が住んでいたか」、「そこに住んでいた人々の末裔は、今、いないのか」、等々、ミステリーは沢山ある。
こんな山中でも灌漑用水は完備されていた。段々畑や排水路の整備から高度な文化生活が営まれていたことが分る。
マチュピチュの都市が太陽を崇拝して、「太陽の神殿」を造っていたことも、私にとっては感動だった。精密な日時計まであった。周囲が山に囲まれているので、農業をするのに季節の日照時間まできちんと分っていた、とガイドから聞いて感動した。
植物学的に見ても、ペルーは野菜や果物の原産地であるのが多いのだそうだ。世界中にあるじゃが芋、ワインの素のぶどうもペルーが原産地なんだそうだ。
ペルーを旅行する人にとって、マチュピュチと共に絶大なる人気があるのがナスカ(NASCA)の地上絵である。、K旅行社お得意のハードスケジュールで午後2時過ぎにリマから「パンアメリカンハイウェイ」を通ってナスカに着いたのが午後10時過ぎだった。
、ナスカの地上絵はセスナ機で上空から見物するのであるが、午前8時に遊覧するために、ホテルを出たのが6時半だった。(就眠時間は5時間)
私が乗ったセスナ機は3人乗りで、まことに快適であった。パイロットは朝日で銀色に輝く砂漠に浮き立つ地上絵をアクロバット飛行のようにして見せてくれた。
ナスカは砂漠地帯で年間雨量は1ミリ以下だという。なのに、なぜ人間が生きられるか。アンデスの山々の雪解け水が地下に浸透していて山から何百キロも離れたナスカで井戸を掘ると簡単にくみ上げることが出来るのだそうだ。
なぜ、ナスカの地上絵が世界中の人に関心があるか。まだ、解明されていない多くのなぞを秘めているからだと思う。
この絵が何千年、いや、何万年前、古代ナスカのどういう人が何のために描いたか、とミステリアスな世界へと誘う。
これについては、いろいろな説がある。儀式説、農暦説、公共事業説、中でも面白いのが宇宙人説である。
宇宙人説では、宇宙船が着陸するときに上空から位置を確認するためにか描かれた、という説である。その証拠に宇宙人の絵もあると、その説を支持している人は今も多いのだそうだ。
地上絵にはコンドル、ハチドリ、猿、犬、蜘蛛、鯨、木、手、宇宙人、トカゲ、フラミンゴなどのほかに、長方形、台形、幾何学模様、螺旋系などで何を意味しているのか分からない物まで多数ある。岩盤に彫って描かれていたのである。砂漠だから消えないで残ったのだそうだ。
ナスカの絵を世界的に有名にし、現在、ユネスコの世界文化遺産になるまでには、一人の女性がその保護と発掘のために生涯をかけたことを知って、私は感動した。
その女性は一生涯独身で通したスイス人のマリア・ライヘ女史である。彼女はナスカの絵の傍に小屋を借り、ホウキを持って新たな絵を探し、そして、展望台を建てて絵が壊されないように見張ったのだそうだ。住民からは「魔法使いの婆」とか「気違い婆」とか言われたが、やがて、少しずつ理解者が増え、協力してくれたのだそうだ。
私たちツアー一行はマリア・ライヘ女史が建てた展望台(ミラドール)にも行った。その時は11時過ぎて灼熱の太陽が照り付けていた。多分、40度は超えていたと思う。ここで、マリア・ライヘ女史は毎日、見張りをしていたかと思うと、私は灼熱の太陽の熱とは別の熱いものが込み上げてきた。
その日のうちに、また、長距離バスで7時間以上かけてリマに戻った。バス内は消灯して暗かった。大半の人は眠っていたが、私は冴えていた。まりあじょしには足元にも及ばないが、私も自分の大きな目的のために頑張るぞ。
- 旅行の満足度
- 5.0
- 観光
- 5.0
- ホテル
- 4.5
- 同行者
- 社員・団体旅行
- 一人あたり費用
- 50万円 - 100万円
- 交通手段
- 観光バス 飛行機
- 旅行の手配内容
- ツアー(添乗員同行あり)
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