2010/12/24 - 2011/01/08
2179位(同エリア2297件中)
ちゃおさん
日本の東西が富士川の辺りを真ん中にして植生、風土等、東西に微妙な違いがあるように、ベトナムもこのHai Van峠を境にして、歴史的にも北のベトナムと南のベトナムに分かれていたようである。
ここはベトナムの中央山脈が海岸線までせり出していて、海岸は切り立った断崖になっていて、古来通行の難所であった。だからこの北側の阮朝は、この峠によって、南側からのチャンパその他の侵入勢力から守られて来たし、ベトナム戦争時、この峠の南にあるダナンを米国は北側からのべトコン侵入を阻止すべき拠点としていた。
いつの頃からか、この峠は「世間第一雄大景色」と呼ばれるようになり、その中間点の峠には石碑も立っている。科挙に合格し、中国化したベトナム人エリートが、中国風に名付けたに違いない。
フエを出た列車は小時間程海岸沿いの田園地帯を走り、この峠に向かう勾配の急な線路にスピードを落し、徐々に高見に上がって行く。いくつかのトンネルを通過するが、トンネルの手前には必ず鉄道員が立っていて、安全の手旗を振っている。集落から相当離れた山の中のトンネルにも監視員が立っていて、トンネルの横には寝泊りできるような小さな小屋もある。安全対策でやっているのか失業対策でやっているのか分からないが、大変なことだ。
峠に向かって列車がゆっくりゆっくり上って行くと、左手には海が大きく開けてくる。雄大な弧を描いた海岸線。人跡未踏のような海岸線、所どころ取り残されたように小さな砂浜も見えてくる。人家もないし、小舟も見えない。多分、こんな砂浜には漁師もこないだろう。陸の孤島のような感じだ。こんなところに住んだら、本当に孤独を味わえるかも知れない。
波静かな海上には多くの小舟が出ている。見たところ海は綺麗に澄んでいる。この波静かな大洋で、どんな魚が取れるのか分からないが、漁船は殆ど動かず、その場所に止まっている。絵のような情景だ。いや、こんな感じのベトナム絵画をどこかで見たかも知れない。のどかな光景でもあるし、雄大でもある。
「世間第一雄大景色」。天と地の間の人間社会で目にするものの世界の中で「最も雄大な景色」、とベトナム人エリートが誇ったのはこの光景を見ることによって理解できた。
列車はその峠の頂上で、数十分間停車し、乗客に眺めを提供してくれる。最初は、単線であり、対向してくる列車を待っているものと思っていたが、どうもそうではなく、乗客に峠の景色を堪能してもらうことのようだった。
フエからダナンまで約100キロ、どうして3時間もかかるのだろう、と最初はベトナム国鉄のスピードの遅さを訝ったが、こんな高い峠を乗り越えて進むのであれば、時間がかかるのは当然だった。しかも展望サービス付きで。峠を下ると、列車はスピードを上げ、どんどんダナンの郊外に近付いてきた。
- 旅行の満足度
- 5.0
-
フエを出た列車は田園地帯を過ぎてから、大きな橋のある島の町を通り過ぎる。
-
島の町。かなり裕福そうな感じだ。
-
列車が高見に上ってくると左手に南シナ海の大洋が見えてくる。
-
波静かな大洋には多くの漁船が出ていて、操業していた。
-
世間第一雄大景色。この光景を見れば、言う意味は理解できた。
-
列車は峠付近で十数分停車し、雄大な展望を乗客に提供してくれる。
-
孤独を味わいたいのなら、この南海の陸の孤島に来るとよい。
-
雄大であり、且つ風光明媚。列車に乗ってダナンへ来て良かった。
-
こうした光景が見られるとは、全く予想もしていなかった。
-
列車も段々ダナンに近づいてきた。遠くにダナンの街並みも見えてきた。
-
もう二度と見ることもないであろう「世間第一雄大景色」。
この旅行記のタグ
利用規約に違反している投稿は、報告する事ができます。
コメントを投稿する前に
十分に確認の上、ご投稿ください。 コメントの内容は攻撃的ではなく、相手の気持ちに寄り添ったものになっていますか?
サイト共通ガイドライン(利用上のお願い)報道機関・マスメディアの方へ 画像提供などに関するお問い合わせは、専用のお問い合わせフォームからお願いいたします。
ちゃおさんの関連旅行記
ダナン(ベトナム) の旅行記
旅の計画・記録
マイルに交換できるフォートラベルポイントが貯まる
フォートラベルポイントって?
0
11