2010/12/24 - 2011/01/08
647位(同エリア752件中)
ちゃおさん
山脈の上のほうにあるラオスとの国境からバスは坂道を転がるように降りてきて、前方に漸く海が見え、もう直ぐフエかと思っていたら、そこから更に海岸沿いの国道を2時間以上も走り、フエのバスターミナルに到着したのは、もう辺りが薄暗くなりかけている頃の6時半。
昼飲んだビールが利いたのか、直ぐにトイレに駆け込み、さて、今晩のホテルをどうするか??何人か客待ちしているバイクタクシーに「ゲストハウス!」と大声で叫べば、それで話は通じる。向こうから「5ドル、5ドル!」と言ってくるが、今いるこのバスターミナルが街のどの辺か、又これから行くゲストハウスがここからどれ位離れているのか全く判断できず、当方としては交渉の余地はない。そこで、「OK,5ドル、Go!」と叫んで、バイクの後ろに乗って、GHまで運んでもらう。
着いたのはほんの数分、歩いても行ける位の近い場所だったが、「5ドル」と約束した以上、今更値引きもできない。英語で「You get Good Money!」、「一杯儲けたね!」と言ってやって5ドル札を渡す。まあこうした客もたまには居ないと、彼等としてもターミナルで客待ちしているメリットも無いだろう。
案内されたGHは、市内の中心部で、近くには数十のGHが看板を出していたが、通りに面して一番大きそうなGHを選びチェックイン。「BINH MINH SUNRISE」という名前のホテルで、1泊12ドル、2泊分で24ドルを先払いする。
フエに着いて初めて知ったが、この国の主要通貨は米ドルで、むしろ自国通貨のドンよりは喜ばれる。バイクタクシーのドライバーから最初に「5ドル!」と叫ばれた時、最初はホテルの値段かと思ったが、それがタクシー代だと分かり、更にこのホテルでのチェックインに際しては、もう最初からドル表示のドル決済で、嘗て戦争の相手方だった米国ドルを価値あるものに崇めるのは、戦後の日本にも共通していた。・・しかし、日本は戦争に負けたのだから、当然としても、ベトナム戦争では、ベトナムが勝った筈なのに・・・。
それはタイ以外のインドシナ諸国全体に言えることで、ラオスにしてもカンボジアにしても、皆、自国の通貨よりは米国ドルに価値を置き、我々外国人と見れば、直ぐにもドル決済を求めてくる。米国は実際の戦争では負けたが、その後の経済戦争には勝利し、取り敢えず、このインドシナ諸国はドル体制下の経済に組み込まれているようだ。と言うか、裏返して言えば、それ程自国通貨に信用性がなく、何か起これば紙屑同然になる、と言うことを国民自身が良く弁えている、ということかも知れない。
12ドルにしては小奇麗なツインの部屋にリュックを置いて、食事方々夜の町へ散歩に出るが、古都とはいえ、小さな地方都市。繁華街というようなものは無く、このホテルの前の通りが少し賑やかな位で、後はポツン、ポツンと店の明かりがある位。店を探すのも面倒なので、隣のレストランに入り、中華麺のようなものを食べたが、まあまあの味だった。食後、少し歩くが、街の真ん中に大きな川が流れていて、橋脚が色とりどりのイルミネーションに飾られ、日本の橋では見られないような、全く綺麗な情景で、この貧しい筈の国で、市民を喜ばせる為の贅沢。行政側の責任者の優しさも感じらるものだった。
- 旅行の満足度
- 4.0
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