2008/08/11 - 2008/08/15
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haoziさん
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2008年盛夏、福建省(福州、泉州、アモイ、[シ章]州、南靖土楼)を周遊するツアーに参加した。
これ以前は、北京や上海といった、ある程度勝手を知った町で友人を訪ねたり、語学研修の名目で、一都市に一週間くらい滞在したりといったスタイルが多かったが、移動手段や食事などすべてお任せのツアーで、気楽に観光に専念するのも悪くない。
時に日本で中国人相手にガイド(通訳案内士)をすることのある私にとっては、ツアー客の気持ちを理解する上でも有意義であるし、普段とは逆の立場になれるのが何とも嬉しかったりする。
この旅行が楽しくて、この後ツアーにも積極的に参加するようになった。
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深[土川]航空 ZH9098
KIX―福州―深[土川]
2007年9月就航の新路線 -
福州長楽国際空港そばのレストラン
さすが沿海地域、魚の種類が豊富。
聞いたことのない名前も多い。勝手に略字を使ったりするので、余計にわからなくなる。そもそも「○○/元」というのも意味不明。
黄樽丁 →鱒zun1 マス?
馬鮫jiao1 サワラ
中昌魚 →[魚昌chang1]魚 マナガツオ?
海[魚即ji4] フナ
大目魚 オヒョウ(大カレイ)
尤魚 →[魚尤you2]魚 イカのこと? -
中華[魚尋xun2]:チョウザメ?
夕食後、一路泉州へ(約180km)。
人知れず内心ドキドキしながら、福清を通過。なぜなら、ある分野の仕事をする時、ここ出身の人に出会う確率が極めて高いから。本当は、もっとよく見ておきたかったが、夜の町をさっと通り過ぎただけ。
福清:日本に住む華僑が多い。“精明”
長楽:アメリカに住む華僑が多い。 -
翌朝、泉州のホテル(金宝商務酒店)近辺を散策。
晋江のほとり “養魚場”
福建のこの辺りは、魚の養殖が盛んなところ。
かつて日本の需要を満たすため、ウナギの養殖から蒲焼加工までを請け負う業者が急増したが、食の安全への不信感から受注がなくなり、廃業せざるを得なくなった業者が多いそうだ。
この旅行から帰国後の2008年秋、テレビ番組の取材テープの翻訳作業に携わって実態を知った。 -
路地裏で朝食中のご老人。
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年季の入った建物と自転車を直すおじさん。
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ハデハデの旗がひらめくお寺。(決してタルチョではない)
やはり、台湾に近いものを感じる。
現在の台湾本省人の祖先の多くは、泉州から渡った移民たち。 -
なかなか立派なお寺。
福建は仏の国と言われるだけあって、お寺や廟がそこここにある。 -
朝食の露店
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野菜などを売る店とレンタカーの看板。
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海外交通史博物館
和平友誼 文明対話
回顧歴史 展望未来
(こんなところでそんなに平和を強調しなくても、と思うが)
泉州は海のシルクロードの起点。最盛期は元代。
マルコポーロも「ザイトンはアレキサンドリアと並ぶ世界最大の港」と称えた。
「ザイトン」とは「刺桐」の意。沖縄県の県花デイゴに同じ。今も泉州は「刺桐城」の別名がある。
後に港には土が堆積して船が入れなくなり、貿易港としての役割はアモイに移った。 -
鄭和 航海図
鄭和:1371―1433年 明代航海家、外交家、太監。
“鄭和下西洋” -
ジャンク船(模型)の展示
その他、竹排、独木舟、牛皮船、羊皮筏子(气嚢)なども。 -
宗教石刻館
泉州にはイスラム教、キリスト教、ヒンズー教等の石刻が多く残る。
宋、元代に、東方きっての一大港町として、多くの外国からの移民を受け入れたため。 -
塗門街
南国ムード漂う棕櫚、椰子の木。
建物は[門虫min3]南古建築様式と現代建築、そしてイスラム的要素(アーチ型の窓等)がミックスされたスタイル。 -
清浄寺
中国最古のイスラム教寺院 (石造モスク)
1009年創建 -
門楼を入ったところ
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中国十大名寺の紹介
一番にここ清浄寺が挙げられている。
しかし、「十大名寺」には諸説あって、以下の十箇所が挙げられることが比較的多いようだ。
「河南白馬寺、河南少林寺、浙江霊隠寺、浙江国清寺、江蘇大明寺、江蘇栖霞寺、江西東林寺、陝西法門寺、福建南普陀寺、北京雍和宮」 -
明善堂(礼拝堂)
穆斯林毎天朝麦加方向五次礼拜
晨礼、[日向shang3]礼、[日甫bu1]礼、昏礼、宵礼
周五主麻:イスラム教では金曜日が礼拝(ジュマ)の日 -
奉天壇(礼拝所)の遺構
かつては巨大なドーム型の屋根で覆われていて、今も残るこれらの石柱が支えていたとのこと。 -
関岳廟
道教廟宇。南宋の創建と推察される。
元来は関羽のみを祭祀したもので、岳飛を併祀するようになったのは民国期から。人々は通常“関帝廟”と呼ぶ。 -
香炉には「通淮関岳廟」の文字
塗門街はかつて通淮街といった。清末の泉州には、小さいものも含めると、なんと100以上の関帝廟があり、それぞれ通りの名を冠することで他と区別していたとのこと。
関帝への信仰がいかに厚かったかがわかる。
台湾や世界中の中華街には関帝廟があるが、そのルーツに当たるもの。 -
関岳廟 山門(馬殿)
左辺:岳飛的雪青騏驥(白馬)和白面馬夫
右辺:関羽的赤兔馬和紅面馬夫
善男信女絡繹不絶。 -
多くの人がおみくじを引いていたので、私も試してみた。
泉州通淮関岳廟 籤詩
第六十三 楊令公撞李陵碑 中平
曩時敗北且図南,筋力雖衰尚一堪。
欲識生前君大数,前三三与后三三。
これだけではよくわからなかったのだが、後日ネットで調べたら、解釈が出ていた。
解曰:此籤前途亨通。中間不免折挫。現在雖極疲困。然有一番光景在后。不可堕志。亦是大数注定。必其人平日居心及行事。克邀天鑑。故能不終没没也。三三。乃大数応験処。凡事失中有得。難中有易。晩景栄華。
つまりは、これまでは思うようにならないことが多かったが、もうひと踏ん張りすれば、後半生は運が開けるだろう、ということ。…但愿如此。
也就是説“謀事在人成事在天”[ロ巴]。 -
天后宮 =媽祖廟
北宋慶元2年(1196年)創建
媽祖:北宋太祖建隆元年(960年)生まれ =林黙、娘娘
航海安全の女神
鄭和も二度目の航海に出る前、泉州に立ち寄り、ここで媽祖のご加護を求めた。 -
山門 後ろ側の戯台
藻井
八仙過海図 -
正殿 屋根の飾り
殿頂両端五彩瓷型双龍戯珠 -
ガジュマルの木と“土地公”
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媽祖聖像
神昭海表:雍正元年(1723)御書扁額
ここも、台湾や東南アジア各地にある媽祖廟の総本山のような存在。 -
境内に、小さいガラス瓶の内側に文字を書くおじさんがいた。
“鼻烟壷”によくある“内画”の技術。 -
天后宮の前には、泉州古城門の遺址があった。
7つある城門の内、ここは南門=徳済門。元代の石造りのアーチ橋が保存されている。
その向こうに見える建物もなんだか面白い。
泉州の町、もっとじっくり見たかったなあ… -
2日後の午後。
アモイ、土楼の観光を終えて、再び福州に戻る途中、[艸甫pu2]田の寿山石彫などの店に立ち寄る。
深入貫徹“一通百通,海西八方縦横”福建交通精神。
海西:海峡西岸経済区 2004年頃より構想が具体化してきた。
この時、高速道路の隣では、新幹線の線路の建設中だった。
福厦高鉄(動車組): 2010年開通 -
福州 開元寺
549年創建。福州に現存する最も古いお寺。 -
ガジュマルの大木とバドミントンをするお坊さん。
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空海入唐之地
804年、第16次遣唐使船に乗った空海は、2ヶ月間漂流した末に、福州北の霞浦に漂着。その後50日間ここ開元寺に滞在した後、長安へ向かった。 -
赤い短冊には善男善女の願いごとが。
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お寺の周囲には高層ビルが迫っている。
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西湖公園
1700年以上の歴史のある公園 -
お年寄りたちが憩う水[木射xie4]
福州の[門虫min3]江飯店に一泊し、翌朝帰国。
夜は、時間が合えば、映画《赤壁》を見に行こうと計画していたのだが、間に合わなかった。
その代わり、ホテル内の美容室でヘアーカットをしてもらった。洗、剪、吹で30元。安上がり。 -
福州長楽空港の売店にて
北京オリンピックマスコット“福娃”のマグカップ
ちなみに、私は迎迎(藏羚羊)ファン。切れ長の目がかわいい。
今回は、ちょうど北京オリンピックの開催期間中の旅となった。
遠く離れた福建でもなかなか盛り上がっていて、レストラン等で放映中のテレビ中継に夢中になっている人々の姿をよく見かけた。
福建周遊(2)アモイ――やわらかな海風の吹く美しい町 に続く。
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