![即墨城区の北東44kmの場所に1402年に創建されたという城堡 (じょうほう) 都市 "雄崖故城 " がある (都市と言っても今で言う村ですが...)。<br /><br />全く有名な観光地じゃないけど 古鎮や田舎好きなオレは興味津々。<br />手薄な情報量も為せば成る! 行くぞ!](https://cdn.4travel.jp/img/thumbnails/imk/travelogue_album/10/57/97/650x_10579773.jpg?updated_at=1309702558)
2011/05/13 - 2011/05/16
191位(同エリア523件中)
ヒデールさん
即墨城区の北東44kmの場所に1402年に創建されたという城堡 (じょうほう) 都市 "雄崖故城 " がある (都市と言っても今で言う村ですが...)。
全く有名な観光地じゃないけど 古鎮や田舎好きなオレは興味津々。
手薄な情報量も為せば成る! 行くぞ!
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即墨滞在2日目 午前6:45. 起床
部屋の窓は東向きにあって大きいためカーテンを開けると光りがたくさん差し込んでとても明るい。
そう言っても今朝は晴れてるが少し雲がかかる何とも中国らしい朝。
さて めしでも食うか...
いちいち面倒だが この棟にはレストランがないためメイン棟の2Fまで移動する。 -
朝食は中華中心のブッフェ。
ただどれもイマイチな味。 -
ふと隣のテーブルを見ると日本人ぽい男性3人組がいたので話しかけてみた。
彼らは出張でしばらくの間 即墨に滞在してるという。
オレが街の事を聞くと彼らは 「毎日職場とホテルの往復だから街の事は何もわからない」 と答えた。
立派な企業戦士だ。 -
商務楼に戻りチェックアウトをしフロントでタクシーを呼んでもらう。
10分ほど待って1台やって来た。
ただオレ以外にもこのタクシーに乗る客がいるらしく しばらく車内で待機。
フロントの服務員と運転手とのやり取りを聞いてると もう1人の客は空港まで行くらしい。
てことはオレが行きたい即墨站は通り道みたいもん。
運転手に 「空港まで行くならオレは払わなくてもいいだろ?」 て言ってみたがダメだった。 ケチ! -
午前9:05. 即墨站に到着
早速切符売り場の窓口で ※城鎮 (フォンチャンヂェン) 行きの切符を買おうとするも無愛想な服務員は 「没有」 のひと言。
そんなはずはないと資料を見せ繰り返し尋ねるが答えは同じ。
隣接する待合ロビーに行き 今度はそこにいた服務員を捉まえ再度尋ねると 「外へ出て右へ行って地下...」 だと言う。
地下? こんな田舎町に地下なんかあるかよ?
とりあえず言われたとおり歩いていくが地下にそんなものがある雰囲気はない。
※ 印の文字は日本に無い漢字のため表記できません。 -
辺りを見回すと地図を売ってる店があった。
ちょうど即墨市の地図が欲しかったところだ。
地図を買うついでに店のおばちゃんに 「フォンチャン鎮行きのバス停てどこ?」 て聞いたら 「そこから乗るんだよ」 と言って目の前を指差した。
そこは何の表示もない道端だ。
でも確かにバス待ちっぽい輩はいる...
こういうことは中国を含めアジアではありがちな事で別に驚くことではない。
ただ初めて利用する者にとっては不親切極まりないことだ。
しばらく立ってると田横鎮や大村などへ行くバスが次々とやって来ては客を乗降させ また走り去って行く。 -
午前9:35. 20分ほど待ったところでフォンチャン鎮行きのバスが来た。
既に座席は満席だ。
ただ運転手の周辺は席じゃないスペースも席になってて皆座ってる。
そこにちょうど1人分のスペースがあったので座る。
直ぐにオレは運転手に 「雄崖故城へ行きたい、どこで降りればいい?」 と関連資料を見せながら尋ねる。
すると運転手の周りにいた乗客のおじさんものぞき込んできて何か喋ってる。
あーだこーだ話してるうちにオレの前に座ってる女性が 「このおじさん(のぞき込んできたおじさん)も雄崖故城へ行くから一緒に付いて行けばいいよ」 と言ってくれた。
謝々、みんな優しい人たちだ。
そんなオレの事に限らず 乗り合わせた乗客同士がバスに揺られながら世間話を交わしてる光景に頬が緩む。
あ〜 日本も昔はこうだったんだよな きっと...
この車内のように人と人との距離が近くて助け合ったり、気にかけたり、時には怒ったりしたんだよなぁ... -
前に座ってる女性は日本人が珍しいからか ヨソ者のオレを気遣いけっこう話しかけてくれる。
意思疎通が上手くいかない時には彼女の携帯を使い筆談も交えたり。
なんでもこれから自分の親元に預けてある子供を迎えに葛家という村まで行くらしい。
明日即墨に戻り 明後日 "※山 " という所へ行くという。
「※山はいい所よ」 と教えてくれた。
そういえば誰かも同じ事を言ってたなあ。
そんな彼女に車内で1枚撮ってもらう。
※の漢字はカタカナの ヨ の下に漢字の 火 と書きます -
町外れの とある場所でいきなしバスが停まった。
運転手が慌てて降りていく様は、
まさか故障? -
給油だったよ...
ホっ -
田舎道を快調にトバすバス。
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午前10:24. しばらく街らしい街もなかったが ようやくそれっぽい所に来た。
周りの看板からして店集鎮と思われる。
ここで6〜7人 降りていった。 -
5分ほど走った辺りから細い道へ入る。
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その後はダートロード。
しかも延々つづく こんな悪路にもかかわらず砂埃を舞い上げ普通の道路と同じスピードで突っ走るとこが中国の逞しさ。
まるで高波を受けて進むボートのような上下の揺れ。 -
さぞかし運転手は気合い入ってるのかと思いきや...
携帯でお話し中 -
午前11:00. ようやくフォンチャン鎮に到着。
多くの人がここで降りる。
ただオレの前に座ってる女性はまだ先まで行くようだ。
オレはバスを降り雄崖故城まで行くというおじさんの後を付いていく。
すると おじさんの娘さんらしき人が車で迎えに来てた。
謝々、 オレも一緒に車に乗せてもらう。 -
午前11:07. 雄崖故城に到着。
村の入口となる門の手前で降ろしてもらう。 -
ここは市クラスの重点文物保護単位。
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早速 故城の玄関口となる奉恩門をくぐる。
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門の向こうには民家が何軒も並んでる。
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門の裏側には階段があって門の上まで行けそうな感じだ。
その入口には 「南海慈航」 と書いてある。 -
門の上まで上がると城楼らしき建物があった。
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門の上から自分がやって来た道の方を眺める。
ほとんど車の往来がない。 -
東の方を見ると黄砂のせいか霞んでるが海が見える。
ここからは2kmほどだろうか。 -
北側は民家が建ち並ぶ。
ソーラーパネルや衛星アンテナを設置した新しい家もあれば 古いレンガと古い瓦の家もある。 -
西の方には小高い山があり その頂きに廟らしき建物が見えるが...
あそこまでは行けねーな。
なんてことを思いながら写真を撮ってると いつの間にか傍にご老人がひとりいて掃き掃除をしてる。
軽く挨拶をすると ご老人は鍵を取り出し城楼の扉を開け中を見せてくれた。 -
単なる城楼かと思ってたら立派な神廟だ。
ここは3つの廟に分かれていて それぞれ色んな神様が祀られてある。
そのひとり学問の神様 文昌帝は左の廟にご鎮座。 -
中央の廟には「南海慈航」の書の下 尊い表情の菩薩様がご鎮座されていた。
てことは ここは俗に言う 天后廟のような場所かな? -
廟の屋根瓦をよく見ると花の模様や蝶々をあしらった細かい装飾が施されてある。
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じゃあ ちょっと故城の中を歩いてみるか。
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けっこう ひっそりしてる...
みんな住んでんのかな? -
小高い丘の方へ上ってみたが故城全体を見渡すには標高が足りなかった...
でも海はよく見える。
昔あの海から海賊が攻めて来たなんて おとぎ話のようで想像がつかない。 -
畦道の脇でバックパックを下ろし地べたに座り込む。
時間がゆっくり流れてる場所では その流れに逆らわず こっちもゆっくり過ごすのが一番。
の〜んびり行きましょう。 -
一服してから丘を下り細い路地を適当に歩いてると豪く古い門に出くわす。
それもそのはず この鎮威門は建造された600年前の姿を今でも留めている城内で最も希少価値の高い建造物だ。
因みに故城の入口に建つ奉恩門は60年ほど前に二度に渡り改修工事を行っているためキレイにはなったが歴史的価値を下げたらしい。 -
鎮威門は別名 "西門 " と呼ばれていて ここから東へ向かって延びる通りは南門となる奉恩門から延びてくる通りと城内の中心で交わることになる。
門をくぐり道を下ってみる...
すると すぐ傍の十字路の角にひとりのおばさんが座っていた。
ニイハオ! こっちから挨拶をするとニッコリ微笑んでくれた。
「我是日本人」 とオレがつづけると 向こうは 「何言ってんだ?」 と明らかに困惑の表情。
3回言っても通じなかったので地面に書いたら やっと理解してもらえた。
決してオレが話す中国語の発音は良くないかもしれない。
しかし 「我是日本人」 が通じなかったことは今まで記憶にないゾ。 -
恥ずかしがって撮影に応じてくれない おばさんを後に故城内を時折り脇道へ逸れながら北の方へ歩く。
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とある路地を歩いてると道端に愛想のいいおじさんが座っていた。
ニンハオ! お名前は陸 (ルー) さんとおっしゃる。
挨拶を交わし陸さんと少し話しをするがここでも 「我是日本人」 が通じない。
筆談でわかってはもらえたが おじさんが言う 「リーベンレン」 の発音は確かにオレが今まで耳にしてきた 「リーベンレン」 とはちょっと違う...
コレって訛りかぁ!?
ありえるかもな... -
故城の北の端まで来てみたが北側には門は残ってないようだ。
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細い路地が張り巡る故城内はさながら迷路。
万が一敵に侵入を許したとしても これじゃいずれは袋の鼠だな。 -
これだけ民家があれば一軒くらい商売をやってる家があっても良さそうなもんだが全く見当たらない。
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そのうち牛と出くわす。
1枚撮っとくか -
すると現れた おやじ2人組。
「オイ牛なんか撮ってないでワシらを撮れよ」 ... と言ったかどうかはわからないが オレと目を合わすなり何か話しかけてきた勢いからいうとそんな感じ。
1枚撮ってから 「我是日本人」 てオレが言うと 通じたのはいいがおやじ2人揃ってトーンダウン。
さっきまでの愛想はどこへやら硬い表情に変わっちまった。
日本人が嫌いみたいだ。 -
特にひと気のない とある路地を歩いてると田んぼ道のように道が細くなり やがて民家が途切れる。
そんな場所にあったのは土をピラミッド形に盛ったいくつもの墓だ。
合掌 -
昼12:17. 故城内を一周し再び奉恩門に戻る。
これからオレは即墨へ戻るために来る時バスを降りたフォンチャン鎮まで移動しなければならない。
門の入口に立ち故城内からやって来る車やバイクを捉まえフォンチャン鎮まで相乗りを頼むことにする。
しばらくしてバイクが1台やって来た。
ちょうど門のところにそいつのツレがいてバイクを停め話しを始める。
頃合いを見てオレはバイク野郎にフォンチャン鎮まで乗っけてってもらえないか聞いてみたが、フォンチャン鎮へは行かないと言う。
ただ意外なことに ここから即墨へ行く直通バスがこのあと1時に出るらしく バイク野郎のツレはそのバスに乗るという。
そいつは Lucky !
雄崖故城も捨てたもんじゃないな。 -
日差しを避けるため奉恩門の中でバスを待つことにする。
1人、2人、3人... とバスを待つ村人がどんどん増えてくる。
やがて1時が近づくと門の中の日陰にいた人たちがぞろぞろと門の外へ移動を始める。
勝手がわからないオレは とりあえずその流れに付いていく。
しばらくしてバスがやって来た。
そこでオレは驚きの光景を目にする。
なんとバスを目がけて男衆が一斉に走り出した。
女、子供、年寄りに席を譲ろうなんて考えは奴らには微塵もない。
我先に席を確保しようと女も続く。
停車したバスの入口には当然人が殺到。
中にはジャンプして窓から入っていく技ありの輩もいる。
呆気にとられながらもオレだって長時間立っていくなんて御免だと何とか席を... というか往路と同じく座れるスペースを確保。 -
午後1:03. バスは雄崖故城を出発。
中国には順番という概念やレディーファーストというマナーがほとんどないことはわかってはいたが...
実際目の当たりにすると男衆のダッシュにはドンビキだし あとはハチャメチャ過ぎてとにかく...
笑えた。 -
復路も往路と同じく王村鎮の辺りは延々砂利道が続く。
ただ往路の運転手と違いこのバスの運転手はさほどトバさない。
といっても60kmは出てるだろうか...
当然ノンエアコンなので各窓は開いてる。
そんな状況でありながらオレの前に座ってる あのバイク野郎のツレが窓から痰を吐きやがる。しかも2発!
トバっちりはないにしても決して気分のいいもんじゃないよな。 -
店集鎮で何人か乗客が降りたので ようやくまともな座席に座れた。
その後は温泉がある その名も温泉鎮を通り... -
午後2:46. 即墨に到着
朝バスに乗った場所の向かいでバスを降りる。
バス賃は11元で到着する10分ほど前に車内で徴収された。
とりあえず通りを横断して朝 地図を買ったおばちゃんのところへ顔を出し無事 雄崖故城へ行ってきたことを報告。
ここのおばちゃん けっこう気にかけてくれてたんでね。 -
ここからはまたバスに乗って青島へ移動する。
朝 スーパー無愛想だった切符売り場の窓口へ再度行き 今度は自信を持って青島行きを尋ねると、またしてもこの売り場ではなく 「向こうの方だ」 と言われる。
教えられた辺りをうろついてると青島行きのバスを見つけた。 -
午後3:05. 満席になるまで客を待ち続けた末 いよいよ即墨站を出発。
バスはエアコン完備でシートもまともだ。 -
さいならー 即墨の街
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出発から10分ほど経ったところで回ってくる乗務員から切符を買う。
バス賃は12元と安い。 -
途中 青島汽車北站 (写真) など いくつかのバス停に寄りながら進む。
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青島の街が近づくと大規模な道路工事が行われていて渋滞となる。
こりゃ明日空港へ行くのに余裕を持って行った方が良さそうだな。 -
なぜか途中で青島汽車站まで行きたい乗客だけ別のバスに乗り換えさせられる... ???
訳がわからん ??
なすがまま... -
午後4:32. 青島汽車站に到着。
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ここからは山東省の各都市は勿論、隣接する江蘇省や河北省、河南省、浙江省などの各主要都市まで長距離バスが出ている。
もう1日あれば周村まで行きたかったところだが...
さて、タクシーにでも乗ってホテルへ行くとするかぁ。
次の旅行記 「微笑みかけるは今宵の青島」 へつづく -
< おまけ >
即墨市の地図で雄崖故城の場所を押さえたいと思います。
地図上右上のオレンジ色の地区が ※城鎮 (フォンチャン鎮) です。
鎮の中心となるフォンチャン鎮の町から北上したところにある赤丸印のひとつが雄崖故城です。
ちょっと見にくいですかね?
因みに即墨城区の位置は地図左下です。
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