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理系人間にとっては、ミュンヘンはドイツ博物館とミュンヘン工科大学がよく知られている。ドイツ博物館を訪れたのは20年も昔のことであるが、いまだにその記憶は鮮明である。今回は訪れる時間はなかったが、その代わりに新装成ったBMW博物館を訪れた。この博物館は、2008年6月に大改修工事を終えて再オープン、同時に巨大ショールームであるBMWヴェルトが、博物館のすぐ向かいにオープンした。市の中心部から3番のUバーンに乗ると15分ほどで終点「Olympiazentrum」に到着する。ここは1972年に開催されたミュンヘンオリンピックの会場となった所で、後にオリンピック公園となった。高さ290mのオリンピックトゥルムが目の前に見える。<br /><br />そのオリンピックトゥルムの手前に、「4気筒エンジン」と呼ばれるBMW本社ビルが聳え立つ。BMW博物館はすぐその手前にあるお椀型の建物である。そして、その横に斬新な建築として評判になったBMWヴェルトのステンレスの建物が目を引く。<br /><br />BMWがBayerische Motoren Werkeの頭文字であることは、自動車好きには説明の必要はないだろう。もともと1916年にバイエルン飛行機製造株式会社(BFW)として発足し、現在はオートバイと航空機用エンジンも製造する。強力なブランドイメージを売り物にする乗用車メーカーであり、特に私も含めて日本人にとっては、BMWと言えば憧れの車の象徴となっている。<br /><br />世界中のBMWファンの最終目的地として、最近とみに名をはせている施設が、2007年10月よりBMWがミュンヘンの本社敷地内でスタートしたBMWヴェルト(英語のワールド)だ。入場料は無料である。外から眺めてまず驚かされるのは、その巨大さと建築のモダンさだ。オーストリアの建築事務所、コープ・ヒンメルブラウ社が設計した建物はガラスと鉄で巨大な屋根を支柱もなく支える構造となっている。<br /><br />ではBMWヴェルトとは一体何か?これは巨大ショールーム、と言うよりテーマパーク?いや、実はここは購入した新車を引き渡すためのカスタマー・センターなのである。しかしそれだけではない。すでに年間1万6000台ペースで納車をこなし、累計での来場者は開設以来350万人を超え、ミュンヘン随一の集客力を誇る施設なのである。<br /><br />購入した新車を自動車メーカーの工場に引き取りに行く、というのは日本ではあまりなじみのない納車の方法であるが、ドイツではポピュラーに実践されている。なぜなら、メーカーの工場まで出向いて、自分で運転しながら家に持ち帰った方が購入価格を安く抑えられるからだ。現在、ここを訪れる納車顧客の9割はドイツ国内のユーザーが占める。一方、残り1割の外国人顧客のなかでもっとも多いのは、なんとアメリカ人だという。まだ日本人の購入者はいないそうなので、第1号になるチャンスはまだある。<br /><br />「4気筒のエンジン」の形をしたBMW本社ビルは、カール・シュヴァンツァーの設計で、1973年オリンピック公園の横に建てられた。この本社ビルの横に立地する、窓のない銀色のお椀形の建物(高さ41メートル)がBMW博物館。約80年間のバイエルンモーター工場の発展の歴史を伝えている。この博物館は螺旋状の階段を少しずつ上って行き、最上階からエスカレーターで降りる構造に設計されている。博物館の展示は自動車のみではなく、この日は最近建設された博物館のミニチュア、日本の建築家としては、黒川紀章設計の国立新美術館、安藤忠雄設計の香川県直島町地中美術館、槇文彦設計の島根県立古代出雲歴史博物館の展示がされていた。

ミュンヘン滞在記No.4:新装なったBMW博物館とオリンピック公園(改訂版)

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2010/08/14 - 2010/08/15

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ハンク

ハンクさん

理系人間にとっては、ミュンヘンはドイツ博物館とミュンヘン工科大学がよく知られている。ドイツ博物館を訪れたのは20年も昔のことであるが、いまだにその記憶は鮮明である。今回は訪れる時間はなかったが、その代わりに新装成ったBMW博物館を訪れた。この博物館は、2008年6月に大改修工事を終えて再オープン、同時に巨大ショールームであるBMWヴェルトが、博物館のすぐ向かいにオープンした。市の中心部から3番のUバーンに乗ると15分ほどで終点「Olympiazentrum」に到着する。ここは1972年に開催されたミュンヘンオリンピックの会場となった所で、後にオリンピック公園となった。高さ290mのオリンピックトゥルムが目の前に見える。

そのオリンピックトゥルムの手前に、「4気筒エンジン」と呼ばれるBMW本社ビルが聳え立つ。BMW博物館はすぐその手前にあるお椀型の建物である。そして、その横に斬新な建築として評判になったBMWヴェルトのステンレスの建物が目を引く。

BMWがBayerische Motoren Werkeの頭文字であることは、自動車好きには説明の必要はないだろう。もともと1916年にバイエルン飛行機製造株式会社(BFW)として発足し、現在はオートバイと航空機用エンジンも製造する。強力なブランドイメージを売り物にする乗用車メーカーであり、特に私も含めて日本人にとっては、BMWと言えば憧れの車の象徴となっている。

世界中のBMWファンの最終目的地として、最近とみに名をはせている施設が、2007年10月よりBMWがミュンヘンの本社敷地内でスタートしたBMWヴェルト(英語のワールド)だ。入場料は無料である。外から眺めてまず驚かされるのは、その巨大さと建築のモダンさだ。オーストリアの建築事務所、コープ・ヒンメルブラウ社が設計した建物はガラスと鉄で巨大な屋根を支柱もなく支える構造となっている。

ではBMWヴェルトとは一体何か?これは巨大ショールーム、と言うよりテーマパーク?いや、実はここは購入した新車を引き渡すためのカスタマー・センターなのである。しかしそれだけではない。すでに年間1万6000台ペースで納車をこなし、累計での来場者は開設以来350万人を超え、ミュンヘン随一の集客力を誇る施設なのである。

購入した新車を自動車メーカーの工場に引き取りに行く、というのは日本ではあまりなじみのない納車の方法であるが、ドイツではポピュラーに実践されている。なぜなら、メーカーの工場まで出向いて、自分で運転しながら家に持ち帰った方が購入価格を安く抑えられるからだ。現在、ここを訪れる納車顧客の9割はドイツ国内のユーザーが占める。一方、残り1割の外国人顧客のなかでもっとも多いのは、なんとアメリカ人だという。まだ日本人の購入者はいないそうなので、第1号になるチャンスはまだある。

「4気筒のエンジン」の形をしたBMW本社ビルは、カール・シュヴァンツァーの設計で、1973年オリンピック公園の横に建てられた。この本社ビルの横に立地する、窓のない銀色のお椀形の建物(高さ41メートル)がBMW博物館。約80年間のバイエルンモーター工場の発展の歴史を伝えている。この博物館は螺旋状の階段を少しずつ上って行き、最上階からエスカレーターで降りる構造に設計されている。博物館の展示は自動車のみではなく、この日は最近建設された博物館のミニチュア、日本の建築家としては、黒川紀章設計の国立新美術館、安藤忠雄設計の香川県直島町地中美術館、槇文彦設計の島根県立古代出雲歴史博物館の展示がされていた。

旅行の満足度
4.0
観光
3.5
ホテル
4.0
グルメ
3.5
ショッピング
3.5
交通
4.0
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
鉄道 レンタカー タクシー 飛行機
航空会社
JAL
旅行の手配内容
個別手配

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  • BMWヴェルト、巨大なモダン建築。オーストリアの建築事務所、コープ・ヒンメルブラウ社の設計、ガラスと鉄で巨大な屋根を支柱もなく支える構造

    BMWヴェルト、巨大なモダン建築。オーストリアの建築事務所、コープ・ヒンメルブラウ社の設計、ガラスと鉄で巨大な屋根を支柱もなく支える構造

  • 「4気筒のエンジン」BMW本社ビルは、カール・シュヴァンツァーの設計、1973年オリンピック公園の横に建てられた。本社ビルの横の窓のない銀色のお椀形の建物(高さ41メートル)がBMW博物館

    「4気筒のエンジン」BMW本社ビルは、カール・シュヴァンツァーの設計、1973年オリンピック公園の横に建てられた。本社ビルの横の窓のない銀色のお椀形の建物(高さ41メートル)がBMW博物館

  • BMWヴェルトと高さ290mのオリンピックトゥルム

    BMWヴェルトと高さ290mのオリンピックトゥルム

  • 屋外展示のオートバイに孫を乗せるおじいさん

    屋外展示のオートバイに孫を乗せるおじいさん

  • 屋外展示のオートバイに乗る若い女性

    屋外展示のオートバイに乗る若い女性

  • 屋外展示のBMWの車両

    屋外展示のBMWの車両

  • BMWヴェルト内の展示

    BMWヴェルト内の展示

  • BMWヴェルト内の展示スペース

    BMWヴェルト内の展示スペース

  • BMWヴェルト内の展示スペース

    BMWヴェルト内の展示スペース

  • オフロードバイクのアトラクション

    オフロードバイクのアトラクション

  • BMW博物館内の展示、クラシックBMW

    BMW博物館内の展示、クラシックBMW

  • BMW博物館内の展示、クラシックBMW

    BMW博物館内の展示、クラシックBMW

  • BMW博物館内の展示、オートバイも重要な展示

    BMW博物館内の展示、オートバイも重要な展示

  • アトリエ・ブリュックナー設計のBMW博物館の展示

    アトリエ・ブリュックナー設計のBMW博物館の展示

  • シュテファン・ブラウンフェルズ設計のミュンヘンのモデルネ・ピナコテークの展示

    シュテファン・ブラウンフェルズ設計のミュンヘンのモデルネ・ピナコテークの展示

  • 共同設計のベルリンの博物館島の展示

    共同設計のベルリンの博物館島の展示

  • フランク・ゲーリーのワシントン、コルコランギャラリーの展示

    フランク・ゲーリーのワシントン、コルコランギャラリーの展示

  • 黒川紀章設計の国立新美術館の展示

    黒川紀章設計の国立新美術館の展示

  • 安藤忠雄設計の香川県直島町地中美術館の展示

    安藤忠雄設計の香川県直島町地中美術館の展示

  • 槇文彦設計の島根県立古代出雲歴史博物館の展示

    槇文彦設計の島根県立古代出雲歴史博物館の展示

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