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ここバリのブサキ寺院はインドネシア最大のヒンドウ寺院であり、且つ、歴史的にも文化的にも優れたものだ、という程度の知識は持っていたが、このブサキに来るまで、この寺院がヒンドウの三大神、ヴィシュヌ、シバ、ブラフマのそれぞれの神を祀る複合寺院から構成されているとは知らなかった。そもそもヒンドウ寺院であるとは理解していたが、そのヒンドウのどの神様を祀っているのかすら知らなかった。<br /><br />ここへ来て初めて知ったのは、その三大神のうちで、ここではシバの神様が最も高く崇められ、この寺院全体の中央の場所に位置していて、しかも寺域面積も最大である。<br /><br />シバとは破壊の神様。インドの輪廻転生の思想から言えば、最初に破壊があって、その後、再生が行われ、永らく繁栄が続く。善きも悪きもすべて一切を破壊し尽くし、ゼロの状態にする。破壊することに際し、容赦はない。恐ろしくもあり、且つ強大な神だ。<br /><br />この火山国インドネシアに於いて、シバ神は最適にマッチしている神様だろう。今日の午前、バトウール山からの下山途中に見てきた、大きな溶岩流の跡。家も家畜も何もかも一切を押し流した溶岩の痕跡が黒々と広がっていた。このブサキ寺院からは今日は雲に隠れ、時々しか姿を現さないアグン山も、この山のどこかでは今も噴煙を上げているだろう。バリ島の山すべてが活火山で、毎日息づき、何時又大噴火を起こすかは分からない。<br /><br />インドネシア人の祖先が最初にバリ島に住み着いたのは、何時ごろかは分からない。150年前、アフリカの地に生まれた最初の人類は、長い年月をかけ、インド、マレー半島、スマトラを経てこの地にやってきて、更には、オーストラリアまで渡り、アボリジニの祖先ともなっている。又、一方でその流れとは別にジャワでも30万〜50万年も前に派生したジャワ原人がいた。様々な人類の祖先がこの島を交差し、又その一部は日本列島にも流れ着いた。<br /><br />数万年、数十万年の昔からこの地に住み着いた人々は、繰り返し行われるアグンの大噴火、大溶岩流に惧れ、おののき、それでも尚且つこの豊穣の地を去りがたく、この怒れる山を鎮魂すべく、麓にかくも壮麗な寺院を建立した。もう何万年と続いている人と自然との係わり合い、その接点として、今ここにこの寺院があった。<br /><br />ヒンドウの宗教については良く知らない。日本や中国の寺社同様、寺院の中央か最奥には、壮麗な主殿、祭殿があるのかと思い、今日の午後、取り敢えずブサキに参詣し、既に夕方近くであったが、シバの主殿を後回しにして、一番上の場所にある龍の社にお参りし、最後にここにやってきた。が、しかし予想していたような、大きな建物はそこにはなく、日本の大きな神社の境内で見るような、摂社、末社が数多く並んでいるだけで、・・ウーン、こうしたところに自然崇拝を根本とする神道との共通点があるのかもしらん、との思いで、境内に佇んだ。そうしていたところ、雲の流れも切れて、アグンの山が目の前に現れ、強い感動を覚えた。<br /><br />プルメイアの黄色がかった暖かい色の花。アグンを眺めていると、その花びらを手にしたこの寺院の僧侶がやってきて、この寺院についての説明をしてくれる。夕方、もう参詣者は帰った後で、犬しか残っていない境内で、真っ白の礼服を着たヒンドウの僧侶から、これ又ヒンドウ風の英語の発音で、説明を受ける。彼も又、ずっと昔にインドの地からやってきた遠い祖先の血を受け継いで今日ここにこうして僧侶としてこのブサキ寺院を守っているのだろうか・・。

バリ島の1週間(28)ブサキ寺院のシバの神殿。

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2011/04/28 - 2011/05/06

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ちゃお

ちゃおさん

ここバリのブサキ寺院はインドネシア最大のヒンドウ寺院であり、且つ、歴史的にも文化的にも優れたものだ、という程度の知識は持っていたが、このブサキに来るまで、この寺院がヒンドウの三大神、ヴィシュヌ、シバ、ブラフマのそれぞれの神を祀る複合寺院から構成されているとは知らなかった。そもそもヒンドウ寺院であるとは理解していたが、そのヒンドウのどの神様を祀っているのかすら知らなかった。

ここへ来て初めて知ったのは、その三大神のうちで、ここではシバの神様が最も高く崇められ、この寺院全体の中央の場所に位置していて、しかも寺域面積も最大である。

シバとは破壊の神様。インドの輪廻転生の思想から言えば、最初に破壊があって、その後、再生が行われ、永らく繁栄が続く。善きも悪きもすべて一切を破壊し尽くし、ゼロの状態にする。破壊することに際し、容赦はない。恐ろしくもあり、且つ強大な神だ。

この火山国インドネシアに於いて、シバ神は最適にマッチしている神様だろう。今日の午前、バトウール山からの下山途中に見てきた、大きな溶岩流の跡。家も家畜も何もかも一切を押し流した溶岩の痕跡が黒々と広がっていた。このブサキ寺院からは今日は雲に隠れ、時々しか姿を現さないアグン山も、この山のどこかでは今も噴煙を上げているだろう。バリ島の山すべてが活火山で、毎日息づき、何時又大噴火を起こすかは分からない。

インドネシア人の祖先が最初にバリ島に住み着いたのは、何時ごろかは分からない。150年前、アフリカの地に生まれた最初の人類は、長い年月をかけ、インド、マレー半島、スマトラを経てこの地にやってきて、更には、オーストラリアまで渡り、アボリジニの祖先ともなっている。又、一方でその流れとは別にジャワでも30万〜50万年も前に派生したジャワ原人がいた。様々な人類の祖先がこの島を交差し、又その一部は日本列島にも流れ着いた。

数万年、数十万年の昔からこの地に住み着いた人々は、繰り返し行われるアグンの大噴火、大溶岩流に惧れ、おののき、それでも尚且つこの豊穣の地を去りがたく、この怒れる山を鎮魂すべく、麓にかくも壮麗な寺院を建立した。もう何万年と続いている人と自然との係わり合い、その接点として、今ここにこの寺院があった。

ヒンドウの宗教については良く知らない。日本や中国の寺社同様、寺院の中央か最奥には、壮麗な主殿、祭殿があるのかと思い、今日の午後、取り敢えずブサキに参詣し、既に夕方近くであったが、シバの主殿を後回しにして、一番上の場所にある龍の社にお参りし、最後にここにやってきた。が、しかし予想していたような、大きな建物はそこにはなく、日本の大きな神社の境内で見るような、摂社、末社が数多く並んでいるだけで、・・ウーン、こうしたところに自然崇拝を根本とする神道との共通点があるのかもしらん、との思いで、境内に佇んだ。そうしていたところ、雲の流れも切れて、アグンの山が目の前に現れ、強い感動を覚えた。

プルメイアの黄色がかった暖かい色の花。アグンを眺めていると、その花びらを手にしたこの寺院の僧侶がやってきて、この寺院についての説明をしてくれる。夕方、もう参詣者は帰った後で、犬しか残っていない境内で、真っ白の礼服を着たヒンドウの僧侶から、これ又ヒンドウ風の英語の発音で、説明を受ける。彼も又、ずっと昔にインドの地からやってきた遠い祖先の血を受け継いで今日ここにこうして僧侶としてこのブサキ寺院を守っているのだろうか・・。

旅行の満足度
4.5
  • ブサキ寺院はアグン山の麓約800mの標高の場所にあり、眼下の平野部が広々と見渡せる。

    ブサキ寺院はアグン山の麓約800mの標高の場所にあり、眼下の平野部が広々と見渡せる。

  • ブサキの主祭神はシバ神となっている。

    ブサキの主祭神はシバ神となっている。

  • シバ神を祀る境内。

    シバ神を祀る境内。

  • 境内には日本の神社にあるような摂社とか末社を飾る、神輿のようなものがずらっと並んで安置されていた。

    境内には日本の神社にあるような摂社とか末社を飾る、神輿のようなものがずらっと並んで安置されていた。

  • ヒンドウの八百万の神々。

    ヒンドウの八百万の神々。

  • シバ神の主祭殿。

    シバ神の主祭殿。

  • シバ神主祭殿への扉。普段は入れない。

    シバ神主祭殿への扉。普段は入れない。

  • 雲の間からアグン山が見えてきた。

    雲の間からアグン山が見えてきた。

  • 憧れの山だ。今回は登れなかったが、次回来る時は必ずこの山に登ろう。

    憧れの山だ。今回は登れなかったが、次回来る時は必ずこの山に登ろう。

  • はちすに似たような花も咲いていた。標高800mでやや気候も温暖なのか・・。

    はちすに似たような花も咲いていた。標高800mでやや気候も温暖なのか・・。

  • この寺の僧侶がプルメイアの花を持ってやってきた。

    この寺の僧侶がプルメイアの花を持ってやってきた。

  • シバの神殿をバックにして。

    シバの神殿をバックにして。

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