1962/03/24 - 1962/03/24
659位(同エリア346件中)
ソフィさん
1962年3月24日(土)
エギーユ・デュ・ミディは、モンブランに接して並び立つ、針のように尖った山である。
並び立つとは言っても、1000メートルも低いのだが、それでも富士山より高い。
麓のシャモニーからエギーユ・デュ・ミディ山頂駅まで、フランスの誇るロープウェーで、20分で達することが出来る。
途中一度乗り換えるが、このスピードで標高差2800メートルを一気に登ると、軽い高山病にかかって、目まいしそうだ。
最後の部分では、ほとんど岸壁に沿う感じになり、空中に投げだされた感じもする。
山頂駅は、標高3777メートルと書かれている。
ほとんど富士山と、同じ高さである。
山頂駅の展望台から、しばらくアルプスの山々を鑑賞する。
遠くにひときわ目立つ三角形の山は、スイスとイタリアの国境に聳えるマッターホルンだ。
ここの風景は、単なる美しさを通り過ぎて、神々しさを感じる。
ふと高等学校の学課が終わり、大学入試を待つ間、私はウォーキングが日課だった時を思い出す。
金沢の浅野川筋にあった自宅から、小坂神社まで街を歩き、神社の脇から卯辰山の尾根道を通って天神橋に降りるコースである。
戦時中の物資統制が残っていて、靴が履けず、朴歯の高下駄を履いていた。
散歩の途中にある下駄屋さんのガラス窓に、「運動靴近々入荷、申込み受付中」と張り出されていたのを、感慨深く眺めたことを思い出す。
ゴムの統制が、終戦後五年もして、昭和13年以来12年ぶりに解かれたのだった。
米の配給制も、解かれたばかりで、平和の到来を実感していた。
このコースのハイライトは、卯辰山山頂の近くから眺めた、真っ白に輝く白山連山の景色だった。
私はこの光景を、ウットリと見とれたものだ。
ちょうど「山の彼方に」と言う歌が流行していて、ひとりでに口ずさんでいた。
カール・ブッセの詩「山の彼方の空遠く幸い住むと人の言う・・・」も、好きだった。
モンブランは、周辺の山々がとげとげしいのに比べ、どっしり構えている。
王者の風格を見る。
(2011.1.27 片瀬貴文)
「ソフィーさんの旅行記」http://4travel.jp/traveler/katase/
「片瀬貴文さんの旅行記」http://4travel.jp/traveler/takafumi/
「片瀬貴文さんの記録」http://blog.alc.co.jp/d/2001114
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