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バンガロール出張中の週末にカトマンドゥを訪れた。週末ということもあり、1泊2日が精一杯であったが、この国を見るためには最低1週間は必要である。今回の旅行中に地元ネパール人の他、イギリス人、ドイツ人、アメリカ人、フランス人、シンガポール人と話す機会があったが、いずれも1週間以上の滞在、もっともポピュラーな目的地はエヴェレストを見る飛行ツアーやヒマラヤ山脈近くでのトレッキングであった。私が1泊2日の滞在だと言うと、大抵の人は驚き、哀れむような目で私を見る。悔しかったので、インド滞在中なので何回でも来れるのだ、と強がって見せたが…。<br /><br />カトマンドゥを訪れることは永年の懸案であった。学生時代に英語を習っていたアメリカ人のレックライン先生が、「日本人は日本文化がユニークだと思っているが、決してそうではない。カトマンドゥへ行ってみると、日本の文化がユニークでないことに気づかされるよ」とおっしゃっていたからだ。<br /><br />ネパール連邦民主共和国という国は、面積14.7km2(北海道の約1.8倍)、人口は約2,900万人の農業国で、最大の都市は首都カトマンドゥで、人口約70万人である。赤い直角三角形を二つ重ねた国旗が子供のころから印象的であった。北は中国(チベット)、南はインドという2大国に挟まれた小国で、特にインドに対する対抗意識が強い。文化的にも両大国の影響が大きく、宗教はヒンドゥー教徒が80%、仏教徒が10%、イスラム教徒が4%の順である。主要言語はネパール語で、ヒンディー語、ウルドゥー語と近く、サンスクリット起源の単語が多い。<br /><br />経済的には隣国であるインドとの結びつきが強く、輸出・輸入共にインドが最大の相手国である。政治的には複雑で、2006年の民主化運動の結果、従来の事実上の絶対君主制から暫定的に象徴君主制へ移行。国王は国家元首としての地位を失い、首相がその職務を代行した。王室を讃える国歌を廃止し、王室と結びついたヒンドゥー教は国教としての地位を失った。国王は国軍最高指揮権を失い、政府も「国王陛下の政府」から「ネパール政府」に変更された。ネパールは2009年現在、暫定憲法のもとで暫定政府が設けられている状況である。<br /><br />ネパールには4つのユネスコ世界遺産がある。今回訪れることができたのは「カトマンドゥ盆地」、その中にも7つの遺産があり、カトマンドゥから遠い2ヶ所はあきらめて5ヶ所を訪れることにした。この旅行記ではカトマンドゥ中心部のダルバール広場を紹介する。なお宿については、市の中心部のタメルにあるアンバサダー・ガーデンという中級ホテルに前日電話予約をした。外国人が多く、パティオで色々な国の人々と会話することができた。<br /><br />まず写真の子供たちを見てどうお感じになるだろうか?明らかに日本人との共通性を見ることができる。子供たちのなんとも純真な笑顔に感動した。写真を撮った後、この子達に写真を見せて大喜びされ、さらに親は子供たちに「ちゃんとお礼を言いなさい」と言う。古き良き日本を思い出させる。またダルバール広場の建物を見て思い浮かべたのは、奈良の法隆寺と興福寺、長野の善光寺、高山の陣屋など、明らかに日本の仏教建築との共通性がここにあるのである。ただしこれらの建物は16〜18世紀の建築で、日本の寺院よりも新しい。また、完全な木造建築ではなく、ブロックを積上げた壁に、木造の屋根を乗せている。<br /><br />夕暮れのダルバール広場からタメルまでの散策を終え、ホテルに戻った。ホテルのパティオでシンガポール人と一緒にネパール料理の代表であるダルバート・タルカリを注文する。基本的にインド料理と似ているが、インド料理ほど辛くなく美味であった。

ネパールの首都カトマンドゥNo.1:一昔前の懐かしい日本の香りがする町(改訂版)

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2011/04/03 - 2011/04/04

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ハンク

ハンクさん

バンガロール出張中の週末にカトマンドゥを訪れた。週末ということもあり、1泊2日が精一杯であったが、この国を見るためには最低1週間は必要である。今回の旅行中に地元ネパール人の他、イギリス人、ドイツ人、アメリカ人、フランス人、シンガポール人と話す機会があったが、いずれも1週間以上の滞在、もっともポピュラーな目的地はエヴェレストを見る飛行ツアーやヒマラヤ山脈近くでのトレッキングであった。私が1泊2日の滞在だと言うと、大抵の人は驚き、哀れむような目で私を見る。悔しかったので、インド滞在中なので何回でも来れるのだ、と強がって見せたが…。

カトマンドゥを訪れることは永年の懸案であった。学生時代に英語を習っていたアメリカ人のレックライン先生が、「日本人は日本文化がユニークだと思っているが、決してそうではない。カトマンドゥへ行ってみると、日本の文化がユニークでないことに気づかされるよ」とおっしゃっていたからだ。

ネパール連邦民主共和国という国は、面積14.7km2(北海道の約1.8倍)、人口は約2,900万人の農業国で、最大の都市は首都カトマンドゥで、人口約70万人である。赤い直角三角形を二つ重ねた国旗が子供のころから印象的であった。北は中国(チベット)、南はインドという2大国に挟まれた小国で、特にインドに対する対抗意識が強い。文化的にも両大国の影響が大きく、宗教はヒンドゥー教徒が80%、仏教徒が10%、イスラム教徒が4%の順である。主要言語はネパール語で、ヒンディー語、ウルドゥー語と近く、サンスクリット起源の単語が多い。

経済的には隣国であるインドとの結びつきが強く、輸出・輸入共にインドが最大の相手国である。政治的には複雑で、2006年の民主化運動の結果、従来の事実上の絶対君主制から暫定的に象徴君主制へ移行。国王は国家元首としての地位を失い、首相がその職務を代行した。王室を讃える国歌を廃止し、王室と結びついたヒンドゥー教は国教としての地位を失った。国王は国軍最高指揮権を失い、政府も「国王陛下の政府」から「ネパール政府」に変更された。ネパールは2009年現在、暫定憲法のもとで暫定政府が設けられている状況である。

ネパールには4つのユネスコ世界遺産がある。今回訪れることができたのは「カトマンドゥ盆地」、その中にも7つの遺産があり、カトマンドゥから遠い2ヶ所はあきらめて5ヶ所を訪れることにした。この旅行記ではカトマンドゥ中心部のダルバール広場を紹介する。なお宿については、市の中心部のタメルにあるアンバサダー・ガーデンという中級ホテルに前日電話予約をした。外国人が多く、パティオで色々な国の人々と会話することができた。

まず写真の子供たちを見てどうお感じになるだろうか?明らかに日本人との共通性を見ることができる。子供たちのなんとも純真な笑顔に感動した。写真を撮った後、この子達に写真を見せて大喜びされ、さらに親は子供たちに「ちゃんとお礼を言いなさい」と言う。古き良き日本を思い出させる。またダルバール広場の建物を見て思い浮かべたのは、奈良の法隆寺と興福寺、長野の善光寺、高山の陣屋など、明らかに日本の仏教建築との共通性がここにあるのである。ただしこれらの建物は16〜18世紀の建築で、日本の寺院よりも新しい。また、完全な木造建築ではなく、ブロックを積上げた壁に、木造の屋根を乗せている。

夕暮れのダルバール広場からタメルまでの散策を終え、ホテルに戻った。ホテルのパティオでシンガポール人と一緒にネパール料理の代表であるダルバート・タルカリを注文する。基本的にインド料理と似ているが、インド料理ほど辛くなく美味であった。

旅行の満足度
4.0
観光
4.0
ホテル
3.5
グルメ
4.0
ショッピング
3.0
交通
3.5
同行者
一人旅
一人あたり費用
5万円 - 10万円
交通手段
タクシー 飛行機
航空会社
ジェットエアウェイズ (運航停止)
旅行の手配内容
個別手配
  • トリブヴァン国際空港に着陸寸前の風景、ヒマラヤは見えないが、盆地を取り囲む山々が見える

    トリブヴァン国際空港に着陸寸前の風景、ヒマラヤは見えないが、盆地を取り囲む山々が見える

  • トリブヴァン国際空港、こじんまりとした質素なターミナルビル

    トリブヴァン国際空港、こじんまりとした質素なターミナルビル

  • タメル地区の町並み、香港を思わせる活気ある町である

    タメル地区の町並み、香港を思わせる活気ある町である

  • コインを打ち付けた「コインの木」、歯痛を治す神様が祀られている

    コインを打ち付けた「コインの木」、歯痛を治す神様が祀られている

  • 今回のイチオシ写真、子供たちのなんとも純真な笑顔に感動。写真を撮った後、この子達に写真を見せて大喜びされ、さらに親は子供たちに「ちゃんとお礼を言いなさい」と言う。古き良き日本を思い出させる。

    イチオシ

    今回のイチオシ写真、子供たちのなんとも純真な笑顔に感動。写真を撮った後、この子達に写真を見せて大喜びされ、さらに親は子供たちに「ちゃんとお礼を言いなさい」と言う。古き良き日本を思い出させる。

  • 旧王宮横のへマンドラ博物館

    旧王宮横のへマンドラ博物館

  • ハヌマン・ドカ(旧王宮)のファサード、唯一の洋風建築、19世紀に増築されており周囲と調和していない

    ハヌマン・ドカ(旧王宮)のファサード、唯一の洋風建築、19世紀に増築されており周囲と調和していない

  • ダルバール広場を取り囲む建築群

    ダルバール広場を取り囲む建築群

  • クマリの館、クマリとは女神と崇められる少女、生ける神であり人々に繁栄と成功の力を与えてくれる

    クマリの館、クマリとは女神と崇められる少女、生ける神であり人々に繁栄と成功の力を与えてくれる

  • クマリの館の中庭、アメリカ人ツアーに混じって解説を聞く

    クマリの館の中庭、アメリカ人ツアーに混じって解説を聞く

  • シヴァ・パールヴァティー寺院、18世紀後半の建築

    シヴァ・パールヴァティー寺院、18世紀後半の建築

  • ガルーダ(インド神話に登場する神鳥)像とシヴァ寺院

    ガルーダ(インド神話に登場する神鳥)像とシヴァ寺院

  • ナラヤン寺院、17世紀末の建築

    ナラヤン寺院、17世紀末の建築

  • シヴァ寺院と周辺

    シヴァ寺院と周辺

  • シヴァ・パールヴァーティー寺院を見下ろす

    シヴァ・パールヴァーティー寺院を見下ろす

  • シヴァ寺院の近景

    シヴァ寺院の近景

  • ジャガナート寺院、高山の陣屋を思い出す

    ジャガナート寺院、高山の陣屋を思い出す

  • カーラ・バイラヴ(破壊神シヴァの化身)

    カーラ・バイラヴ(破壊神シヴァの化身)

  • タレジュ寺院、16世紀の建築

    タレジュ寺院、16世紀の建築

  • タレジュ寺院を眺める街路

    タレジュ寺院を眺める街路

  • 活気にあふれる町並み

    活気にあふれる町並み

  • 上品な親娘に道を尋ねたところ、何と日本語を話す

    上品な親娘に道を尋ねたところ、何と日本語を話す

  • アサン・チョーク(アサンの広場)

    アサン・チョーク(アサンの広場)

  • タヒティ・チョークのストゥーパ(仏塔)

    タヒティ・チョークのストゥーパ(仏塔)

  • タヒティ・チョークの建築

    タヒティ・チョークの建築

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