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さて。<br />配偶者とワシとで結成する「夫婦で年1回は長めの旅をしたいよネ友の会」(会員2名)の例会が、過日、にぎにぎしく開催された。<br />ちなみに昨年は、配偶者のオシゴトの都合により「台湾3泊」であった。<br />しかも長女というコブ付き旅行である。看板に偽りありと言わねばならない。<br />公取委に立入調査を受け行政指導をされそうだ。<br /><br />よってもって、今年は昨年の反省にかんがみ、<br /><br />「せめてもっと長く!」<br /><br />がテーマなのであった。<br /><br />「あなたよ少し短い!」<br /><br />だと、スポーツ紙掲載の怪しい精強剤広告になってしまうのであった。<br /><br /><br />さいわい配偶者も、今年はなんとか1週間くらいは休めそうだという。とゆうことは土日を挟んで8-9日。<br />とりあえずはユーラシアのどこかに行きたい。<br /><br />「であれば、トルコかギリシャにしましょう」<br /><br />と配偶者が言う。<br />ふむふむ。イスタンブールに降りて、陸路と海路をアテネまで移動、ということもできそうだ。<br /><br />が、9日間ということは、せいぜい現地は7日である。(⇒じっさいは5日だった)<br />ツアーなら楽勝だろうが、個人旅行で7日で2国間移動は厳しかろう。<br />しかもアテネには直行便は飛んでおらず、トランジットを強いられる。<br /><br />とゆうわけで、二つの国をまたぐのは断念。話し合いの末「ではではギリシャ単独攻撃で」と話がまとまる。<br />この先無事に生きていれば、海外なんていつでも行ける。ここで欲張ってはいけない。<br /><br />しかしだナ。ギリシャってどんな国だっけ。<br /><br />「パルテノン神殿があるわよネ」<br /><br />「あるある」<br /><br />「エーゲ海クルーズも」<br /><br />「あるある」<br /><br />あわててガイドブックを買ってくると。<br />なんとなんと、ギリシャ観光の比率は、パルテノン神殿45%、エーゲ海クルーズ45%、このふたつで都合90%なのであった。(⇒鯨の味噌汁調べ)<br />つまりパルテノンの丘から、ドボンと海に飛び込んで島まで泳ぐのがギリシャ観光のほぼすべてなのだ。<br />あとは「犬が道に寝てるのを見物」が5%。「修道院で坊主を見物」が5%。(⇒鯨の味噌汁調べ)<br /><br />で、例によって、地図に「エイヤっ」とばかり、矢印を引く。<br />ロードス島にふたつ泊まって、アテネに泊まって、<br /><br />「残りは現地で決めよう」<br /><br />「そうしましょう」<br /><br />あっさり話がまとまる。<br />とりあえず、行ってみて、それから考えよう、ということになった。<br /><br /><br />

新ロードス島攻防記①とりあえず行ってみよう・聖ヨハネ騎士団の島

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2011/05/16 - 2011/05/16

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旅行記グループ ギリシャふたり旅

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3

鯨の味噌汁

鯨の味噌汁さん

さて。
配偶者とワシとで結成する「夫婦で年1回は長めの旅をしたいよネ友の会」(会員2名)の例会が、過日、にぎにぎしく開催された。
ちなみに昨年は、配偶者のオシゴトの都合により「台湾3泊」であった。
しかも長女というコブ付き旅行である。看板に偽りありと言わねばならない。
公取委に立入調査を受け行政指導をされそうだ。

よってもって、今年は昨年の反省にかんがみ、

「せめてもっと長く!」

がテーマなのであった。

「あなたよ少し短い!」

だと、スポーツ紙掲載の怪しい精強剤広告になってしまうのであった。


さいわい配偶者も、今年はなんとか1週間くらいは休めそうだという。とゆうことは土日を挟んで8-9日。
とりあえずはユーラシアのどこかに行きたい。

「であれば、トルコかギリシャにしましょう」

と配偶者が言う。
ふむふむ。イスタンブールに降りて、陸路と海路をアテネまで移動、ということもできそうだ。

が、9日間ということは、せいぜい現地は7日である。(⇒じっさいは5日だった)
ツアーなら楽勝だろうが、個人旅行で7日で2国間移動は厳しかろう。
しかもアテネには直行便は飛んでおらず、トランジットを強いられる。

とゆうわけで、二つの国をまたぐのは断念。話し合いの末「ではではギリシャ単独攻撃で」と話がまとまる。
この先無事に生きていれば、海外なんていつでも行ける。ここで欲張ってはいけない。

しかしだナ。ギリシャってどんな国だっけ。

「パルテノン神殿があるわよネ」

「あるある」

「エーゲ海クルーズも」

「あるある」

あわててガイドブックを買ってくると。
なんとなんと、ギリシャ観光の比率は、パルテノン神殿45%、エーゲ海クルーズ45%、このふたつで都合90%なのであった。(⇒鯨の味噌汁調べ)
つまりパルテノンの丘から、ドボンと海に飛び込んで島まで泳ぐのがギリシャ観光のほぼすべてなのだ。
あとは「犬が道に寝てるのを見物」が5%。「修道院で坊主を見物」が5%。(⇒鯨の味噌汁調べ)

で、例によって、地図に「エイヤっ」とばかり、矢印を引く。
ロードス島にふたつ泊まって、アテネに泊まって、

「残りは現地で決めよう」

「そうしましょう」

あっさり話がまとまる。
とりあえず、行ってみて、それから考えよう、ということになった。


同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
高速・路線バス 飛行機
旅行の手配内容
個別手配
  • とゆうわけで、旅の最初に、ロードス島を目指すことにした。<br />しかし、実際に計画してみると、島とゆうのは、何かと不便なのである。<br />そもそも電車でいけない。(当たり前だのクラッカー)<br />ちなみに今回の場合、ド安いカタール航空+オリンピア航空を使ったので<br /><br />成田⇒(関空立寄)⇒ドーハ⇒アテネ⇒ロードス<br /><br />ほとんど「ヒコーキ版各駅停車世界の旅・提供は富士通です」なのであった。<br />ヒコーキの各駅停車であるからチットモうれしくない。<br />しかも2回の乗継である。<br />トーキョーの地下鉄だって「2回乗り換え」はかなり難易度が高いのに、「国際的2回乗り換え」はイカニモ難儀である。<br />成田を出るのが午後8時。ロードス島にたどり着くのが翌日の午後である。<br />時差の6時間が加わってほぼ24時間だ。<br /><br />が、例によってわが配偶者は、ヒコーキの席に着くなり、すとんと眠り始めるのであった。<br />本読んでいるナ、と思って、次の瞬間、隣を見るともう寝ている。<br />カエルを冷蔵庫に入れる実験みたいである。そのまま解剖したくなる。<br /><br />しかしワシは両生類ではないので眠れない。どーしても眠れない。夜8時の出発というのに眠れない。<br />今回は「移動24時間」とゆうことで、対策も万全を期したのである。<br />事前にジムのサウナに飛び込み、炎に耐えつつ、汗を噴出し。<br />さらに搭乗直前には、回転寿司に生ビール2杯、という苦行を自らに課した。<br /><br />サウナで絞るだけ絞って生ビール、とくれば、これはもう睡魔誘発無所属新、当選確実、機中で爆睡、の筈であった。<br />が、これだけやってもまだ眠くならないのであった。<br /><br />ドーハで乗り継ぎ、なんとかアテネまでたどり着く。<br />ここから国内便。しかし、ギリギリで前の便に待ち合わず、次の便まで5時間、時間が空いてしまう。<br />恐るべき効率の悪さである。ツアーだったら添乗員を射殺しているところだ。<br /><br />がっかりしつつ、そのまま荷物をロッカーに預け、電車に乗り。<br />空港から近い、アテネ・オリンピックスタジアムの探検に出かけることにする。<br />ここは今週の水曜日、サッカーのギリシャリーグで試合が行われる。<br />その下見のつもりだ。<br /><br />陸橋を渡り、アテネ空港の駅にたどり着く。<br />ホームが4本あり、それぞれに4つ、時計が掛かっている。駅によくある丸いタイプね。<br />が、その4つの時間が、それぞれ違うのであった。<br />左のホームから、<br /><br />12:40<br />12:20<br />14:40<br />17:40<br /><br />全部違う。クイズでゆうところの四択、正解はどれだ。<br /><br />「すごいな。行き先によって時差があるのか」<br /><br />なんて思ったが、よく考えたら近郊線だ。あるわけない。<br />つくづく観察すると、なんのことはない。ひとつをのぞいて、故障で止まっているのだった。(⇒本当)<br />おまけに電車は、落書きがテンコ盛りである。内外すべて、シートにいたるまで落書き。<br /><br />空港駅といえば、その国の顔じゃにないのか。<br />何とかしろよギリシャ人。それでいいのかギリシャ人。<br /><br />

    とゆうわけで、旅の最初に、ロードス島を目指すことにした。
    しかし、実際に計画してみると、島とゆうのは、何かと不便なのである。
    そもそも電車でいけない。(当たり前だのクラッカー)
    ちなみに今回の場合、ド安いカタール航空+オリンピア航空を使ったので

    成田⇒(関空立寄)⇒ドーハ⇒アテネ⇒ロードス

    ほとんど「ヒコーキ版各駅停車世界の旅・提供は富士通です」なのであった。
    ヒコーキの各駅停車であるからチットモうれしくない。
    しかも2回の乗継である。
    トーキョーの地下鉄だって「2回乗り換え」はかなり難易度が高いのに、「国際的2回乗り換え」はイカニモ難儀である。
    成田を出るのが午後8時。ロードス島にたどり着くのが翌日の午後である。
    時差の6時間が加わってほぼ24時間だ。

    が、例によってわが配偶者は、ヒコーキの席に着くなり、すとんと眠り始めるのであった。
    本読んでいるナ、と思って、次の瞬間、隣を見るともう寝ている。
    カエルを冷蔵庫に入れる実験みたいである。そのまま解剖したくなる。

    しかしワシは両生類ではないので眠れない。どーしても眠れない。夜8時の出発というのに眠れない。
    今回は「移動24時間」とゆうことで、対策も万全を期したのである。
    事前にジムのサウナに飛び込み、炎に耐えつつ、汗を噴出し。
    さらに搭乗直前には、回転寿司に生ビール2杯、という苦行を自らに課した。

    サウナで絞るだけ絞って生ビール、とくれば、これはもう睡魔誘発無所属新、当選確実、機中で爆睡、の筈であった。
    が、これだけやってもまだ眠くならないのであった。

    ドーハで乗り継ぎ、なんとかアテネまでたどり着く。
    ここから国内便。しかし、ギリギリで前の便に待ち合わず、次の便まで5時間、時間が空いてしまう。
    恐るべき効率の悪さである。ツアーだったら添乗員を射殺しているところだ。

    がっかりしつつ、そのまま荷物をロッカーに預け、電車に乗り。
    空港から近い、アテネ・オリンピックスタジアムの探検に出かけることにする。
    ここは今週の水曜日、サッカーのギリシャリーグで試合が行われる。
    その下見のつもりだ。

    陸橋を渡り、アテネ空港の駅にたどり着く。
    ホームが4本あり、それぞれに4つ、時計が掛かっている。駅によくある丸いタイプね。
    が、その4つの時間が、それぞれ違うのであった。
    左のホームから、

    12:40
    12:20
    14:40
    17:40

    全部違う。クイズでゆうところの四択、正解はどれだ。

    「すごいな。行き先によって時差があるのか」

    なんて思ったが、よく考えたら近郊線だ。あるわけない。
    つくづく観察すると、なんのことはない。ひとつをのぞいて、故障で止まっているのだった。(⇒本当)
    おまけに電車は、落書きがテンコ盛りである。内外すべて、シートにいたるまで落書き。

    空港駅といえば、その国の顔じゃにないのか。
    何とかしろよギリシャ人。それでいいのかギリシャ人。

  • さて。<br />ロードス島の宿は、ネットで予約していた。<br />この島はいわゆるリゾートのツクリであるから、7〜8月はヨーロッパ中からバカンス客がイワシのように押し寄せる。<br />よってもって、ホテルの値段は目玉が飛び出して成層圏に達するくらい、高くなる。<br /><br />しかし今は5月である。いわゆるミドル・シーズンであるから、5つ星のホテルでも割安なのである。<br />ネットで探していると、ハイシーズンならツインで200ユーロ(23,000円!)のホテルが、なんとなんと、70ユーロで出ている。<br /><br />「1泊あたり130ユーロ儲けではないか。二泊すれば260ユーロ儲けではないか」<br /><br />鯨は、シメシメと予約したのである。<br />ロドスシティの岬の先端近くにあり「全室から海が見えます」とある。<br />つまり、エーゲ海オーシャンビューである。<br />なんとまぁ、かぐわしい響きではないか。<br /><br /><br />夕闇の中、ロードス島の空港になんとか到着。<br />空港からバスに乗り、ロドスシティへ。<br />さらに海岸線をトボトボ歩くこと15分、ホテルの前にたどり着く。<br /><br />なるほど目の前が砂浜である。絶好のロケーションである。<br />これは部屋のバルコニーで海を眺め、配偶者のケツをなでつつ<br /><br />「ぼかぁシアワセだなぁ」<br /><br />と加山ユーゾーをしなくてはいけないであろう。<br /><br />「すごいホテルね」<br /><br />配偶者も珍しく感激している。<br /><br />「うむ。全室おーしゃんびゅうー、の星5つだからなっっっっ」<br /><br />「高かったでしょう」<br /><br />「それがだな。ワシくらいの達人だと、ギョッとするお値段で予約できるのだ」<br /><br />亭主の株はグイグイ上がり、年初来高値のストップ高寸前なのであった。<br /><br />が、部屋に案内されると。<br />なぜか、「海と反対側」の部屋ドアを、ボーイは開けるのだった。<br /><br />まてまて、全室オーシャンビューじゃないのか。<br />フトン部屋と間違えてるんじゃないのか。<br /><br />疑心暗鬼に駆られつつ、ボーイが去った後、部屋のカーテンをサッ開けた。<br />目の前にドスンとナニモノかが建っており、視界をはなはだしくさえぎっていた。<br /><br />それはどうやら「建設途中でバブルが崩壊してそのまま放置されたユーレイビル」であった。<br />コンクリから鉄筋が雑草のようにニョキニョキ伸びて、不気味であり無様である。<br />ギリシャは経済危機の最中であって、こんな放置ビルがあちこちにあるのだ。<br />リゾートとゆうよりは、さいたま市の河川敷工事現場に泊まってる気分であった。<br /><br />「ああ。ワシのおーしゃんびゅぅーがっっっ」<br /><br />涙に駆られつつココロに叫ぶ。<br />が、よくよく観察すると。<br />岬の先端に建っているホテルであるから、岬に背を向けた部屋であっても、バルコニーからかろうじて、視界の「両端」に海が見えるのだった。<br />といっても見えるのはハンカチ3枚分くらいの面積である。<br />海を確認しようとして身を乗り出すと、そのまま転落死しそうである。<br />わが攻防記は初日から惨敗なのであった。<br />

    さて。
    ロードス島の宿は、ネットで予約していた。
    この島はいわゆるリゾートのツクリであるから、7〜8月はヨーロッパ中からバカンス客がイワシのように押し寄せる。
    よってもって、ホテルの値段は目玉が飛び出して成層圏に達するくらい、高くなる。

    しかし今は5月である。いわゆるミドル・シーズンであるから、5つ星のホテルでも割安なのである。
    ネットで探していると、ハイシーズンならツインで200ユーロ(23,000円!)のホテルが、なんとなんと、70ユーロで出ている。

    「1泊あたり130ユーロ儲けではないか。二泊すれば260ユーロ儲けではないか」

    鯨は、シメシメと予約したのである。
    ロドスシティの岬の先端近くにあり「全室から海が見えます」とある。
    つまり、エーゲ海オーシャンビューである。
    なんとまぁ、かぐわしい響きではないか。


    夕闇の中、ロードス島の空港になんとか到着。
    空港からバスに乗り、ロドスシティへ。
    さらに海岸線をトボトボ歩くこと15分、ホテルの前にたどり着く。

    なるほど目の前が砂浜である。絶好のロケーションである。
    これは部屋のバルコニーで海を眺め、配偶者のケツをなでつつ

    「ぼかぁシアワセだなぁ」

    と加山ユーゾーをしなくてはいけないであろう。

    「すごいホテルね」

    配偶者も珍しく感激している。

    「うむ。全室おーしゃんびゅうー、の星5つだからなっっっっ」

    「高かったでしょう」

    「それがだな。ワシくらいの達人だと、ギョッとするお値段で予約できるのだ」

    亭主の株はグイグイ上がり、年初来高値のストップ高寸前なのであった。

    が、部屋に案内されると。
    なぜか、「海と反対側」の部屋ドアを、ボーイは開けるのだった。

    まてまて、全室オーシャンビューじゃないのか。
    フトン部屋と間違えてるんじゃないのか。

    疑心暗鬼に駆られつつ、ボーイが去った後、部屋のカーテンをサッ開けた。
    目の前にドスンとナニモノかが建っており、視界をはなはだしくさえぎっていた。

    それはどうやら「建設途中でバブルが崩壊してそのまま放置されたユーレイビル」であった。
    コンクリから鉄筋が雑草のようにニョキニョキ伸びて、不気味であり無様である。
    ギリシャは経済危機の最中であって、こんな放置ビルがあちこちにあるのだ。
    リゾートとゆうよりは、さいたま市の河川敷工事現場に泊まってる気分であった。

    「ああ。ワシのおーしゃんびゅぅーがっっっ」

    涙に駆られつつココロに叫ぶ。
    が、よくよく観察すると。
    岬の先端に建っているホテルであるから、岬に背を向けた部屋であっても、バルコニーからかろうじて、視界の「両端」に海が見えるのだった。
    といっても見えるのはハンカチ3枚分くらいの面積である。
    海を確認しようとして身を乗り出すと、そのまま転落死しそうである。
    わが攻防記は初日から惨敗なのであった。

  • 翌朝。<br />気を取り直し、ロドスシティの旧市街へ、朝もはよから、ふたりで出かけた。<br /><br />16世紀、日本で言う戦国時代に。<br />ここに籠もった聖ヨハネ騎士団600名が、トルコ軍8万人と一大篭城戦を演じた。<br /><br />そのさいにトルコ軍が砲弾として使った石球が、堀のあちこちにゴロゴロ転がっている。<br />遠くから見るとタコヤキに見える。<br />が、近よるとサイズとしては運動会の「大玉おくり」である。<br />こんな石がボンボン降ってきたのだから、聖ヨハネ騎士団もたまったものではなかったろう。ああ騎士団でなくてよかった。<br />日本でも、関が原の田んぼから、今でも当時の鉛弾が出てくるという話を聞いたことがあるが、スケールが違うのである。<br /><br />ふたりで旧市街をそぞろ歩く。<br />おりしも、ロドスシティの港には、馬鹿でかいクルーズ船が、停泊していた。(⇒遠くから見るとマンションみたいである)<br />つまり、金持ちのオジジ・オババが、町に放出されている状態なのだ。<br />おみやげ屋もタベルナもカフェも、リゾート・オジジ・オババでいっぱいなのであった。<br /><br />で、旧市街の曲がりくねった路地をぽつぽつ歩いていると。<br />向こうから、一見「退役軍人」ふうの白人が、のそのそ歩いてきた。<br /><br />そしてすれ違いざま、<br /><br />「すばらしい!  彼女はキミのワイフかっっっっ!」<br /><br />と、突如、でかい声でワシに言った。なんじゃこのオッサンは。<br /><br />「イエス。シイ・イズ・マイワイフ」<br /><br />すると、そのオジジは相変わらずデカい声で<br /><br />「若くて美しい!  肌がピチピチである! グッドである。ベリクッドである!」<br /><br />と、「感に堪えない」といった風情で叫び、そのまま、旧市街のいずこへか、去っていった。(⇒本当)<br /><br />オジジが地元の人間なのか、観光客なのかは分からない。<br />ただひとつハッキリしているのは、配偶者の機嫌が、150%ほど改善されたことである。<br />ギリシャ人だろうがクロマニヨン人だろうが北京原人だろうが。<br />♀は、おのれの若さを褒められれば、キャンキャンゆって喜ぶイキモノなのである。<br /><br />ウソだと思ったら、奥さんにやってみてください。ホントに家庭内の環境が改善します。<br />どうしてもいえない、という方は、ヒモで縛られて月曜日に新聞といっしょに出されるしかない。<br /><br />ちなみに、このオジジの正体であるが。<br />「ロードス島を訪れた観光客にヨイショするオジジの会」<br />という、秘密結社のメンバーに違いない、とワシはおもっている。<br /><br />ロードス島は聖ヨハネ騎士団の島である。<br />彼らは後世においていわゆる秘密結社の原型になったという。<br />その子孫がロードス島の観光を振興すべく、ひそかに活動しているに違いない。きっとそうに違いない。<br />

    翌朝。
    気を取り直し、ロドスシティの旧市街へ、朝もはよから、ふたりで出かけた。

    16世紀、日本で言う戦国時代に。
    ここに籠もった聖ヨハネ騎士団600名が、トルコ軍8万人と一大篭城戦を演じた。

    そのさいにトルコ軍が砲弾として使った石球が、堀のあちこちにゴロゴロ転がっている。
    遠くから見るとタコヤキに見える。
    が、近よるとサイズとしては運動会の「大玉おくり」である。
    こんな石がボンボン降ってきたのだから、聖ヨハネ騎士団もたまったものではなかったろう。ああ騎士団でなくてよかった。
    日本でも、関が原の田んぼから、今でも当時の鉛弾が出てくるという話を聞いたことがあるが、スケールが違うのである。

    ふたりで旧市街をそぞろ歩く。
    おりしも、ロドスシティの港には、馬鹿でかいクルーズ船が、停泊していた。(⇒遠くから見るとマンションみたいである)
    つまり、金持ちのオジジ・オババが、町に放出されている状態なのだ。
    おみやげ屋もタベルナもカフェも、リゾート・オジジ・オババでいっぱいなのであった。

    で、旧市街の曲がりくねった路地をぽつぽつ歩いていると。
    向こうから、一見「退役軍人」ふうの白人が、のそのそ歩いてきた。

    そしてすれ違いざま、

    「すばらしい!  彼女はキミのワイフかっっっっ!」

    と、突如、でかい声でワシに言った。なんじゃこのオッサンは。

    「イエス。シイ・イズ・マイワイフ」

    すると、そのオジジは相変わらずデカい声で

    「若くて美しい!  肌がピチピチである! グッドである。ベリクッドである!」

    と、「感に堪えない」といった風情で叫び、そのまま、旧市街のいずこへか、去っていった。(⇒本当)

    オジジが地元の人間なのか、観光客なのかは分からない。
    ただひとつハッキリしているのは、配偶者の機嫌が、150%ほど改善されたことである。
    ギリシャ人だろうがクロマニヨン人だろうが北京原人だろうが。
    ♀は、おのれの若さを褒められれば、キャンキャンゆって喜ぶイキモノなのである。

    ウソだと思ったら、奥さんにやってみてください。ホントに家庭内の環境が改善します。
    どうしてもいえない、という方は、ヒモで縛られて月曜日に新聞といっしょに出されるしかない。

    ちなみに、このオジジの正体であるが。
    「ロードス島を訪れた観光客にヨイショするオジジの会」
    という、秘密結社のメンバーに違いない、とワシはおもっている。

    ロードス島は聖ヨハネ騎士団の島である。
    彼らは後世においていわゆる秘密結社の原型になったという。
    その子孫がロードス島の観光を振興すべく、ひそかに活動しているに違いない。きっとそうに違いない。

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この旅行記へのコメント (4)

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  • badia35さん 2011/06/01 12:05:40
    はじめまして
    鯨の味噌汁さん、こんにちは。

    「夫婦で年1回は長めの旅がしたい会」
    勝手に支部会員のbadia35と申します。

    私たちも夫婦旅行者で、
    ブラジルのカーニバルのように、
    年1回の旅行だけが、仕事のエネルギー、というモノグサ夫婦です。

    大変面白い旅行記で、楽しませていただきました。
    ありがとうございます。

    badia35

    鯨の味噌汁

    鯨の味噌汁さん からの返信 2011/06/01 12:36:11
    RE: はじめまして
    badia35さん、

    こちらこそお気に入りに追加していただき恐縮です。
    支部を作られたのですね。

    夫婦の旅はらくちんなので好きです。
    が、最大のリスクは
    「相手もそう思っているとは限らない」
    点でしょう。

    ワシは怖くて聞けませんの。
  • ももであさん 2011/05/31 06:19:49
    相変わらず、楽しい旅
    鯨の味噌汁さん

    おおおー!「夫婦で年1回は長めの旅をしたいよネ友の会」のメインイベントは、
    ギリシャでしたか。

    ギリシャには興味があるのですが、ぼくの調べでもパルテノン神殿45%、エーゲ海
    クルーズ45%、修道院で坊主を見物5%、メテオラの猫見物5%でした。

    レンタカー派には、ちと厳しい。

    一番興味があったのは、村上春樹が苦労したという治外法権のアトス山参りですが、
    これまた時間的に無理。 悩みどころのギリシャです。

    でもヨハネ騎士団、アトス山、007のメテオラ、大人しく改造されたワンコ達…
    何だか謎めいたところが魅力ですね〜

    是非、鯨さんの旅を参考にさせていただきます。
    またゆっくりお邪魔します。

    ももであ

    鯨の味噌汁

    鯨の味噌汁さん からの返信 2011/05/31 23:54:52
    RE: 相変わらず、楽しい旅
    ももであさん、
    どうもどうもご無沙汰しております。

    >ぼくの調べでもパルテノン神殿45%、エーゲ海
    >クルーズ45%、修道院で坊主を見物5%、メテオラの猫見物5%でした。

    どこで調べるとそこまでいっしょになるんですか!
    しかも最後は犬とネコで微妙に違ってるし。(⇒爆笑中)

    >レンタカー派には、ちと厳しい。

    フェリーを使えば島と陸地の往復はできるようですが、やっぱり非効率的。
    陸は陸、島は島で、別々の機会に観光したほうがいいようですね。

    メテオラはレンタカーで来ている方がいらっしゃるようでした。

    ギリシャは鉄道はしょぼく、地方への足はバスが中心。
    (⇒鉄道よりバスのほうが値段が高い)
    その分、幹線道路は整備されている印象でした。

    アテネをスルーすれば、レンタカーも楽勝ではないかと。
    ワシも地方はレンタカー出回りたかったです…

    しかし、アトス山は難易度が極端に高くなりますね。
    サラリーマンとしては、年一回の旅行をあの半島で潰すのはいかがなものかと…
    (でも面白そうだけど…)

    「雨天炎天」は、むしろ、トルコ東部の激ヤバのドライブに惹かれる鯨でございます。
    でもあのとき村上春樹は「若葉マーク」だったんですねぇ。
    勇気をもらえるエピソードでございます。


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