楓古鎮３　人民公社跡

2010/12/03 - 2010/12/06

一介の乞食坊主から身を起こして、明の大帝国を建国した朱元璋。
彼の全国制覇時の基本戦略は「高築牆、広積糧、緩称王」
いわゆる「九字の計」
もっとも朱元璋は教養が無いただの暴れん坊なので、学者の「朱升」に教わったんだけど…
この九字の計をパクッた人がいます。
そう、我らが毛オジサン。
毛沢東は唐の太宗や宋の太祖ようにタダの暴れん坊だけでなく教養があったんですね。
曰く「深掘洞　広積糧　不称覇」（「掘る」は活字がないので当て字です）
高く築くか、深く掘るの違いは時代の違いで、主旨は同じだよね。
その、深く掘った跡が人民公社跡で見れるとあってはこりゃ楽しみじゃわい…

エリア 上海(中国)

• 旅行の満足度: 5.0
• 観光: 5.0
• 交通: 3.0

北大街を行くとこのような路地がそこかしこに。

通りは基本的に商店街です。
酒屋さんですね。
ここのお酒も紹興ほどは有名じゃないけどブランドがあるらしい・・・

あけっぴろげな歯医者さん。

道教の施王廟は通しのチケットに含まれてないのでパス…

この路地の先が丁聡漫画陳列館
現在も「小丁」の名で新聞、雑誌に風刺画を描いている丁聡。

幅広い活躍をしているようで、展示されている沢山の風刺やユーモラスな作品の他、
挿絵家として魯迅や老舎の「駱駝祥子」や「四世同堂」の挿絵の担当したと解説板にありました。

丁聡漫画館の2階からはお隣の施王廟がまる見えです。お参りは出来ないけど…

丁聡漫画館から路地に入り橋を渡って和平街に近道。

三百園に来ました。
宋代建築の大きなお屋敷です。
入るとまずあるのは灯りの博物館、百灯館。

いろんなランプが展示してありました。

中庭では…
昔、樽の輪っかでやったよね。

お次は百藍館。

百藍館は染物と籠の博物館。

そして、また中庭を隔てて百行館。
合計三百園です。

百の職業を紹介する博物館はミニチュアの人形により作業風景を展示。

さらに絵で解説。

三館とも展示物は大したものではなかったものの、建物、お屋敷は大したもので横には大きな庭が併設。

そしていよいよ人民公社！

入口にある1969年当時の張り紙が否が応でも気分を盛り上げてくれます。

まずは奥にある地下壕に直行…

ここが地下防空壕の入り口です。

では、地下に降りてみましょ

思ったより壁をしっかり構築してます。
本気だったんですね…

しかも、地下壕は相当広く公開してるのはほんの10分の1のようだ。

説明書き…
ありますねェ、「九字の計」
曰く「深掘洞　広積糧　不称覇」
（ホントは「掘」でなく「挖」だけど活字がない…）

地下に兵糧を蓄えた訳ではないよね…
食糧を蓄えるっちゅうことは経済基盤の確立・発展ということだろうけど、思い通りに行かなかったよね結局。

国防教育基地だったんでこんなのも展示されてます。
マニア垂涎のミグ１５戦闘機。

ミグって「米格」って書くんだ…

下に見えてる銃口が中国義勇軍が朝鮮戦争であの東京、名古屋を焦土と化した爆撃機B29をタジタジとさせた強力な機関砲だ…
説明書きにもあるけど37mm機関砲1門（40発）、24mm機関砲2門（160発）を武装

この後、退翼のジェット戦闘機、ミグ１５は空中戦での革命を起こしたんだよね。いわゆる「ミグ・ショック」

そして空爆に備えて59式57mm高射砲

裏庭にはこの他に毛沢東徽章記念館があります。
まず入るとおびただしい数の配給切符が展示してあり、
中年以上の人は
「あっ、これ！これ！　これ使ったねェ…」などと懐かしがることが出来ます。

ありとあらゆる切符があり、いくらお金持っててもあんまり意味なかったんですね。
統制経済や計画経済の結晶がここにあります。

90年ってそんなに昔の事ではないですよね。
新疆（ｳｲｸﾞﾙ）の切符もありました。
彼らは豚肉食べないからね…

更に奥に行くと、集めましたねェ。
楓涇在住の李さんの自慢のコレクション
ではないか…
そういう問題ではなく
毛沢東が世界の中心で光り輝いているという中華思想を表しているのだそうで…

我輩のように、ただ見て意味が分からない人の為にわざわざ解説もあります。
脱帽…

せっかく入ったんだからバッチも見なくっちゃ…

当時の腕章もありました。

さあ、いよいよ人民公社跡です。
厳密に言えば「人民公社」って農業集団組織なんで、その事務局の建物なんだろうけど…

部屋の中はいたってシンプルです。

おっ！ここは会議室ですね。

主任室です。

主任室に掲げられていたスローガン。
さすがに「造反有理」の四文字は見かけませんでした。

人民公社跡を出て白牛路までやってきた。

通しのチケットを見ると、あと２，３か所入場できる所があるけど
少々郊外に「性覚寺」というのがある。
名前に惹かれてここに行ってみる事に…

三輪リクシャで10元、10分もかからず着きました。

正確には「性覚禅寺」というようですね
入場するに3元払いました。

中は大改修中でまともに歩けません…

名前からすごいお寺かと思ったけどごく普通のお寺でした…
近くにあるﾊﾞｽｾﾝﾀｰでも嘉善行きのバスは無いので、
ちょうど来たタクシーに乗って新幹線に乗るために嘉善南駅に直行しました。