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ミュンヘンから日帰りのドライブでノイシュヴァンシュタイン城、ヴィース教会、リンダーホーフ城を訪れた。ケンピンスキーホテルで前日にレンタカーを予約して、当日朝8時出発、夕方8時帰着でアウトバーンのドライブと、バイエルンの田園風景を楽しんだ。今回のドイツ旅行の目的は、先の滞在記でご紹介したG教授のお宅を訪ねることと、家内と一緒にノイシュヴァンシュタイン城を訪れる、という長年の約束を実行するためだった。このドイツ有数の名城は私は2回目であり、ホテルで予約を勧められたが、到着時間も確実でないためあえて予約をしなかった。レンタカーを借りて、ゆったりと訪問できるつもりであった。<br /><br />ところが10時過ぎに到着してみると入り口は長蛇の列。一見日本人か、と思ったが、明らかに中国人の団体客である。数分並んでカウンターにたどり着いたが、なんと6時間待ちとのこと、交渉の余地はないようなので一旦は引き上げた。そして別の窓口で、改めて拙いドイツ語で、ひたすらお願いする交渉方法に切り替えた。つまり、この城を訪れるためにはるばる日本からやってきたこと、中国人の団体客ではないこと、日程の都合上今日を逃すともう訪れるチャンスはない、などなど…。すると、幸いなことにキャンセルになっていたらしき2枚のチケットを窓口の下から取出してくれた。おかげで6時間待ちのところが1時間待ちで済んだ。この城を訪問しようという方は、必ずインターネット、または旅行社で予約をしておくことを強くお勧めする。<br /><br />ノイシュヴァンシュタイン城は「狂王」とも呼ばれる建築魔のバイエルン王ルートヴィヒ2世によって1868〜1886年に渡り建築されたが、今もって未完成である。ドイツでは最も新しい城のひとつで、建設にはクレーンを使用した写真が残っている。中世騎士道への憧れを強く抱いた国王はワーグナーを庇護し、彼の創作する楽劇の世界に酔いしれ、膨大な額の援助を彼に施した。ヴァルトブルク城やヴェルサイユ宮殿を目にした国王は、中世への憧れを具現化するロマンティックな城を造ろうと決意する。彼はその建設地の横にあるホーエンシュヴァンガウ城に居住し、ノイシュヴァンシュタイン城が居住可能になると、首都ミュンヘンに戻らずこの城に住まうようになるが、わずかに102日後にはベルク城に軟禁されてしまう。<br /><br />ノイシュヴァンシュタイン城の観光を冷や汗をかきながらも無事に終えて、次なる目的地はヴィース教会。アウトバーンを抜けてしばらく草原を走ると、牧場の中に忽然とヴィース教会が姿を現す。内装のロココ様式の装飾はヨーロッパ随一と言われており、特にその天井画は「天から降ってきた宝石」とも讃えられているそうだ。到着した3時ころから約1時間、祈りの空間でゆったりと過した。この教会は、1983年世界遺産に登録されている。<br /><br />この教会については、以下のような逸話がある。<br />「1738年、ある農家の夫人がシュタインガーデン修道院の修道士が彫った「鞭打たれるキリスト」の木像をもらい受けたところ、6月14日このキリストの像が涙を流したという。この噂は「ヴィースの涙の奇跡」として広まり、巡礼者が農家に集まるようになった。1740年には牧草地の小さな礼拝堂に移したが、巡礼者は増える一方であった。そこで修道院が先頭に立ち、一般からの浄財を募るなどして建設資金を捻出し、1746年から建造されたのがこの教会である。1754年に献堂式が行われ、最終的に完成したのは1757年であった。設計はドイツ・ロココの完成者として名高いドミニクス・ツィンマーマンで、それまでにも数多くの建築を手がけていたが、この教会には特別な愛情と情熱を傾け、完成後もこの教会から離れることを嫌い、すぐ近くに居を移し、亡くなるまでこの教会を見守り続けた。」<br /><br />予定よりも遅れ気味で、夏のドイツは日が長いとは言え、最終目的地のリンダーホーフ城への入場はちょっと心配になった。ヴィース教会からは約30分、4時半ころに到着したが、幸い6時までは開いていると聞いてほっとした。<br /><br />リンダーホーフ城は、「建築魔」ルートヴィヒ2世が建設した3つの城のうち、唯一完成した城である。1874年に建築が開始され、1878年に完成した。フランスのルイ14世を崇拝していた彼は、ヴェルサイユ宮殿内のトリアノン宮殿を手本にして、ルネサンス様式の宮殿、城を建築させた。建物内部はロココ様式の豪華な装飾があり、庭園内には金色の女神像の噴水がある。彼はここが気に入って、長い期間この城で過ごした。<br /><br />この城の見所は、国王が黄金の貝を浮かべてワーグナーの「タンホイザー」の世界に浸っていたヴィーナスの洞窟である。現在は観光名所ととなっているが、後に精神を病んで自殺に至った、と言われる孤独な国王の異常性の発端を見ることができる。<br /><br />ドイツのドライブであるが、基本的にアメリカなどと変わらない。日本よりも余程運転しやすい。速度無制限のアウトバーンも、まれに時速200km位で飛ばしている車もあるが、ドイツ人は節度ある運転をしており快適である。ただしミュンヘンのような大都市の町なかを走る時は、細心の注意が必要である。もっとも都心部は石畳で舗装されており、スピードは出せない。初めて右側通行を経験する方は、慣れるまではゆっくり、慎重に運転するべきである。<br />

ミュンヘン滞在記No.2:日帰りドライブで行くノイシュヴァンシュタイン城、ヴィース教会(世界遺産)、リンダーホーフ城(改訂版)

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2010/08/13 - 2010/08/14

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ハンク

ハンクさん

ミュンヘンから日帰りのドライブでノイシュヴァンシュタイン城、ヴィース教会、リンダーホーフ城を訪れた。ケンピンスキーホテルで前日にレンタカーを予約して、当日朝8時出発、夕方8時帰着でアウトバーンのドライブと、バイエルンの田園風景を楽しんだ。今回のドイツ旅行の目的は、先の滞在記でご紹介したG教授のお宅を訪ねることと、家内と一緒にノイシュヴァンシュタイン城を訪れる、という長年の約束を実行するためだった。このドイツ有数の名城は私は2回目であり、ホテルで予約を勧められたが、到着時間も確実でないためあえて予約をしなかった。レンタカーを借りて、ゆったりと訪問できるつもりであった。

ところが10時過ぎに到着してみると入り口は長蛇の列。一見日本人か、と思ったが、明らかに中国人の団体客である。数分並んでカウンターにたどり着いたが、なんと6時間待ちとのこと、交渉の余地はないようなので一旦は引き上げた。そして別の窓口で、改めて拙いドイツ語で、ひたすらお願いする交渉方法に切り替えた。つまり、この城を訪れるためにはるばる日本からやってきたこと、中国人の団体客ではないこと、日程の都合上今日を逃すともう訪れるチャンスはない、などなど…。すると、幸いなことにキャンセルになっていたらしき2枚のチケットを窓口の下から取出してくれた。おかげで6時間待ちのところが1時間待ちで済んだ。この城を訪問しようという方は、必ずインターネット、または旅行社で予約をしておくことを強くお勧めする。

ノイシュヴァンシュタイン城は「狂王」とも呼ばれる建築魔のバイエルン王ルートヴィヒ2世によって1868〜1886年に渡り建築されたが、今もって未完成である。ドイツでは最も新しい城のひとつで、建設にはクレーンを使用した写真が残っている。中世騎士道への憧れを強く抱いた国王はワーグナーを庇護し、彼の創作する楽劇の世界に酔いしれ、膨大な額の援助を彼に施した。ヴァルトブルク城やヴェルサイユ宮殿を目にした国王は、中世への憧れを具現化するロマンティックな城を造ろうと決意する。彼はその建設地の横にあるホーエンシュヴァンガウ城に居住し、ノイシュヴァンシュタイン城が居住可能になると、首都ミュンヘンに戻らずこの城に住まうようになるが、わずかに102日後にはベルク城に軟禁されてしまう。

ノイシュヴァンシュタイン城の観光を冷や汗をかきながらも無事に終えて、次なる目的地はヴィース教会。アウトバーンを抜けてしばらく草原を走ると、牧場の中に忽然とヴィース教会が姿を現す。内装のロココ様式の装飾はヨーロッパ随一と言われており、特にその天井画は「天から降ってきた宝石」とも讃えられているそうだ。到着した3時ころから約1時間、祈りの空間でゆったりと過した。この教会は、1983年世界遺産に登録されている。

この教会については、以下のような逸話がある。
「1738年、ある農家の夫人がシュタインガーデン修道院の修道士が彫った「鞭打たれるキリスト」の木像をもらい受けたところ、6月14日このキリストの像が涙を流したという。この噂は「ヴィースの涙の奇跡」として広まり、巡礼者が農家に集まるようになった。1740年には牧草地の小さな礼拝堂に移したが、巡礼者は増える一方であった。そこで修道院が先頭に立ち、一般からの浄財を募るなどして建設資金を捻出し、1746年から建造されたのがこの教会である。1754年に献堂式が行われ、最終的に完成したのは1757年であった。設計はドイツ・ロココの完成者として名高いドミニクス・ツィンマーマンで、それまでにも数多くの建築を手がけていたが、この教会には特別な愛情と情熱を傾け、完成後もこの教会から離れることを嫌い、すぐ近くに居を移し、亡くなるまでこの教会を見守り続けた。」

予定よりも遅れ気味で、夏のドイツは日が長いとは言え、最終目的地のリンダーホーフ城への入場はちょっと心配になった。ヴィース教会からは約30分、4時半ころに到着したが、幸い6時までは開いていると聞いてほっとした。

リンダーホーフ城は、「建築魔」ルートヴィヒ2世が建設した3つの城のうち、唯一完成した城である。1874年に建築が開始され、1878年に完成した。フランスのルイ14世を崇拝していた彼は、ヴェルサイユ宮殿内のトリアノン宮殿を手本にして、ルネサンス様式の宮殿、城を建築させた。建物内部はロココ様式の豪華な装飾があり、庭園内には金色の女神像の噴水がある。彼はここが気に入って、長い期間この城で過ごした。

この城の見所は、国王が黄金の貝を浮かべてワーグナーの「タンホイザー」の世界に浸っていたヴィーナスの洞窟である。現在は観光名所ととなっているが、後に精神を病んで自殺に至った、と言われる孤独な国王の異常性の発端を見ることができる。

ドイツのドライブであるが、基本的にアメリカなどと変わらない。日本よりも余程運転しやすい。速度無制限のアウトバーンも、まれに時速200km位で飛ばしている車もあるが、ドイツ人は節度ある運転をしており快適である。ただしミュンヘンのような大都市の町なかを走る時は、細心の注意が必要である。もっとも都心部は石畳で舗装されており、スピードは出せない。初めて右側通行を経験する方は、慣れるまではゆっくり、慎重に運転するべきである。

旅行の満足度
5.0
観光
5.0
ホテル
4.0
グルメ
4.5
ショッピング
3.5
交通
4.0
同行者
カップル・夫婦
一人あたり費用
15万円 - 20万円
交通手段
鉄道 高速・路線バス レンタカー タクシー 飛行機
航空会社
JAL
旅行の手配内容
個別手配
  • ノイシュヴァンシュタイン城の遠景

    ノイシュヴァンシュタイン城の遠景

  • ノイシュヴァンシュタイン城に近づく

    ノイシュヴァンシュタイン城に近づく

  • ノイシュヴァンシュタイン城の威容

    ノイシュヴァンシュタイン城の威容

  • ノイシュヴァンシュタイン城の威容

    イチオシ

    ノイシュヴァンシュタイン城の威容

  • 中国人に占領されたノイシュヴァンシュタイン城

    中国人に占領されたノイシュヴァンシュタイン城

  • ノイシュヴァンシュタイン城の近景

    ノイシュヴァンシュタイン城の近景

  • ノイシュヴァンシュタイン城の近景

    ノイシュヴァンシュタイン城の近景

  • ノイシュヴァンシュタイン城から眺める滝

    ノイシュヴァンシュタイン城から眺める滝

  • ノイシュヴァンシュタイン城から眺める谷間の橋

    ノイシュヴァンシュタイン城から眺める谷間の橋

  • ノイシュヴァンシュタイン城からの眺め、ホーエンシュヴァンガウ城が見える

    ノイシュヴァンシュタイン城からの眺め、ホーエンシュヴァンガウ城が見える

  • ノイシュヴァンシュタイン城に近いホーエンシュヴァンガウ城のファサード

    ノイシュヴァンシュタイン城に近いホーエンシュヴァンガウ城のファサード

  • ヴィース教会で我々を迎えてくれた馬

    ヴィース教会で我々を迎えてくれた馬

  • ヴィース教会の全景

    ヴィース教会の全景

  • ヴィース教会の近景

    ヴィース教会の近景

  • ヴィース教会の天井画

    ヴィース教会の天井画

  • ヴィース教会の内部

    ヴィース教会の内部

  • ヴィース教会の祭壇、涙を流した、というキリストの木像が祀られる

    ヴィース教会の祭壇、涙を流した、というキリストの木像が祀られる

  • ヴィース教会のパイプオルガン

    ヴィース教会のパイプオルガン

  • リンダーホーフ城、フランス趣味の庭園

    リンダーホーフ城、フランス趣味の庭園

  • リンダーホーフ城、ヴェルサイユのトリアノンパレスにバロック様式を融合

    リンダーホーフ城、ヴェルサイユのトリアノンパレスにバロック様式を融合

  • リンダーホーフ城の庭園の花壇

    リンダーホーフ城の庭園の花壇

  • リンダーホーフ城の庭園

    リンダーホーフ城の庭園

  • リンダーホーフ城のヴィーナスの洞窟、ワーグナーの「タンホイザー」の世界に浸るため建設された

    リンダーホーフ城のヴィーナスの洞窟、ワーグナーの「タンホイザー」の世界に浸るため建設された

  • リンダーホーフ城のヴィーナスの洞窟の入り口

    リンダーホーフ城のヴィーナスの洞窟の入り口

  • リンダーホーフ城内のムーア風のキオスク

    リンダーホーフ城内のムーア風のキオスク

  • レンタカーと筆者、ドイツの車は質実剛健、アウトバーンのドライブは快適である

    レンタカーと筆者、ドイツの車は質実剛健、アウトバーンのドライブは快適である

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